著者
末吉 孝一郎 吉岡 伴樹 船越 拓 鈴木 義彦 藤芳 直彦 森本 文雄 渋谷 正徳
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.434-439, 2008-07-15 (Released:2009-07-25)
参考文献数
4
被引用文献数
3 2

患者は60歳の女性。運動会で突然の心肺停止状態となり,bystander CPRが施行された。電気的除細動で心拍再開し当院へ救急搬送となった。冠動脈造影(coronary angiography; CAG)にて急性心筋梗塞(acute myocardial infarction; AMI)と診断し経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI)を施行した。集中治療室(intensive care unit; ICU)へ入室し抗凝固療法が施行されたが,カテコラミン投与下にても循環動態は安定せず,貧血の進行と肝逸脱酵素の上昇を認めた。第2病日に施行した腹部造影CTでは肝右葉に被膜下血腫と実質損傷を認め,肝左葉実質の損傷も認めたためこれが出血源と考えられた。被膜下血腫により圧排された肝右葉は均一に造影されず,肝実質組織内圧上昇による血流障害を認め,肝コンパートメント症候群であると診断した。まず抗凝固療法を中止し,新鮮凍結血漿(fresh frozen plasma; FFP)及び濃厚血小板液(platelet concentrate; PC)投与による凝固能改善を図り,人赤血球濃厚液(red cells MAP; MAP)投与を行ったが循環動態の改善を認めなかったため,腹部血管造影を施行した。腹部血管造影では動脈相での明らかな造影剤の血管外漏出(extravasation)は認めなかったが,肝動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization; TAE)を行うことで循環動態は安定した。以後,全身状態は改善したが,血腫の縮小を促進させるために穿刺ドレナージを行い,第73病日に独歩退院となった。肝コンパートメント症候群の報告例は極めて稀であり,肝虚血に対しては減圧による虚血の解除が必要であると報告されている。しかしながら本症例ではTAEにて保存的に治癒せしめることができた。
著者
荒瀬 輝夫 鈴木 綾子 丸山 純孝
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.84-90, 2002-03-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
7

地下結実性の食用マメ類であるヤブマメの圃場栽培を試み,生育や収量を検討した.実験1の栽培法は株間30cm,畝幅45cmで3種類の支柱を設けた畝立て栽培とし,野外で発芽した地下種子由来個体を移植した.つるの回旋の始まる出芽約30日後を境に,支柱の有無によって主茎葉数の増加率に有意な差が生じた.ヤブマメの収量は地下子実で約20gm-2,地上子実も含めた総子実収量は約40gm-2であった.総葉数と総子実収量との間には高い正の相関があったが,120枚m-2を越えると地下部よりも地上部の子実の生産が増大する傾向が認められた.実験2では地上種子由来個体(A区)と地下種子由来個体(S区)の生長を比較した.2系統を用い,栽植密度は均平な圃場にm2あたり1個体(1×1m)とした.その結果,栄養生長期間を通じて主茎葉数の増加率がA区=S区,総葉数の比成長率がS区>A区であった.地下子実収量を増大させる方策として,播種期,栽植密度,およびつるの仕立て方の改善による総葉数の増大と,栽培環境の改善や育種技術によって子実生産を地下部に集中させることが挙げられる.
著者
辻 裕丈 近藤 直英 山本 亜紀子 藤田 嘉子 西田 卓 鈴木 淳一郎 米田 厚子 宮崎 みどり 清水 由美子 安田 武司 伊藤 泰広
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.651-659, 2008 (Released:2008-10-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

急性期の脳卒中患者のトリアージと,特にt-PA療法の適応のある脳梗塞患者のトリアージを目的にして,救急隊と脳卒中プレホスピタルスケール(TOPSPIN:TOYOTA prehospital stroke scale for t-PA intravenous therapy-経静脈的t-PA療法のためのトヨタ脳卒中プレホスピタルスケール-)を導入した.今回,このTOPSPINに連動し,特に超急性期t-PA療法に対する院内体制の迅速化,標準化を計るため,(1)救急外来で脳卒中の鑑別と,特に脳梗塞ではt-PA療法の適否決定のための諸検査を実施するパス(TOPSPIN path),(2)ICUでt-PA療法を遂行するパス(TOPSPEED:TOYOTA path for stroke with t-PA therapy after emergency evaluation and decision-緊急評価と決定後のt-PA療法のためのトヨタ脳卒中パス-),(3)ICU/SUで後療法を行うパス(TOPSTAR Jr.:TOYOTA path for stroke treatment, activity and rehabilitation judged by reexaminations-再評価で決定された治療,活動度,リハビリテーションのためのトヨタ脳卒中パス-)からなる,電子パス診療システム(3 TOP system)を構築した. 2007年4月1日の3 TOP system導入後,96例がTOPSPINで搬送され,11例でt-PAが投与された.TOPSPINと,これに連動した3 TOP systemは,t-PA療法の迅速・確実な診療に有効である.
著者
辻 裕丈 近藤 直英 西田 卓 鈴木 淳一郎 安田 武司 伊藤 泰広
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.643-650, 2008 (Released:2008-10-30)
参考文献数
22
被引用文献数
4 2

超急性期の経静脈的t-PA療法を中心とした脳卒中急性期診療を迅速かつ効率的に可能にするため,脳卒中プレホスピタルスケール(TOPSPIN:TOYOTA prehospital stroke scale for t-PA intravenous therapy-経静脈的t-PA療法のためのトヨタ脳卒中プレホスピタルスケール-)を豊田市救急隊との前方連携に導入した.TOPSPINは1.意識 2.心房細動 3.言語障害 4.上肢および5.下肢の片麻痺を評価する. 2006年12月12日から2007年11月6日までに155例がTOPSPINを用いて搬送され,脳卒中適中率は72%,脳梗塞56例(36%),TIA3例(2%),脳出血46例(30%)であった.うち14例(9%)でt-PA療法が施行された. また,当院に救急搬送された脳卒中患者218例のうち約半数がTOPSPINでトリアージされていた.約半数の,TOPSPINでトリアージされずに救急搬送された脳卒中症例は,(1)他の診療所や病院からの転送,(2)半日以上経過してからの救急隊要請による搬送,(3)TOPSPINを導入していない豊田市以外の救急隊からの搬送,(4)めまい・ふらつき・嘔吐や半盲といった症候を主とした症例であった. TOPSPINは, t-PA療法を念頭にした脳卒中患者のトリアージに有効であると考えられた.
著者
福島 秀晃 三浦 雄一郎 布谷 美樹 近藤 克征 加古原 彩 鈴木 俊明 森原 徹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.A1290, 2008

【はじめに】<BR>肩関節疾患症例において肩甲上腕リズムが破綻している症例を頻繁に経験する。Ludewigらは僧帽筋上部線維の過剰収縮が肩甲骨の異常な運動を引き起こすとしており、理学療法では僧帽筋上部線維の過剰収縮を抑制することが重要である。一方、我々は上肢挙上に伴う肩甲骨の安定化と上方回旋機能の役割として僧帽筋下部線維が重要であることを報告してきた。よって上肢挙上時の僧帽筋各線維の協調した肩甲骨の上方回旋機能を改善させていくには過剰収縮している僧帽筋上部線維の抑制と僧帽筋下部線維の筋活動を選択的に促す方法を考慮していく必要性がある。 <BR>そこで、我々は肩甲胸郭関節の安定化に対するアプローチとして運動肢位に着目している。今回、側臥位という運動肢位で肩関節外転保持を行った時の僧帽筋各線維の筋活動を筋電図学的に分析し、肩甲胸郭関節の安定化に対する理学療法アプローチを検討したので報告する。<BR>【対象と方法】<BR>対象は健常男性5名両側10肢(平均年齢29.0±4.2歳、平均身長177±9.3cm、平均体重68.8±7.2kg)である。対象者には事前に本研究の目的・方法を説明し、了解を得た。測定筋は僧帽筋上部線維、中部線維、下部線維とし、筋電計myosystem1200(Noraxon社製)を用いて測定した。電極貼付位置は、Richard(2003、2004)、下野らの方法を参考にした。具体的な運動課題は側臥位において肩関節を30°、60°、90°、120°、150°外転位を5秒間保持させ、それを3回施行した。3回の平均値を個人データとした。分析方法は座位での上肢下垂位の筋電図積分値を求め、これを基準に各角度での筋電図積分値相対値(以下、相対値)を算出した。統計処理には角度間での分散分析(tukey多重比較)を行った。<BR>【結果と考察】<BR>外転角度の増大に伴い僧帽筋上部、中部線維の相対値は漸減傾向を、下部線維の相対値は漸増傾向を示した。上部、中部線維は30°と比較して120°以降有意に減少し、下部線維は30°~90°と比較して150°で有意に増加した。側臥位での肩関節外転保持は90°を境に抗重力下から従重力下へと変化する。このことから90°以降では上肢自重に伴い肩甲骨には挙上方向に対する制動が必要になると考えられる。90°以降では肩甲骨は上方回旋位を呈していることから、鎖骨、肩峰、肩甲棘上縁に停止する上部、中部線維の筋活動は減少し、拮抗作用を有する下部線維が肩甲骨の制動に関与したのではないかと考える。 <BR>臨床上、上肢挙上角度の増大に伴う、僧帽筋上部線維の過剰収縮と僧帽筋下部線維の収縮不全によって肩甲骨の上方回旋不良が生じている症例に対し側臥位での外転120°以降では僧帽筋上部線維の抑制が、外転150°保持では僧帽筋上部線維の抑制及び僧帽筋下部線維の筋活動促通が可能であることが示唆された。<BR><BR><BR>
著者
鈴木 守
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会雑誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.249-252, 1973-04-25 (Released:2011-07-19)
参考文献数
8
著者
嶌本 樹 古川 竜司 鈴木 圭 柳川 久
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.201-206, 2014

タイリクモモンガPteromys volansは,フィンランドやエストニア,韓国などでは森林分断化の影響による個体数の減少が危惧されている.北海道の十勝地方においても,過去の森林分断化によって生息地が減少した上に,現在でもさらに生息地の分断化・減少が進行している.本種に対する森林分断化の影響を評価するには,生息確認方法を確立し,生息状況をモニタリングする必要がある.本研究では,糞による簡便かつ効率的な生息確認方法を確立するために,糞が頻繁に発見される場所の特徴や糞の発見効率を検討した.11ヶ所の樹林地(面積0.42–13.69 ha)において,それぞれ10 mの調査ラインをランダムに12本引き,両側4 m(片側2 m)の範囲で糞の有無を確認した.全ての樹林地で本種の糞が発見され,1ヶ所の樹林地あたりの発見糞塊数は平均9.7個,発見ライン数は平均6.2本であった.糞は胸高直径が太い樹木の近くでよく発見され,胸高直径24 cm以上の樹木から20 cm以内の範囲で糞を探すことが効率的であることがわかった.一方で,樹林面積は糞の発見ライン数に影響しなかった.そのため,樹林面積の大きさによって,調査努力量を変える必要はないと考えられた.本調査の結果から,面積に関わらず1ヶ所の樹林地につき5本程度のラインを引いて糞を探すことで,簡便かつ効率的に本種の生息を確認できることがわかった.
著者
嶌本 樹 古川 竜司 鈴木 圭 柳川 久
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.201-206, 2014 (Released:2015-01-30)
参考文献数
25

タイリクモモンガPteromys volansは,フィンランドやエストニア,韓国などでは森林分断化の影響による個体数の減少が危惧されている.北海道の十勝地方においても,過去の森林分断化によって生息地が減少した上に,現在でもさらに生息地の分断化・減少が進行している.本種に対する森林分断化の影響を評価するには,生息確認方法を確立し,生息状況をモニタリングする必要がある.本研究では,糞による簡便かつ効率的な生息確認方法を確立するために,糞が頻繁に発見される場所の特徴や糞の発見効率を検討した.11ヶ所の樹林地(面積0.42–13.69 ha)において,それぞれ10 mの調査ラインをランダムに12本引き,両側4 m(片側2 m)の範囲で糞の有無を確認した.全ての樹林地で本種の糞が発見され,1ヶ所の樹林地あたりの発見糞塊数は平均9.7個,発見ライン数は平均6.2本であった.糞は胸高直径が太い樹木の近くでよく発見され,胸高直径24 cm以上の樹木から20 cm以内の範囲で糞を探すことが効率的であることがわかった.一方で,樹林面積は糞の発見ライン数に影響しなかった.そのため,樹林面積の大きさによって,調査努力量を変える必要はないと考えられた.本調査の結果から,面積に関わらず1ヶ所の樹林地につき5本程度のラインを引いて糞を探すことで,簡便かつ効率的に本種の生息を確認できることがわかった.
著者
冨岡 佳奈絵 佐藤 佳織 阿部 真弓 鈴木 惇
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成26年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.95, 2014 (Released:2014-10-02)

【目的】安納イモは,水分が多く粘性の食感や甘味が強いことで知られ,熟成させると糖度が上がりおいしくなる。サツマイモは,加熱によりデンプンの糖化が進み,加熱方法の違いが味覚に影響を強く与える。異なる加熱方法で調理した安納イモの糊化デンプンの性状の違いをみるために組織化学的方法により調べた。【方法】サツマイモ(安納イモ、ベニアズマ)を3cm厚の輪切りにし,茹で,蒸し,オーブン(140℃と200℃)および電子レンジで加熱した。加熱した試料を室温に下げてから,ドライアイス・アセトンで急速に凍結し,コールドミクロトームで薄切(厚さ:16μm)した。薄切した切片をヨウ素液および過ヨウ素酸・シッフ液で染色して糊化デンプンの性状を観察した。【結果】安納イモの内部では,糊化デンプンで満たされたデンプン貯蔵細胞が少なかった。糊化デンプンで満たされたデンプン貯蔵細胞は,茹で,蒸しおよびオーブン200℃,オーブン140℃の順に少なかった。ヨウ素染色による糊化デンプンの色調は,茹でと蒸しでは褐色から青色を呈し,オーブン200℃ではほとんどが褐色であった。オーブン140℃では,糊化デンプンは褐色を呈し,貯蔵細胞を完全に満たすことはなかった。電子レンジでは,糊化デンプンが青色に染まり,多くのデンプン貯蔵細胞を満たしていた。オーブンで加熱したものの甘味が他のよりも強かった。ベニアズマでは,加熱方法の違いにより色調の差異があり,糊化デンプンで満たされたデンプン貯蔵細胞が多かった。安納イモは,ベニアズマより非常に甘かった。糊化デンプンの性状の違いが,甘さの違いと関連すると考える。
著者
鈴木 恵美子
出版者
東京外国語大学
巻号頁・発行日
2004

言語学 (Linguistics)
著者
松田 駿太朗 片木 宗弘 西岡 裕 鎌田 寛恵 佐々木 啓子 志摩 典明 鎌田 徹 三木 昭宏 辰野 道昭 財津 桂 坪井 健人 土橋 均 鈴木 廣一
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.77-89, 2014 (Released:2014-07-30)
参考文献数
12
被引用文献数
12 19

Cathinone-type designer drugs are a newly-encountered drug family that has a β-ketophenethylamine skeleton. Recently, the abuse of these drugs has been increasingly common among young adults, and this has caused a serious social problem in many countries. Many of those drugs have become regulated by the Pharmaceutical Affairs Act, and some of them were later banned by the Narcotics and Psychotropics Control Act in Japan, depending on their structures. In this paper, a total of 98 standards of cathinone-type designer drugs were synthesized, and their EI-mass spectra were acquired by GC/MS, with and without trifluoroacetylation. For their free bases, a major fragment ion formed from the α-cleavage of the amine nitrogen was commonly observed. Also, a small fragment ion generated by the α-cleavage of the carbonyl group, followed by the elimination of CO was detectable. For the analogs having an N-alkyl chain longer than methyl group and/or the alkyl side-chain longer than methyl group, a characteristic ion formed from the α-cleavage of the amine nitrogen, followed by the elimination of the olefin moiety was observed. For the trifluoroacetyl derivatives, the intensity of fragment ion formed from the α-cleavage of carbonyl group significantly increased, while that of the fragment ion generated from the α-cleavage of nitrogen decreased, when compared with those of free bases. Also, the ion at m/z 110 was specifically observed for the cathinone analogs having a methylamino group. Those typical fragmentation patterns revealed by analyzing a series of analogs provide useful information for the characterization of cathinone-type designer drugs.
著者
渡辺 朝一 鈴木 康
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.67-73, 2019-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
20

2005 年12 月11 日,越後平野の水田地帯の一角にある休耕田において,コハクチョウ137 羽がケイヌビエの種子を採食していた.コハクチョウによる休耕田の利用は希である.
著者
鈴木 幹男
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.112, no.10, pp.633-639, 2019

<p>Human papillomavirus (HPV) infection is frequently observed in the head and neck region and has become a common cause of oropharyngeal squamous cell carcinoma (OPSCC), although the detailed mechanism underlying the pathogenetic process from infection to carcinogenesis remains unclear. A new staging system has been proposed in the 8th edition of the American Joint Committee on Cancer (AJCC) Staging Manual, which reflects the HPV infection status in determining the clinical stage of OPSCC. The 8th edition of the AJCC Staging Manual adopted p16 immunohistochemistry as a surrogate marker of HPV infection. Although p16 immunoreactivity is a clear indicator of HPV-mediated OPSCC, the significance of p16 immunoreactivity in other head and neck cancers has yet to be confirmed. It is very important to employ polymerase chain reaction (PCR) assay for the detection of HPV infection, while using appropriate control conditions and ensuring adequate sample quality, to prevent false-negative as well as false-positive results. In addition, establishment of a risk classification system and less-invasive treatment protocol for HPV-mediated head and neck cancer is also necessary. </p><p>The low-risk types of HPV infection, namely, HPV-6 and -11, are observed in nearly all cases of recurrent laryngeal papilloma. Patients, especially children, suffer from laryngeal papilloma because of frequent recurrence and airway obstruction, although the rate of malignant transformation is low. Elucidation of the mechanism of recurrence is important to devise a new treatment protocol. </p>