著者
MULLER Albert
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研究の期間、研究代表は完全に機能的にオンラインウェブ辞典サービスの作業を終了した。このウェブ辞典サービスで、ユーザは漢字と複合語の意味を捜し求めることができる。現在のところ、それはWWWで最も高度なアカデミックな漢・英辞典である。合計で1万1073の単漢字、および3万1911の語彙を含んでいる。URL:http://www.buddhism-dict.net/dealt
著者
伊藤 隆司 丹保 健一 余 健 鈴木 幹夫
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

(1) 熊野市市街地、飛鳥町、紀和町における方言調査をふまえ、熊野らしさを体現している「タバル」(いただく)関係の語彙に焦点を当て、小学校の授業で活用可能なビデオ教材を2編作成した。(2) 小学校5・6年生を対象としてビデオ教材を用いた実験授業を行った。(3) 熊野市立飛鳥小学校の学校文集を中心として、教材化にむけた分析作業をすすめた。(4) 以上の成果を報告集(A4判65頁)にまとめ、当該地域の小中学校に還元した。
著者
細野 信幸 川口 雅司
出版者
鈴鹿工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

剣道競技における試合結果の分析および指導法の改善を目指し、次の項目についての成果を顕わした。「取得部位と勝率の相関関係解析」においては、校剣道部学生の試合データに基づき勝率に及ぼす取得部位のバラツキの効果を明らかにした。「打突時動作の画像収集および抽出」においては週末を中心に行っている練習試合、年間にわたり参加している高専大会を始め高校および地域の大会における打突時のデータを収集し画像を分析した。「打突時動作の分析および評価」においてはデータ収集、評価を続けながら取得部位のポイントにおける観点から指導法の改善を目指した。「日常の稽古指導の見直し」においては打突時の動作解析をもとに日常の稽古指導の見直しおよび指導法の改善を検討した。さらに「高専間交流を通したクラブ活動-全国高等専門学校剣道錬成大会を通したクラブ活動-」のタイトルで高専教育論文集に他高専の指導教員と共同で成果を発表した。本校だけでなく他高専のデータも取り入れながら研究成果の総括を実施した。
著者
松村 嘉久
出版者
阪南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

大阪のあいりん地域、東京の山谷地域、横浜の寿地域の三大寄せ場が、外国人個人旅行者を受入れて変貌する過程を比較研究から迫った。2011年は大阪市内の宿泊施設の悉皆調査を行い、インバウンド観光振興におけるあいりん地域の重要性と可能性が裏付けられた。2012年は、新今宮観光インフォメーションセンターを運営し、社会的実践を積み重ねてきた経験から、西成特区構想有識者座談会において、あいりん地域での観光振興・賑わい創出についての政策提言を行った。
著者
山根 健治
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

カーネーションを20%CO2で12時間処理すると鮮度保持効果が認められたが。12hの5℃,50% CO2処理はカーネーション切り花のエチレン生成と呼吸を低下させ,日持ちを延長した。RNAseqの結果,高CO2 処理が他の区に対して遺伝子発現の変動が大きく,酸化還元に関する遺伝子群の発現促進や抑制が認められた。短期CO2処理の実用化には,種(品種)によって好適条件を設定する必要がある。
著者
棚橋 久美子
出版者
広島女子商短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

・本年度は三年間の研究期間の最終年度だったので、収集した史料を解読し、得られた成果をまとめ研究誌に発表した(「草の根女性俳人とそのネットワーク-幕末期阿波藩上田美寿を事例として-」『女性史学』第9号)。古稀を迎えて日記を書き始めた上田美寿は、趣味の俳諧を媒介として仙台・新潟から種子島にいたるまで友人がおり、日常的に文のやりとりをして情報の交換を行っていた。普段の生活では、近所の子どもたちに教え(寺子屋の女師匠)、読書し、俳諧を作り、招かれておいしい料理や酒を楽しむ。悠々自適の隠居生活が浮かび上がってきた。さらに、彼女の持つ知識や情報、それらに基づく彼女の判断は、家族や親族や地域社会など彼女の所属する諸集団の中で頼りにされ、彼女は一個の人間として尊重され尊敬された女性隠居であったことを明らかにした。彼女のありようは、女性の忍従と服従を説く江戸時代の女訓書から結ぶ女性像とは違っている。存在自体が珍しい江戸時代の女性日記を解読し、女性の生活の具体像を明らかにできた。・解読の終了していない美寿の書き残した収集史料を読み進めた。これらの史料は江戸時代の女性が書いた日記や随筆という史料評価の高いものであり、出版する準備にかかった。・美寿の父親の日記(「松庵日記」)も複写で入手し解読にかかった。江戸時代に農事日記や商売記録のような家職の継続を意識した記録はあるが、庶民の親子で日常の出来事を記した日記が残っているのはまれである。今後父親の日記を解読することで、医者で漢学者で文化人でもあった父による子どもの教育の性による内容差(美寿には兄弟姉妹があった)を中心に探りたいと考えている。
著者
茎津 智子 井上 由紀子 岩本 喜久子 田中 さおり
出版者
天使大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

死別した子どもを持つ親の語りの分析では、子どもは死別した人との新たな関係を構築するプロセスとして家庭内の仏壇の存在や墓参りなどが、わが国においては重要な役割を担っていることが示唆された。一方で看護職への調査では普段から子どもに関わる現場の看護職か否かに関わらず、家族と死別する子どもへの関わりに戸惑いや難しさを感じており、子どもの死の理解や子どもと死の問題を語ることの意味を考える機会がないことが背景にあった。また、小中学校教員への子どものグリーフに関する研修会への参加者が少なさからも、子どものグリーフに関して理解や関心が十分でない実態がみえてきた。以上から子どもと死の問題に関する学習会や事例検討を積極的に展開する必要があることが示唆された。
著者
上田 諭 大久保 善朗 舘野 周
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

レビー小体型認知症(DLB)の診断は困難を伴うことが少なくない。確実に診断できるバイオマーカー(生物学的指標)にはまだ確かなものがなく、ドパミントランスポーター(DAT)のPETイメージング(画像診断法)が期待されている。PETとは、ポジトロンエミッショントモグラフィーの略で、ポジトロンを用いた脳画像撮像ができる最新の装置である。本研究では、うつ病患者、パーキンソン症状をもつ患者にDATイメージングを行い、本イメージング手法がDLBを鑑別診断するうえで非常に有用であることを見出した。この結果は、DATイメージングがDLBのバイオマーカーとして一定の臨床的有用性を持つことを示したといえる。
著者
青柳 直子
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では, 通学形態と心身機能や生活行動との関連性について検討するため,中学校を対象として,学校統合前後を包含する縦断的調査を行った.また,域環境特性との関連性について検討を行うため,中山間地域の小学校を対象として調査を実施した.結果として,通学形態と小中学生の精神的・身体的愁訴,睡眠を含めた生活行動には相互に関連があることが示唆された.生活リズム関連指標について更に検討を行い,日常的な心身症状・ストレスや生活行動と遠距離通学との関連について,より詳細に解明することを今後の課題としたい.
著者
小島 ひで子 小島 善和 林 美奈子 辻 佐恵子 内藤 茂幸 油谷 和子 児玉 美由紀 松野 時子 阿部 美和子 石下 育生
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

医療者育成システムを目指し、その基盤となる基礎教育プログラムの継続評価として、子どもに対するグリーフケアへの関心や実践への意欲は向上し、プログラムの有効性が明らかとなった。また対象者から、より実践に即したプログラムの要望があり、実践教育プログラム案を作成し、有効性を調査した。必要と考える知識は3ヶ月後も定着し、介入必要事例への関心は向上していたが、介入実践例は半数程度であり、事例検討会などの継続支援の必要性が示唆された。定期的に基礎・実践教育プログラムを継続し、事例検討会を定着していくことが、がん患者を親に持つ子どものグリーフケアを支える医療者の育成につながることが期待できる。
著者
尾之上 さくら 毛利 一平 吉川 徹
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

港湾労働者96名を対象に健康調査を実施した結果、交代勤務、早朝・夜間勤務などの労働条件が身体的健康に影響する可能性が示唆された。精神的健康への影響については、職業性ストレス簡易調査から全体の27%の人にストレス反応がみられ、作業員では仕事による身体的負担が高いことが明らかとなった。面接調査では、港湾全体に労働安全に対する意識が定着し、安全に関する企業努力が物損事故、人身事故の減少に繋がっていた。一方、メンタルヘルス対策については、これからの課題であることがわかった。
著者
辰巳 佳寿恵
出版者
大阪体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

2006年に国際連合が障害者権利条約を採択した。日本は署名するも批准に至らず、障害者基本法の改正、障害者差別解消法の成立等国内法の整備を行い、ようやく2014年1月20日に批准書の提出、2月19日に発効に至った。しかしながら、本研究の調査結果が示すように、障害者の権利が脅かされる状況は依然としてあり、特に顕著に表れるのが労働分野である。我が国の問題点は①障害者の権利侵害について専門的な救済機関がないこと、②権利の主張に対する消極的評価であり、この2点の克服のためには、障害をもつ労働者が、在職中に職業リハビリテーションを行うことを「リハビリテーション権」として保障する必要があると考えられた。
著者
池田 尚志 松本 忠博
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

古典的な方式であるが、パターン変換型の機械翻訳エンジンを構築し中国語を始めベトナム語、シンハラ語、さらに日本の手話への機械翻訳システムjawを試作した。C++言語のオブジェクトのパラダイムを利用した相手言語の"表現構造"を介する翻訳方式が特徴である。また、jawにおいて用いる日本語解析システムとして、文節構造解析に基づく解析システムibukiCを開発した。
著者
前田 亜紀子 山崎 和彦
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

冬季の群馬における気候と着用率の関係について、男女大学生を対象に撮影法によって検討した。気温およびWCI(風冷指数)は着用率評価に有効であった。外衣には性差が認められ、女性は寒風、男性は気温の影響を受けていた。内衣は化繊素材の下着を増加させ、現代は軽くて暖かい服装をしていた。気温24℃と30℃、Tシャツ短パン(T)と透湿性防水雨衣(P)、風雨を組み合わせた条件下で体温調節反応を観察した。弱風(1.0m/sec)、強風(4.3m/s)、弱風+雨、強風+雨に曝露した結果、風のみでは平均皮膚温が維持されたが、風雨では特に30Tにおいて著しい皮膚温低下と寒冷感がもたらされた。
著者
重田 眞義 高田 公理 堀 忠雄 豊田 由貴夫 福田 一彦 藤本 憲一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

これまで科学的側面に偏っていた人間の睡眠行動に関する研究を、人間の文化的行動=「睡眠文化」として考究する新しい学問的な視座の確立と普及につとめた。医学、心理学などの分野でおこなわれてきた最新の睡眠科学研究の成果をふまえながら、アジア、アフリカにおける睡眠文化の多様性とその地域間比較をおこなった。また、現代社会において、睡眠をめぐるさまざまな現象が人間の健全な生活に対する「障害」としてのみ問題化されている現実をふまえ、生物医療的観点に偏りがちな睡眠科学による知見を文化の観点から相対化してとらえなおす作用を備えた「睡眠文化」という視点を導入した。
著者
宮内 孝
出版者
南九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、ボールが捕れない原因として「飛んでくるボールへの恐怖心がある。」「ボールの軌道の先読みができずに落下点に移動できない。」「捕球するためのからだの動かし方や動きの感じがわからない。」の三つを取り上げ、その原因の解消を意図した教材づくりに取り組んだ。まずは、「トンネルコロコロ・キャッチゲーム」「キャッチゲーム」「リングバウンド・キャッチⅠ,Ⅱ」を考案し、その教材を用いた授業実践とその教材の有効性を確認した。さらには、捕球が苦手な児童の立場からドッジボール教材の価値を再考し、本研究で取り上げた教材等を配列したドッジボールの教材配列を提示した。
著者
川島 慶子
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究はマリー・キュリーとパリの科学アカデミーの関係について、ジェンダーの視点から分析したものである。キュリーは女性初のノーベル賞受賞者かつ、人類初の二度のノーベル賞受賞者として、科学史上の偉人である。しかしフランスでは、著名な科学者なら必ず所属する科学アカデミーの会員選挙に落選した。ノーベル物理学賞の共同受賞者である夫のピエールもベクレルも会員である。つまりマリーの落選には20世紀初頭のフランスにおけるジェンダーバイアスが影響していた。加えて、この選挙事件には民族問題と政教分離の問題も影響していた。これら三問題は現在同様絡みあい、キュリーの科学者としてのキャリアに、大きな影響を与えた。
著者
平林 あゆ子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

障がいを理解するための絵本を制作し、子ども達が共に育ちあうインクルーシブ保育・教育に効果的に役立てるために効果測定をした。教育・保育の場における読みきかせにより、障がいの気づきと相互理解のヒント、特に保護者の障がいに対する理解が進み、親同士の歩み寄りができたという実態が明らかになった。これら絵本の市販の要望があり、絵本3冊と「かいせつと利用の手引」を2011年2月に風間書房より出版し応えた。また、幼児教育・保育に関わる学生や幼児用の「障がいを理解するための教育プログラム」を作成しインクルーシブ教育に役立たせた。
著者
山田 幸雄 海野 孝
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

定年退職を迎えた中高年者がスポーツ活動を行うことにより、自己に対する評価や自尊感情、家族や友人関係、共感性や他者に対する意識、あるいは体力に対する自信等がどのように変化するのかを明らかにすることが本研究の目的であった。被験者は中高年の男女合わせて27名であった。生涯スポーツとして、多くの人々がプレーしているテニスを題材にして研究を行った。10回のテニスの講習会を開催し、講習会の前と講習会が終了した後での変化について検討した。その結果、以下のようなことが明らかになった。1)億劫になりがちであった日常生活が積極的になる傾向が見られた。2)他人との関係を構築する力が大きくなる傾向が見られた。3)家族による会話が増加する傾向が見られた。4)身体のバランスがよくなり、怪我の防止に繋がることが明らかになった。5)肩こりや腰痛の軽減に効果が見られるようであった。6)体力の向上が見られた。これらのことから、中高年者がテニスというスポーツ活動を行うことは、家族を含めた会話が増加し、他人との関係においても積極的に振舞えるようになり、体力的にも自信とが持てるようになることが明らかになった。このことは、スポーツが定年後の人生を実り豊かなものにするための手助けになることを示しているものと考えられる。
著者
松田 佳尚 小西 行郎 渡部 基信
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

乳児期の人見知り行動が、相手に近づきたい(接近行動)と怖いから離れたい(回避行動)が混在した状態、すなわち「葛藤」状態であることを発見し、さらに相手の「目」に敏感に反応することを明らかにした。さらに、自分と向き合った顔(正視顔)とよそ見をしている顔(逸視顔)の映像では、よそ見をしている顔を長く観察することが分かった。また、800名を対象に生後4~18ヵ月の間、縦断研究を行ったところ、人見知りの出現時期や強さに個人差が大きいことが分かった。この成果によって、これまで知られていた、学童期に見られる人見知りの原因とされる「接近と回避の葛藤」が、わずか1歳前の乳児でも見られることが初めて示された。