著者
柏崎 耕志 米澤 直晃 小菅 一弘 菅原 雄介 平田 泰久 遠藤 央 神林 隆 篠塚 博之 鈴木 公基 小野 右季
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.389-398, 2012 (Released:2012-08-16)
参考文献数
18

The authors proposed a car transportation system, iCART (intelligent Cooperative Autonomous Robot Transporters), for automation of mechanical parking systems by two mobile robots. However, it was difficult to downsize the mobile robot because the length of it requires at least the wheelbase of a car. This paper proposes a new car transportation system, iCART II (iCART - type II), based on “a-robot-for-a-wheel” concept. A prototype system, MRWheel (a Mobile Robot for a Wheel), is designed and downsized less than half the conventional robot. First, a method for lifting up a wheel by MRWheel is described. In general, it is very difficult for mobile robots such as MRWheel to move to desired positions without motion errors caused by slipping, etc. Therefore, we propose a follower's motion error estimation algorithm based on the internal force applied to each follower by extending a conventional leader-follower type decentralized control algorithm for cooperative object transportation. The proposed algorithm enables followers to estimate their motion errors and enables the robots to transport a car to a desired position. In addition, we analyze and prove the stability and convergence of the resultant system with the proposed algorithm. In order to extract only the internal force from the force applied to each robot, we also propose a model-based external force compensation method. Finally, proposed methods are applied to the car transportation system, the experimental results confirm their validity.
著者
遠藤 央 廣瀬 健治 平田 泰久 小菅 一弘 菅原 雄介 鈴木 公基 篠塚 博之 新井 浩幸 阿久根 圭 神林 隆
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.75, no.755, pp.2028-2035, 2009-07-25 (Released:2017-06-09)
参考文献数
23
被引用文献数
3 3

We propose a novel car transportation system termed as iCART (i__-ntelligent c__-ooperative a__-utonomous r__-obot t__-ransporters). This system transports cars using two robots that move in coordination. This car transportation system can transport cars of any size and offers various functions such as parking, valet parking, towing service, and the transportation of cars inside a factory, onto a ferry, and in complicated parking areas. The robots in this car transportation system comprise three modules: the mobile base module, the lifter module, and the connecting module. This paper describes the details of the operation mechanism and the basic algorithm of each module. A leader-follower-type distributed motion control algorithm is applied to the proposed system and is used in an experiment performed to verify the validity of its function.
著者
遠藤 貢
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.2_53-2_56, 2023-02-01 (Released:2023-06-29)
参考文献数
5

ルワンダにおける女性議員の比率は、2020年段階で61.3パーセントと6割を超え、比率の上では世界第一位である。本稿では、それを可能にしているクオータ制を紹介するとともに、この制度の導入の背景と経緯、そしてその効果について多角的に検討する。ルワンダでは、ジェノサイド後、憲法で規定される形でのクオータ制が導入される以前から女性を一定程度優遇する新政策の策定がなされた。2003年憲法第75条に規定されたクオータ制を根拠として、女性の議員比率は向上してきた。ただし、その効果に対する評価は両義的である。また、クオータ制が「男女共同参画」的な視点から政治をとらえる上での有意な効果をもたらしたのかについても課題が残されている。加えて、アフリカでは権威主義体制下でのクオータ制の導入が進められるなどの政治的な文脈にも留意が必要である。

1 0 0 0 OA 最高のヨーガ

著者
遠藤 康
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.963-956, 1995-03-25 (Released:2010-03-09)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1
著者
遠藤 薫
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.7, pp.7_46-7_50, 2022-07-01 (Released:2022-11-25)
参考文献数
16

社会学の視座から自動運転技術を考えるとき、三つのアプローチがあり得る。第一は、現代の社会的課題に対して、自動運転技術は、どのようなソリューションとなり得るか、というアプローチである。第二は、自動運転技術の社会的受容の問題である。新しい技術が、その特質を活かして、人びとの生活に埋め込まれていくためには、どのような点に留意しなければならないか、という問題である。第三は、自動運転技術がサイバー−フィジカル連携システムの重要な一部を構成するという問題である。本稿では、この三つのアプローチのそれぞれについて概括的に検討し、人と技術の信頼関係の構築を論ずるものとする。
著者
及川 浩平 青木 英彦 菊池 研 房崎 哲也 佐藤 紀夫 岩坂 潤二 遠藤 重厚
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.153-157, 2003-03-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
13

A 69-year-old female was found unconscious after nearly drowning (submersion) in a hot spring spa (Tamagawa spa, Akita prefecture) on June, 2001. The near drowning was associated with acid aspiration. She developed acute respiratory distress syndrome and shock after arrival at our emergency room. She was immediately treated using mechanical ventilation and percutaneous cardiopulmonary support. However, she died on the fourth hospital day as a result of a rapidly progressive lung injury induced by acid aspiration. Lung CT images demonstrated heterogeneous pulmonary infiltrations with irregularly fused cavities. An autopsy showed marked degeneration of the alveolar epithelium and abnormal deposits within the alveoli.
著者
廣田 健一 井上 貴子 小川 浩司 荒生 祥尚 遠藤 美月 池上 正 戸島 洋貴 末次 淳 柿崎 暁 瀬戸山 博子 榎本 大 是永 匡紹
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.587-589, 2023-11-01 (Released:2023-11-10)
参考文献数
3

In eight regional core centers for liver disease management, we evaluated the status of HBs antigen (HBsAg) and anti-hepatitis C virus antibody (anti-HCV) testing from 2016 to 2020. Among nonhepatology departments, ophthalmology had the highest number of HBsAg and anti-HCV tests, followed by obstetrics and gynecology, and orthopedics. The highest positive rates of HBsAg were in orthopedics (1.27%), gastroenterological surgery (1.23%), and ophthalmology (1.04%), and those of anti-HCV were in gastroenterological surgery (2.71%), orthopedics (2.57%), and ophthalmology (2.51%). Thus, ophthalmology and orthopedics obtained the highest number of tests and positive rates, with no rate decrease over time. While the Japan Ophthalmologists Association has already commercialized measures against hepatitis, similar measures are needed urgently in orthopedics.
著者
佐野 裕基 遠藤 健司 土田 奨 六本木 さくら 荒井 芙美 高橋 亮吾 石山 昌弘 長田 卓也 上野 竜一 山本 謙吾
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.145-154, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
36
被引用文献数
1

【目的】首下がり症状を呈した変形性頸椎症2 症例の前方注視障害に対して,腰椎・骨盤矢状面アライメントの改善をめざした理学療法の有効性について検討することを目的とした。【症例】変形性頸椎症を既往とし,首下がり症状が出現した2 症例であった。両症例の立位姿勢は全脊柱アライメントより,頸部屈曲位,胸椎後弯,後方重心,また症例1 は腰椎前弯代償,症例2 は骨盤後傾代償が認められた。【経過】両症例ともに頸部および,腰椎・骨盤帯に対する理学療法を実施した。いずれも介入3 ヵ月で頸胸椎アライメントが改善し,一時的に前方注視可能となり,6 ヵ月で腰椎・骨盤帯アライメントが改善し,長時間前方注視可能となった。【結論】首下がり症状による前方注視障害の改善には頸部自動伸展機能の改善に加えて,矢状面上における脊柱全体と骨盤帯のバランスが取れた立位姿勢をめざした介入が有効であると考えられた。
著者
遠藤 久夫
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.11-30, 2021-07-08 (Released:2021-07-13)
参考文献数
13
被引用文献数
1

患者に医療費の自己負担を課すことの主な目的は以下の三つである。1)医療資源を過剰に利用するモラル・ハザードの回避2)医療費の財源を公費や保険料から患者負担にシフトさせるコスト・シフティング3)過度の大病院志向などの不適切な患者の受療行動の適正化わが国の公的医療保険制度では,「法定自己負担率」と「高額療養費制度」により患者の医療費自己負担額をコントロールしている。高額療養費制度とは,患者の自己負担の上限を定めたもので,この制度により患者は高いコストの医療を受けることが可能になり,医療費の支払いにおけるセーフティネットだと言える。医療費は増加し続けているが,医療保険財政は悪化しているため,患者の法定自己負担率は引き上げられてきている。その結果,自己負担額が上限額に達するケースが増え,高額療養費が増加している。医療費に占める高額療養費の割合は2002年の3.2%から2017年には6.4%に上昇している。高額療養費増が増加しているため,公的自己負担率は上昇傾向にあるにもかかわらず,実効自己負担率は低下している。具体的には,2003年の実効自己負担率は74歳以下が22.7%,75歳以上が8.8%であったものが,2017年にはそれぞれ,19.7%,8.0%に低下している。実効自己負担率を外来と入院で比較すると,2017年では外来18.3%,入院6.6%と入院の実効自己負担率が非常に小さい。これは,入院は医療費の額が大きいため高額療養費の支出が大きいためである。75歳以上の患者の法定自己負担は原則1割である。これに対して,高齢者は,医療費に対する保険料や自己負担の割合が,若い世代と比較して低すぎるので,高齢者の自己負担を引き上げるべきという意見が台頭してきた。それに対して,高齢者は所得が少なく医療費が多いので,所得に占める医療費の自己負担の割合が若い世代より高い。したがって,高齢者の医療へのアクセスを担保するためには1割のままでよいという意見が対立した。議論はなかなか決着がつかなかったが,2020年になって,「年収約200万円以上の75歳以上の高齢者は2割負担」にすることが政治決着した。今後も,患者の医療費の自己負担を増加させようという圧力が高まっていくことは間違いない。その中で,高齢者の法定自己負担率のさらなる引き上げと高額療養費制度の見直しがポイントになるだろう。
著者
遠藤 優 小沼 仁美 増田 隆一
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.219-224, 2023 (Released:2023-08-03)
参考文献数
39

本州と四国に生息するハクビシンPaguma larvataは,先行研究のDNA分析の結果から,台湾から持ち込まれた外来種と考えられているが,日本国内における分布拡大の経緯は未だ不明瞭な点もある.2016年以降に生息が確認されるようになった島根県のハクビシンを対象に,ミトコンドリアDNAのチトクロムb遺伝子領域と制御領域を合わせた1,663 bpを解析したところ,すべての個体から同一のハプロタイプが検出され,既報の四国のハプロタイプと一塩基違いである新規のハプロタイプであった.現時点で,島根県のハクビシンの分布拡大経路特定は難しいものの,今後関西地方以西の本州に生息する個体の遺伝情報を蓄積することで,本種の当該地域における分布拡大経路を解明することが期待される.
著者
面高 俊介 遠藤 英徳 藤村 幹 冨永 悌二
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.81-86, 2022 (Released:2022-02-25)
参考文献数
28
被引用文献数
1

未破裂脳動脈瘤診断に伴う治療方針決定の際には破裂高リスク状態の動脈瘤をいかに捉えるかが重要となるが, 動脈瘤の発生から破裂までの経時変化は多岐にわたり予測が難しい. 近年MRIを用いた血管壁イメージング (VWI) が普及し瘤壁造影効果の評価が可能となりその役割に注目が集まっている. VWIにおける瘤壁造影効果は2013年に破裂瘤の, 2014年には破裂リスクを伴う未破裂動脈瘤の特徴として初期の報告がなされ, その後これらを支持する多くの報告があり現在に至っている. VWIは瘤壁の炎症を画像化する新たなmodalityとして動脈瘤診断における有用性が期待されておりさらなるエビデンスの蓄積が求められる.
著者
高橋 成一 木内 喜孝 遠藤 克哉 志賀 永嗣 下瀬川 徹
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.12, pp.1983-1995, 2011 (Released:2011-12-05)
参考文献数
79

潰瘍性大腸炎の寛解維持療法は,ステロイドを使用せず,サリチル酸製剤をアドヒアランスを考慮し長期に継続することが重要である.それでも易再燃性やステロイド依存性を示す場合は,チオプリン製剤が用いられる.インフリキシマブで寛解導入された症例では,特に中止すべき理由がなければ,8週間隔の維持投与が継続される.大腸癌死を減少させるために,8年ないし10年以上経過した全大腸炎型または左側大腸炎型の潰瘍性大腸炎には,サーベイランス内視鏡検査を行う.色素内視鏡と狙撃生検が今後の標準的手法となる可能性がある.
著者
磯田 広史 榎本 大 高橋 宏和 大野 高嗣 井上 泰輔 池上 正 井出 達也 德本 良雄 小川 浩司 瀬戸山 博子 内田 義人 橋本 まさみ 廣田 健一 柿崎 暁 立木 佐知子 井上 貴子 遠藤 美月 島上 哲朗 荒生 祥尚 井上 淳 末次 淳 永田 賢治 是永 匡紹
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.510-513, 2023-10-01 (Released:2023-10-12)
参考文献数
5

Hepatitis medical care coordinators (HMCCs) in Japan are trained by local governments and regional core centers, and are expected to play an active role in various aspects of hepatitis countermeasures. A 2019 survey revealed varied activity statuses of HMCCs among facilities. This study surveyed the present status of HMCCs in 21 of the 72 regional core centers in the fiscal year 2021.A total of 951 HMCCs were trained at these 21 facilities. The 17 participating centers of the 2019 survey indicated a slight increase in the proportion of HMCCs who actively contributed to hepatitis patient care, from 84.2% to 85.8%.Despite the COVID-19 pandemic, HMCCs remained active in many facilities.
著者
遠藤 大斗 宇野 裕美 岸田 治 森田 健太郎
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2318, (Released:2023-09-08)
参考文献数
47

イトウは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにCRとして掲載されている国内最大級の淡水魚であり、土地開発があまり進んでいない湿原や湿地帯をその流域に含む河川に生息する。そのため、湿地帯に形成される河川の氾濫原はイトウの生息環境に重要であると考えられてきた。しかし、本種に関するこれまでの知見は成魚に関するものが多く、幼魚に関する科学的知見は乏しい。本研究では、イトウの幼魚から成魚までの生息環境特性を明らかにするとともに、同所的に生息する同科魚類との比較を行い、本種の保全対策に寄与することを目的とした。調査は北海道大学雨龍研究林を流れるブトカマベツ川で行った。本河川には氾濫原が存在し、川筋が幾本にも分かれる網状流路が発達している。調査は網状流路が形成する分流域と本流域の2つに分けて実施し、河川規模の小さい分流域ではエレクトロフィッシャーを用いた捕獲を行い、河川規模の大きい本流域ではシュノーケリングを用いた潜水目視を行った。さらに、調査地点の物理環境と捕獲された個体の胃内容物を調べた。30地点で実施した分流域調査の結果、捕獲されたイトウは尾叉長69-137mmの幼魚であった。分流域の物理環境について主成分分析を行った結果、流速が遅く濁度が高いという止水的環境においてイトウ幼魚の生息密度が高くなる傾向が認められた。イトウ幼魚の胃内容物からは、魚類や両生類といった大型動物や動物プランクトンのミジンコ目が確認され、イワナおよびヤマメと比べて陸生落下動物の割合が少なかった。21地点で行った本流域調査の結果、目視されたイトウはいずれも体長300-800 mmの若魚・成魚であった。本流域の物理環境の主成分分析の結果、倒木などのカバー割合が高く深い淵においてイトウ若魚・成魚の生息密度が高くなる傾向が認められた。以上の結果から、イトウ幼魚は氾濫原に形成される流速が極めて遅い場所を選択的に利用するのに対し、イトウ若魚・成魚は流れのある本流で深くカバーのある環境を選択的に利用し生息していることが明らかになった。また、イトウ幼魚は成魚と同様に魚食性を示すことに加え、他のサケ科魚類が選好する陸生落下昆虫以外の餌資源を多く利用することが分かり、イトウは幼魚のときから他のサケ科魚類とは異なる摂餌行動をもつと考えられた。今後、イトウの野生個体群を保全していくためには、氾濫原環境の保全が極めて重要であると考えられた。
著者
遠藤 修斗 水田 孝信 八木 勲
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.FIN-031, pp.16-21, 2023-10-10 (Released:2023-10-12)

金融市場の最良気配値付近における注文の偏りはオーダーブックインバランス(OBI)と呼ばれており,この OBI とリターンには正の相関があると考えられている.本研究ではOBIを考慮した執行アルゴリズムをモデル化し,本モデルが市場からどのような影響を受けるのかを人工市場を用いて調査した.
著者
森本 晃司 桜井 進一 内藤 慶 青柳 壮志 奥井 友香 加藤 大悟 遠藤 康裕 中澤 理恵 坂本 雅昭
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C3O1119, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツにおいて,脳震盪などの頭・頚部の外傷は時として重大な事故を引き起こすことから,安全対策上重要な問題として取り扱われる.国際ラグビー評議会の定款では,未成年のラグビープレイヤーは脳震盪を生じた場合,3週間の練習・試合を禁止するとされており,頭・頚部の外傷は頚部筋力を向上させることで予防可能との報告もある.本研究の目的は,高校生ラグビープレイヤーにおける頚部筋力と周径の関連,脳震盪と頚部筋力の関連について検討し,脳震盪予防の一助とすることである.【方法】 対象は全国大会レベルの群馬県N高校の高校生ラグビープレイヤー69名(1年生30名,2年生18名,3年生21名)とした.評価項目は経験年数,過去8カ月間の脳震盪の有無(1年生を除く),頚部周径,頚部筋力とした.頚部周径はメジャーを使用し直立位にて第7頸椎棘突起と,喉頭隆起直下を通るように測定した.頚部筋力の測定にはアニマ社製ハンドヘルドダイナモメーターμTasMF-01を使用した.測定肢位は臥位とし,両肩と大腿部を固定した.センサーはベッドに固定用ベルトを装着した状態で額,後頭部,側頭部の各部分に当て,頚部屈曲,伸展,左右側屈の等尺性筋力を3秒間測定した.各方向3回ずつ測定し,最大値を採用した.統計学的処理にはSPSS ver.13を用い,頚部筋力と周径,経験年数の関係にはspearmanの順位相関係数を用い,各学年間の頚部筋力,周径との関係には一元配値の分散分析後,Tukeyの多重比較検定を行った.また脳震盪経験の有無と頚部筋力・周径の関係には対応のないt-検定を用い有意水準は5%とした.【説明と同意】チーム指導者並びに対象者に対し本研究の主旨及び個人情報保護についての説明を十分に行い,署名による同意を得て実施した.【結果】2,3年生計39名のうち,脳震盪経験者は28名であり非経験者は11名であった.脳震盪経験の有無で頚部筋力を比較した結果,頚部筋力,周径ともに有意差は認められなかった.頚部筋力と周径では有意な相関関係が認められた(P<0.05,R=0.52~0.65)が,経験年数と頚部筋力及び周径との間には相関関係は認められなかった.学年間の頚部筋力の比較では全項目において有意差が認められ,また,学年間の周径においても有意な差が認められた(P<0.05).多重比較検定では,頚部筋力では1年生に対して2,3年生の筋力が有意に高く(P<0.05),2年生と3年生との間に有意な差は認められなかった.頚部周径では1年生と3年生にのみ差が認められ、3年生の周径が有意に大きかった(P<0.05). 【考察】本研究における脳震盪の有無と頚部筋力の検討では,両群で有意差は認められなかった.タックル動作において,脳震盪となる場面ではタックル時に頭部が下がる,飛び込むなどのスキル的な要素や,瞬間的に頚部を安定させる筋収縮の反応などの要素も関連していると考えられる.今回の研究ではそれらの要素は検討できていないため,両群で差が見られなかったものと考える.また,各学年と頚部筋力の検討では1年生と他学年との間に有意な差が認められたが,経験年数と頚部筋力との間に相関関係は認められなかった.群馬県では中学校の部活動としてラグビー部はなく,経験者も週1回程度のクラブチームの練習に参加する程度である.このため,1年生では経験者であっても十分な頚部筋力トレーニングが行えていない可能性が考えられる.また,頚部筋力と周径ではすべての項目で相関関係が認められたことから,選手のコンディショニング管理の一つとして,筋力測定器などがない場合には,頚部周径を確認しておくことの意義が示唆された.頚部筋力は脳震盪予防のための重要な一要因であるが,今回は頚部筋力と脳震盪経験の有無とに関連は見られなかった.今後はタックル動作のスキルや,筋の反応時間なども検討することが課題である.【理学療法学研究としての意義】本研究の結果から,高校1年生と2・3年生の頚部筋力の違いが明らかとなり,新入生に対する早期からの筋力評価とトレーニングの重要性が示唆され,スポーツ障害予防のための基礎的資料となる.
著者
甲斐 倫明 遠藤 章 高橋 史明 佐藤 薫 伴 信彦
出版者
大分県立看護科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

CT診断からの臓器線量計算を行うWebシステムWAZA-ARIにおいて、年齢と体型の個人差を考慮できるシステムに拡張したWAZA-ARI 2を開発した。未成年はフロリダ大学で開発した年齢別ファントムを用いた。成人体型の違いを計算するために、日本人の標準体型からBMIで2倍の標準偏差だけ外れるやせ型、2倍と5倍の標準偏差だけ外れる肥満型のファントムを皮下軟組織のみを変形することでファントムを構築した。また、実際の臨床で得られたCT画像をもとにボクセルファントムを構築し、臓器線量の個人差を実際の体型ごとに計算し、体型と臓器線量の関係を導いた。有効直径が体格の指数として利用できることがわかった。
著者
石川 和良 倉渕 隆 山本 学 嵐口 晃宏 遠藤 智行 平野 剛
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成16年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.465-468, 2004-08-20 (Released:2017-08-31)

Because of amendment of the Construction Standard Law, almost all houses must equip with a full time mechanical ventilation system. However, people could feel cold draft in sanitary area when the ventilation system provides sufficient volume of air. So, an investigation using thermal manikin was carried out to find out proper exhaust flow rate from thermal sensational point of view. It was found that flow rate less than 20 CMH and 50 CMH would be appropriate for bathroom and toilet, respectively to avoid uncomfortable sensation in cold season based on the evaluated EHT and PMV.