著者
奥平 麻里子 鈴木 哲 小野田 和夫
出版者
[東北農業試験研究協議会]
雑誌
東北農業研究 (ISSN:03886727)
巻号頁・発行日
no.56, pp.143-144, 2003-12

岩手県で栽培されているリンゴ品種は、晩生種に偏重した構成となっている。また、早生種収穫以降及び中生種収穫前の9月下旬に収穫できる優良品種が無いことから、この時期に収穫できる品種の開発が望まれていた。さらに、県北部及び高標高地帯ではジョナゴールドやふじの熟期が遅れることから、中・晩生の優良品種開発への期待は大きい。そこで、品質及び栽培特性に優れた中・晩生の岩手オリジナルリンゴ品種の育成を目標とし、交雑育種並びに選抜を行った結果、9月下旬に成熟する黄色品種を獲得したので報告する。
著者
鈴木 圭輔
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.589-596, 2020 (Released:2020-09-29)
参考文献数
59
被引用文献数
1 4

新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019; COVID-19)の大流行に伴い,その対策や感染拡大防止に加え我々の社会的状況も激変しつつある.近年COVID-19に伴う神経症状は稀ではなく,頭痛は主な神経症状として注目されつつある.COVID-19に伴う頭痛の頻度は21臨床研究,8メタアナリシスにより5.6%~70.3%に認めた.一方COVID-19に罹患していない医療従事者などにおける頭痛は11.1%~81.0%にみられた.頭痛の詳細を記載した報告は少なかったが,本稿ではCOVID-19と頭痛の関連においてその頻度,特徴や病態について議論したい.
著者
宮下 弘 鈴木 一元 峯田 周幸 野末 道彦
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.304-309, 1990-08-10 (Released:2010-10-20)
参考文献数
13

We reported a case of invasive laryngeal carcinoma arising in preexisting big laryngeal papillomatosis.A-59-year-old man complained of increasing hoarseness and dyspnea before tracheotomy. We noticed huge tumor in the larynx. Pathological diagnosis was papilloma at the first examination. Because of recurrence of the tumor, frequent management by dioxide laser surgery was required to maintain an adequate airway every 2-month. At the fourth time biopsy, the histological diagnosis was epidermoid carcinoma. Papilloma virus was also found in carcinoma. For radical treatment, total laryngectomy was done, and his clinical course is very good for two years after surgery.Some discussions were made concerning the classification, etiology, transformation into carcinoma and treatment of papilloma.
著者
鈴木 誠 宮崎 崇
出版者
The Japan Society of Calorimetry and Thermal Analysis
雑誌
熱測定 (ISSN:03862615)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.244-250, 2007-11-15 (Released:2009-09-07)
参考文献数
25

高分解マイクロ波誘電スペクトルを応用した水中の溶質の水和状態を解析する方法を開発した。φスキャン法は溶質周りの水の誘電特性の空間分布に関する情報を提供する。溶質として,アルカリハライド塩,荷電高分子,タンパク質分子等の水和状態を明らかにすることができる。水の構造を破壊する塩として知られるヨウ化アルカリ等はバルクの水より高い誘電緩和周波数の水(ハイパーモバイル水)を周りにもっている。荷電密度の高い高分子やアクチンフイラメントもハイパーモバイル水をもっている。この水は,アクトミオシンの運動機構に関わるなど,生理的な意味でも重要な役割を担っているかもしれない。
著者
福島 秀晃 三浦 雄一郎 布谷 美樹 鈴木 俊明 森原 徹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.A0600, 2007

【目的】肩関節疾患患者が肩甲骨挙上筋群の過剰収縮と前鋸筋の収縮不全によって、肩関節屈曲初期より肩甲骨の不安定性を呈することを頻繁に経験する。そのため理学療法では前鋸筋の筋力強化や筋再教育、肩甲骨挙上筋群の抑制が必要となる。前鋸筋の筋力強化は諸家の報告により様々な方法が紹介されているが、これらの方法を有疾患患者に適応した場合、肩甲骨挙上筋群の過剰収縮を招きやすく本来の目的を達成しているかは疑問を感じる。本研究目的は、肩関節屈曲運動にて運動肢位を変化させた時の僧帽筋上部・下部線維、前鋸筋下部線維の筋活動を筋電図学的に分析し、肩甲胸郭関節の安定化に対する運動療法を再考することである。<BR>【方法】対象は健常男性5名両側10肢(平均年齢30.2±4.3歳、平均身長177.8±8.7cm、平均体重76.2±8.5kg)。対象者には事前に本研究の目的・方法を説明し、了解を得た。測定筋は僧帽筋上部線維、下部線維、前鋸筋下部線維、三角筋前部線維とし、筋電計myosystem1200(Noraxon社製)を用いて測定した。具体的な運動課題は座位、背臥位の各肢位にてそれぞれ肩関節を0°、30°、60°、90°、120°、150°屈曲位を5秒間保持させ、それを3回施行した。分析方法は座位での肩関節屈曲0°位の筋電図積分値を算出し、これを基準に各肢位、各角度での筋電図積分値相対値(以下、相対値)を算出した。各筋の相対値を各角度にて座位と背臥位間で対応のあるt検定を行った。<BR>【結果】僧帽筋上部線維の相対値は屈曲60°~150°間にて座位と比べ背臥位にて有意に減少した。僧帽筋下部線維および前鋸筋下部線維の相対値は屈曲30°では座位と比べ背臥位にて増加傾向を示したが、90°~150°間では有意に減少した。三角筋前部線維の相対値は屈曲30°では座位と比べ背臥位にて有意に増加し、60°~150°間では有意に減少した。<BR>【考察】背臥位での肩甲帯は胸郭に対し平面位となり、僧帽筋上部線維の活動は重力の影響が軽減される肢位である。肩関節屈曲60°より肩甲骨は上方回旋することから、屈曲60°以上での活動減少は、背臥位という運動肢位が僧帽筋上部線維の活動を発揮させにくい肢位であることが示唆された。三角筋前部線維の相対値は背臥位での屈曲30°にて有意に増加した。これは肩関節屈曲30°で生じる肩関節への力学的な伸展モーメントは背臥位の方が増大することから、これに抗するための筋活動増加であると考える。三角筋前部線維の活動は、肩甲骨と上腕骨の連結を行い、その伝達された力は浮遊骨である肩甲骨に不安定性を生じさせる。背臥位での屈曲30°で僧帽筋下部線維、前鋸筋下部線維の相対値が増加傾向を示したのは、肩甲骨の不安定性に対する制動の役割が座位よりも大きいことが示唆された。

1 0 0 0 OA 北越雪譜

著者
鈴木牧之 著
出版者
万笈閣
巻号頁・発行日
vol.2編 巻2, 0000
著者
田中 邦一 横田 道生 鈴木 徹 佐伯 悟
出版者
Japan Society of Photogrammetry and Remote Sensing
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.2-7, 1978-03-25 (Released:2010-03-19)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

沿岸環境や水質汚染の監視のために, 水面からの反射スペクトルの特性と水質との関連を明らかにする必要がある。こうした目的に沿って1975年から1977年までに筆者等は, いろいろな湖や海域で水面からの反射スペクトルの測定と同時に, 透明度等の水質調査を行なってきた。特に採水した試水については, 光学的な水質項目である懸濁物質量とクロロフィル量の分析を行なった。本論では, 以上の観測結果から, 水面からの反射スペクトルと水質との関連についての検討を行なった.これらの結果として, 汚濁の強い水域では清澄な水域より, 反射率が高いので, 水質の指標として水面反射率の測定は有効であると結論できる。
著者
鈴木 絢子 村上 陽子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】我が国の食文化は,微生物を利用した発酵食品によって支えられている。甘酒は,米と米麹を原料としてつくられる。甘酒には,米麹を用いるものと,酒粕を用いるものの2種類に大別される。米と米麹で作る甘酒(麹甘酒)は,アルコール分を含まないため,老若男女すべての世代において飲用できる。また,自然な甘味を呈するため,飲み物として飲用する以外に,砂糖やみりんなどに代わる調味料としての活用も期待できる。甘酒は,疲労回復や熱中症防止の飲み物として古くから親しまれ,かつ,近年ではその栄養効果の高さから注目を集めているが,その調製方法は経験によるところが多い。また,材料の一つである米麹は原料や製法により様々あるが,甘酒の成分組成や嗜好性に及ぼす影響についてはあまり検討されていない。そこで本研究では,麹甘酒の材料が成分と嗜好性に及ぼす影響について検討した。</p><p>【方法】材料として,市販の米麹を用い,米はうるち米(精白米)とした。米を蒸留水で数回洗米後,30分間吸水させ,炊飯器を用いて粥状に炊いた。炊飯後,蒸留水を添加し,温度が60℃まで低下したら米麹を加えてよく混合し,60℃にて麹甘酒を調製した。試料の糖度,マルトース濃度,グルコース濃度などについては経時的に測定した。食嗜好性は,静岡大学教育学部学生を対象に行った。</p><p>【結果および考察】麹甘酒の糖度・マルトース濃度・グルコース濃度は,調製時間の経過とともに有意に増加した。また,米麹の種類によって,各種成分に有意な相違がみられた。麹甘酒の食嗜好性を検討したところ,米麹の種類によって味や見た目などに有意な差がみられた。以上のことから,米麹は麹甘酒の成分や嗜好性に影響を及ぼすといえる。</p>
著者
松尾 浩一郎 根本 雅也 小倉 康嗣 清水 もも子 後藤 一樹 土屋 大輔 福山 啓子 岩舘 豊 加藤 旭人 鈴木 雅人 長峯 ゆりか
出版者
帝京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、原爆投下日である8月6日の広島平和記念公園という象徴的な時間と空間に着目し、ビジュアル・エスノグラフィの手法を用いてその包括的な記録と分析を行った。本研究から明らかになったことは、8月6日の平和記念公園では、広島における原爆被災とその後の復興の過程が、きわめて多様なやり方で受け止められているということである。原爆という一つの出来事を受け止めるにも、お互いに鋭く対立しあうような複数の立場性がある。それらが一つの時空間のなかで「共存」しているありさまを、映像データを駆使して明らかにした。
著者
鈴木 淳 大山 泰史
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第五分冊, 芸術・保健体育・家政科編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. Part V, Art, health and physical education, and home economics (ISSN:02863243)
巻号頁・発行日
no.61, pp.65-72, 2012-02-10

本研究では,近年バスケットボール審判員の能力として注目されているゲームコントロールについて注目し,国際審判として活躍した審判員を対象にゲームコントロールに関する実践知を知識化し,審判員および指導者育成に役立つ知見を実践現場に提供することを目的とした。その結果,「コミュニケーション力」「技術の理解」「戦術の理解」というコアカテゴリーを得ることができた。「技術の理解」「戦術の理解」によって,「先を見通した笛」が可能になり,観客の面白さにつながるゲームコントロールが可能になる。また,「技術の理解」「戦術の理解」に基づいたバスケットボールによって「正しいバスケットボール」をさせることが可能になり,チームや選手の能力を発揮させ,ゲームコントロールが可能になることが分かった。また,「技術の理解」「戦術の理解」には「コミュニケーション力」が大きな影響を及ぼしたことが分かり,審判員は日常生活の段階から人とどのように接するかが問われ,それがチームや選手とどのように接するかに影響を及ぼし,審判員としての能力形成に大きな影響を及ぼすことが分かった。
著者
東郷 実昌 中山 徹也 荒木 日出之助 鈴木 和幸
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.215-232, 1988

6歳児 (男子95名, 女子104名) が一部17歳になるまで毎年, 身体・骨盤外計測し, その子の出生時身長, 体重, 両親の身長を信頼できるアンケート方式で求め, 小児・思春期における体格別骨盤発育, 両親の身長とその子の身長・骨盤発育を検討した.1) 6歳時の身長のM±SDを基準にして大, 中, 小 (L, M, S) の3群に分け, その後の発育を検した.身長も骨盤もL, M, Sそれなりに平行して発育する.一方, その子の出生時身長, 体重, 親の身長も一部の例外を除けばすべてL, M, Sの順であった.2) 出生時の身長のM±SDを基準にしてL, S2群に分け, その子の発育を検すると, 男女ともLの出生時体重, 父母の身長はSのそれより有意に大きいが, 6歳以後の身長, 骨盤発育では男子はほとんどLとS間に有意差はないが, 女子では12~14歳ごろまでLの値はSの値より大きい.3) 父母の身長のM±SDを基準にして父母をそれぞれLとS2群に分け, その子の6歳~17歳までの身長, 骨盤発育を比較すると, 父と男子の組合わせではLとS間に有意差はないが, 父と女子, 母と男子, 母と女子の組合わせではLの子の身長, 骨盤はSの子のそれより有意に大きい.その関係は父より母, 男子より女子に著明である.4) 以上のことは両親と子の重回帰分析でも示唆された.すなわち, 9歳ころまでの男子の身長・骨盤発育は両親の身長因子に若干関与するにすぎないが, 女子の身長には17歳まで両親の身長因子が有意に関与し, 同じく女子のTrとExt にも14歳まで母の身長因子が, それ以後は父の身長因子が有意に関与する結果であった.以上のことより, 女子は骨盤発育の面でも男子より遺伝的に定められた体格素因を受け継ぐことが強いようである.
著者
中川 祥平 鈴木 基之 松本 和幸 北 研二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.97, no.3, pp.533-539, 2014-03

本論文では,音声からの感情推定において特徴量を正規化して識別を行う方法を提案する.従来感情識別に用いられている平均パワーやピッチといった韻律的特徴量は,感情による変化だけではなく発話内容そのものによって大きく変化する.そのため,たとえ同じ感情で発話されたとしても発話内容が異なれば異なる韻律となり,感情推定の性能低下を招き得る.そこで本論文では,平静の感情で同じ発話内容を発話した音声からも特徴量を抽出し,それとの差分に注目することで感情による特徴量の変化のみを抽出する方法を提案する.使用している5種類の特徴量(平均パワー,ピッチ等)ごとに減算による正規化,除算による正規化,正規化なし,の三つの方法で正規化し,全ての組み合わせの中で最も性能が向上する組み合わせを探索した.その結果,最適な組み合わせによる識別性能は,正規化を行わない従来法と比較して5.98%向上した.正規化法に関する分析を行ったところ,平均パワーは正規化が必要(演算は減算でも除算でも大きな差はない)であり,一方ピッチとMFCCは正規化なし,残りの二つの特徴量についてはどちらでも性能は大きくは変化しないことがわかった.
著者
小野寺 誠 加藤 章信 井上 義博 藤野 靖久 鈴木 一幸
出版者
The Japan Society for Portal Hypertension
雑誌
日本門脈圧亢進症学会雑誌 (ISSN:13448447)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.160-164, 2007

食道・胃静脈瘤患者に対する塞栓療法が精神神経機能へ与える影響を, いわゆる「潜在性肝性脳症」の評価に有用であるとされる定量的精神神経機能検査 (Neurophysiological tests : 以下NPテスト) を用いて検討した.対象はNPテストで潜在性肝性脳症と診断した食道・胃静脈瘤患者のうち, 内視鏡的食道静脈瘤硬化療法 (Endoscopic injection sclerotherapy : 以下EIS) 治療群8例, バルーン閉塞下逆行性静脈塞栓術 (Balloon occluded retrograde transvenous obliteration : 以下B-RTO) 治療群5例, 対照群5例.NPテストは治療前日と治療終了約1週間後に, 対照群は1~2週間の間隔で計2度施行しその変動について検討した.EIS治療群は数字追跡試験Aと積木模様試験において治療前と比較し治療後に有意に検査値の改善 (ρ<0.05) を認めた.B-RTO治療群は積木模様試験において治療後に有意に検査値の改善 (ρ<0.05) を認めた.対照群はいずれの検査においても有意差を認めなかった.EISやB-RTOは潜在性肝性脳症を改善する可能性が示唆された.
著者
依田 明 繁多 進 斉藤 浩子 青柳 肇 滝本 孝雄 鈴木 乙史 清水 弘司
巻号頁・発行日
1987-03

科学研究費補助金研究成果報告書, 課題番号60301013, 1985年度~1986年度, 総合研究(A)