著者
岡田 一義 天野 泉 重松 隆 久木田 和丘 井関 邦敏 室谷 典義 岩元 則幸 橋本 寛文 長谷川 廣文 新田 孝作
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.817-827, 2010-09-28
参考文献数
3
被引用文献数
1

社団法人日本専門医制評価・認定機構が設立され,学会ではなく,第三者機関が専門医を認定する構想も浮上してきており,現状の専門医制度の問題点を早期に改善し,誰からも評価される専門医制度に改訂しなければならない時期に来ている.全会員と現行の専門医制度の問題点を共有するために,今回,専門医制度の現状を分析するとともに,意識調査を実施した.専門医制度委員会が把握しているデータを2009~2010年の各時点で集計した.さらに,認定施設または教育関連施設が2施設以下の7県の専門医180名および指導医50名を対象に,無記名アンケート調査を2009年10月に実施し,12月までに回収した.2009年9月1日時点での施設会員は3,778施設であり,認定施設は420施設(11.1%),教育関連施設は456施設(12.1%)であり,合格期より認定を継続している認定施設数は45.1%であった.正会員数は11,303人であり,専門医は4,297人(38.0%),指導医は1,620人(14.3%)であった.認定施設における専門医在籍数は,専門医0人0施設(0%),専門医1人(代行)11施設(2.6%),専門医2人256施設(61.0%),専門医3人以上153施設(36.4%)であった.施設コード別の認定施設数と教育関連施設数は私立病院が最も多く,大学附属病院の多くは認定施設であったが,教育関連施設も12施設認めた.認定施設が指定している教育関連施設は,0施設が39.4%,1施設が24.2%,2施設が19.6%,3施設が12.1%,4施設が3.7%,5施設が0.9%であった.意識調査の回収率はそれぞれ専門医38.9%と指導医76.0%であった.専門医は,指導医の申請について申請予定あり:17名(24.3%),申請予定なし:44名(62.9%),未記載:9名(12.9%),指導医は,指導医の更新について更新予定あり:36名(94.7%),更新予定なし:1名(2.6%),未記載:1名(2.6%)であった.低い施設認定率,低い認定施設継続率,低い専門医認定率,低い指導医認定率,認定施設継続のための余裕の少ない専門医在籍数,代行施設認定,基幹病院の非認定施設化,教育関連施設指定のない認定施設,専門医の低い指導医申請予定率,地域格差など解決しなければならない問題があり,専門医制度委員会において議論を継続している.
著者
下川 健二 橋野 英児 大関 芳雄 巽 宏平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.98, no.459, pp.71-77, 1998-12-11
参考文献数
8

フリップチップ接続用のマイクロボールバンプ技術を開発した。本技術は微細な金属ボール(マイクロボール)の製造法と電極上への微細なバンプ(マイクロボールバンプ)の形成方法より成る。均一な径と高い真球度を持つハンダボール(60-150μmφ)と金ボール(35-100μmφ)を作製した。このマイクロボールを配列板に一括配列保持し、チップ電極上に転写してバンプを形成する。過不足の無い一括配列保持を実現するために独自の機構を開発した。試作したマイクロボールマウンターのサイクルタイムは20秒であった。マイクロハンダバンプは、予めアンダーバンプメタルで覆った電極上にフラックスを供給してからバンプを形成する。精密に径と組成を制御したハンダボールを用いるためバンプの組成・体積・高さは極めて均一である。マイクロ金バンプは熱圧着接合により50μmまでの狭ピッチで形成できる事を確認した。
著者
加納 大聖 芳賀 実 関沢 泰治
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.325-332, 1993-11-20
被引用文献数
5

前報に続き, イネ葉身細胞の膜情報伝達系に共役するO_2^^.^-生成酸素系およびホスホリパーゼA_2(本研究における二つの指標)の活性化反応に係わる細胞内情報伝達系を探査した.分子プローブとしてW-7, オフィオボリンA, TPA, H-7, およびスタウロスポリンなどを用い, 前報と同様の計画の下で探査を行ない, Ca^<2+>調節タンパク質(CaMあるいはCDPK)が両指標の活性化反応に重要な役割を果たすこと, プロテインキナーゼが関与するならCa^<2+>-CaM依存性プロテインキナーゼあるいはCa^<2+>CDPKによるものと推定した.なお, ホスホリパーゼA_2の活性化反応の制御には未知の制御経路が介在している可能性を推考した.1, 2-ベンツイソチアゾール-3(2H)-オン1, 1-ジオキシドは早期相においてO_2^^.^-生成を高進させ, α-リノレン酸放出を後期相で著しく高進させた.プロベナゾールがプライミング効果剤として付与する全身獲得抵抗性での両指標が, エリシター刺激のみによる型と異なることが注目された.同様の機能を有するNCIはPIターンオーバを加速することが最近報告されたので, 前報および本報による知見とともに, 総合考察し, この種の非殺菌性防除剤の作用部位はイネ葉身細胞の膜情報伝達系(ホスホリパーゼC系)に存在すると推定された.
著者
安村 修一 伊藤 直樹 佐藤 茂 岩淵 麗子 中村 フミエ 関 啓子
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.803-809, 1985 (Released:2006-08-04)
参考文献数
30
被引用文献数
2 3

The authors investigated 8 cases of infarction in the territory of the anterior cerebral artery (5 cases in the left hemisphere, 2 in the right and 1 bilateral) as to their language functions. Serial examinations on the language function were performed clinically and by using SLTA and Syntax Test of Aphasia from the acute stage. The lesions were confirmed by CT scan and cerebral angiography.    The characteristics of the symptoms were :    1) a striking suppression of spontaneous speech (mutism) in the acute stage,    2) intact or minimal impairment of verbal and literal comprehension and repetition,    3) good recovery of language function,    4) persistance of some difficulty in speech initiation and in syntactic ability,    5) association with a generalized decrease in voluntary movements (akinesia),    6) these dysfunctions were equally demonstrated in each hemisphere lesion,    7) when the lesion in the left hemisphere extended beyond the medial frontal region (two cases), it showed persistent classical transcortical motor aphasia.    We concluded that the language disorders due to the lesion limited to the medial frontal region might be different from the classical transcortical motor aphasia because of their occurrence also in the non-dominant hemisphere lesion and good recovery.    It is suggested that these disorders are a part of generalized akinesia caused by dysfunction of each medial frontal cortex especially that associated with the supplementary motor area.
著者
宮脇 健三郎 尾関 基行 木村 穣 相澤 清晴 北村 圭吾 山崎 俊彦 森 麻紀 武川 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.48-54, 2010-01-01
参考文献数
12
被引用文献数
1

本稿では,「食べる」ことを「健康」と「楽しさ」の二つの側面からとらえ,携帯電話による遠隔食事指導,画像処理を応用した食事ログ,拡張現実感による食卓演出,遠隔共食システムの4件の研究事例を紹介する.
著者
中本 学 関岡 裕明 下田 路子 森本 幸裕
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.585-590, 2002-03-30
参考文献数
33
被引用文献数
15 15

筆者らは,福井県敦賀市中池見の休耕田において,コナギやアゼナなど小型で一年生の水田雑草を保全するための管理手法を検討した。植生調査は,耕起を再開した1997年に開始し,復田を行った2000年まで継続した。耕起を停止した場合には,サンカクイなど特定の多年生草本が著しく増加するため,耕起の継続は不可欠であった。さらに,耕起を継続しても増加する多年生草本を減少させるには,復田が有効であった。このことから,生物の保全を目的とする休耕田の管理手法として,耕起の継続に加えて数年に一度の復田を組み入れるシステムを提案した。
著者
庄野 浩資 関 朝美 山口 香子 松嶋 卯月 小出 章二 武田 純一
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.122-129, 2009 (Released:2009-10-01)
参考文献数
8
被引用文献数
2

岩手県における重要な花卉作物の一つである切り花リンドウの収穫後の商品価値を長く保つためには,鮮度を長く維持し得る生育ステージの個体を選別・収穫することが有効と考えられるが,現状では,生育ステージの非破壊・非接触的な判定手法は開発されていない.ここで,庄野・関ら(2007)は,花冠の波長域700~900 nmにおける分光情報の生育ステージ判定における有効性を指摘したが,波長域400 nm以下のいわゆる紫外線領域に関しては未検討である.そこで本研究では,リンドウ花を紫外線領域(UVA)で撮影した画像の画素値に基づく生育ステージの判定手法の可能性を検討した.その結果,特定の一品種において同画像の花の画素値は,花粉が成熟して飛散を始めるとほぼ同時期に顕著に上昇した.ここで,花粉はミツバチなどの花を痛める昆虫を内部に誘引する要因の一つである.このため,同画素値は,これらの有害な昆虫の飛来時期を推定し,最適な収穫時期を決定する上でも有用な情報と期待される.以上の結果から,リンドウの生育ステージの非破壊・非接触的判定システムの実現において紫外線画像が果たす役割は大きいと期待できる.
著者
関川 宗久 稲葉 直彦 吉永 哲哉 川上 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.213-222, 2003-03-01
参考文献数
19

本論文では,強制レイリー方程式の分数調波引込領域の分岐の構造を系の対称性と関連づけて解析する.系の対称性により,状態空間上において原点について対称な形状をしたアトラクタが発生する場合と,原点について非対称な形状をした二つのアトラクタが互いに原点対称な位置に発生する場合の2種類の分数調波周期解の引込領域が存在する.それらの分岐集合のパラメータ平面上での形状を調べたところ,前者と後者の分数調波引込領域は基本調波周明解のネイマルク・サッカー分岐曲線の近傍で異なった構造をもっていることが明らかになった.
著者
関川 宗久 稲葉 直彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.69, pp.35-37, 2012-05-21
参考文献数
4
被引用文献数
1

前稿(1月NLP)では,著者らはヒステリシス素子で結合される3つの線形LC発振器のリアプノフ解析を行うことにより,2-トーラスアーノルドタングと名付ける極めて興味深い分岐現象を回路実験において観察した.本稿では,離散力学系の2-トーラスアーノルドタングの発生について考察する.また,離散力学系にも「2-トーラスから3-トーラスへのネイマルク・サッカー分岐」と呼ぶに相応しい分岐現象が見られるかを議論する.
著者
岩崎 大輔 関川 宗久 稲葉 直彦 遠藤 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.498, pp.17-22, 2012-03-20
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究では4LC発振器のリアプノフ解析を行う.関川らはヒステリシス素子で結合される3つの線形LC発振器のリアプノフ解析を行い2-トーラスアーノルドタングと呼ばれる極めて興味深い分岐現象を発見した.まず,本研究で対象とする4LC発振器に発生しうる卜ーラスの分岐について考察を行う.2-トーラスから3-トーラス,3-トーラスから4-トーラスの分岐は不動点の分岐ではないが明らかな分岐現象であると著者らは確信する.2-トーラスから3-トーラス,3-トーラスから4-トーラスの分岐には,主にネイマルク・サッカー分岐とサドル・ノート分岐が関与すると考えられる.後者の分岐では2-トーラスアーノルドタングが発生することがある.本研究では「3-トーラスアーノルドタング」と呼ばれる分岐現象が存在するか否かについて議論する.そして将来4LC発振器の解析を行い,このシナリオを検討する.
著者
薮野 孝 増村 修 加藤 信博 松村 俊也 関 均 伴 伸次
出版者
札幌社会保険総合病院
巻号頁・発行日
2002-12-01

平成12年に当放射線部にCRが導入され、導入後の経済的効果について検証したので報告する。それによると、デジタル加算料による収益が32,000,000円、薬品関係の削減が6,100,000円で、年間でおよそ38,000,000円の増収を得ることができた。またCR化にしたため、フイルム使用枚数に対する雑損も平均で1.82%~1.52%となり年平均で0.3%の減少となった。導入前に予想していた数字にほぼ一致し満足することができ、病院の経営に貢献することができた。
著者
関田 信生
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 教育研究所 (ISSN:13403125)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.33-49, 2004-03-31

本論は,東海大学教育開発研究所が2003年4月から7月にかけて東海大学付属望星高等学校1年生を対象とした「英語BASIC」の授業を研究授業として実施した際,アクション・リサーチを実施することによって,教師と生徒,また,生徒どうしのインタラクションがどのように変化していったかを分析してまとめたものである。授業の流れや活動内容を記録し,問題点を話し合い,改善のための方策を立て,さらにその方策が適切であったかを検証する連続したサイクルを通して,授業がどう変化していったかを分析し,まとめたものである。
著者
小関 祥康
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

特殊な性質を持つアーベル多様体の個数の有限性に関する予想の一つである『Rasmussen-Tamagawa』予想を研究し、特別な場合に進展を与えた。より正確には、ガロア表現の法 l 表現から元の表現の情報がどの程度復元できるかを研究し、一定の成果を挙げた。これにより、特別な場合の予想のある種の一般化が正しいことが従う。一方で、ガロア表現を分類する Liu 加群を研究し、その基本的な線形代数的性質を研究した。また、ねじれクリスタリン表現に関する「充満忠実性定理」を証明した。これは Kisin により 2006 年に示された Breuil 予想と呼ばれるもののねじれ表現類似である。
著者
金内 美妃 郡 修徳 千本木 要 坂井 英夫 井関 健
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.187-196, 2005-02-01
被引用文献数
3 6

ケタミンは, 解離性麻酔作用を有する全身性麻酔薬であり, 呼吸抑制などの副作用が少ないことから手術時に繁用されている. 一方, このケタミンは麻酔量より低用量を投与すると, 神経因性疼痛に関与しているといわれるNMDA受容体の非競合的拮抗薬として作用することから, 鎮痛効果も併せ持つ薬剤である.そのため, 非ステロイド性抗炎症薬などに抵抗する難治性疼痛を持つ患者に対し, ケタミンは保険適応外使用ではあるが, 鎮痛薬として静注や筋注以外に経口投与でも用いられている.しかし日本においてケタミンの市販薬は注射液のみであるため, 患者がケタミンによる在宅治療を行う場合, 注射液を経口投与しなければならないが, この注射液は特有の苦味や刺激感を有するため, 患者が服用を拒否する場合もある. そこで臨床現場では, 注射液に単シロップや矯味剤などを添加した液剤やケタミン試薬から調製した錠剤を院内製剤として患者に投与している.

1 0 0 0 OA [絵本]

著者
関根幸助 編
出版者
関根幸助
巻号頁・発行日
vol.古今英勇武者揃, 1884