著者
遠藤 由美
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.214-217, 1992-08-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
15
被引用文献数
6 2

The concept of negative ideal-self is introduced as a contrast to positive ideal-self. Discrepancies between positive ideal-self and real-self (Dp-score) have been associated with low self-esteem. The present study purported to see whether negative ideal-self may be a standard of self evaluation, and to what extent discrepancies between negative ideal-self and real-self (Dn-score) relate with self-esteem (Rosenberg). The results showed that both Dp-score and Dn-score correlate significantly with self-esteem, but the latter showed higher correlation than the former. It is suggested that self-esteem is more a function of distance that how ‘I’ am not the person which ‘I’ won't to be. These findings were discussed from the importance of an approach to negative aspects of the self.
著者
三枝 令子 丸山 岳彦 松下 達彦 品川 なぎさ 稲田 朋晃 山元 一晃 石川 和信 小林 元 遠藤 織枝 庵 功雄
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.176, pp.33-47, 2020-08-25 (Released:2022-08-26)
参考文献数
16

執筆者らは,日本で医学教育を受け,最終的に日本の医師国家試験合格を目指す外国人学習者に効果的な支援を行うことを目的として,医学用語の調査研究並びに教材作成を進めている。一口に医学用語といっても,その範囲は多岐にわたるため,医学用語の効率的な学習を目指すならば,まず医学用語の網羅的な収集と体系的な分類が必要になる。そこで本研究では,医学用語の体系的な語彙リストを作成する準備段階として,医学書のテキストから医学書コーパスを構築し,27種類の診療分野に分けて,そこに含まれる語を収集・分類した。その上で,高頻度の助詞,接辞,動詞や,領域特徴度の高い名詞について,医学テキスト固有の特徴という観点から分析を行った。その結果,接辞や動詞において医学分野特有の語がみられた。また,名詞に関しては診療分野ごとに頻出語が異なることから,診療分野別に語彙リストを構築することが重要であることがわかった。
著者
小林 真弓 小貫 琢哉 稲垣 雅春 西田 慈子 高木 香織 佐川 義英 中村 玲子 尾臺 珠美 藤岡 陽子 市川 麻以子 遠藤 誠一 坂本 雅恵 島袋 剛二
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.56-60, 2015 (Released:2015-07-10)
参考文献数
19
被引用文献数
2

〔緒言〕月経随伴性気胸 (Catamenial Pneumothorax, 以下CP) は胸腔内子宮内膜症の一種であり, 詳細な病態や標準治療は明らかではない。診療科をまたぐ疾患であり, 呼吸器科医と婦人科医の連携が必要となる。今回, 当院で経験したCP症例の臨床経過を検討した。 〔方法〕1989年1月から2014年8月の間に当院で気胸に対して胸腔鏡下肺手術が施行された症例のうち, 病理学的に肺・胸膜・横隔膜のいずれかに子宮内膜症を認めた8例を対象とし, 臨床像,治療を後方視的に検討した。 〔結果〕発症年齢中央値は37歳。8例中7例 (87.5%) が右側発症であった。骨盤内子宮内膜症の検査をした例が6例, うち5例が骨盤内子宮内膜症を有していた。手術後からの観察期間中央値は33.5か月。8例中6例が術後気胸再発, うち2例はジエノゲスト内服後の再発であった。いずれの症例もジエノゲスト内服またはGnRHa・ジエノゲストSequential療法で再発を防ぐことができた。 〔結語〕気胸は緊急で脱気等の処置が必要であり再発防止には治療薬服用の高いコンプライアンスが求められる。GnRHa投与症例では術後再発を認めておらず, 術後薬物療法としてGnRHaまたはGnRHa・ジエノゲストSequential療法が望ましいと考える。ただし, ジエノゲストのみで再発しない症例もあり, 治療法の選択に関してさらなる症例の集積が必要である。
著者
大野 健三 遠藤 博美
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.15, no.14, pp.19-24, 1991-02-21 (Released:2017-10-06)

DECEMBER 2nd, 1990. TBS sent first Japanese COSMONAUT in space. His name is TOYOHIRO AKIYAMA of TBS news division. He was also first journalistic COSMONAUT in the world. He stayed in Soviet [MIR] space station about one week. During his staying in [MIR], he did live feed for TV and Radio. ENG shooting and some kind of experiment. TBS covered every events of TBS COSMONAUT from launch to return as live feed. This report is written about the system for live feed from space and from USSR to JAPAN.
著者
浅井 和康 鴻 信義 柳 清 深見 雅也 遠藤 朝彦 森山 寛 伊藤 裕之 大橋 正洋
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.329-334, 1995-06-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
10

頸髄損傷患者3症例について, 体位変換時および排尿前後での鼻腔通気度の変化を調べた。その結果, 坐位から仰臥位に体位変換することによって鼻腔抵抗値は上昇し, 排尿することによって低下をみた。これは, 頸髄損傷患者に特有の自律神経過反射 (autonomic hyperreflexia) と呼ばれる現象に伴うものと考えられた。すなわち, 膀胱内の尿の充満などによる麻痺域への刺激が交感神経反射を惹起して全身性の血圧上昇を起こす現象であり, これによって非麻痺域すなわち鼻腔の血管拡張を招き鼻閉をきたす。また健常者でも坐位から仰臥位に体位変換することによってわずかに鼻腔抵抗が増大するが, 頸髄損傷患者では顕著にこの現象が現れることも, 外傷に伴う交感神経系の機能障害が関与していることが示唆された。
著者
瀧本 さち 開 正宏 都築 通孝 西川 大樹 日野 佐智子 遠藤 信英
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.85-89, 2023 (Released:2023-03-28)
参考文献数
8

集中治療後症候群の予防には早期リハビリテーションが有用だが,大腿静脈への非カフ型(NC)カテーテルにより持続的血液濾過透析(CHDF)を行う患者では安全上の観点から制約が伴う.今回,CHDF患者に対する関節可動域運動(ROMex)が脱返血に及ぼす影響を検討した.2020年4月から12月の間で大腿静脈にNCカテーテルを挿入し,CHDFを施行した5名の患者を対象とした.段階的な角度で屈曲を行った後,下肢屈伸運動を10回行い,脱血圧・静脈圧と脱血不良警報作動の有無,カテーテル挿入部の出血有無を確認した.5症例に対し合計10回のROMexを実施した結果,脱血圧・静脈圧は有意な変動なく推移し,脱血不良警報の鳴動は1回であった.ROMex実施は,大腿静脈に非カフ型カテーテルを留置した患者に対してのCHDF治療に影響を及ぼさないことが示唆された.
著者
石川 遼 遠藤 正之
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR MANAGEMENT INFORMATION (JASMIN)
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
pp.97-100, 2023-01-31 (Released:2023-01-31)

バイナリーオプションとは、為替相場などを対象に、予め決められた時点の騰落を予測し、ある値よりも高いか低いか、二者択一で選ぶ取引である。一見単純な取引だが、実際は複雑な理論的根拠に基づく金融取引であり、射幸性が高いという特徴がある。本稿ではバイナリーオプション取引においてプロスペクト理論をどのように適用できるかを二人の被験者の取引の結果を比較・分析し考察する。
著者
遠藤 壮馬 淺井 仁
出版者
一般社団法人 日本神経理学療法学会
雑誌
神経理学療法学 (ISSN:27580458)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.35-44, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
33

【目的】痙直型脳性麻痺片麻痺児の痙縮腓腹筋に対する局所振動刺激とストレッチの併用介入が粗大運動能力の向上に及ぼす影響を、シングルケーススタディ(ABABデザイン)を用いて検討した。【方法】対象は腓腹筋に痙縮が認められる2歳11カ月の痙直型脳性麻痺右片麻痺児である。ABABデザインを用いて、通常ストレッチ(A期)と腓腹筋への振動刺激とストレッチの併用(B期)をそれぞれ実施し、時期別にアウトカムを比較した。アウトカムは膝関節伸展位での足関節背屈可動域、腓腹筋のModified Tardieu Scale(MTS)、66項目版Gross Motor Function Measure(GMFM-66)、GMFMの項目D(立位)および項目E(歩行・走行)とした。【結果】膝関節伸展位での足関節背屈可動域およびMTSのR1(素早く足関節を背屈させて抵抗が起こる最初の角度)の値はB期にのみ改善が認められた。また、開始時と終了時で比較するとGMFM-66、GMFMの項目DおよびEの点数の向上がそれぞれ認められたが、時期別に比較すると2回のB期にのみ点数の向上が認められた。【結論】振動刺激とストレッチの併用介入は通常のストレッチ介入よりも運動能力の向上に寄与する可能性がある。
著者
坂内 くらら 遠藤 伸太郎 大石 和男
出版者
日本音楽教育学会
雑誌
音楽教育学 (ISSN:02896907)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.13-24, 2022 (Released:2023-03-31)
参考文献数
52

音楽を専攻する大学生 (以下, 音大生とする) は抑うつ傾向が高いことが知られている。本研究は音大生を対象に, 演奏不安, 自尊感情, 友人および主科の指導教員との関係の良好度と抑うつ傾向との関連を検討することを目的とした。従属変数を抑うつ傾向とし, Step 1に統制変数として性別と年齢, Step 2に演奏不安, 自尊感情, 友人との関係の良好度, 主科の指導教員との関係の良好度, Step 3に自尊感情と演奏不安, 自尊感情と主科の指導教員との関係の良好度, 自尊感情と友人との関係の良好度, 主科の指導教員との関係の良好度と友人との関係の良好度, それぞれの交互作用項を投入した階層的重回帰分析を行った。その結果, 自尊感情と主科の指導教員との関係良好度と抑うつ傾向の間に有意な負の関連が認められた。このことから, 音大生の自尊感情が低い場合や, 主科の指導教員との関係が良くない場合は, 抑うつ傾向がより高まる可能性が示唆された。
著者
高橋 聡 三田 知子 村上 恵理 遠藤 雅士 丹波 嘉一郎 長谷川 聰 白井 克幸
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.89-94, 2023 (Released:2023-03-29)
参考文献数
15

【緒言】ブプレノルフィン経皮吸収製剤(BTDP)の自己中断により,急性オピオイド退薬症状を呈した在宅医療患者を報告する.【症例】84歳,在宅訪問診療利用中の男性.腰部脊柱管狭窄症の悪化により,4カ月前からBTDPで鎮痛されていた.症状改善傾向と考えた家人が,患者本人に無断でNSAIDs経皮吸収製剤に貼り替えたところ,約50時間後から5分ごとの頻尿や失禁,水様性下痢,発汗,血圧低下,足裏の不快感,不眠などの多彩な症状が表出された.Clinical Opiate Withdrawal Score(COWS)では12点の軽度退薬症状に該当した.発症後24時間で激しい症状はほぼ自覚されなくなり,48時間後には完全に消退した.【結論】BTDPの急速な中止による退薬症状の報告例は少ない.医学薬学的な側面のほか,在宅医療におけるオピオイド製剤使用上の社会的問題点も明らかとなった.
著者
長谷 宏紀 遠藤 雅伸
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.171-173, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
6

不愉快を感じさせるゲームがある。我々は不愉快を感じる要素を調査し、それを故意に組み込んだゲームを実装し実証実験を行った。その結果の分析より、ゲームを楽しめない要素として、不適切なルールとプレイヤーのスキル不足が抽出された。一方、不愉快であることを察知し、ルールを創発してゲームを楽しむ一面も存在した。
著者
遠藤 知弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

詳細な情報(幾何形状・核種組成)が不明あるいは不確かさが大きな核燃料を含んだ体系において、体系の未臨界度(どれだけ臨界未満なのかを示す指標)を測定する手法として、本研究では以下の研究に取り組む。①原子炉雑音(中性子計数の統計的揺らぎ)の情報から、体系が臨界近傍か否かを判断する手法を開発し、実証試験を行う。②過渡変化時における中性子計数率の時系列データの情報から、不確かさが大きな体系において未臨界度を概算する手法を開発し、実証試験を行う。③複数の中性子検出器信号から、体系固有の基本モード成分に相当する測定量を抽出する手法を開発し、体系固有の測定量を活用して不確かさを低減可能か検討する。