著者
高田 喜朗 辻野 嘉宏 都倉 信樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.290-298, 1997-02-15

ヘルプシステムやWWW(World Wide Web)など 計算機アプリケーションのいくつかの分野でハイパーテキストを利用したシステムがよく見られるようになってきている.ここでは 大量の情報(文書)が個別に提供され それらをユーザが効率良くアクセスできるように検索のためのメニューとその間のリンクを構築する問題を考える.ユーザが効率良くアクセスするためには 操作の手間が平均的に小さいことが必要になる.また キーワードとそれからアクセスできるページの集合(カテゴリ)は意味的に対応づけられ ユーザが目的のページを検索するのに途中のメニューで迷わないようにしなければならない.本論文では 与えられたキーワードとカテゴリの関係を保つリンク構造すべての中から平均アクセス時間が最小なリンク構造を求める効率の良いアルゴリズムを示す.
著者
高田 純
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.466-476, 1976-07-01 (Released:2010-01-22)
参考文献数
57

Many color reaction of organic componnds in Brønsted or Lewis acid medium which have been used for the detection and the determination of biological materials or for organic analyses are well known. In this review, some of the reaction mechanisms of these coloration, the coloration of aromatic aldehyde with electrophilic reagent in sulfuric acid such as the de Fazi reaction and the Molisch reaction, the coloration of cholesterol in strong acid such as the Liebermann-Burchard reaction, the Zak reaction, the Hirschsohn reaction, the Mueller reaction and the reaction of cholesterol with benzoyl peroxide, the coloration of sexual hormone in acid such as the Kober reaction, the Mueller reaction of estrone and the reaction of teststerone, the Carr-Price reaction, and the Marquis reaction, were reviewed. Among them, the most of coloration using sulfuric acid or other protic acid as the reaction medium were ascribed to carbocation formation, while the color in the Molisch reaction and the Marquis reaction might arise from cation-radical, and the colorations in antimonyl trichloride reagent were ascribed to cation-radical formation.
著者
草野 圭弘 福原 実 高田 潤
出版者
倉敷芸術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

備前焼作家により制作された金彩備前焼について、表層の結晶相について粉末X線回折および透過型電子顕微鏡観察により検討した。金色は、これまで燃料として用いられる赤松に含まれる炭素が作品表面に付着し、この炭素膜による干渉色によると考えられてきたが、炭素は検出されず、厚さが約100nmの酸化鉄(ヘマタイト、α-Fe2O3)が表面に生成していることが明らかとなった。また、メスバウアー分光測定においても、ヘマタイトの生成を確認した。このヘマタイトとガラス相の散乱光により金色に見える可能性があることがわかった。金彩および銀彩備前焼を制作されている備前焼作家に、金属光沢模様が現れやすい焼成条件について聞き取り調査を行った。稲わらを巻いた作品を登り窯にて酸化雰囲気下で昇温した後、過剰の薪または炭を加え、還元雰囲気下で冷却すると金彩や銀彩模様が現れやすいことがわかった。よって、備前焼表面の金属光沢は、稲わらと反応して生成した液相中に酸化鉄が析出することにより現れると考えられた。作家による焼成条件を基に、電気炉にて再現実験を行った。稲わらの主成分はシリカ(SiO2)であるが、カリウムが約13wt%含まれており、カリウムが備前焼粘土と反応してガラス相が形成すると考えられる。そこで、稲わらの代わりに炭酸カリウム(K2CO3)を用い、大気中にて1230℃まで昇温後、アルゴンガスに一酸化炭素を10%混合したガス中で冷却を行った。現在、生成相の検討および熱処理条件の最適化を行っている。
著者
市川 貴紀 安井 孝志 高田 主岳 湯地 昭夫
出版者
日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.749-752, 2009

Three solid-state ISEs (Cd, Pb, Cu) were evaluated for direct potentiometry of polyacrylate. Cd-ISE had a lower pH response but an appreciably high response to PA, while Cu-ISE had a remarkably high pH response but a rather low response to PA. Pb-ISE showed intermediate behaviors. These results suggest direct potentiometry of PA by simultaneous measurements of pH and the Cd-ISE response. Anions of foreign salts may cause positive errors by the interactions with Cd2+, whereas cations of salts may cause negative errors by the interactions with PA. The extent of such errors is, however, negligible in the detection of PA in the circulating water of cooling systems.
著者
松坂 昌宏 小林 豊 萩原 紫織 望月 真太郎 高田 正弘 井出 和希 川崎 洋平 山田 浩 諏訪 紀衛 鈴木 高弘 横山 美智江 伊藤 譲 北村 修 小野 孝彦 米村 克彦
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.15-27, 2017 (Released:2018-04-19)
参考文献数
10

静岡腎と薬剤研究会は腎臓病薬物療法について学習する機会が限られていた静岡県の病院・薬局薬剤師の取り組みの現状を把握し、課題を見出すためにアンケート調査を行った。対象は第1回静岡腎と薬剤研究会に参加した病院・薬局薬剤師とした。アンケートは多肢選択式20問とし、腎機能評価や疑義照会の他、処方箋やお薬手帳への検査値の記載に関する質問を作成した。回答者は病院薬剤師42名、薬局薬剤師20名の合計62名であった。調剤時の処方鑑査の際に腎機能を表す検査値を確認する薬剤師は53名(85%)であり、薬物投与量を確認する際の腎機能評価にeGFRを使用する薬剤師は40名(65%)であった。体表面積未補正eGFRを使用するのは40名中17名(43%)と半数以下であった。腎機能を評価した上で疑義照会をしている薬剤師は48名(77%)であり、病院薬剤師42名中37名(88%)に対して薬局薬剤師20名中11名(55%)と異なっていた。その理由に検査値の入手方法と確認頻度に違いがみられ、病院薬剤師38名(90%)が検査値をカルテから入手するのに対し、薬局薬剤師18名(90%)は患者から入手していた。確認頻度では薬局薬剤師15名(75%)が検査値を入手できた時に確認しており、腎機能評価が不定期に実施されていた。疑義照会内容は過量投与が48名中45名(94%)と最も多く、薬物相互作用は7名(15%)と少なかった。処方箋に腎機能を表す検査値の記載を希望する薬局薬剤師は20名中17名(85%)であり、検査値を記載している施設の病院薬剤師は42名中7名(17%)であった。お薬手帳に検査値の記載を希望する薬局薬剤師は13名(65%)であったが、検査値を記載している施設の病院薬剤師は3名(7%)と少なく、病院薬剤師の取り組みが進んでいないことが明らかとなった。以上の結果から、地域の腎臓病薬物療法の質的向上には、腎機能評価に関する研修会の実施や薬局薬剤師が検査値を入手しやすいように薬薬連携の推進を図ることが重要である。

1 0 0 0 OA 新纂診断学

著者
笠原光興, 高田耕安 編
出版者
松崎留吉
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1891
著者
山野 俊彦 福島 洋一 高田 麻実子 飯野 久和
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.39-46, 2005 (Released:2005-07-05)
参考文献数
44

健康な成人男女27名を対象に,Lactobacillus johnsonii La1株を含む発酵乳の摂取がヒト血中貪食細胞活性に与える影響について検討した.試験食として L. johnsonii La1株(1×109 cfu /120 g)を含む発酵乳を,プラセボ食として L. johnsonii La1株を含まない発酵乳を用い,いずれか一方の発酵乳を1日1カップ120 gを21日間連続摂取させる無作為二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を実施した.摂取第I期において,試験食を摂取した被験者の摂取21日目における血中貪食細胞活性は,試験食摂取前と比較して有意に上昇し (p<0.001),その活性は,同様に活性の上昇が認められたプラセボ食を摂取した被験者の活性よりも有意に高値となった(p<0.05).29日間のウォッシュアウト期間後においても活性の高い状態は維持された.摂取第II期において,試験食を摂取した被験者の血中貪食細胞活性は,摂取前と比較して有意に上昇したが(p<0.05),プラセボ食を摂取した被験者の活性に有意な上昇は認められなかった.また健康な成人男女10名を対象に, L. johnsonii La1株を含む発酵乳を摂取目安量の3倍量である1日3カップ360 gを14日間連続摂取させたところ,試験食摂取後の血中貪食細胞活性の有意な上昇が認められた(p<0.005).自覚症状,医師による検診,血液検査ならびに尿検査において試験食摂取による健康状態に異常が認められた者はなく,試験食の安全性が確認された.以上の結果から, L. johnsonii La1株を含む発酵乳の摂取は,血中貪食細胞を活性化してヒト自然免疫を賦活する作用が認められ,また過剰量の摂取において安全性に問題のないことが示された.
著者
岡部 洋一 円福 敬二 吉田 啓二 高田 進 藤巻 朗 田中 三郎 松田 瑞史 藤井 龍彦
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

1.超伝導回路岡部は、BSFQ回路方式に基づくAND、OR、XOR、NOTの各論理ゲートの動作マージンを±30%にまで拡大することに成功した。また、超伝導体と半導体のハイブリッドコンピュータ実現を見据え、インターフェイスデバイスを試作した。高田は、ユニバーサルNANDゲートおよびNORゲートの設計を行い、シミュレーションにより高速動作と低消費電力性を確認した。藤巻は、界面改質型高温超伝導体ジョセフソン接合の試作を行い、臨界電流値のばらつきはピンホールに起因するという結論を得た。2.SQUID応用円福は、高温超伝導SQUIDにより磁気微粒子からの微弱磁界が高精度に測定できることを利用して免疫反応検出システムを開発し、従来の機器よりも10倍〜100倍の感度で検出が可能であることを示した。田中は、高温超伝導SQUID顕微鏡の試作を行い、室温の磁束ガイド針を用いた場合でも100μmよりも高い分解能が得られることを示した。松田は、高温超伝導SQUIDグラジオメータを作製し、フラックスダム構造を用いることにより環境磁場雑音影響を大幅に軽減できることを示した。藤井は、生体磁場測定のための医療用磁気センサにおいて、環境磁場測定用SQUIDを付加することにより磁気シールドを用いずに微小磁場を測定することに成功した。3.高周波応用吉田は、高温超伝導薄膜上でアンテナとフィルタを一体化することにより、特性の向上が図れることをシミュレーションで示した。
著者
高田 一宏
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.180-191, 2008-06-30 (Released:2017-11-28)

教育をめぐる社会的不平等の克服をめざして、同和教育は学力保障の実践を積み重ねてきた。しかし、近年の調査によると、同和地区の子どもの学力低下は著しく、地区内外の学力格差は拡大する傾向にある。この論文では、先行研究を参照しつつ、同和地区の子どもの低学力要因と諸要因の関連構造を示した。さらに、学力保障の展望を探るべく、学校と家庭・地域の連携から生み出される社会関係資本の意義について述べた。同和地区の子どもの低学力は、不平等な機会構造、同和地区の下位文化と学校文化の不連続性、学校による下位文化の「再創造」、同和地区人口の流出入と若年層における就労の不安定化、消費社会化といった要因が複合的に作用した結果だと考えられる。地区の子どもの低学力問題の克服は容易ではないが、「効果のある学校」においては、学校・家庭・地域の信頼・協力関係が、学校内外の文化変容と取り組みの相乗効果をもたらしている。
著者
高田 順三
雑誌
尚美学園大学総合政策論集 = Shobi journal of policy studies, Shobi University (ISSN:13497049)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.59-84, 2015-12-25

会計参与は、取締役と共同して、計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)及びその附属明細書を作成する。この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告書を作成しなければならない。会計参与はその職務の権限として、いつでも、会計帳簿又はこれに関する資料が、書面をもって作成されているときは(又は電磁的によって記録されているときは)、当該書面(又は電磁的記録)の閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。会計参与の資格は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならないとされる。会社の計算書類の正確性を図ることを主たる目的として創設された会計参与の趣旨及びこの制度が普及しない原因を考察する。
著者
佐藤 寛子 柴田 ちひろ 秋野 和華子 斎藤 博之 齊藤 志保子 門馬 直太 東海林 彰 高橋 守 藤田 博己 角坂 照貴 高田 伸弘 川端 寛樹 安藤 秀二
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.167-175, 2016-09-25 (Released:2017-06-05)
参考文献数
29

In Akita Prefecture, patients with Kato type of tsutsugamushi disease (Sucrub typhus) transmitted by Leptotrombidium akamushi were identified in August 2008 for the first time in 15 years, and in 2010 as well. We conducted surveys of the habitat of L. akamushi using Suzuki’s Method (MITORI-HO) between 2011 and 2014 in 74 areas of riverbed in which the disease was prevalent, including the upstream, midstream, and tributary areas of the Omono River. Habitats of L. akamushi were identified in 40 areas in three cities and one town, and the total distance along Omono River was approximately 10 km shorter than that reported by a survey conducted in 1964. Some of those areas were inhabited by L. akamushi gradually after river improvement work and the disease temporarily became prevalent there, although no patient had been identified in these areas prior to the construction. L. akamushi was only collected from sand, sandbanks, and other areas in the vicinity of the river, which can easily be flooded when the water level rises. No extensive research has been conducted on the re-emergence of tsutsugamushi disease transmitted by L. akamushi. It is necessary to continue to provide people with information and increase their awareness.
著者
高田 篤 今宿 亙
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

入射光の位相に依存した利得を与える位相感応光増幅器(PSA:Phase Sensitive Amplifier)は、無雑音でかつチャープパルスの波形整形機能があるため中継増幅器としての適用が期待できる。今回、光カー効果を用いたPSAの基本特性について、理論的、実験的に検討したので報告する。