著者
横井 郁美 宗廣 明日香 森上 純子 米田 耕造 岡田 将生 濱本 有介 窪田 泰夫
出版者
The Japanese Skin Cancer Society
雑誌
Skin cancer : official organ of the Japanese Society for Skin Cancer = 皮膚悪性腫瘍研究会機関誌 (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.165-169, 2011-09-30

53歳,女性。幼小児期に左側頭部の脱毛斑に気付くも放置。49歳時に左側頭葉の脳出血を発症し,開頭血腫除去,人工骨・硬膜による再建術を受けた。この時,既に脱毛班部に径3cmの腫瘤が存在していた。当科初診時,左側頭部に6×5×1.5 cmの凹凸不整な紅色腫瘤と腫瘤から連続した黄色脱毛局面を認めた。臨床,組織学的に腫瘤はケラトアカントーマ型有棘細胞癌(KA type SCC),脱毛斑は脂腺母斑で,両者は切片上連続していた。脂腺母斑を母地としたKA type SCC(T3N0M0, stage II)と診断した。辺縁6mm離し骨膜上で切除,分層植皮術を施行。術後,緑膿菌感染を発症し保存治療を行うも効果は乏しかった。感染は人工骨・硬膜に波及し硬膜外膿瘍を形成。感染した人工骨・硬膜除去し,広背筋皮弁で再建した。経過は良好で手術1年後の現在,再発は無い。
著者
賈 梅 伊集院 葉子[訳] 窪田 藍[訳]
出版者
専修大学社会知性開発研究センター
雑誌
専修大学社会知性開発研究センター東アジア世界史研究センター年報
巻号頁・発行日
no.1, pp.115-121, 2008-03-17

文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業賈梅「唐「井真成墓誌」研究の総括」(西安碑林博物館編『碑林集刊』(十二)、陜西人民美術出版社、2006年12月)の訳
著者
松田 真一 深田 信幸 大石 昌仁 岡 宏明 原 良介 小島 愛 中野 駿 元吉 克明 五十嵐 繁樹 佐々木 裕子 亀山 菜つ子 窪田 和寛
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
pp.26.e4, (Released:2021-03-18)
参考文献数
17

保険請求データベース(DB)や電子カルテ DB 等,日常診療の情報が記録されたリアルワールドデータ(real-world data:RWD)は,薬剤疫学研究における重要なデータ源の一つである.日本において,2018年4月より製造販売後調査の新たなカテゴリーとして,医薬品の製造販売後データベース(製販後 DB)調査が追加された.以降,医薬品リスク管理計画(risk management plan:RMP)において製販後 DB 調査が計画され,製販後 DB 調査の実践が期待されているが,現時点で結果公表まで至ったものはほとんどない.一方,海外においては RWD を用いた DB 研究成果は現時点で多数報告されている.海外と日本では,DB 自体の特性(項目・構造等)の違い,医療環境・慣習の違い等を念頭におく必要はあるが,そのような前提を踏まえて海外 DB 調査論文を精読し,研究仮説,研究デザイン,手法等を吟味することは,日本における製販後 DB 調査の計画・実行・結果の解釈を実践するうえで参考価値があると考えた.本報告の目的は,海外 DB 調査論文の批判的吟味を通じて,DB 調査の特徴や注意点を考察すること,そして,日本における製販後DB 調査の実践に役立つ提言を行うことである.本稿が,今後の製販後 DB 調査を計画・実施するうえでの一助になれば幸いである.
著者
秦野 賢一 金沢 一樹 山津 健司 角田 欣一 窪田 健二 若松 馨
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第25回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.195, 2014 (Released:2014-12-16)

製糖工程で発生する廃糖蜜から回収される暗色物質(DM)の特性解析を行い、DMが金属結合活性を持つことを見出した。現在、植物と共に金属結合剤などを添加し土壌の重金属の易動性を高めることによる効率的な植物修復が研究されている。植物修復の促進剤としてのDMの可能性を検証する為に、各種重金属塩を含む寒天培地中にDMを添加することによるダイコンRaphanus sativusの成長阻害の軽減効果を調査した。軽減効果が確認されたPb2+, Zn2+, Ni2+, Cu2+に関しては、DMを含めた4種類のキレート剤による植物体のバイオマス量と金属蓄積量に与える影響についても検証した。硫酸銅添加培地では、DMのみが植物体のバイオマス量とCu2+蓄積量の両者を同時に促進することができた。このことは、銅汚染土壌における理想的な次世代型植物修復の促進剤としてDMが大きな可能性をもっていることを示唆した。
著者
窪田 英夫
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.24-32, 1962

In order to study affecting factors on development of the paralysis in polio patients, feces were collected from six paralytic polio patients and four inapparent infection cases for the virus infection. Ten strains of poliovirus type 2 were isolated from these specimens, and the difference of these strains were compared with each other in the respects of plaque size of the strains, neuroviruleuce to mice when the strains were intraspinally inoculated into mice, and the quantity of poliovirus excreted in those feces, which were indicating respectively the multiplication efficiency, the neurovirulence, and the extent of virus growth in intestinal tract of those polioviruses.<br>The results were as follows:<br>1) The quantity of poliovirus excreted in feces: The quantitative difference did not depend upon the day of illness when the materials were taken and also clinical types of infections: paralytic forms or inapparent infections.<br>2) The measurment of plaque size of the strains: Plaque size of the strains of poliovirus type 2 from the inapparent infections were 5.19&plusmn;0.37-1.75&plusmn;0.11(mm), and. that of the paralytic forms were 5.29&plusmn;0.36-1.66&plusmn;0.10(mm). These clinical forms did not differ in their range of variation.<br>3) The neuroviruleuce to mice when the strains were intraspinally inoculated into mice: When these viral strains were intraspinally inoculated into mice, there was significant difference between two groups of mice; one group which received viral strains from paralytic polio showed 23.4per cent of mortolity and the other group which was inoculated with viral strains from inapparent infections displayed only 4.3per cent of mortality. The difference can be conciderd significant.<br>From these results mentioned above neurovirulence may play the most important role to convert a poliovirus infection to clinically manifest paralytic form.
著者
菊池 由莉恵 戎井 理 大野 敬三 徳永 仁夫 明坂 和幸 上田 晃久 西原 永潤 窪田 純久 宮内 昭
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.11, pp.2425-2431, 2017-11-10 (Released:2018-11-10)
参考文献数
7

31歳,女性.Basedow病の診断で抗甲状腺薬を投与されていたが,甲状腺機能正常化せず,当院受診.syndrome of inappropriate secretion of thyroid stimulating hormone(SITSH)の状態で,TR(thyroid hormone receptor)β1遺伝子解析の結果,甲状腺ホルモン不応症と診断し,抗甲状腺薬を中止した.甲状腺ホルモン不応症の約3分の1の症例がBasedow病と間違えられ,適切でない治療を受けておりSITSH所見を診た際は,甲状腺ホルモン不応症を念頭に置く必要がある.
著者
窪田 稔
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.565-570, 1970-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
2

プラスチックは石油化学の生んだ合成資材であるから, 情報化社会が進むにつれその時代が要望するV. A効果をピタリ包含した新しい製品を次から次と発表, 市販できるものであリ, まさに21世紀の材料として包装, 運搬, 容器革命の担い手と目されるものである。ここにプラスチックを材質別に解説し, その主たる用途と経済性を考えてみた。
著者
高梨 遼太朗 黒瀬 武史 窪田 亜矢 中島 伸 西村 幸夫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1266-1272, 2015 (Released:2015-11-05)
参考文献数
25

人口減少時代において、インフラ撤退地区の将来像を描かず、空き地空き家を上手く利用しようとしているグラスルーツ活動と乖離しているコンパクトシティ計画やマスタープランの現状への問題意識から、デトロイト市にてグラスルーツ活動の支援を行っている慈善財団主導で計画されたDetroit Future Cityという全市的計画の分析を行った。 1)デトロイトの都市計画の長期展開と2)グラスルーツ活動の変遷を、文献とヒアリング調査から明らかにすることで、それまでの都市計画から地と図の反転があり、「地区単位の積極的非都市化」が行われていて、その転換が非営利セクターの相互作用によって成長したグラスルーツ活動から着想していたと考察した。
著者
井上 晴可 窪田 諭 今井 龍一 田中 成典 重高 浩一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_152-I_168, 2015 (Released:2016-03-30)
参考文献数
20

スマートフォンを利用すると高精度な位置情報を容易に取得できるため,災害対応や交通などの分野で位置情報の利活用が期待されている.特に,災害時には,利用者がリアルタイムに正確な位置情報を知る必要がある.しかし,個々のスマートフォンのGPSセンサから取得される位置情報は,周囲の環境や機種で異なるため,精度にばらつきが生じ多くのノイズが含まれる.大規模なプローブパーソンデータを解析することにより,前述の課題に対処することが可能であるが,緊急を要する場合においてはリアルタイム性に欠ける.本研究では,スマートフォンで取得したパーソントリップデータからリアルタイムに信頼性の高いGPSデータを取得するために,3次元の位置情報を対象にノイズを除去する手法を提案する.
著者
窪田 康平 筒井 義郎
出版者
日本ファイナンス学会 MPTフォーラム
雑誌
現代ファイナンス
巻号頁・発行日
vol.25, pp.23-51, 2009

<p>本論文の目的は,業界団体が実施したアンケート調査を用いて,日本の消費者金融市場の競争度を計測することである.まず,費用関数を推定し,大きな規模の経済性を確認した.市場の競争度については,ラーナー指数,市場均衡タイプ,結託度,H統計量を推計し,どの方法によっても,消費者金融市場が独占的であることを明らかにした.また,金利競争も店舗展開を通じた数量競争も行われていないことを確認した.さらに,消費者金融市場が独占的となる理由を分析し,新規顧客の市場においては,情報の非対称性,上限金利規制,借り手の双曲割引によって特徴づけられ,このことが市場を独占的にしていることを指摘した.一方,既存顧客市場においては,貸し手を変更することに伴うスイッチングコストが市場を独占的にしている可能性を明らかにした.これらの結果は消費者金融業の競争政策を議論する上で重要な知見である.</p>