著者
本間 希樹 笹田 真人 池田 思朗
出版者
国立天文台
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

人類史上初めて巨大ブラックホールの影を静止画で捉えたEHT(Event Horizon Telescope)による観測的研究を発展させ、さらなる観測データの蓄積と画像解析方法の向上により画像に時間軸を導入した動画撮影を目指す。それによって、ブラックホール周辺で起こるガスの運動やジェットの放出現象などさまざまな物理現象の時間変動を捉え、ブラックホールおよびその周辺の動的な姿を明らかにする。
著者
森本 直記 中務 真人 森田 航
出版者
京都大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

ホモ・サピエンス(現生人類)に至った系統進化において、類人猿・人類段階の主要イベントは常にアフリカで起こったと主流仮説では考えられている。その一方、過去1600万年にわたり、様々な類人猿・人類がアフリカからの拡散を繰り返したことが、古生物地理から示唆されている。この拡散過程を明らかにするには、アフリカとユーラシアをつなぐ回廊地帯の化石資料が鍵となる。本研究では、回廊地帯の中でも有望な化石産地のひとつであるアナトリア半島(トルコ共和国)において、人類・類人猿化石の発掘調査行う。トルコ側研究者との交流を活性化させ、国際共同研究により新規化石サイトを開拓する。
著者
坂本 徳仁 後藤 玲子 宮城島 要 中田 里志 吉原 直毅
出版者
東京理科大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

本研究課題は、東京理科大学・一橋大学で定期的に開催してきた規範経済学研究会の日本側研究者チームと、英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのVoorhoeve教授らとの国際共同研究を推進し、①不確実性の文脈に応じた望ましい政策評価方法の構築、②異なる集団・自治体・国家間の福祉比較の方法の開発、③さまざまな評価の方法の理論整備と応用可能性の拡大、といった問題を分析する。本研究課題では、実務上恣意的に用いられてきた政策評価の方法を理論的に検証し改善を加えることで、「望ましい社会とは何か」という規範分析の最重要課題に科学的な回答を提供する点に特色と意義がある。
著者
山室 真澄 管原 庄吾 小室 隆
出版者
東京大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

大型底生緑藻の異常繁茂が、世界の多くの海岸や淡水域で発生している。日本でもアオサや糸状藻類の異常繁茂が各地で報告されている。原因として栄養塩の増加など、増える要因を検討するものが多い。本研究ではシオグサ属大型底生緑藻の異常繁茂により湖岸が極端に嫌気的になり、水鳥の大量死など生態系が著しく撹乱されている北米の五大湖で現地調査を行い、なぜ減らないかという観点から検討する。具体的にはシオグサの補食者の状況を確認し、捕食者が存在する場合は捕食しない原因を検討する。捕食者が少ないか不在の場合は、流入河川など周辺水域に緑藻を捕食する動物がいないかなどを調査し、補食者の復元・導入方法について共同研究を行う。
著者
和田 実 荒川 修 高谷 智裕 柳下 直己 井口 恵一朗 太田 貴大 宇都宮 譲
出版者
長崎大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

メコン川流域における淡水フグの有毒性は広く知られているものの、野生の淡水フグにおける毒性の強弱や組成に関する知見は著しく断片的なままである。メコン側流域各国では、地元自治体が危険性を啓発しているにもかかわらず、流域住民のフグ食は止まらず、中毒による健康被害が社会問題化している。本研究は、フグ食中毒被害が顕著なカンボジアにおいて、被害多発地域に位置する新設大学と連携し、淡水フグの種類と毒性の季節変化、毒化機構、ならびに住民のフグ食に対する潜在的な需要を明らかにし、淡水フグの無毒化養殖を試行する。
著者
小薮 大輔 小林 耕太 福井 大 飛龍 志津子 目黒 史也
出版者
筑波大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2022-10-07

哺乳類の頭蓋骨は種に関わらず同じ数のパーツ(骨要素)によって構成されていることから,進化上極めて保守的な構造であるとされている.しかし応募者は他の哺乳類には見られない新奇な骨が一部の動物の耳にあることを発見した.この骨は従来の比較解剖学の体系上どこにも当てはまらない全く未知の骨である.予察的研究からこの骨は他の哺乳類では舌器の一部に当たる部位が転じて化骨したものであるという仮説を立てている.本仮説の検証を目指し,本研究ではどの部位が分化してこの骨が形成されるのか,どういった遺伝子とゲノム基盤が関わっているのかを解明する.
著者
中川 裕 高田 明 松平 勇二
出版者
東京外国語大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2018-10-09

2021年度の主要実績は次のように要約できる:(1)過去に記録されたブッシュマン音楽のアーカイブ編纂を継続・拡大し、その派生的な成果を進展させた;(2)グイ語の言語的韻律とグイの歌の音楽的律動の比較分析を行った;(3)グイの歌の類型・リズム・楽器の側面を取り上げた小論を刊行した;(4)グイの治療ダンス音楽のリズム分析を行い、その結果の一部を学会発表した。(1)に関しては、昨年度に引き続き、1990年代までに収録した音楽を対象に資料目録の整備を実施した。また、中川が、歌を含む原文のテキスト表記の監修を担当した田中二郎(2020)『ブッシュマンの民話』(京都大学学術出版会)英訳刊行プロジェクトが最終段階に入った(現在は校正プロセス)。(2)の成果を一部反映した(3)については、研究代表者(中川)と研究分担者(松平)とが、それぞれ言語リズムと音楽リズムを分担して、これまでの考察結果を持ち寄りアンソロジー『地球の音楽』(東京外国語大学出版会)に「カラハリ狩猟採集民グイ人の歌」を執筆し、刊行した。(4)については、松平が日本アフリカ学会第58回学術大会で「グイ・ヒーリングダンスのリズム」を報告した。それら以外にも、本研究課題に関連する実績として、高田が日本発達心理学会第33回大会で「音楽性の学際的探究からの提言: 「音楽的な子どもたち」に導かれる発達観へ」を発表し、また、中川が日本音声学会第35回大会特別講演として「多数のクリック子音をもつ言語は音韻体系をどう組織化するか:“コイサン”諸語の子音・母音・音素配列」を発表した。
著者
山本 裕二 星 博幸 佐藤 雅彦 中田 亮一
出版者
高知大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

100万年を超える長期間をカバーできる準連続時系列の古地磁気強度絶対値(API)データ源は、世界でもアイスランドの溶岩層序群をおいて他はない。本研究では、異なる地磁気逆転頻度を示す2つの期間を中心としたAPI準連続変動の解明を目指す。さらに海底堆積物から明らかにされつつある同期間の古地磁気強度相対値の時系列データと統合することで、試料依存性のない古地磁気強度連続変動記録を確立する。
著者
山 祐嗣 山 愛美 橋本 博文 鈴木 紘子 眞嶋 良全
出版者
大阪市立大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2021-10-07

宗教的推論は、直感的システムと熟慮的システムを仮定する二重過程理論では前者によって行われると想定されてきた。しかし、日本人においては熟慮的システムと結びついていることが示されている。本研究では、この違いを、東洋人は、カルマを熟慮的に受け入れている(カルマ仮説)、あるいは熟慮的思考と直感的迷信を弁証法的に受け入れている (弁証法的共存仮説) 可能性と想定する。日・仏・英において、認知的負荷によって熟慮的システムを抑制する実験、熟慮的思考を測定する質問紙と宗教的信念の質問紙の相関を検討する実験、熟慮的な判断と直感的な宗教的モラル推論の弁証的共存を測定する実験を実施し、両仮説を検証する。
著者
田中 宏明 花本 征也 小川 文章 山下 洋正
出版者
京都大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2018-10-09

抗生物質による水環境汚染は、世界的に解決すべき喫緊の課題となっている。我々は抗生物質の自然減衰に対して先駆的に研究を行い、英国テムズ川では、国内河川よりも抗生物質の減衰が大幅に速いこと、金属錯体形成反応や河床間隙水塊との水交換といった日本では観測されない反応や現象が生じていることを見出した。しかし、これらの反応・現象に対する知見はまだほとんどない。そこで本研究では、英国テムズ川を対象とし、現地調査、室内実験、数理モデルを駆使して、ⅰ)金属錯体形成反応を考慮した抗生物質の底質への収着のモデル化、ⅱ)河床間隙水塊を考慮した河川水-底質間の抗生物質の移動現象のモデル化、ⅲ)抗生物質の水環境中濃度予測モデルの構築を実施する。本研究は、新たな反応・現象のモデル化により、化学物質、特に現在、世界的課題となっている抗生物質管理に資する普遍的な環境濃度の予測システムを構築するものである。新型コロナウイルス蔓延のため、英国への渡航ができない状況が続いている。令和3年度は、これまで英国との交流のコアとなってきた、第23回日英内分泌かく乱物質・新興化学物質ワークショップが11月29日-30日にオンラインで開催され、それに参加するとともに、以下の内容を共同発表した。人に投与された医薬品の水圏への排出源は概ね明らかになっているが、家畜に投与された医薬品の水圏流出経路は国や地域によって異なっており、十分な知見は得られていない。そこで、本年度は動物用及び人用医薬品の河川調査を、全国各地の畜産地域において年間を通して実施した。また、昨年度構築した、畜産場・下水処理場・浄化槽を排出源とした医薬品の水圏排出モデルによる河川負荷量の予測値と、現地調査による観測とを比較することで、動物用及び人用医薬品の水圏流出量の予測可能性を評価した。
著者
藤野 英己 近藤 浩代 植村 弥希子 中西 亮介
出版者
神戸大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

再生医療は幹細胞を患部に移植をすることで完了するのではなく,移植後の微小環境が重要であり,再生を促進するための微小環境の管理が必須である.本研究では微小環境形成に関与すると考えられるエクソソームに焦点を絞り,骨格筋に対する物理的刺激で放出されるエクソソームがニューロン再生を促進させ脊髄損傷後の運動機能回復に有効であるかを検証するのが目的である.特に再生微小環境の形成には毛細血管ネットワークの退行予防と血管新生促進が不可欠であると考え,骨格筋から放出されエクソソームが脊髄の毛細血管網の構築に関与するかを検証し,再生医療における神経再生の管理のためのリハビリテーションを開発する.
著者
野田 浩司 齋藤 隆之 高橋 光成 中森 健之 稲田 知大
出版者
東京大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

大口径の大気チェレンコフ望遠鏡を用いた観測により、高エネルギーガンマ線で見える宇宙の極限現象、特に突発天体と暗黒物質の理解を進める。本研究では、現在稼働中のMAGIC望遠鏡に加え、次世代計画チェレンコフ望遠鏡アレイ(CTA)の大口径望遠鏡1号基を用い、また同望遠鏡2~4号基の設置・調整を行う。現行の望遠鏡によって明らかになった様々な宇宙現象の理解を更に深め、CTAによる研究へと継続・発展させていく。 MAGIC・CTAともにスペイン・ラパルマ島で進行中の国際共同実験であるため、観測地現地や欧州各国にある関連研究所に直接赴いて研究を進め、今後同分野でリーダーシップを発揮していく。
著者
藤本 成明 ムサジャノワ ジャンナ 佐藤 斉 星 正治
出版者
広島大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

放射線の影響を理解するためには、外部被曝ばかりでなく内部被曝の影響評価が重要であるが、現在のところ、防護上で両者の影響は同等とされている。最近、我々は放射性微粒子による内部被曝が強い生物学的影響を示す場合があることを報告した。本研究では、この内部被曝実験を展開し、分子生物学的解析によりその障害作用とメカニズムの詳細を解明することを目的とする。本研究は放射線被曝の防護と安全に関わる極めて重要な国際共同研究である。
著者
サベジ パトリック 味見 純 藤井 進也 徳井 直生
出版者
慶應義塾大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

Music is a human universal, but there remains little data on cross-cultural musical variation. We will perform a series of experiments investigating global diversity in perception and production of musical 1) rhythm, 2) melody, 3) harmony, 4) language, 5) creativity, and 6) cooperation. In total we will conduct experiments with thousands of musicians and non-musicians from over a dozen countries around the world. Our findings will have implications for understanding the evolution of music and its place in society, including for composers, instrument manufacturers, copyright legislators, etc.
著者
AKKEMIK KUCUKALI 新見 陽子 Fuentes・Cordoba Gabriel C Y.Horioka 庄司 匡宏
出版者
山口大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2021-10-07

After the breakout of the civil war in Syria in 2011, Turkey faced a serious refugee exodus. After a decade, the population of refugees rose to 4 million and they are scattered all over the country from bordering provinces to big cities. The literature so far studied the consequences of this inflow of refugees on economic outcomes, e.g., wages, employment, and housing demand. Yet, the impacts on wellbeing and social capital (e.g., trust and altruism) of both locals and refugees is still unexplored. This project aims to examine it via a multi-focal attempt relying on a large national survey.
著者
栗崎 周平 岩波 由香里 広瀬 健太郎
出版者
早稲田大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

核兵器を巡る国際社会の体制は、一方で核兵器の究極的な廃絶を謳いつつ、他方で核軍縮や 核使用制限には抵抗するという矛盾に覆われている。これは核廃絶に向けた軍縮政策と、現実に存在する核の脅威を抑止するという安全保障政策との両立が困難であるというジレンマに直面したとき、責任ある政府は安全保障を追及せざるをえないという現実主義を、核なき世界という平和主義よりも優先するからである。本研究は安全保障研究を牽引してきた数理政治学者と共同して核による報復攻撃に依拠せずに安全を確保する核戦略を解明・考案することを目指すNew Nuclear Deterrence Theoryプロジェクトを推進するものである。
著者
村井 祐一 PARK HYUNJIN 熊谷 一郎
出版者
北海道大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2018-10-09

本課題ではオンラインレオメトリーを開発・実現するために,スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)との共同開発を行った.またETHとの連携をもつEPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校),中国・天津大学とも間接的な共同研究を進めた.2020年度は以下の項目について成果を得た.[1]粒子画像流速測定法PIVにより非ニュートン流体の外部流を対象として速度ベクトル場の計測結果から圧力場と粘度場を同時に定量可視化するツールを開発した.カルマン配列渦がシアシニング性をもつ非ニュートン流体では渦核が高粘度,渦周囲が低粘土になり渦運動が下流に長時間持続し運動量散逸が相対的に低下することを発見した.この成果は流体計測の国際誌 Flow Measurement and Instrumentationに発表された.[2] 複数の振動周波数が混在するせん断ひずみ流れを超音波パルスドップラー法UVPによりの時空間速度分布を計測することによりレオロジー特性をマッピングするという新手法を開発した.これによりエマルジョンや気泡懸濁液における複素粘度特性を取得することに成功した.成果は日本機械学会論文集に掲載された.[3]熱移動を伴う食品の表面における冷却プロセスを3次元で計測するColor PIV技術を開発した.この結果,表面の凹凸や祖度に影響を受けた乱流境界層の内層構造を定量計測することに成功した.この成果は日本機械学会流体工学部門講演会にてETHの研究者と共著で発表された.[4]ゲルを媒体とする非ニュートン流体の運動機構について国際共著論文として英文誌 J. Non-Newtonian Fluid Mech.に掲載された.以上についてはコロナ禍における2国間の移動制限のためETHと北海道大学の間で2週に1回のペースでweb会議を実施し,最新の情報交換と研究推進会議を重ねた.
著者
小薮 大輔 飛龍 志津子 小林 耕太 東山 大毅 福井 大
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2018-10-09

本年度はこれまでベトナムで収集したコウモリ類の胎子標本を発生ステージ表を参照してステージの同定を行った。また収集した標本はPFA固定、カルノア固定、エタノール固定をそれぞれ行った。それらをマイクロCTによる三次元的非破壊撮影を行ったのち、パラフィン包埋標本・凍結標本を順次作成し、アセチレッテドチューブリンを用いた神経系の免疫組織化学染色、ヘマトキシリン・エオシンを用いた筋系・硬骨・軟骨の組織染色を行った。また、Ptch1, Ihh, Runx2, Sox9, Aggrecan 各遺伝子のRNAプローブの作成を進め、その合成に成功した。予察的にこれらのRNAプローブによるin situ ハイブリダイゼーション実験を開始したが、高品質の染色結果を得ることに成功した。新年度以降は本格的にこれらを用いてコウモリ類における舌骨発生に関連する遺伝子の発現パターンの把握を目指す。また、野外においてコウモリ類の超音波発生および聴取の行動を三次元動画記録、音声ソノグラム記録を行い、コウモリ類のエコーロケーション行動の把握につとめた。さらに、野外で捕獲したコウモリ類の成体に対し、脳幹上丘に刺激用双極電極を挿入して刺激に対する超音波発声および耳舌骨を含む外耳の動きを計測した。刺激部位に逆行性神経トレーサ・フロオロゴールドを注入し、刺激量および刺激部位を変量として、外耳の動き、発声タイミング、発声の音響特性が脳幹上丘内でどのように表象されているかの把握を進めた。また本年度はタイ・プーケットで行われたコウモリ類国際研究会議に参加し、本課題に大きく関連した研究発表を行うとともに、各国研究者と討議を行った。
著者
杉原 百合子 武地 一 山本 晃輔 岩崎 陽子 横光 健吾
出版者
同志社女子大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2019-10-07

健常な高齢者あるいはMCIの段階からの、効果的・実用的な認知症予防プログラム開発が、わが国のみならず世界的にも喫緊の課題である。本研究では、①日本・スウェーデン共同で「嗅覚感応デジタルデバイスゲームを応用した認知症予防プログラム」を開発すること、②開発した認知症予防プログラムの高齢者に対する効果を縦断的に測定すること、を目的とする。そのために、スウェーデンで構築されている「嗅覚ゲーム」の研究チームに、日本から認知症診療・ケアを専門とする医学・看護学の研究者および「嗅覚」を専門とする研究者グループが参画し、認知症の人の特性等を考慮した予防プログラムの開発及び効果測定に主導的な役割を果たす。