著者
青木 孝悦
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.125-136, 1972-08-10 (Released:2010-07-16)
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

In the previous study (Aoki, 1971a) 455 personality trait words were selected and classified into 17 categories on the basis of their meanings. In the present study, in addition to the 455 trait words, 125 new trait words were added, and therefore, a total of 580 trait words were reclassified into 11 categories for the purpose of factor analysis.Subjects (Ss) were 107 male adults, aged 35 to 45. Each S was given two categories, each containing 49 to 63 words. Instructions given to the Ss were like the following: “The purpose of this study is to find out what words people commonly use to describe a characteristic of person. You will be given a list of words. Your task is to judge mutual similarities of meanings among these words and to select from the same list similar words for each word as many as you can. For example, when you were given the word “kind”, you might respond with such words as generous, friendly, tender, sympathetic, warm-hearted, and so on. The words are to be written to the right of the given word. This procedure will be continued through all the words in each category.All legible responses made by each S were tallied separately for each of the 11 categories. This procedure permitted an assessment of relative frequency of responses to the various words within each category. For each category the responses in terms of relative frequency were factor analysed by the principal axis method with geometric rotation (Kashiwagi, 1965). Four to six factors were extracted for each category, bringing the total to 57.From these results a set of 236 trait words was assembled. The set consisted of 57 trait words which had the highest loading for each obtained factor, plus 179 which did not fall into either obtained factor, having lower loadings than .15. In order to construct personality aspects from this set, the words were paired as many as possible in such a way that each word would have an antonym. 63 paired personality aspects were tentatively constructed and compared with Cattell's 42 spheres (1957) and Miyagi's 35 scales (1969). On the basis of this comparison, 66 personality aspects were finally determined.
著者
青木 るみ子 山﨑 正幸 朝見 祐也
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.269-280, 2021 (Released:2021-05-01)
参考文献数
24

本研究は、2000~2018年の過去19年間の食中毒総数と、このうち給食施設を原因施設とした食中毒、および給食施設と不明を除く給食施設以外の施設を原因施設とした食中毒について、食中毒発生状況(厚生労働省発表)を用いて分析し、その動向について考察した。食中毒発生状況の結果をもとに、事件数、患者数、1事件あたり患者数について分析を行った結果、給食施設では事件数および患者数共に分析期間Ⅰ期(2000~2007年)からⅡ期(2008~2018年)にかけて有意に減少していたが、1事件あたり患者数に減少は認められず、なおかつ、給食施設以外と比較して有意に多かった。また、給食施設における事件数および患者数が食中毒総数に対して占める割合はごく小さかった。さらに、給食施設で発生した事件数および患者数に対して、その原因施設の多くは中小規模に相当する摂食者数300人未満の給食施設であり、また、当該施設における事件数および患者数の約半数が老人ホームと保育所によって占められているという現状を示すことができた。以上のことから、特に中小規模に相当する給食施設を対象とした、衛生管理の実態把握が必要であると考えられた。
著者
青木 慶
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.22-35, 2019-09-27 (Released:2019-09-27)
参考文献数
34

本稿の目的は,企業とユーザーの価値共創のさらなる発展に向けて,ユーザーの参画およびアイデア共有を促す,有効なインセンティブを明らかにすることである。Appleが運営する教育者のユーザーコミュニティを事例研究の対象とし,17名のコミュニティメンバーにインタビュー調査を行った。その結果,単なるユーザーではなく,有用なイノベーションを行う可能性の高い「リードユーザー」を組織化することで,コミュニティ自体が有効なインセンティブとして機能しうることが示された。Appleではコミュニティメンバーに外発的・内発的なアプローチを行い,コミュニティにおける活動を活性化し,ユーザーと「教育の革新」という社会的な価値を共創していることが明らかになった。
著者
林 大輔 青木 健 柴田 瑠美子 市川 邦男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1628-1633, 2010

症例は6歳男児.現在までにアサリ以外は貝類を含む食物のアレルギーはない.2歳よりアサリ摂取後に嘔吐を繰り返しているため近医を受診したが,アサリ特異的IgEが陰性であり,精査のため当院に紹介された.アサリ特異的IgEは1.04UA/mlでスキンプリックテストは膨疹径4mmであった.生アサリによるパッチテストは陽性,リンパ球刺激試験も陽性(5305cpm,SI=1211%)であった.ゆでたアサリによる経口負荷試験では摂取2時間後に腹痛と嘔吐が出現,末梢血好中球数も負荷前の2924/μlから負荷6時間後に16082/μlまで増加した.これらの検査所見よりアサリによるFood protein enterocolitis syndrome(FPEIS)と診断した.現在まで貝類によるFPIESの報告はなく,本報告が初となる.
著者
青木 真也
出版者
法政大学大学院理工学・工学研究科
雑誌
法政大学大学院紀要. 理工学・工学研究科編 (ISSN:21879923)
巻号頁・発行日
vol.58, 2017-03-31

Polystyrene block copolymers containing triethoxysilyl (TES) groups were synthesized by a living anionic polymerization and the subsequent functional group transformation reactions. Then thin polymer films were applied for the reaction with organic acid to form Si-O bonds at the film surface. Surfaceconcentration of Si was confirmed by X-ray photoelectron spectroscopy (XPS) measurement for the resulting polymer film. In addition, contact angle of water droplet for the film increased after acid treatment.These results clearly showed that the polysiloxane substrate was prepared at the outer most surface by treatment with organic acid.Key Words : living anionic polymerization, triethoxysilyl group, surface characterization, block copolymer
著者
青木 久美子
出版者
首都大学東京・都立大学社会学研究会
雑誌
社会学論考
巻号頁・発行日
no.32, pp.83-107, 2011-10-31

1990年代半ばから2000年代半ばにかけて, 「昭和30年代(1955~1964)」 がメディア等で頻繁に取り上げられるようになった.この「昭和30年代ブーム」において,昭和30 年代は「貧しくても夢があった時代」といった語りによって,おおむね肯定的に捉えられている.本稿は,この「昭和30年代ブーム」 が時間的経過のなかでいかに変化したかを,過去のモノや出来事をどのように取り扱うかという観点から分析するものである.分析にあたり,「断片化」, 「概念化」という分析枠組みを設定する.「断片化」は,モノや出来事を当時の文脈から切り離しそれ自体を強調して扱う態度を指す.その際,特定の側面を強調し,感情に訴えるような扱い方をここでは「キッチュ」と呼ぶ. 「概念化」は,モノや出来事のあり方をふまえて,特定の社会像を再構成する作業である.その際に当時の生活様式などが理想化され,極端な形になると今後の社会の目指すべき指針として「イデオロギー」的になることもある.「昭和30年代ブーム」における過去の扱い方は,当初,「断片化」された懐かしいモノなどへの愛着という「キッチュ」 が主流であったが,「概念化」され理想として語られるようになり,明確に「イデオロギー」的に利用するような現象も見られるようになった.そうした「イデオロギー」化においては,往々にして,モノや出来事のもつ具体性が巧妙に利用されている.The purpose of this paper is to analyze how "thebooms of the Showa 30s" has changed. "The Showa 30s(1955-64)" has received media attention since the mid 1990s. Themedia considers the era positively as it was special era whenpeople could have dreams despite their poverty; In this paper, Ifocus on the changes in the ways to treat things and events in thepast.For analyzing these changes , I use two categories;fragmentation and conceptualization ."Fragmentation" is definedas the attitude of someone in which they try to emphasize somecertain things and events in the past by taking them up from theoriginal contexts. "Kitsch" is used here to explain the way inwhich an emotional attachment is put on the things and the eventsin the past." Conceptualization" is defined as to rearrange oldthings and events in order to reconstruct specific past images. Theway of life in the past is often idealized , and it becomes"ideological as it is politically treated as a new guideline for thefuture.I would argue that the way of treating things and events inthe past has changed as follows; firstly ," kitsch" was themainstream of the boom, as it only aroused nostalgias through"fragmented" things and events , secondly the particular images ofthat era was "conceptualized" as ideal , and finally , it was used as"ideology". The case of "the booms of the Showa 30s" shows theprocess of constructing our pasts.
著者
青木 小三郎
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
真空工業 (ISSN:18837174)
巻号頁・発行日
vol.3, no.10, pp.317-320, 1956 (Released:2009-09-29)

薄膜理論の追及と真空技術の発達と相伴つて真空応用の光学は十数年間に異常な進歩を遂げた。真空蒸着の特徴は他の方法では不可能である各種の物質の極めて薄い等厚膜を作り得ることである。此薄膜は強く安価でなければ実用価値は低減するので、今日迄非常な苦辛と努力を払い一応成功の域に達した。今後一層苦難に耐え此事業を発展させたい。
著者
青木 祐一 大木 悠佑
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.66-91, 2019

<p> 公文書管理法では、行政機関における行政文書、独立行政法人等における法人文書の管理の状況、および国立公文書館等における特定歴史公文書等の保存・利用の状況について、内閣総理大臣への報告義務が定められている(9条、12条、26条)。この規定に基づき、内閣府大臣官房公文書管理課において、毎年『公文書等の管理等の状況について』という報告書がとりまとめられ、公表されている。</p><p> この報告書は国における公文書の管理状況を集約した成果物であるが、これまであまり注目されることも、分析の対象とされることも多くはなかった。</p><p> そこでまず、この報告書から読み取れる情報、また問題とすべき論点について検討する。次に、行政文書管理の基本台帳である各省庁の「行政文書ファイル管理簿」を実際にWeb上で検索してみることによって、記載内容の実態と問題点を明らかにする。</p><p> 『公文書等の管理等の状況について』と「行政文書ファイル管理簿」という2種類の公表情報を素材として分析することで、国の公文書管理の現状を把握し、課題を明らかにした。その上で、附則13条に記された施行5年後見直しの修正がないまま、施行後8年を経過した公文書管理法と公文書管理の現状について、いくつかの論点を提示したい。</p>
著者
岡 大祐 関根 芳岳 大津 晃 青木 雅典 林 拓磨 馬場 恭子 中山 紘史 栗原 聰太 宮尾 武士 大木 亮 宮澤 慶行 柴田 康博 鈴木 和浩
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.155-158, 2021 (Released:2021-03-28)
参考文献数
9

自己血管による内シャント(arteriovenous fistula: AVF)は本邦における慢性透析用バスキュラーアクセスの中で最も多い.AVF造設術は一定の割合で不成功例を認めるが,本邦において大規模RCTは行われておらず,AVFの初期開存に影響を与える因子の詳細な解析は行われていない.今回AVF造設術を施行した症例群をレトロスペクティブに解析し,初期開存に影響を及ぼす因子を解析した.対象とした119例の内,シャント閉塞をきたした症例は15例(12.6%)であり,初期開存に影響を与える因子として有意差を認めた項目は深部静脈血栓症(deep vein thrombosis: DVT)の既往のみであった.過去の論文にて開存率に影響を与える因子とされている,性別,年齢,糖尿病の既往などの因子よりも,血栓素因の有無がAVF初期開存に重要な影響を与える可能性が示唆された.
著者
垣花 京子 渡辺 信 青木 孝子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.55-58, 2020-06-20 (Released:2020-06-17)
参考文献数
4

コロナウイルスの流行が社会変化をもたらしている.この流行によって数学教育にも大きな変化を求めていることと,今後の国民の教養の在り方を暗示したのではないかと考えられる.今まであまり重要視しなかったデータの扱い方について,数学の新しい分野「データの整理」が重要になる情報化社会の数学教育を考える.
著者
青木 弘行 久保 光徳 鈴木 邁 稲村 栄一郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.82, pp.65-72, 1990-11-30 (Released:2017-07-25)

電子レンジ加熱下における食品の温度分布を予測する昇温理論を適用して,均一加熱を目的とした容器形状の検討を行った。設計の対象としては一般的な角型容器を取り上げ,コーナー曲率半径・容器の深さ・半減深度をパラメータとして検討を行った。形状の決定は,容器形状をマイクロ波の入射数によって規定される領域に分割し,各領域における比電力を算出し,比電力の最大値と最小値の比をもとにした均一分布度を定義することにより実施した。・その結果,コーナー曲率半径の増大および容器の深さの減少にともなって,加熱むらが抑制される傾向にあることが明らかとなり,これらの結果をもとにして最適容器形状の提案を行った。また,本検討で実施した一連の手順を整理,体系化することにより,均一加熱を目的とした電子レンジ用容器の形状設計指針を作成した。
著者
蒔苗 勇成 青木 秀敏 丹野 庄二 三浦 隆利
出版者
日本熱物性学会
雑誌
熱物性 (ISSN:0913946X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.221-226, 1993-10-30 (Released:2010-03-16)
参考文献数
13

非定常熱流法を用いて高吸水性ポリマーの熱物性値を測定した。 有効熱拡散率および有効熱伝導率を乾燥状態と吸水状態について測定し、 含水率はポリマーとの重量比で0から100まで変化させ、 温度は20℃から80℃まで変化させた。 乾燥ポリマーは温度依存性がみられなかったが、 吸水状態では、 有効熱伝導率について温度依存性がみられた。
著者
青木 直子 AOKI Naoko
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.123-133, 2005-12-27

This article reviews studies on the concept ”praise”. Many studies have been conducted on praise in the field of psychology. These studies addressed the function of praise, its effect on motivation and emotion, its use in counseling and in the local community, guides to better praise, and the caution that must be exercised with regard to praise. Most of these studies have focused on the effect of praise and have been conducted from the perspective of the teachers and parents who praise children. However, there are few studies on children’s cognition of praise. Praise is communication; therefore, it needs to be researched from the viewpoint of both adults who praise children and children who are praised. This article highlights the need fro research from the viewpoint of children, particularly young, who are praised.

2 0 0 0 OA 山の伝説

著者
青木純二 著
出版者
丁未出版社
巻号頁・発行日
vol.日本アルプス篇, 1930
著者
岡田 和悟 小林 祥泰 青木 耕 須山 信夫 山口 修平
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.318-323, 1998-06-25 (Released:2009-06-05)
参考文献数
25
被引用文献数
41 62

脳卒中患者135名を対象として,意欲低下の評価をApathy Scale(Starkstein)邦訳版である「やる気スコア」を用いて行い,その信頼性,妥当性について検討し,客観的評価法と比較検討した.スコアの信頼性は,ρ=0.963,p<0.0001(n=20)と良好であり,問診方式と自己記入式との相関も良好であった.意欲低下の有無の判定とスコアの得点の検討から,カットオフ値を16点とした場合,最も良好な感度(81.3%)および特異度(85.3%)が得られた.客観的評価法(SKETCH)と比較して,スコアの識別能は,意欲低下,感情障害とも80.0%程度を示し,障害程度に比例して有意に高値であった.結語:「やる気スコア」による意欲低下の評価は,臨床評価として使用しうると考えられた.また軽度以上の障害を示す例において有用であると考えられた.

2 0 0 0 OA 黄菌毛の1例

著者
船井 龍彦 青木 敏之 西田 健樹 清水 洋子 遠藤 秀彦
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.1028-1033, 1985 (Released:2010-06-04)
参考文献数
7

17才, 男子学生の腋毛に認められた毛円柱に対して, 細菌学的検索, 走査電顕, 透過電顕を行った。血液寒天培地での培養の結果, 淡黄色のクリーム状の小集落形成が認められた。それらはグラム陽性桿菌で生化学的検査によりコリネバクテリアと同定された。走査電顕では, 無数と思える菌体の集簇した団塊物が毛表面にびっしりと付着し, また毛上皮が破壊され毛皮質表面が露出しているのが認められた。透過電顕では, 団塊の表層には多数の菌体が増殖し, それと連続した深層部には毛皮質の変性した部位が見られ, この部位あるいは更に深層のほぼ正常毛皮質内へも菌体の浸襲を認めた。