著者
熊谷 昌則
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

秋田県ではミョウガの栽培が盛んであるが、ミョウガは食べ過ぎると物忘れしやすいなどといわれることもある。しかしながら、科学的根拠はなく、むしろ、ミョウガ中に含まれる精油成分のα-ピネンは、交感神経の活動を抑制し、リラックス状態を作り出すという報告がある。本研究では、理解、学習、推論など、一連の複雑な認知作業を遂行するために必要な情報を一時的に保持し、管理するためのシステムを指すワーキングメモリに着目して、α-ピネンがワーキングメモリに与える影響について調べるため、前頭前野の脳血流量を簡便に測定し、評価することができる近赤外分光方式にもとづく脳機能イメージング手法を用いた検討を実施した。
著者
遊間 義一 金澤 雄一郎
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,個人属性(親への愛着)の再犯に対する抑止効果が,非行少年たちが生活している地域社会の属性(完全失業率及びその前年との差)にどのような影響を受けているのかを,1991年に日本全国の少年鑑別所に初めて入所した少年6238名を対象として検討した。階層的母集団分割生存分析モデルを用いて解析すると,親への愛着,完全失業率,完全失業率の前年との差の主効果は,いずれも理論的な予測と一致する方向で有意となった。さらに,親への愛着と完全失業率に関する二つの変数の交互作用も有意であることが見いだされた。
著者
稲葉 昭英 吉武 理大 大久保 心 吉田 俊文 大橋 恭子 夏 天 小正 貴大
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

大規模な公共利用データを用いて貧困低所得層の世代的再生産に関する計量分析を行った。その結果、ひとり親世帯の子(中学3年生)の教育アスピレーション(進学期待)が低く、成績が悪く、勉強時間が少ない傾向がみられた。とくにこの傾向は父子世帯の子に大きかった。多変量解析の結果、母子世帯の子に見られる差異は所得の低さからほぼ説明されえたのに対して、父子世帯の子に見られる差異は所得からは説明されえなかった。
著者
黒川 信重 水本 信一郎 盛田 健彦 斎藤 秀司
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

ゼータ関数の統一理論に向けての研究を行った。黒川は圏論的研究,斎藤は数論的研究,盛田は解析的研究,水本は代数的研究,をそれぞれ行った。各分担者の研究内容は次のとおり。黒川はゼータの圏論的研究のために,圏のラプラス作用素のスペクトルを詳しく調べ論文に発表した。とくにラプラス作用素の半正値性とスペクトルの漸近分布の結果を得た。圏のラプラス作用素は圏の対象間の射の個数を成分にもつ対称行列であり,そのスペクトルの研究はゼータ関数論を含む広域な観点から興味を持たれている。黒川はセルバーグゼータ関数の研究も行い,スペクトルの重複度の明示公式を得た。さらに,代数系のゼータ関数に対する一般理論を構築した。水本はゼータ関数の関数等式の中心における零点の位数に関する精密な研究を行い,論文に発表した。とくに,そこにおける零点の位数の非有界性などに顕著な結果を得た。盛田は2次元ビリヤードのゼータ関数の解析接続を行った。斎藤は代数的サイクルを中心とする数論的代数幾何学の研究を行った。これらの研究によってゼータ関数の統一の枠組みができあがった。
著者
寺井 誠
出版者
公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、大阪市立東洋陶磁美術
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、5~6世紀の新羅・加耶に特徴的な考古資料(鉄鐸・角杯など)や習俗(鍛冶具副葬など)を基に、日本列島での新羅・加耶系渡来文化の受容のあり方について検討し、以下を明らかにした。1)新羅の文化要素の中には、新羅の中心地ではなく周辺地域のものが伝わっている。2)新羅・加耶系の渡来文化は、畿内ではなく、北部九州や岡山、北陸など地方で多く見られる。3)6世紀後葉から7世紀の北部九州では、大規模開発に慶尚南道西部の旧加耶地域の集団が関わっている可能性がある。以上の成果から、畿内の影響を受けずに地方が独自の対外交渉を行っていたことを確認することができた。
著者
浅野 真司 向所 賢一 位田 雅俊
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アクチン結合タンパク質であるエズリンは,細胞内で膜タンパク質と細胞骨格とを有機的に連結して,上皮細胞の頂端膜や神経組織の形態形成に働く。近年になって,エズリンが特定の膜輸送タンパク質や接着分子の細胞表面へのターゲッティングに関わることが明らかにされた。本研究では,エズリン遺伝子を改変したノックダウンマウスなどを用いて,主に動物個体におけるエズリンの上皮組織構築,上皮輸送調節や,神経細胞の突起形成やネットワーク形成における役割を検討した。その結果,エズリンが腎尿細管におけるリンの再吸収や,胆管細胞における胆汁の修飾や流量調節,また神経細胞における突起形成に関わることを見出した。
著者
下田 慎治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

胆管細胞は自然免疫リガンドと疎水性胆汁酸の暴露により細胞内酸化ストレスが亢進するとともにAE2発現が低下し、IL-6やケモカインの産生が亢進した。胆管細胞でのAE2発現をsiRNAで落としても同様であった。またAE2発現が低下した胆管細胞周囲には自己免疫細胞が有意に遊走することも明らかになった。IFN-gの存在で更にAE2発現が減弱した。またこのようなPBC模倣環境では胆管細胞の老化を認め、一連の現象は細胞老化関連分泌現象であることが示唆された。病理的に検討した結果、PBC胆管では酸化ストレスが亢進しAE2発限低下を認めた。またPBC胆管の中でも胆管炎活動性が高いほどAE2発現は低下していた
著者
猪子 芳美 河野 正己 清水 公夫
出版者
日本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

「研究の目的」睡眠中、舌筋(特にオトガイ舌筋)が弛緩することで舌根沈下が起き、睡眠時無呼吸のトリガーとなることが知られている。本研究は、覚醒時のオトガイ舌筋をトレーニングで強化させることで、睡眠中の筋弛緩を減じ、無呼吸の発生を抑制させることによって睡眠時無呼吸の重症度を減少させる新たな治療方法の構築および臨床への応用を目指す。「研究実績」①舌の筋力測定と分析:夜間のいびきや日中の眠気から睡眠外来に睡眠時無呼吸を疑い来院した患者に対して研究の協力を依頼し、舌圧測定器を用いて舌の筋力計測を行なった。その後、終夜睡眠ポリグラフ検査を行なった。舌圧(舌の筋力)と睡眠時無呼吸の重症度の解析を行ない、舌筋のトレーニングが必要な対象者の選択を行なった。②舌筋のトレーニング:舌圧値(舌の筋力)が健常者に比べて低下し、睡眠時無呼吸の検査データとの関係から舌の筋肉トレーニングが必要と思われる対象者に対し、研究の必要性を説明し、同意を得られた者について研究を継続した。トレーニング前のデータ収集としてウオッチパッドを用い、睡眠の簡易検査を施行することによってトレーニング前の状態を把握した。その後、対象者の筋力に応じて、適切な舌トレーニング器具(ペコパンダ)を選択し、ペコパンダを用いた毎日のトレーニングを開始した。トレーニング後に再度、ウオッチパッドを用いて睡眠の簡易検査を行い、トレーニングの成果を評価し、その結果について国内外学会において発表を行い、研究論文の投稿を行う。
著者
河野 啓助 奥田 誠也 玉置 清志
出版者
久留米大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

細胞の分化増殖、発生、免疫に関与するTGF-βは、病的過剰状態において、組織の硬化や線維化に重要な役割を果たす.TGF-βの細胞内情報伝達分子Smadには、特異型(Smad2/3)、共有型(Smad4)、抑制型(Smad6/7)がある。特異型Smad系の標的遺伝子の特異的プロモーターであるSmad binding element(SBE)の下流域に、ルシフェラーゼ遺伝子を挿入した合成遺伝子(SBE-Lux)を用いて、次のような実験を行った。SBE-Luxを培養細胞に遺伝子導入し、TGF-βの濃度依存性にLux活性が上昇することを明らかにした。さらに、この活性は、TGF-βの中和抗体存在下はまったく抑制されることを示し、TGF-β特異的な反応であることを明らかにした。また培養細胞にSBE-Luxと同時に、Smad2やSmad7の遺伝子を同時に強制発現させた場合、TGF-βの刺激を伝えるSmad2の競合的異性体あるいは抑制型SmadであるSmad7を導入すると、その活性が抑制されることが明らかになった。また。TGF-βの産生・活性化を示すことが知られており、また糸球体硬化あるいは腎線維症の進展因子である、アンギオテンシンIIや高グルコース状態などの条件下でも、SBE-LUXの活性が上昇し、これらの刺激がTGF-Smad系を介することが示差された。ポピヨンヨードを腹腔内に投与したラットの腹膜硬化症モデルは腹膜の肥厚、癒着、線維化を示すものの、安定した再現性が得られず、今後、ポピヨンヨードの投与量や投与期間などの検討を行っていく。
著者
澤口 俊之
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究の目的は、前頭連合野の作業記憶(ワーキングメモリ)過程におけるノルアドレナリン受容体(α1、α2、β)の役割を明らかにすることにあった。この目的のため、二種類の実験、すなわち「局所薬物注入法による実験」と「イオントフォレスシ法による実験」を2年間に渡って展開した。まず、数頭のサルに眼球運動による遅延反応(oculomotor delayed-response、ODR)を訓練した。この課題では、サルは数秒の遅延期の前に提示された視覚刺激の位置に記憶誘導サッケードをすることが課される。この課題を正しく行なうためにはターゲットの空間位置を遅延期の間に覚えておく必要があり、空間情報のワーキングメモリが必須である。サルがこの課題を行なっている際に、マイクロシリンジを用いて各種ノルアドレナリン受容体阻害剤を前頭連合野に局所的に微量注入し(4・8μg/μl, 3μl課題遂行に対する効果を解析した(実験1)。さらに、多連微小炭素線維封入ガラス電極を用いて、前頭連合野からニューロン活動を記録し、各種ノルアドレナリン受容体阻害剤をイオントフォレティックに投与してニューロン活動に対する効果を解析した(実験2)。そして、1) α1受容体の阻害剤prazosinやβ受容体の阻害剤propranololの注入は、ODR課題遂行に有意な影響を持たないが一方、α2受容体の阻害剤yohimbineの注入によって、ODRが特異的に阻害されること。2) Yohimbineのこの効果は記憶誘導サッヶ-ドの「精度」に特異的であり、サッケードの反応時間や速度には影響を持たないこと。3) ニューロンレベルは、prazosinやpropranololのイオントフォレティック投与によって、ODR課題の遅延期に関連するニューロン活動(メモリを担う活動)は影響を受けないが、yohimbineによって著しく減弱すること。4) ニューロン活動に対するyohimbineの減弱効果は、背景活動よりも遅延期の活動でより強く、とくに、その方向選択性を著しく減弱させること。などの諸点をあきらかにした。これらのデータを総合すると、前頭連合野におけるα2受容体の賦活がワークングメモリのニューロン過程に調節的な役割(modulatory role)をもち、この役割が欠損するとワーキングメモリを必要とする行動が障害されることが示唆される。こうしたデータ・結論は世界で初めてのものである。また、前頭連合野におけるα2受容体の機能不全と同時にワーキングメモリの障害を伴う精神疾患(分裂病やKorsakoff痴呆症、注意欠損過活動症など)の理解や治療法の改善にも寄与すると思われる。
著者
和田 正平 鈴木 健太郎 李 仁子 岡田 浩樹
出版者
甲子園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究の目的は、在日朝鮮韓国人の民俗宗教の中で、特に死後結婚を取り上げ、その実態を明らかにすることにあった。同時に第二の目的は、日本社会への定住化が進む在日朝鮮韓国人の宗教観念と死生観にせまることである。この目的に沿って、大阪生駒の在日朝鮮寺と兵庫県宝塚市周辺の在日朝鮮寺における儀礼と僧侶、シャーマンに関する調査、愛知県春日井市在住の在日朝鮮韓国人のシャーマンに関する調査をおこなった。死後結婚の儀礼自体の観察、調査は事例の特殊性もあり実施できなかったものの、東アジア社会に広く見いだされる死後結婚が在日朝鮮韓国人の間でも行われていること、その儀礼や宗教意識が変化しつつあり、日本的な要素が変容し、混入しつつあることを確認できた。一方で、朝鮮寺において在日朝鮮韓国人のシャーマンから、ニューカマーの韓国人シャーマンや僧侶へ代替わりしつつあることを見いだした。そうした宗教職能者は、韓国の宗教伝統を持ちつつも、クライアントである在日朝鮮韓国人の要求に応えるために、本国では見られない儀礼の形式や占いの方法を生み出しつつある。そして在日朝鮮韓国人の宗教観と死生観は、本国の宗教文化、日本の宗教文化、そして彼らが生み出してきた「在日朝鮮韓国人文化」のせめぎあいの中で揺れ動いている状況が明らかになった。この状況は、大阪府生野区、高槻市、東京都荒川区の在日朝鮮韓国人についてのインタビューの分析からも明らかになった。
著者
瀬川 昌久 川口 幸大
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

宗族という古典的研究テーマの有効性について再考すべく、本研究課題では20世紀初頭以来宗族が直面した社会変化と、その間の研究者たちの視座の変遷という、2つのレベルの変化に焦点を当てた。そして、宗族の現状に関する客観的検討を通じ、今日の文化人類学者の多くが親族関係を極めて私的で局所的社会現象とみなす傾向があるのに反し、依然として現代中国社会の中でそれは重要な役割を果たしていると結論づけた。宗族こそは、親族関係が社会の公的な領域においてなおも効力と価値をもち得ることについての再考へとわれわれを導く重要な鍵なのである。なお、本研究課題の最終成果としての論文集が、2015年度中に刊行される予定である。
著者
青木 秀敏
出版者
八戸工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

乾燥は収穫された農水産物に適用される加工方法である。乾燥は伝統的に直射日光にさらす天日乾燥が用いられてきた。一般的に天日干しされた農産物水産物は温風乾燥品より美味しいと言われている。その違いが太陽の各種波長の光の影響なのか、外気の気温、湿度、風速の影響なのかは不明である。そこで、本研究では収穫された農水産物のタンパク質分解酵素活性と抗酸化性に及ぼすUV-A照射の影響を検討した。その結果、青とUV-Aの光照射が抗酸化性を増大させることがわかった。
著者
押尾 茂
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究費の援助を受けた平成10年度より平成13年2月末(本報告書記述時点)までに東京・九州・四国地区でそれぞれ100名以上、全国で400名以上の調査を終えている。その結果、精液性状に関しては、精子濃度の平均値は1ミリリットルあたり1億個弱と問題のある数値ではないものの、精子運動率が30%未満と世界保健機関(WHO)の基準値である50%を下回っていること、さらに精子濃度には地域差(九州>東京・四国)と年代差(20歳代<30歳代)が存在することなどを明らかにした。また、精液採取条件が精液性状に及ぼす影響を検討し、採取場所は精液性状に影響を与えないことを示した。現在、精液性状の個人変化および季節変動を検討する目的で、10人程度のボランティアから定期的に精液の提供を受けて検討を進めている。さらに、精子の質的変化をとらえる方法として精子染色体の蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法による分析に取り組み、X、Y両性染色体性と18番染色体を対象とし染色体異数性と精液性状あるいは妊孕性等との関連を検討し、妊孕性の確認された健常人の精子染色体異数性の基礎的データを求めた。なお、精液性状の変化の要因に関しては、影響を与える因子は、ストレス、温度、食生活、大気汚染、薬物摂取など多く存在すると考えられており、その因子の一つとして、内分泌撹乱化学物質(いわゆる"環境ホルモン")の関与が推定されているのが現状で、化学物質と精液性状の関連については推測の位置をでていない。現在、今回の研究で収集した精漿試料中の各種化学物質の検討を進めており、来年度の早い時期には一定の結果が出るものと期待される。以上の成果について、関連学会の招請講演、一般講演などで発表し、総説を書くことで啓蒙活動を行った。現在、研究成果は外国雑誌への投稿を終えたものもあるが、一部は投稿準備中である。
著者
淺野 隆 川良 美佐雄 飯田 崇 小見山 道
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

健常男性9名にマウスガード装着・非装着の体感四肢の総仕事量と最大仕事量を計測し、比較した。また、同時に左右両側側頭筋、咬筋および顎二腹筋の筋活動量も計測した。筋活動量は側頭筋と咬筋は随意的最大噛みしめ時の筋活動量、顎二腹筋は随意的最大開口抵抗時の筋活動量を基準とした。体幹四肢運動時の各咀嚼筋筋活動量を相対比率で算出した。結果、マウスガード装着時、非装着時の総仕事量および最大仕事量に有意な差は認められなかった(P<0.05)。しかし、マウスガード装着時の咀嚼筋筋活動量は非装着時と比較して有意に減少した。よって、同じパフォーマンスを得るときにマウスガードは有効であることが明らかとなった。
著者
李 強 田中 良晴 朝田 良子 三羽 信比古
出版者
大阪物療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

水素水(HW)を用い、損傷を与えたヒト培養細胞の移動能などを検証し、主に次の成果が得られた。1)スクラッチした皮膚線維芽細胞にHWと白金ナノコロイド(Pt-nc)を投与すると、HW群は48時間後糸状仮足を示し始め、また、HW+Pt-ncはBax/Bcl-2比を調節する可能性が示唆された。2)低濃度の固形シリカ吸蔵水素(H2-silica)がスクラッチした正常食道上皮細胞(HEEpiC)には微絨毛形成や移動能の活性化がみられ、アポトーシスの誘導効果も確認された。3)H2-silicaが食道扁平上皮癌細胞の移動を阻害し、高濃度のH2-silicaがHEEpiCに毒性効果をもたらすことが確認された。