著者
金山 時恵
出版者
新見公立短期大学
雑誌
新見公立短期大学紀要 (ISSN:13453599)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.39-44, 2008
被引用文献数
1

子どもたちの発育には,早寝早起きの生活リズムの確立や十分な睡眠の確保が重要である。A市における幼稚園児と保育園児の起床時間は7時が,就寝時間では22時が最も多くみられた。幼稚園児の就寝時刻では,18時30分から23時の差がみられ,保育園児では20時から23時の差がみられ,23時に就寝する幼児は11名であった。就寝時間は両者において有意差がみられた。また,22時以降に就寝する児は2〜3名と数名ではあるが2歳からみられ生活リズムが夜型化していた。幼少期から望ましい生活リズムや生活習慣を獲得することは,子どもの将来の健康にとって重要である。今後はさらに,文部科学省がはじめた子どもの生活習慣改善のための「早寝・早起き・朝ごはん」を家族全員で意識し取り組むことから始めることも必要であると考える。また,両児とも遊び場所は家の中での遊びがほとんどであった。遊びは,子どもたちが成長発達していく上でのエネルギーの源であり,遊びを通して多くの社会性を身につけ多くのことを学び自立していくものである。子どもたちの安全を守りながら,大人も一緒に遊んであげているというスタンスではなく,大人の趣味や得意な遊びを取り入れて積極的に遊びを楽しむ姿勢を持つことが必要である。
著者
金 史英 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.39-45, 2014-07-20 (Released:2014-07-20)
参考文献数
43

外傷診療における画像診断の有用なモダリティとなったCTが,短時間での全身撮影を可能とした結果,外傷初期診療時に全身CTを行う概念が広く受け入れられ,多くの施設で施行されることとなった.しかしJATECでは,primary surveyでのCTは推奨されず,循環不安定例に対する撮影は一般的には禁忌とされている. 近年,CTの技術的進歩とCTやIVR-CTの蘇生室等への設置がなされた結果,外傷患者に対する全身の撮影がより容易となり,全身CTのprimary surveyへの導入や循環不安定例に対する撮影が行われ,死亡率を減少させることが報告されている.従来の身体所見や画像検査を用いたprimary surveyは,もはや最適とは限らないともされ,最短時間で最適な治療をもたらし得る全身CTを,循環不安定例に対しても積極的に適用すべきである.しかしながら,循環不安定例の全てに安全に全身CTが施行可能とは限らず,我々はCTを撮影しない勇気を持ち続ける必要がある.
著者
鈴木 美緒 吉田 長裕 山中 英生 金 利昭 屋井 鉄雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_867-I_881, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
58

近年,世界的に自転車の環境にやさしい交通手段としての特性が見直され, わが国においても自転車の都市交通における位置付けが見直される好機にある.特に,わが国の自転車は歩道走行が常態化していることから,歩行者の安全性を確保するべく,道路に走行空間を創出する動きが急速に進んでいる.しかし,実際には実務主導型で整備されているのが現状であり,このような一過性の政策では,時間を要するネットワーク整備は完成し得ない.そこで本研究では,17自治体を対象に自治体へのヒアリング調査を行ない,自転車交通に関する政策目標,ネットワーク計画の策定やその走行空間の考え方の違いを明らかにし,継続的な自転車走行空間整備が行なわれるための計画推進体制および実施協議体制のありかたについて考察した.
著者
金澤 周作
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

18 世紀、19 世紀のイギリスで隆盛を極めたチャリティ活動は、20世紀初頭の「国家福祉」萌芽期においてもなお、困窮者救済に根本的な重要性を持ち続けた。本研究では、第一次世界大戦期に行われた「戦争チャリティ」の実態を実態的かつ言説的に分析することで、国家の積極的介入がこれまでになく強く求められていた戦時下にあってさえ、チャリティの伝統が強固に力を発揮し続けていたさまを明らかにすることができた。
著者
岩元 祐輝 菅谷 保之 金谷健一
出版者
情報処理学会
雑誌
コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.19, pp.1-8, 2011-01-13
被引用文献数
1

多画像から3次元形状復元を行うバンドル調整のアルゴリズムを最新の研究に基づいて詳細に記述する.本論文で着目するのはカメラ回転の適切な取扱い方,および特徴点と画像数が多いときの計算とメモリの効率化であり,これらがバンドル調整実装の骨子となる.そして,2画像からの基礎行列の計算,および多画像からの3次元復元に対する実験行い,その性能を評価する.We describe in detail the algorithm of bundle adjustment for 3-D reconstruction from multiple images based on our latest research results. The main focus of this paper is the handling of camera rotations and the efficiency of computation and memory space usage when the number of feature points and the number of frames are large. An appropriate consideration of these is the core of the implementation of bundle adjustment. Doing experiments of fundamental matrix computation from two images and 3-D reconstruction from multiple images, we evaluate the performance of bundle adjustment.
著者
浦川 順治 照沼 信浩 本田 洋介 坂上 和之 山本 樹 柏木 茂 楊 金峰 鷲尾 方一 栗木 雅夫 福田 将史 高富 俊和 Liu Shenggnuang Deshpande Abhay Potylitsyn Alexander Tishchenko Alexey A. Konoplex Ivan. V. Ghosh Subhendu
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

フェムト秒パルスレーザー3倍高調波出力の高強度化(1.0mJから2.7mJへ)及び高安定化(pointing and energy stability <1.0%)を進め、光カソードからの90フェムト秒電子単バンチ及び4ミクロバンチビーム生成・加速(8MeV)後、遷移放射、スミスパーセル放射によるブロードバンド及び準単色化THz(0.3~10THz)特性測定を行った。2から4ミクロバンチ生成によるTHz超放射確認実験は、30cm-5周期小型ウィグラー磁石を使って行った。ウィグラー磁石Gap調整によりFEL共鳴放射条件を満足させた結果、Sub-THz超放射測定に成功した。THz応用実験も行った。
著者
金子 裕一郎
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学経済学論集 (ISSN:09183418)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.1-14, 2013-03-29
著者
阿部 ひと美 今井 正司 根建 金男
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-9, 2011 (Released:2012-02-29)
参考文献数
23

役割固定法(fixed-role therapy: FRT; Kelly, 1955)は,構成主義的な理論のひとつであるパーソナル・コンストラクト理論(personal construct theory: PCT)に基づいた心理的介入技法である。本研究では,演じる役割を決定する手続きに実験参加者の意思決定を取り入れるという改良を加えたFRTを開発し,その社会不安に対する効果を実証的に検討することを目的とした。実験参加者は,社会不安傾向が高い大学生であり,改良型FRT群(11名),従来の標準的な手続きにのっとった標準型FRT群(10名),統制群(11名)に割り振られ,2週間にわたる実験に参加した。その結果,改良型FRT群,標準型FRT群では,統制群と比較して社会不安が有意に低減した。また,改良型FRT群では,標準型FRT群と比較して,社会不安が有意に低減する傾向が示された。さらに,PCTに基づいたアセスメント法であるレパートリー・グリッド法を用いた評定の結果,改良型FRT群では,標準型FRT群よりすぐれた効果が示された。したがって,改良型FRTはすぐれた社会不安低減効果を有することが示唆された。
著者
遠藤 泰生 中野 勝郎 増井 志津代 荒木 純子 松原 宏之 橋川 健竜 肥後本 芳男 佐々木 弘通 森 丈夫 中野 由美子 久田 由佳子 金井 光太朗 CHAPLIN joyce CAPOZZOLA christopher GOODMAN david JAFFEE david HALL david
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

「公民的要素」「政治的要素」「社会的要素」他の要素に市民権を分別しその成長を直線的に理解することに西欧の市民社会理解は特徴付けられる。しかし、19世紀前半のアメリカ合衆国における市民編成原理の歴史を理解するには、そのような枠組みは図式的すぎる。19世紀前半の合衆国における市民編成原理の追求は、領土の拡大と不断の移民の受け入れ、消費革命の浸透、奴隷制度の是非をめぐる論争などの問題に直面しながら行われた。本研究ではその歴史を、手稿請願、読書習慣、教会説教、大西洋世界における図像リテラシー他を媒体とする非公式の政治行為に携わる市民をも包摂する、巨視的視野から検討する。
著者
田地野 彰 寺内 一 飯島 優雅 高橋 幸 金丸 敏幸
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、大学生の英語学術論文作成技能の向上を図るため、インストラクショナルデザインの手法を用いて、大学の全学共通英語教育におけるアカデミックライティングコースの設計を行った。コース設計は、(1)評価指標の構築、(2)課題、教材、評価方法、フィードバック方法の開発及び効果の検証、(3)自律学習支援ツールの開発、の手順で行った。(1)では各種資料から評価項目のデータベースを作成し、記述型・段階尺度型の指標を構築した。(2)では主に技能統合型タスクを開発するとともに、英文産出の質的な向上をもたらすフィードバック方法を調査した。(3)ではムーブ分析結果に基づいて英語論文表現データベースを構築した。
著者
金森 祥太 藤原 和也 玉木 徹 金田 和文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.249, pp.25-30, 2009-10-15

本論文では,大気光学現象である虹を物理的な光学現象を考慮してフォトリアリスティックにレンダリングする手法を提案する.波動光学を考慮することで過剰虹の表示や,異なる半径の水滴による虹の表示が可能となった.また,大気中の水滴の分布,空気分子による光の減衰(outscattering,absorption)を考慮することによって,水滴による光の干渉現象や,太陽高度による虹の色変化を表示できる.さらに,空の色に代表されるような大気中の空気分子による散乱(in-scattering)を考慮することによって,虹の背景にある空の色も合わせて表示でき,空の色が虹に与える影響もレンダリングした虹に加えることができる.
著者
森重 敏子 青山 よしの 堀 洋子 金子 小千枝
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.247-252, 1981-12-20
被引用文献数
1 5

9色の着色あめ玉のうちから年令、性別、居住地等の異なる調査対象1835名に1種を選択させ、同時にその選択理由を記入させ、色彩嗜好傾向を調べた。1.学令別色彩嗜好傾向には有意の差が認められた(χ^2=368.414, P<0.001)。低学令ほど各色の嗜好率に大差を示し(幼稚園、小学生では赤、青に片寄った嗜好を示す)、学令が進むに従って各色の嗜好率の差が減少し、特に大学生では色彩嗜好の多様化が認められた。各色の学令別の嗜好傾向は、低学令で有意に多く好まれる色(赤、青)、高学令で有意に多く好まれる色(黒、無色、ひき茶)、学令による差のない色(橙、緑、紫)の3群に分けられるようである。2.男女別では、女子は赤、橙、男子では青、緑、黒、紫で嗜好率が有意に高い。しかしこの男女差は低学令ほど顕著で、赤、橙は幼稚園、小学生で女子の嗜好率が著しく高い為であり、青、黒は幼稚園、小学生の男子の高率による。3.季節差では、夏に青、冬に黒がそれぞれ有意に多く嗜好された。地域別では、都市で赤が、農村では黄が有意に好まれた。4.選択理由は、総計では"色と味"が有意に多く、次いで"色"、"味"、"色と感覚"の順に選んでいる。低学令ほど、また男子より女子に"色"で選んだものが多く、大学生、また男子の方に"味"で選んだものが多い。橙、黒、ひき茶は"味"で他の色は"色"で選ぶ傾向にあった。
著者
金泉 志保美 牛久保 美津子 牧野 孝俊
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

医療的ケアを必要とする小児の親が在宅療養を選択し意思決定する過程およびその影響要因を明らかにすることを目的とし、両親11名への半構成的面接のデータを質的帰納的に分析した結果、母親への面接データからは53のカテゴリが生成され、様々な不安や葛藤から、児の状態を受け入れ、児に対して感じる愛情から在宅養育の決定に至る過と、影響要因が明らかとなった。父親への面接データからは44のカテゴリが生成され、そのうち28カテゴリが母親と共通していた。
著者
金澤 悠介
出版者
立教大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、コモンズの管理のありかたとそれに影響を及ぼす要因を計量的な手法により明らかにすることをつうじて、既存のコモンズ研究を刷新するような知見を獲得することである。『昭和49年全国山林原野入会林野慣行調査資料』に記載されている入会林野の事例をデータベース化し、計量分析を行ったところ、以下のような知見が得られた。(I)当時の入会林野の管理形態は、集落直轄型・権利流通型・半私有化型・古典的利用型の4つの類型に分類できる。(II)コモンズの管理形態には、人口構成や産業構成の変化といった社会変動が大きな影響を与えていた。