著者
三好 茂樹 河野 純大 西岡 知之 加藤 伸子 白澤 麻弓 村上 裕史 皆川 洋喜 石原 保志 内藤 一郎 若月 大輔 黒木 速人 小林 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.9, pp.2236-2246, 2008-09-01
被引用文献数
14

近年,高等教育機関へ進学する聴覚障害学生が増加している.講義中,講師等の発話内容を正確に知らせるために手話通訳やリアルタイム字幕などの情報保障は,それらの学生にとって必要不可欠である.我々は,聴覚障害者のための遠隔地から支援が可能なリアルタイム字幕提示システムを開発している.特殊なキーボードを用いて文字入力を行う速記タイピストがこのシステムを利用することによって遠隔地からリアルタイムに講師の発話内容を字幕化して聴覚障害学生のいる教室へ送り,講義の支援を実施できるようになる.しかしながら,情報科学等の専門性の高い講義内容を正確にリアルタイムで字幕化することには,専門的な知識,特に専門用語の問題があり困難を伴う.そこで本研究では,1台のDVカメラで撮影される講義室側のビデオ映像を数種類用意し,それらの映像を遠隔地にいる字幕作成中の速記タイピストへ提示した.その結果,速記タイピストにとって発話者である講師及び視覚的な提示資料(マイクロソフト社製パワーポイント資料や板書)を含むビデオ映像が,字幕作成者から最も望まれる映像情報であることが分かった.
著者
西岡喬
出版者
三菱重工業
雑誌
三菱重工技報
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, 1998-09
著者
後藤 太一郎 西岡 正泰 富野 孝生
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.101-109, 2003-03

三重大学教育学部理科教育講座において、2002年度にフレンドシップ事業として「夏休み・子ども科学教室」を津市内の小学校5・6年生46名を対象に行った。児童には、2日間で物理・化学・生物・地学の4分野の実験を体験させるプログラムを作成し、理科教育コースの学生1・2年生が指導に当たった。アンケート結果から、児童には好評であり、実験は児童の今後の学習に役立つと考えられる。学生の多くは、この教室が子どもへの理解、教員への自覚、および他者との関係につながったと回答していたが、企画・運営に関する取り組みは低かった。理科に強い学生を育てるための一環として、フレンドシップ事業を進めるための今後のあり方について考察した。
著者
勝野 眞吾 鬼頭 英明 西岡 伸紀 三好 美浩 和田 清 吉本 佐雅子 尾崎 米厚 永井 純子
出版者
岐阜薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

若者の喫煙,飲酒を含む薬物乱用は変化するので繰り返し調査をしてモニタリングを行うことが必要である.本研究では,日本とアジアの青少年の薬物乱用の実態を調査し,データ・アーカイブを構築した.得られた結果は以下のようである.(1) 日本の青少年の喫煙,飲酒経験は連続して低下しており,2009年の時点でのこれまで1度でも喫煙経験した者の割合は13.1%,飲酒生涯経験率は56.7%であった. (2) 何らかの違法薬物を一度でも経験した者は2009年,男子1.1%,女子で0.6%であった. (3) 日本を含むアジア諸国の青少年の違法薬物乱用経験は欧米に比べて著しく低い. (4) 日本の高校生のほとんどは,薬物乱用の危険性をよく理解し,乱用に拒否的な態度を もつ. (5) 以上をまとめデータ・アーカイブを構築するとともに,その重要性を指摘した.
著者
西岡 啓二
出版者
慶應義塾大学湘南藤沢学会
雑誌
Keio SFC journal (ISSN:13472828)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.126-129, 2007

自由論題研究ノートA theorem analogous to Picard's theorem on representation of a plane algebraic curve of genus greater than 1 with meromorphic functions will be proved. Its enunciation will be done for elements in a Fuchsian extension defined in this note instead of considering for meromorphic functions. As seen straightforwardly, a differential extension generated with solutions of linear ordinary differential equations turns out to be Fuchsian, hence the theorem deduces a corollary that solutions of linear ordinary differential equations substaintially satisfy no Fermat equations. 種数>1の平面代数曲線の有理型関数による表現に関するピカールの定理の類似が証明される。命題は有理型関数に対してではなく、このノートで定義されるフックス拡大の要素に対して記述される。線形常微分方程式の解で生成される微分拡大はフックス拡大であり、この定理は系として、線形常微分方程式の解はフェルマ方程式を本質的に満足しないという結果を導く。
著者
岡野 光博 西岡 慶子 永野 稔明 太田 伸生 増田 游
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.1179-1184, 1994
被引用文献数
5

春期花粉症患者を対象にヒノキ AlaSTAT検査を行い, 春期花粉症におけるヒノキ科花粉およびヒノキ特異的IgE抗体の臨床的意義について考察した. 1993年2月から4月に飛散した春期花粉は 1,802.8個/cm^2で, スギに対するヒノキの飛散割合は1 : 1.83に達した. アレルゲン特異的IgE抗体陽性率(スコア1以上)はスギが83.5%, ヒノキが80.0%であった. 76.4%がスギ・ヒノキの両者に陽性となり, 12.7%がスギにのみRAST陽性となった一方, 7.9%はヒノキに対してのみIgE抗体価が陽性であった. ヒノキAlaSTAT単独陽性患者群の臨床症候には平均罹病期間が短く, 重症度は中等症以下である傾向がみられた. ヒノキの優勢飛散期である4月に受診したものは, 3月以前の受診患者と比較して有意に高いヒノキAlaSTATスコアを呈した (p<0.05).
著者
新小田 春美 末次 美子 加藤 則子 浅見 恵梨子 神山 潤 内村 直尚 樗木 晶子 西岡 和男 大久保 一郎 松本 一弥 南部 由美子 加来 恒壽
出版者
福岡医学会
雑誌
福岡醫學雜誌 (ISSN:0016254X)
巻号頁・発行日
vol.103, no.1, pp.12-23, 2012-01-25 (Released:2013-06-19)

Purpose : To find the relationship between parents' sleeping and living behaviors and their children's sleeping habits, and to investigate factors specifically related to children staying up late in recent Japan. Methods : During regular health check-ups of children at three local health centers in the city A, we recruited the parents of one-and-half-year-old and three-year-old children to participate in the Child Sleep Cohort Project (ChiSCoP). Parents of 184 children who consented to participation were mailed three questionnaires by placement method. These are "sleeping diary for 10 days," "sleeping and lifetime rhythm survey," and "emotional behavior assessment scale (CBCL : Child Behavior Checklist 2rd/3rd edition)," of which valid data on 178 children were collected over two years and analyzed. Analysis : Participants' demographic data, perceived and actual sleeping and living habits, and bedtime patterns were compared among the groups classified by bedtime of children. Bedtimes were classified as early (before 21 : 00), normal (21 : 00 to 21 : 59), and late (after 22 : 00). Using one-way analysis of variance with two (early vs. late) and three bedtime categories, significant differences were found among the three bedtime categories about childcare environmental factors (meal, daytime activity, TV, nap, and bath). So we performed logistic regression analysis with "late bedtime" as the dependent variable and scores of environmental factors (upper or lower than median values) as independent variables in a stepwise manner to eliminate collinear variables and to obtain adjusted odds ratios. Results : 1) Among the 178 children, 96 and 82 were recruited during the physical check-up for one-and-half-year-old and three-years-old, respectively. There were 49, 72, and 57 children in the early, normal, and late bedtime groups, respectively, and no significant difference in attribute factors was found. 2) In children of the early bedtime group, proportions of those with "efforts to establish good life rhythm" (P < 0. 0001), "efforts to cultivate sleeping habits" (P < 0. 0001), and "keeping a regular bedtime" (P < 0.05) were significantly higher, as well as for children who had more than 105 minutes of "daytime nap" compared to children who had less (P < 0.05). 3) Children's bedtimes were significantly correlated with "mother's wake-up time on weekdays" (r = 0. 33) and "mother's bedtime on weekdays" (r = 0. 33). Children's wake-up times were also correlated with "mother's wake-up time on weekdays and weekends" (r = 0. 49) and "mother's bedtime on weekdays" (r = 0.34), which indicates that children's wake-up times had relationship with mother's sleeping and life habits. 4) Later "wake-up time on weekends" (odds ratio = 4.9) and "regular bedtime hour" (odds ratio = 3.53) were found to be the determinant of late bedtimes of children. Conclusions : To encourage earlier bedtimes in children, it is important to take he mother's sleeping and living habits into account and to maintain a regular wake-up and bedtime schedule across weekdays and weekends.
著者
松田 りえ子 佐々木 久美子 酒井 洋 青柳 由美子 佐伯 政信 長谷川 康行 日高 利夫 石井 敬子 望月 恵美子 山本 敬男 宮部 正樹 田村 征男 堀 伸二郎 池辺 克彦 辻 元宏 小嶋 美穂子 佐伯 清子 松岡 幸恵 西岡 千鶴 藤田 久雄 城間 博正 大城 善昇 豊田 正武
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.18-23, 2001-02-25 (Released:2008-01-11)
参考文献数
7
被引用文献数
8 7

1996年から1998年に, トータルダイエット試料中のアルミニウム濃度を測定しアルミニウムの一日摂取量を推定した. 10か所の機関でトータルダイエット試料の調製及びアルミニウム濃度の測定を行った. アルミニウムの一日摂取量は平均3.5mgであり, 範囲は1.8mgから8.4mgであった. 分析結果の正当性は, 認証標準試料の分析により保証された.
著者
西岡 俊久 小林 豊 Epstein S. J.
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.59, no.561, pp.1319-1326, 1993-05-25
被引用文献数
2

Finite element simulation was carried out for inhomogeneous elastic-plastic fracture specimens, which consist of A533B steel and HT80 steel. These two materials have considerably different yield stresses, although their elastic properties are exactly the same. The nonlinear fracture parameter, T^* integral, was extended for inhomogeneous multilayer materials. The T^* integral for inhomogeneous materials demonstrates excellent path independence, even in the stages of large plastic deformations around the crack tip and the material interface. Numerically generated moire fringe patterns are in good agreement with experimentally recorded patterns. The shapes of plastic zones appearing in the specimens reveal large inhomogeneity effects.
著者
西岡 俊久 西 正己 藤本 岳洋 坂倉 慧悟 Epstein S. Jonathan
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.59, no.559, pp.558-565, 1993-03-25

In order to investigate inhomogeneity effects in elastic-plastic fracture, A533B steel and HT80 steel, which have considerably different yield stresses, were chosen. The moire interferometry was used for direct measurements of the crack-tip behavior in the homogeneous CT specimens of A533B and HT80, and in electron-beam-welded inhomogeneous CT specimens of these two materials. Two-dimensional moire gratings with relatively low frequency of 300 lines/mm were used to follow large plastic deformations. The near-tip deformations were compared with the corresponding HRR singular fields. Large inhomogeneity effects were observed in the moire fringe patterns as plastic deformations proceed.
著者
西岡 八郎
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2005-01

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1919号 ; 学位の種類:博士(人間科学) ; 授与年月日:2005/1/26 ; 早大学位記番号:新3916
著者
西岡 真吾
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.4_87-4_106, 2009-10-27 (Released:2009-11-16)

大規模な文書集合について各種の連想計算を高精度かつ高速に処理することができ,高度な情報検索を必要とする応用プログラムで使用可能な汎用連想計算エンジンGETAを紹介する.GETAの設計にあたって重視した点は(1)大規模な自然言語コーパスを扱えること,(2)様々な応用プログラムで利用できること,(3)ユーザが自由に類似度を定義できること,(4)推定などによらない完全な計算結果を返すこと,(5)高速であることである.また,十分な可用性を確保するためにプラットフォームに対する要求は大容量の主記憶装置と近代的なオペレーティングシステムのみとした.上記5点を満たすために大部分のコードをC言語で記述した.さらに,主記憶装置を節約するためのデータ圧縮機能,高速な計算のための類似度定義からC言語への変換機能などを備えている.GETAは学術用から商用に至るまで様々な応用プログラムで利用されており,数百万件規模の文書集合に対しても実用に耐え得るスケーラビリティを持つ.
著者
西岡 玄次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.315, pp.61-68, 2004-09-10

Adversarial random oracle(以下,ARO)を用いた既存の(IND-CCA2の意味で安全な)公開鍵暗号スキームヘの攻撃方法について説明する.また. AROのフォーマルな定義を与え、AROモデル上での安全性概念,さらにそのための条件,等について議論を行う.
著者
宇賀神 知紀 西岡 辰磨
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.435-443, 2021-07-05 (Released:2021-07-05)
参考文献数
46

量子情報理論は,量子エンタングルメントという古典論には現れない量子論の非局所性を特徴付ける重要な概念を,情報量として定量化してその性質を研究する学問である.量子情報理論はその名が示すとおり量子物理学と情報理論の交差点であり,両分野のアイデアを取り込みながら急速に発展している.一方で近年は量子情報理論で培われた概念や手法を,素粒子論,物性論,一般相対論などの基礎物理学に応用するという新しいアプローチが登場し,目覚ましい成果を上げている.場の量子論への量子情報理論的なアプローチにおいて,これまでは1つの量子状態の量子情報量を測るエンタングルメント・エントロピーの研究が中心であったが,最近は相対エントロピーとよばれる2つの量子状態の間の差を測る量子情報量の重要性が徐々に認識されるようになってきた.相対エントロピーは常に非負であり,また2つの量子状態が等しい場合にのみゼロとなることから,与えられた量子状態の空間上の「距離」のような役割を果たす.相対エントロピーは非負値性に加えてあるクラスの量子操作の下で単調性を示すなどのよい性質をもっている.これらの一般的な性質は,場の量子論を含む量子多体系に適用したとき,そのダイナミクスに強い制限を与えることが最近の研究でわかってきた.例えば2つの量子状態を上手く選ぶことで,相対エントロピーの「非負値性」から熱力学第二法則を導出することができる.同様の手法を用いると,ある空間領域の中に詰め込むことができる物質場のもつ(エンタングルメント)エントロピーに上限(Bekenstein限界)を与えることができる.相対エントロピーのもう1つの重要な性質である「単調性」もまた場の量子論に適用した際に,平均化されたヌル・エネルギー条件や,C-定理などの著しい結果を導く.一般に,場の量子論では局所的なエネルギー密度は正とは限らない.しかし平均化されたヌル・エネルギー条件は,エネルギー密度をある空間領域にわたって積分したものが正であることを主張する.またC-定理は粗視化の下で理論の変化を記述するくりこみ群のフローに対して強い制限を与える.ほかにも量子重力理論におけるホログラフィー原理や,時間に依存する系への相対エントロピーの応用も盛んに議論されている.AdS/CFT対応は反de Sitter時空(AdS)上の重力理論と,その境界上に住んでいる(重力を含まない)共形場理論(CFT)が等価になることを主張する.どのようにCFTから重力理論が創発されるのかは不明であったが,共形場理論における相対エントロピーを使うとAdS時空上の重力のダイナミクスを読み取れることがわかりつつある.またスクランブリングとよばれる,熱平衡状態における量子情報の急速な脱局所化現象が,ブラックホールの情報喪失問題や非平衡系において本質的な役割を果たすが,この現象を検出する手段としての有用性も指摘されている.
著者
田村 誠朗 北野 将康 東 幸太 壷井 和幸 安部 武生 荻田 千愛 横山 雄一 古川 哲也 吉川 卓宏 斎藤 篤史 西岡 亜紀 関口 昌弘 東 直人 角田 慎一郎 細野 祐司 中嶋 蘭 大村 浩一郎 松井 聖 三森 経世 佐野 統
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.450-455, 2017 (Released:2018-01-25)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

症例は65歳女性.X-17年に間質性肺炎合併多発性筋炎と診断されステロイド薬が開始.X-8年に関節リウマチを合併しタクロリムス(Tac)が併用となっていた.X年2月上旬から全身倦怠感と高血圧が出現,さらに血液検査で,血小板減少,溶血性貧血,破砕赤血球,LDH高値,高クレアチニン血症を認めたことから,血栓性微小血管障害症(TMA)と診断.TMAの原因としてcalcineurin inhibitor(CNI)腎症を疑い,Tacを中止し血漿交換を開始した.以降,破砕赤血球は消失し,血小板減少,溶血性貧血は改善したが,高血圧,腎機能低下が遷延したため腎生検を施行.その結果はTMAの病理組織像であった.ただしCNI腎症としてはTacの血中濃度は既存の報告と比較し低く,また薬剤中止後も腎機能低下が遷延していた点が非定型的であった.後に抗PL-7抗体が陽性であることが判明.本症例は強皮症の診断基準は満たさなかったが,同抗体陽性例では強皮症を合併したとする報告がある.すなわち潜在的な強皮症素因を背景にCNI腎症が重篤化した可能性が示唆された.抗PL-7抗体陽性の患者にTacを投与する際はTMAの発症に十分留意する必要がある.