著者
宮脇 淳 石井 吉春 遠藤 乾 山崎 幹根 林 成蔚 木村 真 若松 邦弘
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

台湾の直轄市制度の拡充に伴う政府間財政調整制度改革の政策議論、韓国の広域市制度の展開、欧州の財政危機問題に伴う財政と政治の理論的関係等について合意形成にまで掘り下げた比較研究を行い、その成果を日本の地方分権議論に反映させる調査研究を行った。とくに、台湾の直轄市制度に関する調査研究は、日本の大都市制度議論、財政調整制度のあり方、そして閣議意思決定との関係について新たな視野を形成した。
著者
遠藤 織枝 桜井 隆 陳 力衛 劉 頴 CHEN Liwei LIU Ying
出版者
文教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

中国女文字の保存を考える2004年の現地調査での女文字の実情を報告する。調査に訪れた2週間後に伝承者陽換宜が死去して、この文字を伝統的方法で習得し、娘時代に実際にこの文字をコミュニケーション手段として用いた人はいなくなった。緊急によりよい保存の方法を講じなければいけないときにきている。調査の結果、伝統的な文字とは変形した文字が盛んに書かれていること、そのような書き手を現地政府が重用していること、昔の女性の文字に最も近い文字を書く何艶新が生活に追われて文字から離れてきていることがわかった。女文字の保存にとって望ましい状況ではないことが憂慮される。この文字の歴史や規模について、3000年以上の歴史がある、2000字以上の文字があるというような誇張された大げさな言説がインターネット、新聞などに流布している。この文字を、昔の女性たちが使い・伝えた、本来の姿に近い姿で保存することが望ましいが、以上のような根拠のない無責任な言説は、本来の女文字の姿を歪めかねない。こうした事態を軌道修正し、合理的・科学的に考究し合って共通理解を得ることが肝要と考えて、中国と日本との研究者の共同主催でシンポジウムを開いた。両国研究者が一堂に会して、同じ対象についてそれぞれの研究を発表し合い、真摯に討論する機会が得られた。女文字の研究方法や歴史に対する考え方にも共通の理解が得られたことは大きな成果であった。
著者
遠藤 康行 今泉 昌之 吹田 宗義 大塚 健一 井須 俊郎 布下 正宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, pp.471-472, 1995-03-27

1990年に米3M社よりZnCdSe/ZnSSe系を用いた電流注入型レーザ(LD)が報告されて以来、II-VI族化合物半導体を用いた青〜青緑色LDの研究が精力的に行われてきた。1993年には複数の研究機関よりZnMgSSeをクラッド層とした構造での室温連続発振が報告され、素子の長寿命化や素子作製の再現性といった実用化へ向けての研究課題に関心が寄せられるようになってきた。これまでに報告されたこれらLDのワイドギャップII-VI族半導体結晶はほんとど固体ソースMBE法(以下MBE) によって作製されてきたが、構成元素の蒸気圧が非常に高いため、クヌーセンセルにおいて固体原料を加熱することにより分子線を供給するMBEでは分子線量を制御することが極めて困難である。そのため混晶組成の厳密な制御が困難であるという本質的な問題点を有している。一般に構成元素の蒸気圧の高い材料の組成制御性は、ガス流量によって制御可能なMOCVD法等の気相成長が優れている。しかしながらMOCVD でこれまではMBEで成功している窒素による高濃度のP型ドーピングが困難であったため積極的なデバイス作製を行われなかった。これでは気相中あるいはドーパント分子中に含まれる水素が窒素アクセプタの活性化を妨げるためで、ここ最近になってt-BNH_2をドーパントとした光MOCVD法による高濃度p型ドーピングの報告がされるようになってきた。ガスソースMBE法(以下GSMBE)は、分子線量をガスの流量あるいはガスセル内の圧力によって制御するため制御性に優れ、MBEと比較して特に構成元素の蒸気圧の高い材料を再現性良く成長するのに適した結晶成長方法である。我々は、特に蒸気圧の高いS,Seの原料としてH_2Se(100 %)、H_2S(H_2 希釈)を用いたGSMBEによりZnSe、ZnSSeの結晶成長、p型ドーピングの検討、LD素子の作製を行ってきた。その結果、ZnSSeの結晶制御が容易であること、水素雰囲気下でも高濃度のp型ドーピングが可能であることを明らかにし、さらにLDの試作を行ってきた。本講演では、それらの結果について述べる。
著者
遠藤 徹 田口 平八郎
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.30-32, 1973-01

Four glucosides were isolated from the fruits of Cornus officinalis SIEB. et ZUCC.(Cornaceae). Three of them were identified with morroniside (VII), loganin (IV), and sweroside. The other one was a new iridoid glucoside, 7-ο-methylmorroniside (VI), (tetraacetate (I), mp 103-105°) which seemed to be an artifact formed during the extraction process.
著者
植田 一博 遠藤 正樹 鈴木 宏昭 堤 江美子
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.260-273, 2002-06-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
22
被引用文献数
1

When they use daily electronic appliances to achieve their goals, users need to decompose their goals to a set of subtasks in a specific way. A previous study revealed that users who have extreme difficulties in using such appliances fail to decompose the task, or that their decompositions are different from the one that designers assume. Based on this view, we propose a new method to help users understand “task decomposition” by providing all operating functions in a tree structure. We conducted three experiments. In the first and second experiments, we built support panels corresponding to the operating panels of two different copiers, which visualize all operating functions of respective copiers to facilitate users' understanding task decomposition. We compared the copying performance of subjects who used the support panels with that of those who did not. Both the support panels were found to be useful for technologically inept users. We then built an interface by integrating the operating panel into the support panel, both of which were provided in the first experiment: We conducted an experiment similar to both of the previous ones and evaluated its effectiveness. The result showed that this interface facilitated users' task decomposition. We conclude that the supporting method we proposed is effective for technophobic users' understanding task decomposition.
著者
森 ます美 浅倉 むつ子 遠藤 公嗣 木下 武男 大槻 奈巳 山田 和代 浅倉 むつ子 遠藤 公嗣 木下 武男 大槻 奈巳 山田 和代 禿 あや美 小倉 祥子
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

近年のイギリス賃金平等法の発展、同一価値労働同一賃金原則に関する職務評価制度・紛争解決システムの現状を把握した。その成果を反映させ、日本のスーパーマーケット販売・加工職および医療・介護サービス職をモデルに職務評価調査を実施した。これら一連の研究から日本における同一価値労働同一賃金原則の実施システムとして、(1)関連する法制度の改正と労働審判制度を活用した紛争解決システムの提案、(2)日本の職務実態・職場慣行等を考慮した職務評価制度の構築を行った。
著者
遠藤 卓郎
出版者
筑波大学体育センター
雑誌
大学体育研究 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
no.27, pp.11-29, 2005-03

「ボディワークは自分を確認する手だてといえるだろう。普段私たちは自分を外側から確認している。例えば、家族や集団の中でどの位置にいるか、他人にどう認められているかなどで自分の存在を確かめている。自分自身の感覚で、それを強く認識することはあまりない気がする。しかし、深呼吸をしているとき、私は体に気力満ちてきて、 ...
著者
大島 真 山田 孝治 遠藤 聡志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.84-87, 2011-10-28

本研究では囲碁のヒューリスティックとして碁石をポテンシャルと見なした静的解析手法の実験を行っている.囲碁の解法に物理モデルを用いた研究は幾つか成されているが、従来研究では群や領域や石の影響度といった局所を構成する要素の評価を目的としているのに対し,本研究では対局序盤での勝敗に関わる碁盤の重要な領域の直接的な抽出を目標としている.実験では計算機同士の対局に提案手法を適用した場合の勝率の変化傾向や,モンテカルロ碁による評価と提案手法が抽出する領域との一致率などを求め,碁盤上の石の配置と勝敗に関わる重要な領域との間に幾何学的な規則性がある事を例証した.
著者
遠藤 一佳
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
no.81, pp.57-66, 2007-03

Recent hypotheses regarding the origin and body plan evolution of brachiopods are reviewed. Brachiopods are firmly placed within the lophotrochozoa, one of three major bilaterian lineages revealed by molecular phylogeny. Comparisons of mitochondrial gene arrangements further suggest that brachiopods are closer to annelids than to molluscs, a scheme supported by morphological comparisons of Cambrian fossils, including those of halkieriids and wiwaxiids. Any scenario explaining the brachiopod origin may involve curling of the dorso-ventral axis along the anterior-posterior axis. This hypothesis could partly be tested by methods of molecular developmental biology. Some potential pitfalls of this approach are discussed with reference to the deuterostome-like features of brachiopods and to the ubiquity of co-option of developmentally important genes.
著者
黒柳 正典 梅原 薫 柴田 和利 砂山 玲子 遠藤 深春 佐藤 裕子 白須 直美 上野 明
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.36, pp.9-16, 1994-09-20

Although much attention has been given to cell differentiation inducers as new types of anti-tumore agent, only a few studies has been reported on differentiation inducers from plant sorces. Therefore, we have searched for naturally occouring substances which induce differnciation of leukemia cells. From Condurango Cortex (Marsdenia condurango) (Asclepidaceae) and Periplocae Cortex (Periploca sepium B.) (Asclepidaceae), many kids of pregnan derivatives and some cardenolides. From withania (Withania somnifera) (Solanaceae) (using Indian market withania and withania cultivated at the medicinal plant garden of this university), more than thirty kinds of withanolides were isolated. From Physalis alkekengi (Solanaceae), physalin and neophysalin derivatives were isolated. Structural elucidation of these 60 kinds of steroid derivatives were carried out by means of spectral methods, especially using NMR spectroscopy including H-H COSY, H-C COSY, HMBC, NOE technics. These steroidal derivatives were tested on cell differentiatio inducing activity against mouse myeloid leukemia (M1) cells. Many kinds steroid derivatives showed the activity. Of these active compounds, some kinds of withanolids, 27, 33, 34 and 35 having 4β-hydroxy-5β,6β-epoxy-2-en-1-one structure of AB ring, showed potent differentiation inducing activity.
著者
遠藤 暁 HOSHI M. TAUCHI H. TAKEOKA S. KITAGAWA K. SUGA S. MAEDA N. KOMATSU K. SAWADA S. IWAMOTO B. SAKAMOTO S. TAKEYAMA K. OMURA M.
出版者
日本放射線影響学会
雑誌
Journal of radiation research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.91-102, 1995-06
参考文献数
13
被引用文献数
10 24

A neutron generator (HIRRAC) for use in radiobiology study has been constructed at the Research Institute for Radiation Biology and Medicine, Hiroshima University (RIRBM). Monoenergetic neutrons of which energy is less than 1.3 MeV are generated by the ^7Li(p,n)^7Be reaction at proton energies up to 3 MeV. The protons are accelerated by a Schenkel-type-accelerator and are bombared onto the ^7Li-target. An apparatus for the irradiation of biological material such as mice, cultured cells and so on, was designed and will be manufactured. Neutron and gamma-ray dose rates were measured by paired (TE-TE and C-GO2) ionization chambers. Contamination of the gamma ray was less than about 6% when using 10-dum-thick ^7Li as a target. Maximum dose rates for the tissue equivalent materials was 40 cGy/min at a distance of 10 cm from the target. Energy distributions of the obtained neutrons have been measured by a ^3He-gas proportion-al counter. The monoenergetic neutrons within an energy region from 0.1 to 1.3 MeV produced by thin ^7Li or ^7LiF targets had a small energy spread of about 50 keV (1 Gσ width of gaussian). The energy spread of neutrons was about 10% or less at an incident proton energy of 2.3 MeV. We found that HIRRAC produces small energy spread neutrons and at sufficient dose rates for use in radiobiology studies.
著者
八村 広三郎 赤間 亮 吉村 ミツ 遠藤 保子 小島 一成 崔 雄 丸茂 美恵子 中村 美奈子 阪田 真己子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,舞踊における身体動作の計測と保存のためのアーカイブ技術,およびそのデータに対する数量的解析を行うことを目的としている.ここでは,デジタル画像処理技術で身体動作を精密に計測できる光学式モーションキャプチャ・システムを利用して,舞踊の身体動作データを取得する.キャプチャして得た各種の舞踊動作データを保存し,これを各種の解析や情報処理において活用する。さらに,動作データは解析や処理の研究に使うだけでなく,CGなどでコンテンツとして作成し,教育や広報活動の素材としても利用する.また,新しい芸術表現の可能性を探るものとして,これらのCGによる舞踊動作の表示を,仮想現実感(バーチャルリアリティ:VR)の環境下で活用することも視野に入れて研究活動を行ってきた.解析の結果や,CG・VRでの表現は,舞踊研究者,舞踊家,芸能研究者など,いわゆる文系の研究分担者へフィードバックし,さらに高度で,よい解析結果や,新しい表現の創出を心がけてきた.このように,このプロジェクトの研究は,単に理が文を支えるということだけではなく,文一理の間で情報を巡回させることにより,より深い成果を得るという形を重視してきた.期間内に対象とした舞踊は,日本舞踊と能楽が中心であったが,そのほかにも,アフリカの民族舞踊なども扱った.また,舞踊の種類には限定されないが,一般的に,舞踊という身体表現,あるいは日常動作をも含む身体動作に共通の動作解析手法,たとえば動作のセグメンテーション,動作や動作者の識別,身体動作の類似検索などの手法についても研究を行った.舞踊動作の質を評価する試みとして,舞踊の中の特徴的動作の抽出やラバン動作解析の手法による,動作の評価を行った.さらに,筋電図などの生体情報とモーションキャプチャによる動作データとの同時計測を可能にし,これらに基づいて熟練者と初心者の違いについて明らかにした.
著者
森 裕子 遠藤 伸 伊藤 亨子 柏崎 直巳 二宮 博義 猪股 智夫
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.125-127, 2006

本研究は,ビオチン欠乏がラット海馬へ及ぼす影響について,Timm染色法を用いて海馬組織を組織計測するとともに,DNAマイクロアレイ法を用いて海馬組織における遺伝子発現を検証した。組織学的観察では,歯状回,CA1,CA3の各エリアにおいてBD群の方がBS群より神経細胞が小さい傾向を示し,ビオチン欠乏により海馬神経細胞の代謝活性が低下していることが示唆された。また,Hilus,Lucidum領域のシナプス密度は,背側海馬(頭側)では両群の間に差は認められなかったが,腹側海馬(尾側)ではBD群の方がBS群より有意に増加しており,ヒト側頭葉てんかんに見られる所見に類似することが示唆された。さらに海馬組織の遺伝子発現については,BD群では細胞間や細胞内情報伝達に関わる複数の遺伝子(アセチルコリン作動性受容体,AMPA型受容体,神経軸策伸張に関わる関連遺伝子)が抑制されており,ビオチンが遺伝子発現にも重要な働きを示すものと推察された。ビオチンは脳機能の維持,特に記憶・学習に関与している可能性がある。
著者
岡本 仁宏 荒木 勝 菊池 理夫 木部 尚志 古賀 敬太 杉田 敦 千葉 眞 寺島 俊穂 富沢 克 的射場 敬一 丸山 正次 山崎 望 山田 竜作 大澤 真幸 岡部 一明 遠藤 比呂通 ありむら 潜 大竹 弘二 立岩 真也 石井 良規 天野 晴華
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

冷戦後の世界において、多くの人びとは我々の政治理論・社会理論が動揺する世界秩序を把握する言葉や構想を持ちえていないことを感じているという現状認識のもとに、近代政治理論における政治主体の基本用語の可能性と限界を追求した。「人間、国民、市民」(ヒューマニティ、ナショナリティ、シティズンシップ)という基幹的主体用語を中心に、「市民社会、ナショナリズム、グローバリズム」という三つの政治思想との関連において、その妥当性を検証し、既存概念の限界を指摘すると同時に、それらに代わる政治主体の可能性を検討した。
著者
星 正治 山本 政儀 遠藤 暁 高田 純 吉川 勲
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

セミパラチンスク核実験場近郊住民の被曝の影響調査に関して、文部科学省の科学研究費補助金で平成7年度より継続した研究を行ってきた。本研究は平成13年度と14年度にわたって行われた研究である。この研究は平成6年に原医研が改組されその際に研究テーマの一環として組み込まれ、その後平成14年度の改組においても引き続き推進することが認められた。セミパラチンスクでの被曝の特徴は、1.外部と内部被曝をほぼ半分ずつ含むこと、2.線量的にドロン村で1Gyと大きいこと、それから3.数週間から数ヶ月の低線量率被曝であることである。今回の調査では、従来通り、プルトニウム、セシウムなどの土壌汚染の測定、人体の骨や臓器の汚染、人の歯を使った外部被曝線量評価、煉瓦を使った外部被曝線量評価のうち相互比較を進めるための準備を進めてきた。これらから、たとえばドロン村では1Gy相当の被曝があったことを証明した。また人体影響の調査も進め、甲状腺の検診、血液中の甲状腺ホルモンの測定、血液の染色体異常の検出、個人被曝線量の評価のための準備なども進めた。甲状腺の検診では放射線の感受性があるとされている結節を多く検診し、リンパ球については小核と染色体異常を観察している。また平成14年9月にはセミパラチンスクで開催された放射線量評価の国際会議を開催したことが特筆される。主催はセミパラチンスクの放射線医学環境研究所と医学アカデミーであり、ドイツ、ロシア、イギリス、フィンランド、アメリカ、インドなどの代表が参加した。広島大学は会議を主導し、従来の被曝線量評価があまりにも違いが大きいのでこれを国際的に解決する目標を提案し承認された。放射線被曝の線量評価は疫学調査と合わせて低線量率被曝のリスクを求めることにある。したがってこの直接的にリスクに影響する。
著者
富永 英之 石北 朋宏 有坂 有紀子 樋口 徹也 織内 昇 遠藤 啓吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.1708-1714, 2008-07-01

分子イメージングとは,生体内で起こる様々な生命現象を外部から分子レベルでとらえて画像化することであり,様々な画像装置が開発されている.最近,分子イメージングに最も適した手技として,社会的にも注目を集めているのはPETといえよう.PETとは放射性物質で標識した薬剤(トレーサー)を投与し,細胞及び組織の機能をイメージングする方法である.日本では2002年に[^<18>F]FDG(2-deoxy-2-[^<18>F]fluoro-D-glucose)というトレーサーが腫瘍に対して保険適用ができるようになり,これまでごく一部の施設で使われていたものが,多くの病院で利用されるようになった.またPETは[^<18>F]FDG注射液を静注することだけで検査ができる低侵襲な(患者の痛みなどの負担の少ない)方法であり,ほぼ全身を診断できるということでがん検診にも利用されるなど急速に普及している.PETはFDGという薬剤を注射することでほぼ全身の腫瘍が分かり,苦痛の少ない方法と注目されている.PETは生体内の機能をイメージングすることができるため,腫瘍に対して様々な角度から研究されている.