著者
VOSSE Wilhelm
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

I visited the UK in June/July and November 2017 to deepen my existing andestablishing new connections with scholars and research groups who work on governing cyberspace in general and the response to growing threats in cyberspace by governments and international institutions. I interviewed several scholars at UK universities and had first contacts with FCO, MOD and MOD-related organizations who work in cybersecurity I also interviewed Japanese scholars who work on the growing impact of threats to CII on government policies and the international cooperation of government and non-governmental bodies.
著者
吉田 光明 三浦 富智 葛西 宏介 中田 章史
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

未成熟染色体凝縮(PCC)とPNA-FISH 及びcentromere-FISHを併用して染色体異常を解析し、低線量から高線量まで広範囲に適用できる線量評価法の確立を目的として、健常者より採取した血液をγ線0~25Gyまで17ポイントの線量で照射し、PCC-ring法、PCC-FISH法、DCA-FISF法、ギムザ法の4種類の染色法により解析を行った。その結果、PCC-FISH法、DCA-FISF法において最も効率よく染色体異常を検出することができた。また、低線量から高線量域まで染色体異常頻度に線量依存性が確認されたことから、1つの検量線を作成することが可能であることが明らかとなった。
著者
近藤 真
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

2000年度より2002年度までの3年間、科研費補助金をうけ、「ニュージーランド行政革命と国立大学のエージェンシー化の憲法学的研究」を行った。その研究成果の一部として2001年9月に地域科学部の紀要に「国立大学の独立行政法人化?ニュージーランド国立大学のエージェンシー化から考える」を発表した。ニュージーランド国立大学のエージェンシー化の概観を行ったが、同時に資料としてニュージーランドビクトリア大学の政治学教授のスティーブン・レビン教授のニュージーランド国立大学のエージェンシー化に関する二つのきわめて重要な講演を翻訳し、付録として添付した。この研究の結果としてニュージーランドの大学改革が失敗であったことがわかった。なぜならば大学の研究者達がこの改革を全く支持していないからである。というのも、この改革が、研究者に利益の追求を求め、学生には授業料を払うように求めたからである。それはとても困難なことである。NZの大学は利益団体ではなく、学生達は1992年までは大学まで無償だったからである。レビン教授はNZがユネスコの宣言に逆行して学生から授業料を取っていることに危惧を示しており、ユネスコ(現在日本が事務局長を務めている)は、1998年の高等教育世界宣言で各国政府に大学教育の無償化を求めているからである。大学では弁護士でもあるロースクールの教授だけはこの改革を支持していたが、彼らは医学部教授と同じく学内でよりも学外で稼ぎが大きく、教授の肩書きを利用するために大学にも勤めているという側面もあろう。こういう人々を別とすれば大学の研究者はほとんどが研究で稼ぐなどということは不可能である。地震や天文学をふくむ地学、数学、生態学に稼げる道があるだろうか。これらの学間はニュージーランドの大学ではいまや消滅しつつある。この改革は改革ではなく、ニュージーランドの大学の破壊者であった。これがこの研究の傾向的結論であった。今後、さらにニュージーランド国立大学エージェンシー化の改革の意味を多面的に検討したい。新たな課題としては、大学改革がいかなる影響をNZの教育改革全体に及ぼしたのかについて検討が必要である。
著者
石黒 盛久
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ボッテーロの著作『国家理性論』の翻訳・注解を刊行した。その解説文や『社会文化史学』及び『エクフラシス』掲載予定の論文執筆により、ボッテーロの西洋政治思想史における位置につき展望を得るに至った。これと並び我が国内外においてボッテーロの思想に関する口頭発表を行ったが、これらについても今後論考として公刊予定である。加えてマキアヴェッリからボッテーロを経て、ホッブスに至国家理性論思想の展開の考究を主題に、イタリアよりフイレンツェ大学教授Daniela Coli氏を招聘し、早稲田大学と関西大学にて講演会を実施した。また国家理性論の近代日本の文化への継受を主題とする論考を執筆した。
著者
古川 安
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

喜多源逸は京都帝国大学工学部に在任中、工業化学における「京都学派」を創始し、ノーベル化学賞受賞者を含む多くの逸材を育てた。彼の学風は、基礎研究重視の工業化研究、物理学などの他分野を摂取する柔軟なスタンス、産業界との積極的な連携などの特徴をもっていた。京都学派が手掛けた合成石油、繊維、合成ゴムの研究開発は戦後継承されるとともに、その学風は触媒化学、高分子化学、量子化学などの関連基礎分野の発展に寄与した。
著者
川崎 和男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、医工連携に対してデザインでの実務性をより具体的にすることを目的に、3D-Printerの方式である光造形STL法と熱溶解積層法FDM法式の造形機を用いて、医工デザイン技術=3D-Printingをめざし開発研究を行った。医工デザインによる人工臓器の基礎形態、その造形化を国内初として取り組んだ。
著者
加藤 毅
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

我が国の大学のマネジメント現場では、問題解決に向けてIRを起点とする多くのプロジェクトが実施され、成果をあげている。そこでのマネジメントスタイルについて調査したところ、 PMBOK型とは対称的な「弱い計画性」「無期限性」「目的の創発性」「通常業務との融合」などの特性が観察された。通常業務の直接延長線上でプロジェクトも担うという働き方は、わが国のホワイトカラー総合職のスタイルに非常に近いものである。先行するそこでの関連研究の成果を参考として、プロジェクトを中核として構成されているわが国の大学職員の職務特性や育成環境を分析するための枠組みを構築し、定量調査を通じてその実態について明らかにした。
著者
金 テイ実 槻木 瑞生 花井 みわ 朴 仁哲 李 東哲 本田 弘之 永嶋 洋一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

旧満洲・間島(現在の中国東北の延辺朝鮮族自治洲)で盛んに行なわれた日本語教育に関連して日本人である斎藤季治郎、鈴木信太郎、川口卯橘、渡部薫太郎、日高丙子郎、工藤重雄、濱名寛祐、樋口芝巌、安東貞元、山崎慶之助、飯塚政之に焦点に当てて彼等の役割を明らかにし、現在に於いても盛んに行なわれている日本語教育のルーツを明らかにしたものである。
著者
緑川 早苗 大津留 晶
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

昨年度に引き続き、すでに倫理審査並びにデータ利用の許可が得られているものについて、さらに次の1)から3)について解析を進めた。1)出前授業のレスポンスカードにおける理解度満足度のその要因について、2)小児の甲状腺がんの自然史とスクリーニングのメリットデメリットについて 3)若年者におけるスクリーニングの同意取得におけるメンタルヘルスに関する問題点について。現時点で次のことが明らかになった。1)対象者である小中学生は出前授業に積極的に参加し、甲状腺スクリーニングについてよく理解するが、理解度と満足度は必ずしも一致せず、理解に伴いより不安や深刻さが増す場合がある。2)スクリーニングで発見された小児あるいは若年者の甲状腺がんはその多くが初期に増大後に増殖停止に陥いるが、そのにもかかわらず多くが手術を受ける。3)甲状腺検査の受診率は非常に高いが、受診率は必ずしも対象者の意思を反映しておらず、保護者の不安や検査の場の設定方法などを反映していると考えられる。以上の結果を以下の学会、論文にて発表した。1)学会発表 日本内分泌学会シンポジウム(2017年4月)、アメリカ甲状腺学会(2017年10月)、2)論文発表 Comparative Analysis of the Growth Pattern of Thyroid Cancer in Young Patients Screened by Ultrasonography in Japan After a Nuclear Accident The Fukushima Health Management Survey (JAMA Otolaryngology Head and Neck Surgery 2018(144),57-63)、3)については論文投稿準備中
著者
清水 強志
出版者
創価大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

日本の大学IRの特徴の1つは教学データを重んじていることであり、多くの大学においてIR室を設置している一方で、分析手法イメージの欠如という大きな問題を抱えている。そこで、本研究は、日本の大学IR活動を促進し、日本の大学IRの実態と課題を把握する一方で、研究者の所属する大学を一事例にして「教学データの分析手法モデル」の構築および「成績に特化した学生アンケート」を開発することを目的としている。28年度、29年度においては、所属大学において、IR室への諸データの集積が進んでおり、個々のデータの分析を行うとともに、統合するためのデータ整理を中心に作業を進めている。具体的には、成績をはじめとする教務データ(入学時のプレイスメントテスト等含む)、学生アンケート、PROG(就業力テスト)、学修観テスト(新入生に対して行った精神的回復力、学習動機、協同作業等に関する調査)、3年生に大して行った「社会人として活躍する準備状況の自己点検票」などが挙げられる。30年度は諸データの統合を進め、分析を始めるが、集積されたデータにはすでに卒業生もいることから、固定値をもって当初予定していた「成績に関わる要因」の追求を始めている。他方、全国調査による実態把握に関しては、さまざまに活発化しているIR活動の動向把握を進め、他方、年末に別の研究者たちがIR全国調査を実施したことから連携体制を整え、現在、調査票の設計ならびに住所録の整理を始めている。
著者
中井 孝幸
出版者
愛知工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

1市6町が合併した東近江市の7図書館での調査から、各館が施設サービスに特徴を持っているため、各館のサービスをきちんと理解して6割近い利用者が複数の館を使い分けて利用するなど、従来までの近い・多いだけではない各館のサービスを熟知した「相対的な使い分け利用」が具体的に確認できた。ラーニングコモンズなどの設置が増えてきた大学図書館では、着座行為率(着座人数/滞在者数)が90%を超えるなど着座に対する要望が高く、座席選択は公共図書館では窓からの眺望などが理由として挙げられるが、大学図書館では集中して作業できることが優先されるなど利用意識はかなり異なることが分かった。
著者
大西 仁 望月 要
出版者
独立行政法人メディア教育開発センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

情報通信システムの応答遅延はシステムの使い勝手を悪くする一因である。本研究では、人間の認知・行動特性に注目し、その観点から(1)通信システムの応答遅延の影響を評価する、(2影響を減じる方法を開発することを目的とし、以下の成果を得た。(1)ユーザが気づかない程度の小さな遅延でもユーザの半ば無意識的な学習のパフォーマンスが低下することを示した。(2)遅延により生じた余計な間を小音量の雑音で埋めることにより遅延の影響を減じることができることを示した。(3)映像と音声の非同期が与える影響は、母語の自然発話とその他では大きく特性が異なることを示した。また、 映像と音声の非同期(ずれ)が与える影響の評価は、閾値(ターゲット)付近のずれで測定しないと、順応(なれ)の影響で測定値がずれてしまい、逆に順応の性質を利用すれば非同期の許容限が広がり、遅延量を減らすことができることを示した。
著者
杉田 由仁
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、タスクに基づくライティングテストに特化した「コンピューターによる自動評価採点システム」の開発を進めた。ライティング評価を予測する言語的特徴として抽出された客観的評価指標 (特徴量) により、総合評価を61~69%予測できる回帰式を作成することができた。しかし、予測精度をより向上させるために、1) Accuracy タスクの「言語的正確さ」の評価において、語彙や文法、スペル句読法などにおける誤りを特定し、統計指標化する方法を考案すること、2) Communicability タスクの「情報伝達効果」の評価において、課題との関連性を判定し統計指標化する方法を考案する必要性が示唆された。
著者
神崎 正哉 澁谷 由紀
出版者
神田外語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究はTOEIC スピーキングテスト (TOEIC S)とTOEIC リスニング&リーディングテスト (TOEIC L&R)、WTC(話をしたいという気持ち)のレベルを測定する調査票、最小英語テスト(MET)、語彙レベルテスト(VLT)、語彙サイズテスト(VST)のスコア間の相関関係および被験者のTOEIC Sに対する反応を調べた。TOEIC SスコアはTOEIC L&Rスコアとの間に.52、WTC調査票スコアとの間に.39、METとの間に.53、VLTとの間に.58、VSTとの間に.33の相関があった(全てp < .001)。被験者のTOEIC Sに対する反応は概ね肯定的であった。
著者
初宿 成彦
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

マツ科トウヒ属は化石でしばしば見つかるが、球果や葉は種間で類似しているため、種の同定が困難なことが多い。そこでカサアブラムシ科昆虫が形成する虫こぶに注目してみたところ、別の昆虫種が作った虫こぶが異なった形状の虫こぶを作るのみにならず、同じ昆虫種が作った虫こぶでも植物側の種が異なれば、形状が異なることがわかった。形態の記載により、今後、植生史の研究への利用が期待される。
著者
高田 純 田中 憲一
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

前歯からのベータ線計数による骨格のストロンチウムを中心とした、内部被曝線量のその場評価の研究を行った。本研究は、代表者のこれまでの海外核ハザード地域での調査から開発した方法にもとづいている。3年間の実施期間では、核爆発災害のあった楼蘭遺跡周辺のウイグル地域からの在日外国人、韓国人留学生による、日本人の前歯ベータ線計測を行い、結果を、その場で、被験者に説明した。今回の結果は、全員が、検出限界以下のレベルであった。放射線被曝の線量と健康影響を、一般人に理解されやすいように、説明資料を3種作成した。さらに、「ソ連の核兵器開発に学ぶ射線防護」の図書を作成し、刊行した。これらの資料を活用し、国内外でセミナーを行った。2011年3月に福島で発生した核放射線災害に対して、内部被曝その場調査が、実施された。この調査は、福島県民の低線量を効率よく明らかにし、直ぐに、図書「福島嘘と真実」を出版することができた。
著者
綾屋 紗月
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

目的1.テキスト・マイニング・自然言語処理分析と質問紙票調査テーマ分析の方法によって、ASD者におけるリカバリーの要素について分析を行った。分析結果はホームページを通じて公開するとともに、自然言語処理技術を用いたエピソード検索システム「エピソードバンク」(http://sociocom.jp/episode-bank/)に登録し、当事者研究のアーカイブ化やクラウドソーシングによる仮説生成への活用を目指している。また、そこから抽出された固体要(impairment)についての仮説のうち、触覚過敏に関して、刺激発生装置を用いて検証実験を行い、論文として発表した(Fukuyama et al., 2017)。目的2.ソーシャル・マジョリティ研究会の実施とテキスト作成ソーシャルストーリーにかわる多数派の社会デザインを明示的に説明する日本語でのテキストを、「ソーシャルマジョリティ研究」として、近日中に金子書房から出版する。また次年度4月に、アウトリーチ活動としてテレビ番組で研究内容を広く発信する予定。目的3.他障害との比較によるASD者に合ったコミュニケーション様式の検討2015年‐2016年に行った当事者研究のやり方研究会の結果は、書籍や学会発表の形で公表した。2016年に行った臨床研究の実践場面ををエスノメソドロジー・会話分析の手法を用いて分析し、ASD者にあったコミュニケーション様式に基づく当事者研究のファシリテーション用ビデオと教材を開発した。
著者
志賀 英明 三輪 高喜 中西 清香 瀧 淳一 絹谷 清剛
出版者
金沢医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

タリウム-201の経鼻投与とSPECT及びMRIにより末梢嗅神経輸送機能を評価し、健常者と嗅覚障害者を比較した。外傷性嗅覚障害に加え感冒罹患後や慢性副鼻腔炎による嗅覚障害においても、タリウム-201の経鼻的嗅神経輸送機能が低下していることを明らかとした。さらにタリウム-201の経鼻的嗅神経輸送機能と基準嗅力検査域値(認知、検知)とで有意な相関を認めた。また臨床試験被験者において憂慮すべき合併症は認めなかった。