著者
田中 岩男
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究により以下の諸点が明らかにされた。(1) 歴史と神話を同時にはらむ『ファウスト』の特有の「歴史性」(2) 時間的にかけ離れた事象を重ね合わせ、類型化・典型化して考える方法論的原理 (3)『ファウスト』全体をつうじゲーテの思考における本質的なパラメーターとしての〈自然〉(4)〈人工〉による〈自然〉の支配に顕著に表れた近代の暴力的な性格 (5) 近代に対するゲーテのアンビヴァレントな立場、等。
著者
神川 康子
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-10-20

近年の子ども達の睡眠には量的・質的な問題があり、その原因が著しい生活環境の変化であることを指摘した。特に夜間のマスメディアとの接触による光環境の影響が大きいことを調査や実験で明らかにした。子ども達の夜更かしの助長で寝つきや熟眠感が悪化し、起床時の気分が悪化すると、学業や日常生活の質も低下する。本研究では特に就寝時刻の遅延が睡眠覚醒リズム、心身の健康、学業などのQOLに大きな影響を及ぼすことを明らかにした。さらに睡眠習慣の改善策として、睡眠の科学的理解を深めるインターネットコンテンツ「子ども向けチャレンジ25」と「大人への提言7箇条」を作成した。また起床時気分の改善策についても提案した。
著者
時本 真吾
出版者
目白大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、伝達意図理解における演繹とアブダクションの脳内機序を、会話の語用論的操作によって実験的に考察した。まず、両推論が惹起する事象関連電位(ERP)を測定し、それぞれの脳内処理に対応するERP成分を特定した。即ち、アブダクションは演繹よりも、潜時約400msの陰性成分(N400)の振幅が大きかった。N400は一般に意味処理の指標と考えられているので、アブダクションの振幅が演繹談話よりも大きかったことは、前者が後者よりも、より複雑な脳内処理を伴うことを示唆する。また、両推論が惹起する脳波の周波数スペクトル分析を行った結果、パワー値の大小は潜時帯、周波数帯域によって異なることが明らかになった。
著者
大藏 直樹 大石 勝隆 谷口 雅彦 厚味 厳一
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

血栓を予防するとされる健康食品を対象にして探索を行い、 あした葉やプロポリスが血栓症予防効果を持つ可能性のある食品であることを見出した。また、あした葉に含まれるキサントアンゲロール、プロポリスの成分であるクリシンが有効な成分であることを示した。しかし、血液凝固系の日内変動を考慮した健康食品の摂取の有効性については明らかでない点が多く、機能性食品の開発に向けては今後も有効な物質の探索や摂取法の検討など、基礎的な研究を継続する必要がある。
著者
野崎 武司 飯村 敦子 細越 淳二 米村 耕平
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究の目的は、特別支援教育の知見を援用しながら、体育の学習集団論を再構築することにある。主な結果;①体育において「できる」「わかる」の系統性を教師が持つこと、習熟と認識の発展の節目で「わからせる」ための教材・教具を開発すること等、これまでの体育の学習集団論と授業のUD化との架橋による<授業のステップアップ化>が必要である。②子どもの認知特性等、子ども理解の診断的アプローチが必要である。③年間を通じて受容的・肯定的でかつ探究的な学級の風土を醸成することが必要である。若手教員には、多様な授業の考え方や、子どもを深く見取り、学級集団を組織していく教育技術とその習熟プログラムの開発が不可欠である。
著者
道家 達將
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

津山藩主森家に仕えた久原宗清良政に発し、その後藩医となった初代久原甫雲良賢(亨保5[1720]年没)から、9代目久原宗甫(明治29[1896]年没)に及び久原家は、代々藩医を勤めた医家であった。その医術は、漢方だけでなく、南蛮流、まだ和蘭流(蘭方)にも及び、時代と共に、新らしい医学を学び続けた名門である。筆者はとくに、宗甫について調べるとともに、宗甫の長男久原躬弦および次男茂良(本籟)について、その手紙、日記、関係者の写真等について調査し、整理した。長男躬弦は、藩の貢進生として大学南校に学び東大理学部化学科を卒業(1877年第1回生卒)、東大教授、京大教授また総長となり、明治期のわが国の化学の開拓者として働いた。次男茂良は、町の医者として献身的に働いた。この二人の業績を明らかにするとともに、久原家の代々の系譜、また子孫についてもかなり明らかにすることができた。これは、ひとえに、茂良の娘涛子女史(彫刻家)の協力によるものである。久原躬弦の直系の孫久原輝夫(東京工業大学建築学科を昭和16年に卒業後、戦時中に死亡)についても明らかにし得た。
著者
東 政明 小林 淳 石田 裕幸
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

細胞内外の水輸送を司る分子が,細胞膜にあるアクアポリン(水チャネル)である。生物の水やイオンのバランス維持は,細胞が有する必要不可欠な機能で,昆虫は小さな体でありながら,そのごく少量の体内水分をアクアポリンを介して効率よく循環させ,からだの乾き(渇き)を防いでいる。水を唯一の輸送溶質とするアクアポリンの基本的な性質に加え,細胞膜に対して通過性が高いとされる非電荷溶質(グリセロール・尿素等)をも通過可能な多機能タイプ(アクアグリセロポリン)の同定と特徴付けを,カイコおよび他昆虫を用いて実施した。さらなる分子機能を調査するべく,単純な小胞系やリポソーム系の確立をめざした。
著者
櫻田 忍 溝口 広一 寺崎 哲也
出版者
東北薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

約30種類のμ受容体スプライスバリアントのうち、MOR-1、MOR-1A、MOR-1C、MOR-1Eをクローニングしてその安定的発現細胞株を作製し、種々のμ受容体作動薬を用いその機能解析を行った。μ受容体の基準作動薬であるDAMGOは、上記4種類のμ受容体スプライスバリアントのいずれに対しても高い親和性を示し、またそれらを介した強力なG蛋白活性化作用を発現した。一方、内因性オピオイドペプチドを遊離する選択的μ受容体作動薬amidino-TAPAも、DAMGOと同様に上記4種類のμ受容体スプライスバリアントを介した強力なG蛋白活性化作用を発現したことから、これらのスプライスバリアントは内因性オピオイドペプチドの遊離を誘導するμ受容体サブクラスでは無い事が明らかとなった。そこで、μ受容体遺伝子のexon選択的アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを用いた行動薬理学的研究により、amidino-TAPA感受性DAMGO非感受性のμ受容体スプライスバリアントの検出を行った。その結果、MOR-1J、MOR-1K、MOR-1Lが、amidino-TAPA感受性DAMGO非感受性μ受容体スプライスバリアントであり、内因性オピオイドペプチドの遊離に関与している事が明らかとなった。そこで研究対象をMOR-1J、MOR-1K、MOR-1Lに絞り、そのクローニングならびに安定的発現細胞株の作製を試みた。その結果、これら3種のμ受容体スプライスバリアントのクローニングには成功したが、その遺伝子を導入した細胞において、μ受容体を介した生理機能を検出することはできなかった。これら3種のμ受容体スプライスバリアントは極めてサイズが小さく、他のスプライスバリアントとは著しく構造が異なっている。おそらく単体では機能することができず、他の7回膜貫通型スプライスバリアントと異種重合体を形成することにより特異的機能を発現する可能性が考えられる。本研究課題を継続遂行するには、μ受容体スプライスバリアント異種重合体の機能解析といった、極めて複雑難解な機能解析が必要と考えられる。本研究課題でクローニングした遺伝子は、研究計画最終前応により採択された研究課題で用いられる予定である。
著者
鎌田 倫子 中河 和子 後藤 寛樹
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

平成23年度より研究代表者らが所属する富山大学杉谷キャンパス日本語プログラムにおいて、エンパワメント評価(以下EE)を実践してきた。この実践は、国内では例がなく言語教育プログラムでは国際的にも珍しい。平成23年度には、まず担当教員内にEE原理の理解を深め、民主的な話し合いの土壌を作りながらプログラム・ミッションを策定した。その上で3年間の実践ゴールを、ミッションに適合した「学習達成目標設定」と「達成を測る指標作り」とした。その後プログラム内容をミッションに適合させ改善していく過程で教員側に常勤・非常勤を越えた民主的参画と、主体的関わり・組織学習の強化など、EEの原理の一部の達成が観察された。
著者
佐藤 大志 釜谷 武志 大形 徹 佐竹 保子 川合 安 林 香奈 柳川 順子 狩野 雄 山寺 三知 長谷部 剛
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

「楽府」とは、本来音楽を掌る官署の名称だったが、後に楽曲の歌詞の呼称となり、一つの詩体の呼称ともなったものである。本研究では、まず中国の魏晋南北朝隋唐期の諸テキストに見える「楽府」に関する言説資料を収集し、楽府研究の基礎資料を整理することを試みた。そして、この基礎資料の分析を通して、中国中世期に於ける「楽府」に対する認識の変容を明らかにし、そこから特に魏晋期の「詩」と「楽府」との関係、音楽と詩文との関係について考究した。
著者
藤居 岳人
出版者
阿南工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、懐徳堂学派の教育思想を分析した。特に、懐徳堂学派の理念としての経学思想が現実世界に関わる経世思想―その一環としての教育思想―に反映される様相を分析し、道徳と政治との双方の重視が懐徳堂儒者の基本的立場だと明らかにした。そして、道徳と政治とのつながりが「修己」から「治人」へと向かう直線的な流れではなく、両者を同列に置いたうえで止揚することによって得られる高度な「自己」を基底とする統合を懐徳堂学派の儒者が考えていたことを解明した。その高度な「自己」の概念を提出したことが日本近世儒教思想上における懐徳堂学派の思想史的意義である。
著者
大保木 輝雄 魚住 孝至 立木 幸俊 吉田 鞆男 仙土 克博 八坂 和典 柳田 勇 伊藤 毅
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

平成24年度から中学校保健体育科目の武道が必修となった。それにともない、武道の伝統的特性を解り易く説いた教材の開発が急務である。しかしながら現代武道は、戦後、スポーツ宣言をし、競技として発展させ、伝統的特性を排除する方向で推進されてきたのが現状である。本研究は、不明瞭となった武道の伝統的特性を明確にするために、古流武術に共通する身体技法に着目し、その実践を通じて武道の伝統的特性を学ぶことのできる教材の可能性を提示するものである。
著者
片渕 悦久 鴨川 啓信 橋本 安央 飯田 未希 小久保 潤子 武田 雅史
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究課題は、さまざまなメディアやジャンルを横断しながら物語が作り直されていく過程を検証するため具体的翻案作品を収集し分析を行った。とりわけ物語が別のメディアに変換される、あるいは同一メディアでリメイクされるケースを派生的かつ独創的な創造行為であると考え、各メディアやジャンルに対応した物語変換の原理や法則性を扱うアダプテーション理論の発展可能性を検討した。さらにそこから、主流文化からサブカルチャーまでを射程に収めた「物語更新理論」の構築をめざし、理論モデルを提案し、その体系化と具体的分析方法論を確立した。
著者
澤入 要仁
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

19世紀中期のアメリカでは大衆詩がひろく読まれたが、それは単にテクストとして読まれたのではなかった。それにはしばしば、当時の最新技術であった精緻な木口木版画(wood engraving)が添えられていて、目でも楽しむことができるようになっていた。すなわち大衆詩の流行は、当時の印刷文化の著しい多面的な発達に支えられていたのであって、現在、顧みられることの少ないMary Hallock Footeなどのイラストレーターや、A. V. S. Anthonyなどの彫師が、大衆詩人たちと同様、当時の出版文化を牽引していたのである。
著者
長崎 広子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

ヒンディー文学史上のバクティ期を代表するヒンドゥー教の詩人(トゥルシーダースとスールダース)とイスラム教の詩人(ラヒームとラスカーン)の交流を考察し、それを聖者伝と文体から明らかにした。四人の詩人たちの文体、中でも韻律を分析することで、トゥルシーダースが他の三人が得意としたパド、バルヴァイ、サワイヤーの韻律を取り入れ、より洗練させた形で自ら著していたことが成果として得られた。それを裏付けるように、トゥルシーダースはこれら三人の詩人すべてと接点があったことが『上人伝要解』という聖者伝に詳細に記されていることが分かり、古ヒンディー語アワディー方言のこの作品を解説をつけ、日本語に翻訳した。
著者
竹内 実
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

受動喫煙による肺の免疫で重要な肺胞マクロファージの染色体異常への影響について、受動喫煙(タバコ副流煙自動喫煙)設備を作成し、マウスにタバコ副流煙を一定量均一に吸入させたCGH法により染色体異常を検討した。染色体異常は有意に増幅した部位116箇所、欠損した部位169箇所であった。この結果をもとに、変動幅が大きかった上位10箇所のゲノム部位を抽出したところ、有意に増幅したおもなゲノム部位は、chr8のqE1,chrXのqF2,chr6のqG1, chr17のqA3であった。逆に有意に欠損したおもなゲノム部位は、chr3のqE3、chr5のqC3.1、chr13のqB3、chr16のqB3であった。
著者
小嶋 恵子
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

談話理解に基づく知識の獲得と改定を調べるために、3系列の実験を行った。第1に、大学生による推理小説の読解過程を検討する実験を4つ行った。推理小説を読むのを途中4ヶ所で止めて、犯人や動機についての推理を述べさせた。解釈の構成と変更を規定する4つの要因に着いて次の事か明らかになった。(1)テキストが与える情報について、テキストを読み進むにつれて推論は正答に達し、あるいは近づいた。一部異なる情報を含むテキストを与えると解釈も異なることが確かめられた。(2)推理小説の筋の運びについての既有知識は正しい推論を促進する場合もあるが、深読みしすぎをまねくこともあった。(3)読み手は自分が一度構成した解釈にこだわれ、変更が困難であることが見られた。(4)解釈の共同見解を2人で作ることを求めると、相手の解釈を採用したり、話し合いによって新しい解釈を生み出したりすることがあった。第2に、多義語(漢字熟語)を含む文章の理解過程を観察し、次の特徴を明らかにした。文章全体についての表象は最新情報にもとづいて変更されたが、多義語の解釈の修正は困難で、生じた矛盾解消のために余分な推論をしていることがみられた。第3に、日本語における辞書的多義性低減の方略について検討し、次の結果を得た。大学生は辞書的多義性に気づいており、辞書的多義性をどうすれば低減できるかについての知識を持っていた。全体として、読み手は談話の中の情報と外の情報との両方を使って知識を構成している。
著者
齋藤 光正 飯田 健一郎 Villanueva Sharon Y. A. M. 麻生 達磨 宮原 敏 尾鶴 亮 金丸 孝昭 瀬川 孝耶 吉村 芳修 池尻 真美 荒牧 夏美 日高 悠介 Chakraborty Antara Widiyanti Dian Muslich Lisa Tenriesa Amran Muhammad Yunus Gloriani Nina G. 小林 好江 福井 貴史 増澤 俊幸 柳原 保武 吉田 眞一
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

レプトスピラ症の感染成立から重症化(とくに黄疸発症)に至るまでの病態メカニズムについて次のような新知見が得られた。レプトスピラは、皮膚の角化層が失われると表皮細胞間(あるいは細胞内)を通過して皮下まで侵入し感染が成立する。感染初期は皮下脂肪組織の血管内に定着し増殖する。やがて増殖の場は肝臓が主体となる。肝臓のディッセ腔に達したレプトスピラは肝細胞間に侵入を始め、細胞間接着を剥がして毛細胆管の構築を破壊する。その結果胆汁排泄障害を来たし、黄疸が生ずる。したがって、血管内定着、肝細胞侵入の際の標的分子が明らかになれば、それらのアナログにより重症化への進展を阻止できることが期待できる。
著者
奥田 統己 田村 すゞ子
出版者
札幌学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

A 北海道千歳市、鵡川町、平取町、静内町で現地調査を1回実施した。B Aで得た新たな資料およびこれまでの現地調査で採録したアイヌ語音声映像資料あわせてDATおよびDV450本のデジタル化と二重化を行った。C 上記資料の内容を確認し、整理用の非公開データベースの作成と公開準備版の作成を行った。D 講演会・ワークショップを研究機関中にあわせて4回開催した。E Dの成果として、以下の論文を得、研究成果報告書に収めた。チュネル・タクサミ:ニブフの口頭文芸の概説と研究・資料管理の現況Tjeerd de Graaf : Voices from the Past : the Use of Sound Archives for the Study of Endange red Languages小川正人:北海道立アイヌ民族文化研究センターにおける資料の公開-アイヌ文化・アイヌ史資料アーカイブズのあり方へ向けた取り組みとして-加藤聖文:フィールドワーク資料の管理・公開をめぐる諸問題-研究者アーカイブズを中心に-韓永學:個人情報保護法制の現状と課題-研究資料アーカイブズ分野を中心に-F 北海道立アイヌ民族文化研究センター研究職員沢井春美氏(研究協力者)と研究分担者田村すゞ子の協同により、田村が1956年に採録したアイヌ語帯広方言の調査ノートを整理した。G Fの成果として、沢井春美・田村すゞ子(共編)『アイヌ語帯広方言の資料 田村すゞ子採録 広野ハルさんの基礎語彙調査資料』を刊行した。
著者
三輪 眞弘 佐近田 展康 岡野 勇仁 長坂 憲道 山崎 雅史
出版者
情報科学芸術大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、MIDIアコーディオンをインターフェースとして用いた実時間「演奏」による人工音声発話システムの開発と、それを前提とする新しい「歌謡」の作曲、そこで生成される「誰のものでもない声」の哲学的考察を統合的に行うものである。その成果として、多言語に対応した音素制御のための規格「兄弟式国際ボタン音素変換標準規格(BBPTSI) 」を発表し、その規格に基づいた楽曲「夢のワルツ」が作曲された。さらに、任意の旋律線(連続的音高変化)を、微分音高制御のために開発された「和音平均化アルゴリズム」を用い、制約プログラミングの手法によってピアノ鍵盤用楽譜として記譜し近似する研究も行われた。