著者
青木 勝一
出版者
一般社団法人 グローバルビジネス学会
雑誌
グローバルビジネスジャーナル (ISSN:24340111)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.1-12, 2021 (Released:2021-11-16)
参考文献数
25

政府は医療政策の「予防・健康づくり」の中でも,生活習慣病予防を重視し,「特定健康診査」と「特定保健指導」の実施率向上を行ってきたが,その実施率は目標を達成するに至っていない.本研究は,市町村の国民健康保険の特定健診・特定保健指導を対象に,市町村の予防・健康づくり施策がその実施率に与える影響を定量分析し,政策的含意を考察するものである.本研究の分析結果は以下の通りである. ①地域包括ケアシステムの推進が特定健診等の実施率に影響を与えており,その要因は地域のつながりの強さである. ②特定健診等へのインセンティブ付与や情報提供の効果は不明確であり,先行研究の理論を裏付けるものではない. ③がん検診や後発医薬品使用の促進,重複・多剤投与者に対する取り組みを通じた健康や健診全般の重要性の理解が,間接的に特定健診等の実施率向上に寄与している.
著者
望月 秀樹 青木 正志 池中 建介 井上 治久 岩坪 威 宇川 義一 岡澤 均 小野 賢二郎 小野寺 理 北川 一夫 齊藤 祐子 下畑 享良 髙橋 良輔 戸田 達史 中原 仁 松本 理器 水澤 英洋 三井 純 村山 繁雄 勝野 雅央 日本神経学会将来構想委員会 青木 吉嗣 石浦 浩之 和泉 唯信 小池 春樹 島田 斉 髙橋 祐二 徳田 隆彦 中嶋 秀人 波田野 琢 三澤 園子 渡辺 宏久
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001696, (Released:2022-05-28)

日本神経学会では,脳神経内科領域の研究・教育・診療,特に研究の方向性や学会としてのあるべき姿について審議し,水澤代表理事が中心となり国などに対して提言を行うために作成委員*が選ばれ,2013年に「脳神経疾患克服に向けた研究推進の提言」が作成された.2014年に将来構想委員会が設立され,これらの事業が継続.今回将来構想委員会で,2020年から2021年の最新の提言が作成された.この各論IIでは,疾患ごとに脳神経内科領域を分類し,各分野の専門家がわかりやすく解説するとともに,最近のトピックスについて冒頭に取り上げた.*提言作成メンバー水澤 英洋,阿部 康二,宇川 義一,梶 龍兒,亀井 聡,神田 隆,吉良 潤一,楠 進,鈴木 則宏,祖父江 元,髙橋 良輔,辻 省次,中島 健二,西澤 正豊,服部 信孝,福山 秀直,峰松 一夫,村山 繁雄,望月 秀樹,山田 正仁(当時所属:国立精神・神経医療研究センター 理事長,岡山大学大学院脳神経内科学講座 教授,福島県立医科大学医学部神経再生医療学講座 教授,徳島大学大学院臨床神経科学分野 教授,日本大学医学部内科学系神経内科学分野 教授,山口大学大学院神経内科学講座 教授,九州大学大学院脳神経病研究施設神経内科 教授,近畿大学医学部神経内科 教授,湘南慶育病院 病院長,名古屋大学大学院 特任教授,京都大学大学院臨床神経学 教授,国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科 教授,東京大学医学部附属病院分子神経学特任教授,国立病院機構松江医療センター 病院長,新潟大学脳研究所臨床神経科学部門神経内科学分野,新潟大学脳研究所フェロー,同統合脳機能研究センター産学連携コーディネーター(特任教員),順天堂大学医学部神経学講座 教授,京都大学大学院高次脳機能総合研究センター 教授,国立循環器病研究センター病院長,東京都健康長寿医療センター研究所 高齢者ブレインバンク,大阪大学大学院神経内科学 教授,金沢大学大学院脳老化・神経病態学 教授)
著者
青木 昭子 佐藤 貴子 五十嵐 俊久
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.615-619, 2003-11-25 (Released:2011-02-24)
参考文献数
8
被引用文献数
5 4

2002年1月から12月に大腿骨頸部骨折のため入院した38人について, 入院後の合併症を検討した. 平均年齢84.5±6.8歳. 女性32例, 男性6人. 27人 (71%) が軽度以上の痴呆を有し, 33人 (86.8%) が何らかの基礎疾患を有した. 基礎疾患の種類は高血圧29人, 脳梗塞/脳出血後遺症7人, うっ血性心不全5人, 糖尿病4人, 胃潰瘍/胃炎3人, 虚血性心疾患4人, 抑うつ/うつ病2人. 3人が大腿骨頸部骨折の既往を有した. 14例 (37%) で入院後合併症の併発がみられた (肺炎9人, めまい, 嘔吐, 心不全急性増悪, 総胆管結石, 消化管出血各1人). 術前に肺炎を合併8人, 術後に合併1人. 肺炎の重症度は軽症2例, 中等症5例, 重症2例で, 重症の2例は死亡となった. 起因菌が同定されたのは2例のみ (肺炎球菌, インフルエンザ桿菌) であった. 肺炎合併群は非合併群に比べ有意に高齢で, 痴呆の程度が重かった. 入院前の日常生活自立度や歩行能力は2群で差がなかったが, 肺炎合併群では骨折後の自立度や歩行能力が骨折前に比べ有意に低下していた. 肺炎合併群では有意に手術までの日数が長く, 手術例のみの比較では, 肺炎合併群の入院日数が有意に長期であった. 大腿骨頸部骨折のため入院した患者の予後を改善するためには, 入院後肺炎の予防が重要と考えた.
著者
青木 達也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_331-I_344, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
16

本研究は足尾銅山の通洞地区にある選鉱所について,明治から大正前期の時代までの変遷と関連遺構を明らかにしようとするものである.既往の二次史料に加えて,このたび実施した史料調査によって得られた一次史料の内容を考証した結果,これまで明らかとなっていなかった通洞選鉱所の創業年代や移転年代およびそれらの位置のほか,有越索道,新梨子竪坑,新梨子斜坑,足尾鉄道との関係も明らかにすることができた.さらにこの知見に基づき遺構の残存状況を調査した結果,施設が存在していた箇所を推定するとともに残存状況を把握することができた.本研究で纏められた成果が今後の詳細調査へと引き継がれれば,これまで困難とされていた通洞選鉱所の産業遺産としての価値づけが可能になる.
著者
青木 美昭
出版者
一般社団法人 ターボ機械協会
雑誌
ターボ機械 (ISSN:03858839)
巻号頁・発行日
vol.15, no.9, pp.553-558, 1987-09-10 (Released:2011-07-11)
参考文献数
17
著者
飯野 久和 青木 萌 重野 千奈美 西牟田 みち代 寺原 正樹 粂 晃智 水本 憲司 溝口 智奈弥 小泉 明子 竹田 麻理子 尾﨑 悟 佐々木 一 内田 勝幸 伊藤 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.171-184, 2013 (Released:2013-09-11)
参考文献数
44
被引用文献数
2 3

【目的】プロバイオティクスを添加していないブルガリアヨーグルトの整腸作用を調べるため,ブルガリアヨーグルトの摂取による糞便中ビフィズス菌増加作用をランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で評価する。【方法】女子学生62名をヨーグルト摂取群(ブルガリアヨーグルトを摂取する群)と酸乳摂取群(ヨーグルトと同じ乳成分からなる乳飲料に乳酸を加えてヨーグルトと同じpHとした酸性乳飲料を摂取する群)に分けた。両群ともに摂取前観察期(2週間),ブルガリアヨーグルトまたは酸乳を1日 100 ml摂取する摂取期(4週間:前半2週間,後半2週間),摂取後観察期(2週間)を設け,糞便中の腸内細菌叢の解析を2週間毎に行い,糞便中ビフィズス菌数を調べた。【結果】試験の除外対象者(過敏性腸症候群様の者,抗生剤の使用者等)および脱落者を除いた女子学生(ヨーグルト摂取群が20名,酸乳摂取群が25名)を評価対象として統計解析した。試験食品を4週間摂取した際の糞便中ビフィズス菌の生菌数は,酸乳摂取群に比較してヨーグルト摂取群が有意に高値となった。【結論】以上の結果より,ブルガリアヨーグルトの摂取によって糞便中ビフィズス菌数が増加し,腸内細菌叢が改善されることが示された。
著者
杉山 昌秀 青木 悠 篠原 佳祐 宮田 智陽 関口 展貴
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.512, 2018 (Released:2018-12-18)
参考文献数
4

潰瘍性大腸炎に対するタクロリムスの治療は,早期に高トラフ値に保つことの重要性が示唆されている。我々は添付文書より多い初期投与量で開始し,連日TDMによる用量調節を行なった2症例について検討を行なった。2症例とも10~15ng/mLの高トラフ域を維持されることで症状の改善が認められた。高トラフ域に入ったのが開始後9日目であり,添付文書の投与法と同程度の日数を要した。
著者
折戸 洋子 青木 理奈 村田 潔
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.45-48, 2015 (Released:2016-01-29)

本研究は,「参加型監視環境」としてのSNS空間において,若年ユーザの心理状態がどのような状態に置かれる傾向にあるのか,どのような特徴をもちうるのかについて検討する.その上で,「解離性障害」に関する精神病理学の知見を用い,その概念を援用することで,参加型監視環境のもたらす長期的なリスク,特に若者の自己同一性構築における負の影響について考察する.
著者
青木 奈穂 笠原 帆乃佳 佐藤 吉朗
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.175-179, 2021-12-25 (Released:2021-12-25)
参考文献数
16

食品には,本来感じられないにおいが感じられることがある.我々はこのにおいをオフフレーバーと呼んでいる.牛乳においても,餌あるいは乳牛の体調によりヘキサナールのようなオフフレーバーが感じられることはよく知られている.我々はすでに市販牛乳からオフフレーバー物質として2-ヨード-4-メチルフェノール(以後2I4MPと略称する)を初めて発見し,その構造を明らかにした.今回,以下の3点について検討した.第一にどのような化合物を出発物質として2I4MPが生成されたのか.この問題は有機合成手法を用いて推定し,候補物質としてp-クレゾールを挙げた.第二に牛舎内でどのようにして2I4MPが発生したのか.牛から排泄された牛糞にヨウ素を作用させることによって2I4MPが発生のすることを確認した.第三に,2I4MPがどのようにして生乳に移行したのか.デシケーターを用いたモデルを作成して移行推定を実施し,2I4MPが牛舎内で生乳に移行する可能性を示した.この結果から,2I4MPを牛乳中に混入させないための方策を提案した.すなわち,搾乳時に乳房殺菌に使用されるヨウ素系殺菌剤を他の殺菌剤に代替する,あるいはヨウ素系殺菌剤を牛糞や床敷きに落下させないようにする.以上を守ることが重要である.
著者
青木 孝夫
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
no.8, pp.p55-70, 1993-03

近松門左衛門の『曽根崎心中』、とりわけその<道行>の場面の上演に即して、独自の他界観を検討した。それに拠れば、心中の道行には二つの位相があり、一つは相対死(あいたいじに)に到る過程、今一つは霊魂の結婚に到る死後の旅路である。 『曽根崎心中』の道行では、この二つの位相が言わば重ねられて上演される。死に極まる恋愛は、身体の死に到る過程がそのまま霊魂の一体化の過程として描写または具体化されている。「恋の手本」は死の門を通過して、「一つ蓮」と二人一緒に成仏することによって成就する。蓮の花咲く来世は単なる死者の国ではなく、仏教的に了解された浄土である。かく恋愛の理想と成仏とが、心中という情死を通して結びつき一体的に実現される。 その心中は、元来遊女の愛の誓いであるが、その真心を示すのについには命を懸ける点で、この観念は「一所二懸レケル命ヲ」武士の主従の<契り>と融合している。この<契り>は前世からの定めの約束であり、心中の道行は、この約束の成就の過程にして来世への往生の過程である。この時、情死は死に行く二人の恋心が誠であることの明かしである。
著者
小安 宗徳 篠﨑 一慶 佐藤 妙 青木 良輔 有賀 玲子 渡部 智樹 犬童 拓也 大島 直樹 武川 直樹
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.992-999, 2019-06-26

我々は研究活動を行っている大学生の自己調整学習を,セルフモニタリングを使用して支援を行うことを目指している.自己調整学習に不慣れな大学生の特徴を明確化する為,17 名の学生を分析した.分析した学生の性格から,自己著製学習に不慣れな大学生のペルソナを 2 種類抽出し,研究活動におけるステップの仮説を構築した.構築した仮説から,学生に研究活動を促進するセルフモニタリングを促す,通知システムを構築した.通知方法は大学構内での滞在場所を基に通知を行い,セルフモニタリングさせるものである.大学生 4 名に対して 1 週間のユーザテストを行った.その結果,セルフモニタリングの回答結果から,”論文調査”などの準備段階の推定が示唆された.また,セルフモニタリングを行わせることで,研究にかかわる行動と研究を行う意識を促進することが示唆された.