3 0 0 0 OA アメリカ空路

著者
若杉 雄三郎[作詞]
出版者
キングレコード
巻号頁・発行日
1950-09
著者
チョードリ バズル ラッシド 若林 久嗣
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.231-235, 1988-12-15 (Released:2009-10-26)
参考文献数
7
被引用文献数
8 20

蒸留水にNacl 0.03%, KBl 0.01%, CaCl2・2H2O 0.002%, MgCl2・6H2O 0.004%を溶解した調合水におけるF. columarisの生存率は高圧滅菌水道水のそれと同様にきわめて高かった。調合水の各陽イオンの濃度はそれぞれの単独溶解液でのF. columnarisの生存性の最も良かった値であるが, 単独溶解液よりも調合水における生存性の方が明らかに良好であった。これらの実験の結果, 調合水ならびに高圧滅菌水道水は長期間の生存を支持することがわかった。
著者
若林 芳樹 久木元 美琴 由井 義通
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

2012年8月に成立した子ども・子育て関連3法に基づいて,子ども・子育て支援新制度(以下,「新制度」と略す)が2015年4月から本格施行された.これにより,市区町村が保育サービスを利用者へ現物給付するという従来の枠組みから,介護保険をモデルにした利用者と事業者の直接契約を基本とし,市区町村は保育の必要度に基づいて保育所利用の認定や保護者向けの給付金を支払う仕組みへと転換した.また,待機児童の受け皿を増やすために,保育所と幼稚園の機能を兼ねた認定こども園の増加や,小規模保育所や事業所内保育所などの「地域型保育」への公的助成の拡大が促進され,保育サービスのメニューも広がった(前田, 2017).しかしながら,こうした制度変更の影響について地理学的に検討を加えた例はまだみられない.そこで本研究は,新制度導入から3年目を迎えた現時点での保育サービス供給の変化と影響について,若林ほか(2012)がとりあげた沖縄県那覇市を中心に検討した.<br><br> 新制度では,認可保育所などの大規模施設で実施される「施設型保育」に加えて,より小規模な「地域型保育」も公的補助の対象になった.このうち「施設型保育」については,認可保育所以外に認定こども園の拡充が図られている.2006年から幼児教育と保育を一体的に提供する施設として制度化された認定こども園は,制度や開設手続きの複雑さなどが原因となって普及があまり進んでいなかったが,新制度では幼保連携型認定こども園への移行を進める制度改正が行われた.その結果,2019年4月における保育の受け入れ枠の14%を認定こども園が占めるようになった.<br><br> 一方,「地域型保育」には,小規模保育(定員6~19人)・家庭的保育(定員5人以下)・事業所内保育・居宅訪問型保育があり,主に0~2歳の低年齢児を対象としている.これらは,住宅やビルの一部を使って実施されるため,従来の認可保育所に比べて設備投資が小さくて済み,小規模でも公的補助が受けられる.そのため,用地の確保が困難なため認可保育所で低年齢児の定員枠の拡充が難しい大都市では,待機児童の受け皿となることが期待されている.この他にも保育士の配置などで認可基準が緩和され,公的補助のハードルが全体的に低くなっている.その中でも小規模保育は,新制度への移行後の保育枠の増加に大きく寄与している.<br><br> 新制度に対応した那覇市の事業計画では,需要予測に基づいて2017年度末までに約2500人の保育枠を増やすことになっている.そのために,認可外保育所に施設整備や運営費を支援して認可保育所に移行させ,認定こども園や小規模保育施設を新設するとともに,並行して公立保育所の民営化を進めることになっている.工事の遅れや保育士不足などによって,必ずしも計画通りには進んでいないものの,地方都市では例外的に多かった同市の待機児童数は,2018年4月から1年間の減少幅では全国の自治体で最も大きかった.これは,保育所定員を2443人増やした効果とみられるが,依然として200人(2017年4月)の待機児童を抱えている.<br><br> 新制度実施前の那覇市では,認可外保育所が待機児童の大きな受け皿となっていた(若林ほか, 2012).保育の受け入れ枠を拡大するには,それらの施設の活用が考えられるため,認可外保育所の代表者6名にグループインタビューを行ったところ,認可外保育所の対応は3つに分かれることがわかった.比較的大きな施設は,施設を拡充したり保育士を増やすなどして認可保育所への移行を図っているが,規模拡大が困難な施設は小規模保育として認可を受けるところもある.しかし,認可施設に移行すると既存の利用者の多様なニーズに柔軟に応えられなくなる恐れがあり,保育士の増員も困難なため,認可外にとどまる施設も少なくない.<br><br> また,事業所内保育施設については,市が施設整備費補助制度を設けていることもあって増えている.そこで新規に認可を受けた事業所内保育所2施設に対して聞き取りを行った.A保育所は,都心からやや離れた場所にある地元資本のスーパー内の倉庫を改装して使用し,運営は県外の民間業者に委託している.利用者は事業所従業員と一般利用が半数ずつを占める.B保育所は,風営法により認可保育所が立地できない場所にある都心部のオフィスビルに1フロアを改装して新設されている.定員のうち従業者の利用は少なく,大部分は地域枠として募集しているが,入所待ちの児童もあるという.これらの小規模保育施設に共通することとして,2歳児までしか受け入れ枠がないため,3歳児から移行できる連携施設を近隣に確保するのが課題となっている.
著者
若山 滋 今枝 菜穂 夏目 欣昇
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.626, pp.875-881, 2008-04-30 (Released:2008-08-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1

This paper discusses architectural space in the movies of German expressionism. German expressionism was a trend of art that existed in German during the early 20th century. This art movement did not have clear order of artistic activities like the Italian Futurism, but was mainly involved with the expression of the inner mind of artists. This trend of art can be seen in the movies of that period. The architecture that appears in those movies reflects form expression by the architects of that time.In this research, we clarified the mode of space expression in the movies by analyzing the form and characteristics of architectural space that appear in the post first world war movies.Our results showed that large space, architectural forms and daily commodities were used in space expression.This mode of space expression played the role of emphasizing the anxiety and the opposition that people had for the society at that time.
著者
土屋 公幸 若菜 茂晴 鈴木 仁 服部 正策 林 良博
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.227-234, 1989
被引用文献数
5

We studied twelve individuals of Ryukyu spiny rats, Tokudaia from Amamioshima Is.(T.o.osimensis). and Tokunoshima Is.(T.sp.). Each individual was examined for chromosome, serum protein, mitochondrial DNA and ribosoma1 DNA polymorphism. The karyotypes were analyzed by the G-banding staining method. The diploid chromosome number of Tokudaia obtained from Amamioshima and Tokunoshima were 25 and 45 respectively in lung tissue culture preparation. Agarose-gel electrophoretic analysis of the serum protein was used to document relationship between two species. Totally three bands of transferrin (Tf) protein were observed on agarose ge1. Tf^a and Tf^b type were seen in T.o.osimensis and Tf^t and Tf^b type in T.sp. The serum albumin patterns of these rats were not identical. The cleavage patterns of mitocondoria1 DNA (mtDNA) from two Tokudaia species were investigated using several restriction enzymes. The sequence divergence between T.o.osimensis and T.sp. about 16.2% was estimated. Genetic differentiation of ribosomal DNA (rDNA) non-transcribed-spacer sequences was analyzed in the two species. Southern blot analysis with a mouse rDNA probe and some restriction enzymes revealed that the major restriction fragments of these Tokudaia species had a unique pattern in the spacer region. The divergence time between T.o.osimensis and T.sp. was calculated about 2&acd;4 million years. Based on the significant genetic divergence shown we conclude that T.sp. is a taxonomically from T.o.osimensis.
著者
若林 克法 草部 浩一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.344-352, 2008-05-05
参考文献数
57

サッカーボール状分子C_<60>,炭素ナノチューブの発見は,その興味深い形状と多彩な電子状態から,物理,化学,工学の各分野から強い関心を巻き起こし,ナノスケールにある炭素物質は,今やナノサイエンス/ナノテクノロジー研究における代表的な物質としての地位を占めている.最近では,グラファイトから一原子層のグラファイトシート(グラフェン)を引き剥がして得たサンプルにおいて,従来の2次元電子系とは異なった電子輸送特性が測定されたことを契機に,グラフェンの特異な電子状態を利用した電子デバイスの研究が精力的に行なわれている.本稿では,グラフェンにおけるメゾスコピック効果に着目し,ナノスケールにあるグラフェン,つまりナノグラフェンには端の形状によって特異な電子物性が現われることを概説する.
著者
福澤 めぐみ 中島 彩香 若山 遥
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.151-157, 2018-12-25 (Released:2019-03-03)
参考文献数
15

シカ副産物(「大腿骨」、「肋骨」、「角」)に対するイヌの嗜好性を評価した。健康な成犬8頭(47.38 ± 36.80ヶ月齢、21.4 ± 9.78kg)に対して、3種類のシカ副産物を3分間提示した。嗜好テスト中の各副産物はケースに封入され、イヌは各副産物の特徴を視覚と嗅覚から入手することは可能だったが、直接の接触はできなかった。各副産物摂食経験による嗜好変化を検討するため、嗜好テストは摂食経験前および後、それぞれ3反復実施した。嗜好テスト中の行動(6項目)、副産物を封入したケース破壊の有無、副産物到達時間をそれぞれ連続記録した。探査行動の発現時間から、摂食経験前は「肋骨」や「角」よりも「大腿骨」に興味を示した。また、「角」への興味は反復に伴い低下した。摂食経験後もイヌは「肋骨」と「角」よりも「大腿骨」に興味を示し、到達時間は有意に短縮した。ケース破壊行動からは、「大腿骨」よりも「肋骨」への嗜好が高まったと考えられた。これらのことより、イヌのシカ副産物の外観に対する嗜好は摂食経験によって変化することが明らかとなった。
著者
若尾 勝 福光 英彦 田中 勇治 徳村 拓哉 星 虎男
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.377-381, 2014 (Released:2014-07-03)
参考文献数
20
被引用文献数
3

〔目的〕座位能力,摂食・嚥下機能および尿失禁の間の関連性を分析することである.〔対象〕入院中に理学療法を実施した患者128名とした.〔方法〕座位能力,摂食・嚥下機能,尿失禁の有無について理学療法評価および看護師記録等から記録し,これらのうち2つの間の関連性をすべての組み合せについて分析した.〔結果〕座位能力分類1および2と対応する座位能力分類3では摂食・嚥下レベルが低く,座位能力分類と10段階摂食・嚥下グレードも同様であった.また,座位能力が低いと尿失禁が多くみられ,尿失禁の有る群は摂食・嚥下レベルが低かった.一方,座位能力分類1では,摂食・嚥下機能が良好で,尿失禁が少ないことが判明した.〔結語〕摂食・嚥下機能および尿失禁の改善には,まず座位能力の改善が重要である.
著者
若井 勲夫
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.464-416, 2014-03

江戸時代後期に院雑色を務めた座田維貞は現在、忘れられてゐるが、幕末のころ、実務に長けた官人でありながら、儒学と国学を兼ねた学者にして、尊皇思想の実践家として重要な働きをした。その立場上、表立って指導していくことはなかったが、時の関白や大臣、また公卿の間を取り持ち、時には利用し、事を処理していく実務面に能力を発揮した。今まで維貞についてまとまった伝記類はなく、不明な点も多かった。そこで、本稿は数少い史料に基づき、二十五年に亘る活動期の中から重要な働きを取り上げ、事績とともにその思想と精神を明らかにしようとした。明治維新に至る前段階の裏方の魁として、維貞を評価することに歴史的な意義が認められる。主な論点、要点は次の通りである。 (1)自著の『国基』(天保八年刊、安政二年再刊)は儒教を必ずしも排斥せず、水土論によってわが国体の独自性、主体性を説いた。この書は当代だけでなく、明治から昭和前期まで思想的な影響を与へた。(2)弘化三年に公家の子弟の学問のため学習所(後の学習院)が設置されると同時に雑掌に就き、庶務を担当した。後には講読の手伝ひも兼ねて、教学にも携はった。(3)菅原道真作と伝へられてきた『菅家遺誡』に付け加へられた二章の普及に力を入れた。その上、この要言を刻んだ石碑を北野天満宮と大坂天満宮に建て、和魂漢才碑として広く知られるやうになった。また、この摺本を販売し、和魂漢才が思想として定まる端緒になった。(4)右の(1)の普及と(2)(3)の活動は維貞の独力でなされたものではなく、関白、大臣、法橋、北野寺の僧など周辺の人々が組織的に動いたことにもよる。この協同があったからこそ、当時の思想を導くことができた。(5)和気清麻呂の功績を讃へ、その顕彰に志し、嘉永二年に「和気公追褒の建議」を奏上し、その翌々年、孝明天皇は、神護寺内の清麻呂の霊社に正一位護王大明神の神階神号を授けられた。さらに、清麻呂を評価する「和魂漢才實事篤行」碑を建立した。(6)同じころ、伝清麻呂真筆とされる「我獨慙天地」が世に出て、摺本として広がっていった。これについて、この書は真筆ではなく、維貞が造語して自ら筆を取ったのではないかと推定される。(7)五十代後半の安政年間、維貞の名が知られるにつれ、その人物を評価する正反対の見方が出てきて、身辺が緊迫してきた。維貞は真面目な吏職であるが、立場上、動きにも制限があり、世を動かすには上層部に取り入る必要もあった。そのことから誤解されることもあったであらう。(8)維貞の書いた文書類だけでなく、和歌、漢詩も収集できたものはすべて掲げ、解説した。
著者
若宮 由美
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.11, pp.157-169, 2011-12

In 1894 the ballet "Rund um Wien" was composed by Josef Bayer in order to celebrate the 50th anniversary of the musician life of Johann Strauss junior, and performed in the Viennese Court Opera. The 3rd scene of this ballet consists of the motifs of Strauss. On October 13 of the premiere the applause to Johann Strauss did not die down after the end of the 3rd scene. The music of the 3rd scene is contained in melodies of Johann Strauss's "Sinngedichte" op.1 and the other early works. These quotations praised the starting point of Johann Strauss. Also after that, this work continued being performed at the Viennese Court Opera over ten years. The ballet may have been revised after the premiere.
著者
若井 尚子
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.7, pp.78-87, 2012-04-25
著者
若林 三千男 大場 秀章
出版者
Japanese Society for Plant Systematics
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-27, 1995-07-28 (Released:2017-09-25)
参考文献数
16

ホクリクネコノメの仲間(ホクリクネコノメ群)のホクリクネコノメとボタンネコノメソウは深山の渓流沿いなどの湿った場所に生え, 春先に花を咲かせる多年性草本で, 主として本州の日本海側寄りに分布している。ボタンネコノメソウはホクリクネコノメの分布域よりやや南側に生育し, 大井次三郎博士によって1933年, 種として記載されたが, 現在ホクリクネコノメの変種として扱われている。両者は主に, 花柱と雄しべが萼片より超出するか, またはそれより短いかで識別されるが, それらの変異についてはまだ詳しい解析はなされておらず, 変種関係とする理由も明らかにされていない。また両者の分布についても, 原(1957)および原と金井(1959)によって当時点での概略が示されているが, その後の詳しい研究はなされていない。最近, 岐阜県高山市在住の長瀬秀雄氏は, 飛騨地方一帯に変わったボタンネコノメソウがあることを発見された。私達はその実態を把握するため, 氏の案内で現地調査をする機会を得た。その結果, 花柱や雄しべが萼片より超出しない点はボタンネコノメソウに似ているが, 花はそれよりかなり大きく, 葯は赤色で萼が黄色を帝びるなとボタンネコノメソウとはかなり異なる特徴を示すことが確認された。さらにこの植物の分類学的位置づけを明確にするため, ホクリクネコノメ群全般にわたり, 花, 〓果, 種子表面の形態, 及び核型の変異を解析するとともに, 詳細な分布調査を行った。その結果, 上記の植物は, ホクリクネコノメとボタンネコノメソウと同様に2倍体(2n=22)で倍数性の変化はみられなかったが, 核型では一対の次端部動原体型染色体に付随体がある点でそれらと異なっていた(Fig.7)。また形態的には雌しべの形状や長さ, 雄しべの長さや葯と花糸の長さの比率など(Figs.1-3)でホクリクネコノメやボタンネコノメソウと明確なギャップがあり, 新分類群と認められた。特に〓果の形態では, 宿存する花糸は萼片と同長かわずかに短い点(Fig.4)で乾燥標本でも容易に識別できる。私達はこれにヒダボタンという和名をつけた。ヒダボタンのこれらの特徴はこれまで見過ごされてきたもので, ボタンネコノメソウと混同されていたと考えられる。また, ホクリクネコノメとボタンネコノメソウの間には上記の特徴では著しい差異があり, それぞれを変種関係とする形態学的証拠は見当たらなかった。さらに両者は異所的な分布圏をもち, まれにそれらが接する所では同所的に生育していることが分かった。これは生殖的隔離の存在を示唆するもので, 形態的ギャップと考え合わせると両者は既に種レベルまで十分分化したものと考えられる。ボタンネコノメソウは種として扱うべきだろう。これに伴い, ヒダボタンも種として扱うのが自然である。ヒダボタンも, ボタンネコノメソウとまれに混在して生育している所があり, まれに雑種と思われるものがあってもその花粉稔性は低い。ホクリクネコノメと同所的に生育している所でもそれぞれの種の特徴ははっきり維持されている。生殖的隔離が存在していると考えられる。最初に発見した長瀬氏の名にちなみ, ヒダボタンを新種Chrysosplenium nagaseiと命名・記載した。ヒダボタンは地域によって変異がみられるが, 種としては岐阜県中部を中心にした地域及び伊吹・鈴鹿山地に沿って南は三重県の野登山まで生育しており, 中国地方の山地にも散在的に分布する(Fig.8b)。岐阜県の西北部や滋賀県東北部(伊吹山地の西麓)には, 葯が黄色で萼も黄色または黄緑色で, 外観はボタンネコノメソウの品種キンシベボタンネコノメソウに似ているが, はっきりとしたヒダボタンの仲間が分布する。ヒダボタンより花がやや小さく, 分布的にもまとまっているのでこれを新変種ヒメヒダボタンvar.luteoflorumとした。また, 岐阜県西部の伊吹山地東麓, 養老山地, および霊山から野登山までの鈴鹿山地に分布しているものは, 外観は典型的なボタンネコノメソウとよく似るが, これもはっきりとしたヒダボタンの仲間である。ヒダボタンとは萼が赤褐色で花はそれよりずっと小さい点で異なっており, 新変種アカヒダボタンvar.porphyranthesと命名・記載した。中国地方に散在的に分布しているヒダボタンは, 現時点では標本によってのみ検討されたものなので, その実態については今後の調査を待ちたい。ヒダボタンの花や〓果は, ボタンネコノメソウとホクリクネコノメのものとの中間的な形態である。また, ヒダボタンは, ボタンネコノメソウとホクリクネコノメの分布域の間に位置するような分布をしている。これは, ヒダボタンがボタンネコノメソウとホクリクネコノメの間の雑種起源であるという可能性を示唆するものであるが, このことについてはさらに詳細な遺伝的解析が必要である。今回の研究でボタンネコノメソウとホクリクネコノメについても従来より詳細な分布状況を把握することができた。ボタンネコノメ
著者
若井 暁
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.515-520, 2015-07-20 (Released:2016-07-20)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

微生物が金属材料を腐食する現象は,古くから微生物腐食として知られている.微生物腐食は,正に金属が患う微生物感染症と言える.1934年に微生物腐食に関する仮説が提唱されて以来,多くの研究者がこの問題に取り組んできた.しかし理論だけが先行し,疾患の原因とも言える腐食原因菌はなかなか同定されず,そのメカニズムも解明されていなかった.そのようななか,2004年Nature誌に新規腐食原因菌が報告されたことを端緒に,この10年間で次々と新規腐食原因菌が見つかり,研究が飛躍的に進んでいる.本稿では,微生物による金属腐食現象を微生物が引き起こす金属の感染症として捉え直し,今何が不足し,今後何を明らかにしていかなければならないのか解説する.
著者
阿部 智 木村 真知子 若吉 浩二 石川 元美 小畑 治 高橋 豪仁
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 人文・社会科学 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.169-179, 2008-10-31

The purpose of this study was to investigate the change in physical fitness of elementary school children who participated in the long term sports classes using Ballschule program that has received high evaluation in Germany, and to compare the physical fitness and exercise habits of the children and that of those who had not participated in the classes. In addition, the aim of this study was to examine the effects of Ballschule program on the growth of child, and to obtain basic data to make a physical fitness program for elementary school children. First, a total of 47 children, the 2nd and 3rd grade, practiced in sports classes of Ballschule, participated in a sports class held over the long term. There was the improvement with physical fitness and balance in the total score of the physical fitness test. Next, In the comparison of a total 34 children of the 2nd, 10 children who had participated in sports classes of Ballschule and 24 of children who had not, it is confirmed that the total coordination score of Post-test was higher than that of Pre-test in the former children. As a result, it is suggested that the improvement of the physical fitness was caused by the long-term Ballschule program. We could consider Ballschule program as an effective training program, and furthermore we need to examine the validity of Ballschule program as school education. This study elucidated the importance that we should take unspecialized physical fitness program such as Ballschule for developing children. However, it is necessary that we demonstrate the effects of the Ballschule program by using other factors of physical fitness besides ability of coordination that have been central in test heads. And then, a program of Ballschule suitable for Japanese original social context must be suggested and practiced so that Ballschule will be familiarized, applied and practiced in various occasions.
著者
若林 一郎
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.34-45, 2011-03-10 (Released:2011-03-18)
参考文献数
52

Light-to-moderate alcohol drinking reduces the risk of atherosclerotic diseases such as coronary heart disease, ischemic-type stroke, and peripheral artery disease through the anti-atherosclerotic and anti-thrombotic effects of alcohol. These beneficial effects of alcohol are explained mainly by its blood lipid-improving actions, such as HDL cholesterol-increasing and LDL cholesterol-decreasing actions, and by its blood coagulation-suppressing actions, such as platelet aggregation-inhibiting, blood fibrinogen-decreasing, and plasminogen activator-increasing actions. These biological actions of alcohol are thought to be independent of the type of beverage and to be due to ethanol itself. On the other hand, excessive drinking and binge drinking increase the risk of hypertension, hemorrhagic-type stroke, arrhythmia, and cardiomyopathy. The guidelines of the international and Japanese societies of hypertension recommend that alcohol intake should be restricted to less than two drinks (24 g ethanol) per day in men and one drink (12 g ethanol) per day in women. Alcohol drinking should never be recommended for promotion of health in those who are currently nondrinkers since there is no way of predicting the future likelihood of excessive drinking and addiction. Moreover, individual background factors such as age, gender, body weight, history of smoking, history of hypertension therapy, and polymorphism of alcohol-metabolizing enzymes should be taken into account when considering alcohol intake volume suitable for each individual. The etiology of alcohol-induced hypertension and cardiomyopathy remains to be clarified. Future studies are also needed to determine whether light-to-moderate alcohol drinking is permissible in persons with atherosclerotic disease and in persons with risk factors for atherosclerosis.
著者
横光 健吾 金井 嘉宏 松木 修平 平井 浩人 飯塚 智規 若狭 功未大 赤塚 智明 佐藤 健二 坂野 雄二
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.354-360, 2015 (Released:2015-10-25)
参考文献数
23
被引用文献数
4 5

This study explores the psychological effects that Japanese people experience when consuming their “Shikohin”, such as alcohol, tea, coffee, and tobacco. We conducted a cross-sectional study among 542 people, from 20-to 69-year-old, who regularly consumed any one of “Shikohin” in Tokyo, Kanagawa, Saitama, and Chiba. The participants responded to an anonymous questionnaire concerning the consumption patterns of their “Shikohin” and the psychological effects that they experienced in taking in their “Shikohin”. Results obtained using the K-J methods showed three common psychological effects in each “Shikohin”. These effects included an increase in relaxation response, the promotion of social relationships, and an increase in positive mood. Our findings suggest that Japanese people may get some common effects through consumption of different “Shikohin”.
著者
若宮 悠希 砂山 渡 畑中 裕司 小郷原 一智
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3F1OS12a03, 2018 (Released:2018-07-30)

近年,SNSが広く普及したことにより,ネットワークを通じて様々な人間と気軽に交流を行えるようになった. 円滑な交流を行うためには,相手の性格を理解し,受け入れる必要がある. しかし,SNS上では文章のみのやり取りになるため,十分に理解することは容易ではない. そのため,文章の特徴から著者の性格を推定することができれば,その結果を元にして交流相手を理解することがより簡単となる. そこで本研究では,代表的なSNSのひとつである,Twitterユーザを対象として,ユーザがSNS上に投稿した文章集合から,ユーザの性格を深層学習を用いて推定した結果を利用者に提示するシステムを構築することを目的とする. 人間の性格を複数の構成要素から成るものとして,それぞれの要素について深層学習により分類ネットワークを構築し,推定システムを開発した. 各要素の推定結果に対して,複数人の協力により作成した正解データを元に評価を行った結果,高い適合率,再現率を示し,十分な妥当性を確認することができた.
著者
物性若手グループ事務局
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.258-266, 1967-07-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。