著者
檀 裕也 近藤 洋正 松田 圭司
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2017-CLE-23, no.23, pp.1-9, 2017-12-01

高等学校における教科 「情報」 の現状として,商業科では簿記,普通科では数学や理科といった情報分野の専門外の教員が情報の授業を担当しているという実態がある.一方,大学における情報教育では,さらに工業科を含むさまざまな学科出身の入学生を受け入れている.卒業までの専門教育を行うため,情報技術の進歩とともに目まぐるしく変わる学習指導要領における高校の教育カリキュラムの設計と実態を把握し,シームレスな高大接続とともに大学における情報教育を考えなければならない.そこで,情報分野における高大連携の必要性から企画立案された愛媛県立三島高等学校商業科と松山大学経営学部情報コースの間で高大連携プログラミング交流会 (高度情報処理講習会) を実施し,2017 年度で 4 年目を迎えた.本稿では高大連携の取り組みを通じて展望できる今後の情報教育について考察したい.
著者
野村 理朗 近藤 洋史 柏野 牧夫
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.40-40, 2007

衝動性の特徴は、即時的な報酬をもとめ中長期的なリスクを犯してしまうことと、行動の制御が不十分であることの二つに大別される。本研究では、後者のメカニズムに焦点をあて、Go/Nogo課題において衝動性の指標となる反応遂行エラー(commission error)、課題遂行時の脳活動、さらにはセロトニン2A受容体遺伝子多型性を指標とし、行動の制御プロセスにかかわる機能的連関について検証した。実験の結果、同遺伝子多型のサブタイプであるAA接合型をもつ被験者の誤答数が他タイプのものと比較して多いこと、さらにはfMRIにより、同タイプにおける前頭前野腹外側部の過活性化が確認された。その一方で、脳内報酬系の回路に存在する視床下部、線条体などの諸領域におけるタイプ間の差異は見出されず、以上のことから衝動的行動は、報酬への感受性、すなわち脳内報酬系の機能不全に起因するものではなく、抑制系統の問題によって生じうるという可能性が示唆された。
著者
鈴木 庄亮 ROBERTS R.E. LEE Eun Sul. ORLANDAR Phi 町山 幸輝 BLACK Thomas 小林 功 山中 英寿 BUJA Maximil SHERWOOD Gue 倉茂 達徳 土屋 純 BURKS T.F. 伊藤 漸 BUTLER Patri 中島 孝 石川 春律 SHERWOOD Gwendolyn BURKS F.thomas THOMAS Burks 森下 靖雄 ROBERTS R. E 鈴木 守 LEE Eun Sul 古屋 健 JUDITH Crave RONALD C. Me GUENDOLYN Sh 大野 絢子 GEORGE Stanc 城所 良明 近藤 洋一 PAUL Darling 三浦 光彦 村田 和彦
出版者
群馬大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

平成5年度に、医学教育全般、基礎医学、看護教育、大学院教育及び病院管理を中心に相互の調査研究を実施した。これをうけて平成6年度は臨床医学教育、臨床病理・検査医学、教育技法を中心に相互訪問し、資料作成提供、説明とヒアリング、見学と討論及びセミナー開催を行なった。(1)日本側大学: 群馬大学及びその医学部、生体調節研究所(前内分泌研究所)、及び医療短期大学部。研究分担者は各部局の長および医学部教務担当教授、内科、外科、臨床病理の教授。(2)相手校: 州立サキサス大学健康科学センターヒューストン校(H校と略す)およびその医学部、公衆衛生学部、看護学部、医療技術学部、及び生物医学大学院。研究分担者は教務担当副医学部長を代表として各部局の教務関係教官。(3)渡米した教官: 中島孝(医学部教務担当、病理学)、小林功(内科学、臨床検査医学、団長)、山中英寿(外科学)、及び倉茂達徳(医短、臨床病理学)の4教授。(4)訪日した教官: 教務担当副医学部長PMバトラ-女史(医、小児精神医学、団長)、Mブヤ(医、病理学主任教授兼医療技術学部教授教授)、PMオルランダー(内科学)、及びCTブラック(外科学)の4教官。(5)研究分担者会議を日米7回開催し、研究の概要説明、研究計画実施手順、資料収集、研究討論、などを行った。(6)前年度のサキサス大学訪日団の報告書の修正、入力、整理、翻訳を行い学内関係者に回覧し、意見を求めた。(7)渡米・訪日期日: それぞれ、6月6-13日と10月22-29日。(8)渡米団の活動: 前年度訪日したH校副学長、医学部長から歓迎の意を表された。目的とする卒前卒後の臨床医学教育訓練を中心テーマとして、予定されたプログラムにそって、資料提供、説明、見学、討論が行われた。すなわち、ヒューストン校の概要、医学部カリキュラム、医学部卒後教育、臨床病理学教育及び施設、学習資源センター、医学総合図書館、教育関連病院、学生相談システム、学生評価、教官採用評価昇進等について見学と討論が行われた。(9)訪日団の活動: 日本の医学教育及び群馬大学医学部における卒前卒後の医学教育訓練について、内科外科臨床教育を中心に各研究分担者が用意した資料にもとづいて説明し、討論した。附属病院内科外科外来病室及び臨床病理中央検査部で詳細な現地見学聴取討論をし、卒後臨床教育の観点から学外の大学関連病院および開業医2ヵ所を見学した。医学教育セミナーを開催し、H校の4教官がそれぞれの立場から具体的な医学教育の方法、内科診断学教育、一般外科の実習、臨床病理学の教育、問題解決型学習および標準患者による臨床実習の方法について説明と話題提供をした。(10)報告会と報告書: 渡米した4教授による調査研究の公開報告会を7月12日に開催し、報告書の提出を得た。今年度訪日した4教官の報告書入手中。(11)本事業の意義について: 双方の教官は、相互訪問し各自の医学教育システムを最大限わかってもらえるよう努めた。相互訪問で視察と討論を行うことにより相互の文化的背景にまで及ぶほど理解が深まった。とくに西欧社会はこれまでわざわざアジアを理解しようとすることは少なかったので、テキサス大学教官にとっては国際理解のいい機会になった。米教官の一人はこのような試みに研究費を出す日本政府は米政府より将来優位に立つかもしれないと述べた。(12)日本にない米医学教育システムの特色: 入学者選抜は約15倍の学士である志願者に対して1.5時間におよぶ面接口頭試問を含む、PhD教官による基礎科学と医師による臨床医学の接続がうまくいかない、カリでは行動科学・プライマリケアが重視されている、問題解決型学習が定着している、カリにゆとりがあり積極的な自己学習を期待している、標準患者による具体的で実際的な診断学教育が行われている、学生当たりの教官の数が5割程度多い、卒後医学教育が「医局」でなく一定のプログラムの下に行われ専門医等の資格に至るようになっている、臨床検査技師教育はより専門分化している、等である。
著者
河田 則文 久保井 広志 申 東桓 筒井 ひろ子 溝口 靖紘 小林 絢三 近藤 洋子 森澤 成司 門奈 丈之 山本 祐夫
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.30, no.8, pp.855-859, 1989-08-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

マウスKupffer細胞から産生遊離するPGE2量に及ぼすinterleukin 1(以下,IL1)とtumor necrosis factor(以下,TNF)の影響について検討した.マウスKupffer細胞を培養すると,spontaneousにもPGE2の遊離がみられ,培養上清中のPGE2量は培養開始後24時間まで経時的に増加したが,TNFを添加するとTNF1, 10ng/ml添加時にさらに有意に増加した.また,Kupffer細胞をzymosanで刺激するとPGE2産生量は約5倍にも増幅し,TNF存在下ではさらに増強された.さらに,Kupffer細胞をあらかじめTNFで24時間処理したのちzymosanで刺激を加えて産生されるPGE2量もやはり有意に増加した.このように,種々の条件下においてTNFはKupffer細胞からのPGE2産生を増加させることが明らかとなった.しかしながら,IL1にはこのような効果は見られなかった.以上の結果から,Kupffer細胞自身が産生するとされるTNFがKupffer細胞機能を調節する機構が存在する可能性が示唆された.
著者
清野 嘉之 奥田 史郎 竹内 郁雄 石田 清 野田 厳 近藤 洋史
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.237-240, 2003-08-16
被引用文献数
3

茨城県と京都府,熊本県の若いスギ林に強度を変えた間伐試験区を設け,間伐後最初の夏に分化した雄花の落下量をトラップ法で測定した。熊本では雄花が殆ど生産されなかったが,茨城と京都では土地面積当りの雄花生産量が無処理や通常間伐区で少なく,強度や超強度間伐区で多かった。強度や超強度間伐区では雄花着生個体数の比が高く,雄花着生個体当り雄花生産量が多かった。また,林分雄花生産量はRyがある値(茨城では0.6未満,京都では0.4未満)のときに最大値をもつと推定される。これらのことから閉鎖林に行われる通常強度の間伐には,間伐で雄花が直接除去されることを除いては,雄花生産抑制の効果は認められないと考えられる。
著者
大塚 結喜 森下 正修 近藤 洋史 苧阪 直行
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.131-136, 2003

The present study examined the relationship between reading comprehension and two processes of the inhibitory mechanism. Forty-six participants performed reading comprehension test and three conditions of the reading span test (RST): distractor, interference, and control conditions. In the RST, participants were instructed to read sentences aloud while holding target words in each sentence. The distractor and interference conditions required the ability to inhibit distractor information in the context, and to suppress no-longer-relevant information within working memory, respectively. The results showed that performance was lower in the distractor and interference conditions than in the control condition, and that reading comprehension score was significantly correlated only with performance in the interference condition, with neither the distractor nor control condition. We conclude that the suppression of no-longer-relevant information contributes to the correlation between the RST and reading comprehension, while two inhibitory abilities play an important role in the RST performance.
著者
杉田 有治 近藤 洋平
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2003

生体膜を隔てたイオンやタンパク質の物質輸送を行う膜輸送タンパク質の立体構造を用いた分子動力学計算を行うことにより膜タンパク質の構造変化と物質輸送機構の関係を明らかにした。ターゲットとして、カルシウムイオンポンプ、その機能を制御するフォスフォランバン、タンパク質輸送を行うSecトランスロコンを選び、脂質二重膜と溶媒を露わに含む全原子分子動力学計算を実施することにより、膜インターフェイスにおけるSoftな相互作用がこれらのタンパク質の機能に果たす役割を明らかにすることができた。
著者
伊藤 漸 小浜 一弘 近藤 洋一 竹内 利行
出版者
群馬大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

モチリンは消化管粘膜から分泌されるペプチドホルモンで消化・吸収の終了した空腹時に約100分間隔で血流中に放出され、先ず胃・上部十二指腸に一連の強収縮をひきおこし、これが順次下部消化管に伝播して、空腸・回腸に溜った胃液・腸液を大腸の方に押しやる働きをする。モチリンによる消化管平滑筋収縮作用は、動物種によって大きく異なる。例えば、ブタやイヌから抽出したモチリンは、ラット,モルモットの消化管には全く作用しない。イヌに投与すると空腹時強収縮をひきおこし、この作用はアトロピンによって抑制されるので、モチリンの作用はアセチルコリンを介していることが予想される。ところがin vivoのウサギの実験ではこの強収縮は観察できない。しかしウサギ腸管平滑筋条片をマグヌス管につるして筋の収縮を調べるとモチリンによる筋収縮を確認でき、しかもアトロピンでは抑制されず、モチリンの平滑筋への直接作用が考えられる。但し単離筋細胞を用いた培養実験では、アセチルコリンは筋収縮をひきおこすが、モチリンでは筋収縮を確認できていない。我々は、ウサギ平滑筋膜上にモチリン受容体の存在を想定して、膜分画への ^<125>Iーモチリンの結合実験を行った。 ^<125>Iーモチリンは膜の粗分画を用いると結合を認めたが、精製した膜分画を用いると結合が認められなかった。そこで我々は、モチリンが直接平滑筋に働くのではなく、神経に作用しアセチルコリン以外の伝達物質を介して筋に働いている可能性を考慮しているが、同時に、1) ^<125>Iーモチリンの比放射能活性を高める 2)13位のMetをLeuに置換して酸化をうけにくくさせる 3)第7位のTyrを除き、カルボキシル端にTyrを付加したモチリンを合成する,等の工夫により、生物活性がヨ-ド化によっても十分保持できるモチリンの作成を行なった。現在これらの修飾モチリンを用いて平滑筋膜分画との結合実験を継続している。
著者
片山 喬 吉田 豊彦 近藤 洋一郎 奥村 康
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.17, no.9, pp.561-567, 1971-09

A five-year-old boy was admitted because of precocious puberty. He suddenly died while various examinations were going on. Autopsy revealed the intraventricular hemorrhage, which is probably cause of his death, from the pineal teratoma. Discussions were made on the relation between sexual precocity and the pineal tumor.
著者
新井 健司 石井 久夫 伊藤 孝 内田 克 遠藤輝 岡部孝次 熊井 久雄 小菅 範昭 近藤 洋一 郷原 保真 酒井 潤一 斎藤 義則 塩野 敏昭 島田 安太郎 下野 正博 隅田 耕治 角谷 邦明 関口 尚志 田中 俊廣 趙 哲済 中西 一裕 中島 豊志 中村 由克 林田 守生 松本 俊幸 三谷 豊 柳沢 文孝 山本 裕之 吉野 博厚
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.14, pp.93-102, 1977-02-21
被引用文献数
11

A wide-spread lake assumed to be larger than the recent Matsumoto Basin had existed in Early Pleistocene, and the Enrei Formation and its equivalent formations had been deposited in the lake. An extensively even erosion surface formed on the sediments in the latest Early Pleistocene is called the Ohmine geomorphologic surface. After the formation of the Ohmine surface, the recent mountainous areas such as the Northern Japan Alps, Mt. Hachibuse, Mt. Utsukushigahara and so on had been upheaved, while the Matsumoto Basin area had been depressed and the Nashinoki Gravel Formation, the upper Middle Pleistocene, had been deposited. The base of the Enrei Formation is 1,800 m above sea level in Mt. Hachibuse, while 700 m above sea level in the southern part of the Basin. The amount of upheaval of the mountainous areas can be estimated to be more than 1,000 m. The Matsumoto Basin area had been depressed again in the middle part of the Upper Pleistocene (about 40,000 years B. P.) and the Hata Gravel Formation had been deposited. The amount of depression may be estimated to be about 150 m in the eastern periphery of the middle part of the Basin.
著者
近藤 洋史 森下 正人 蘆田 佳世 大塚 結喜 苧阪 直行
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
心理學研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.480-487, 2002
被引用文献数
1 9

We examined the relationship among intelligence, working memory, and reading comprehension using structural equation modeling (SEMI). Ninety-six participants were instructed to perform two reading comprehension tests and six cognitive tasks: two verbal intelligence subtests, two spatial intelligence subtests, and two reading span tasks. Three latent variables that were called verbal ability, spatial ability, and working memory were derived from the six cognitive tasks. SEMI demonstrated that the latent variables of working memory and verbal ability contribute to reading comprehension, suggesting that central executive functioning related to attention control was mediated among these cognitive abilities.