著者
小川 裕子 矢ノ下 良平 辻本 雅文 後藤 芳邦 池本 守 秋元 義弘 三浦 ゆり 粂田 奈宝子
出版者
帝京平成大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-10-21

免疫関連タンパク質のDPP IV、IgA、唾液タンパク質のムチン5B、口腔内細菌由来のLPSは、ヒト唾液由来エキソソーム表面に緩く相互作用している。これら表面分子のうちムチン5Bは消化酵素で分解され、IgAおよびLPSの大部分はゲルろ過クロマトグラフィーによりエキソソーム表面から剥がれるが、一部は強固に結合していた。表面分子を除去したエキソソームはマクロファージからのNO産生を増強させた。本作用には膜貫通タンパク質であるDPP IVがLPSと協調している可能性を見いだした。唾液由来の粘膜免疫エキソソームは口腔内では免疫系の過剰な活性化を抑制し、消化管内では免疫系の活性化に関与する可能性がある。
著者
本郷 美奈子 大島 郁葉 清水 栄司 桑原 斉 大渓 俊幸
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

成人の高機能自閉スペクトラム症(High-functioning Autism spectrum disorder:HF-ASD)者 は「自分は異端である」などのスティグマを持ちやすく,そのため定型発達者の社会に過剰適応する「社会的カモフラージュ行動」を取りやすいが,その行動はメンタルヘルスに負の影響をもたらすことが指摘されている.本研究では,成人のHF-ASD者の社会的カモフラージュ行動の要因について解明する.その知見をもとに,成人のHF-ASD者に対する新たな対処方略の構築を目的とした認知行動療法を開発・施行し,その効果を検証する.
著者
鈴木 俊哉
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

第二年度に予定した作業内容はほぼ完了した。大徐本(岩崎本、平津館本、藤花シャ本原本、藤花シャ本中國書店影印本、陳昌治本、陳昌治本中華書局影印本、汲古閣通行本、汲古閣四次様本)・小徐本(述古堂本、汪啓淑本、祁シュン藻本)・段注本の対照表を作成し、これを漢字部品検索システムと連携させることで、前年度に作成した篆韻譜10巻本・5巻本対照表に岩崎本・述古堂本・祁シュン藻本を対応づける作業を効率化した。対照表の初版を完成させることができた。この対照表から、以下の知見が得られた。a) 旧説では10巻本には新修字はあっても新附字はないとされていたが、新附字が3字見つかった。b) 小徐本に有るが10巻本に無い字は118字、小徐本に無いが10巻本にある字は30字。したがって、脱落の規模は説文全体の1%程度である。篆韻譜10巻本の脱落がランダムに生じたとすると、400字近い新附字が殆ど無いことの説明は困難。c) 述古堂本・祁シュン藻本で違いがある場合、多くは10巻本と述古堂本が符合する。d) 現行の5巻本は二徐で違いがあるものを全て大徐に寄せているとは限らない。10巻本=小徐本のままで、大徐本と異なる場合もある。また、副次的な成果としてはデータベースの大徐本対照資料としての活用がある。ISO/IEC 10646では、台湾・中国から説文小篆を現代漢字とは別の用字系として追加する動きがあるが、どの版本が適切か、版本ごとに字形が違う場合の統合判断をどうするのか、また、選択した版本の避諱や誤字はどの程度クリーニングするのか、といった議論が不十分であった。これについては従来より指摘が続いたが、実際の対応表が無いため、議論が深まらなかった。本課題の検討材料として作成した大徐本対照資料を提出し、標準化の議論を深めることができた。
著者
吉田 豊
出版者
神戸市外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

ソグド語は印欧語族のうちイラン語派に属する言語である。イラン語には、アヴェスタや古代ペルシア語碑文のような有名な古代語の資料があり、その一方で現代ペルシア語を含めて多くの言語や方言が今もなお話されている。このような背景から従来ソグド語文法は,主に印欧語族に属する一つの言語の変化と言う点から研究されてきた。このような研究状況を考慮して、本研究では語源や古代イラン語からの歴史的変化は研究の対象とせず、ソグド語をあくまでも生きて機能していた言語として共時的に扱い、その記述文法を提出することに努めた。一方で、シルクロードの国際商人たるソグド人の活躍は、多くの歴史家の注目するところであって、彼らには自らソグド語文献を読解して、翻訳ではなく文献そのものから内容を考察したいという希望が強かった。しかしソグド語は、残された資料がどれも断片的で、文献ごとに内容だけでなく表記法や文法までもが異なるという状況から、初学者には極めて学習しにくい言語でもあった。「ソグド語は難しい言語である」という、必ずしも正当ではない評価がしばしば聞かれる。今回ソグド語の記述文法を提出するにあたっては、初学者の使用の便宜をも図ることにした。ソグド語の文法全体を23課に分割し、各課には練習問題をつけた。そして文法の説明や練習問題で用いられている基本的なソグド語の単語は、語彙表にして巻末に集めて便宜とした。さらに歴史の研究者用には紀年法や度量衡についての付録を、言語面に興味をもつ研究者用にはソグド語の語彙の特徴、とりわけ借用語の来源と、現代ソグド語とも呼ばれるヤグノーブ語の語彙との対照も付録に加えた。
著者
根本 幾 王 力群
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

長調の音楽は一般に明るい印象を与え,短調の音楽は暗い印象を与える.その神経生理学的な基盤を明らかにする目的で,長・短音階や長・短三和音を聞いたときの脳の反応をMRIやMEG(脳磁界)を用いて調べた.短調関連の刺激に対して,MRIの測定で痛みや不快感と関連する部位の活動が観察された.また和音を20Hzで振幅変調して持続的な脳活動をMEGで測定すると,長・短三和音に対する反応が異なった.これらの結果は,長・短調の神経生理学的基盤の一部と考えられる.さらに発展的な研究についても成果を得た.
著者
水木 理恵 出口 真紀子 平山 亮 小川 公代 熊本 理抄
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では、日本人における個人の境界線の感覚を量的に測定する指標の開発と多様性教育コンテンツの開発を最終目標とするが、その過程で日本内外の多様性教育及び個人の境界線の教育の現状、人権問題当事者・支援者、人権教育担当者への聞き取り調査から日本人の境界線に関する意識を明らかにしていく。また、指標作成後、量的調査により、指標の妥当性を検討する。さらに、聞き取り調査、文献レビュー及び海外の多様性教育の現地調査結果と統合し、日本社会に適した多様性教育コンテンツを開発する。その後、このコンテンツによる多様性教育の研修会を実施し、境界線の指標を含めた尺度を使いその評価を行う。
著者
松井 正文
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

京都賀茂川において、在来オオサンショウウオが外来種チュウゴクオオサンショウウオによって遺伝子汚染を受けていることが過去の調査で分かっていた。その実態をさらに詳細に把握するため、新たなマイクロサテライトマーカーを開発し、効率よい遺伝子型判定が可能となった。賀茂川以外の河川も対象に調査した結果、遺伝子汚染は急速に進んでおり、賀茂川では在来種は絶滅した可能性があること、別水系の上桂川でも雑種化が進行していることが確認された。このように京都市域におけるオオサンショウウオの遺伝的汚染は予想以上に進行しており、何らかの方法で純粋な日本産を隔離保全していくことが早急に必要である。
著者
松村 俊和 澤田 佳宏 橋本 佳延
出版者
甲南女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

歴史の長いゴルフ場の植生を調査した結果,全国版・地域版のレッドデータブックに掲載の絶滅危惧種および多くの草原生植物の生育を確認した.つまり,これらの場所は草原生植物の逃避場所や種子供給源として機能する可能性がある.管理方法と種多様性との関係では,草刈り頻度および草刈高が種多様性に大きく影響を与えており,草刈り頻度が低く,草刈高が高い地点においては種多様性が高く,逆の地点では種多様性が低かった.また,ゴルフ場関係者の意向を把握する質問紙調査からは,ゴルファーの多くは野草の生育に対して好意的であることが示された.
著者
西岡 圭子 新井 孝昭
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、「音声言語」対「手話言語」の二項対立図式を越えて進む試みである。伝統的な言語学を方法論とする「手話言語学」は、「手話言語には文字がない」と判断した。しかし、デリダとメルロ=ポンティの思索によれば、空間的であるだけでなく時間的に、間-身体的な表現である手話こそ、原エクリチュールとしてのパロールに他ならない。成人ろう者によるろう児の教育は、文字のある言語の世界に人間のおとなが子どもを導いていく原型である。この視座からの現象学的記述を通して、成人ろう者がろう児に必要不可欠な文化的環境であることの自明性を論じた。
著者
北條 芳隆 河野 裕美
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は水田環境に適応した生物群のうち、農耕民が副食として利用可能な種を資源として利用する様相の一端を考古学的な側面から解明することを目指した。対象は沖縄県八重山郡竹富町西表島の網取遺跡の近世集落・水田跡であり、集落域で発見された食物残滓廃棄土坑中からマルタニシが多数出土したことを機に、廃棄年代の解明を進めるとともに、水田養殖に関わる諸痕跡を水田跡から追求することを目的とした。3年間の発掘調査によって、マルタニシの出土は食物廃棄土坑の最下層にまで及ぶことが判明し、水田養殖としてのマルタニシの利用は18世紀後半代には本格稼働していたことを確認できた。
著者
渡辺 伸一 藤川 賢
出版者
奈良教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

カドミウムによる環境汚染がもたらす健康被害、すなわち慢性カドミウム中毒は、その重篤例が、イタイイタイ病であり、非重篤例がカドミウム腎症(近位尿細管障害)という腎障害である。しかるに、環境省と環境省が組織化した医学研究班は、この腎障害を公害病とは認めていない。カドミウム中毒問題は水俣病問題と並ぶわが国を代表する公害問題であるが、両公害問題がたどった歴史的過程には、(1)複数の汚染地域のうち一部の地域しか公害病指定されず、しかも、(2)非重篤例など多くの被害者が被害者と認められてこなかった、という共通点を見て取ることができる。このカドミウム中毒問題において、われわれは、既に、富山県神通川流域、長崎県対馬、群馬県安中の事例と、それにかかわる全国的状況について、報告書としてまとめている。本報告書は、そこで得られた知見を踏まえ、兵庫県生野(市川流域)と石川県梯川流域の事例、そして、カドミウム腎症の公害病未指定問題の探求をとおして、上記の研究課題に迫ろうという意図のもとに執筆されている。第1章では、わが国のカドミウム問題の全体像を紹介し、生野、梯川の事例の位置づけを提示した。公害問題における被害・加害構造を解明しようとするとき、国や加害企業の対応とともに重要なのが、被害者に最も身近に接する地元行政の対策に関する考察である。それについて、第2章では、生野について、第3章では、梯川について考察した。その結果、(1)「被害者の発見」「補償の獲得」「健康管理」のあり方は、国の姿勢や判断等によって、全て規定されるわけではなく、各県レベルにおける、行政、地元大学研究者、住民運動の三者、特には県行政の対応の積極度によって、大きな違いが存在したこと、そして、(2)この違いは、各地の被害者が置かれた状況(派生的被害のレベル、健康管理の有無等)を大きく左右したこと、等を明らかにした。梯川の場合、さらに注目されるのは、世界をリードするほどの医学研究の成果である。この地での、腎障害に関する研究成果は、WHOのCriteriaにも、コーデックスの初期の米中カドミウム濃度基準0.2ppm以下という提案にも反映されている。つまり、世界の人々の健康管理に生かされているのである。しかし、わが国政府は、梯川をはじめ各地のカドミウム腎症の多発をカドミウムによるものと認めていない。世界で評価されているわが国の研究を、なぜわが国政府は評価しないのか。第4章では、この問いを、環境省とその医学研究班に対する社会学的検討を通して探求した。
著者
高倉 伸有 矢嶌 裕義 高山 美歩
出版者
東京有明医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

私たちは、患者とはり師にどのような鍼かを明かさずに(二重盲検法)、骨格筋に刺さる鍼か皮膚に刺さらないプラセボ鍼を用いて肩こりの鍼治療を施し、その効果や首肩の筋血流や筋活動を比較する、厳格な臨床試験を行った。その結果、鍼により肩こりは主観的には改善したが、「鍼を刺す」特異的効果はなく、鍼治療の効果には「プラセボ効果」が含まれる可能性が示された。また、鍼治療による頸肩部の筋血流・筋活動には特異的変化は見られず、鍼による肩こり改善の生理学的メカニズムの解明には至らなかった。一方で、本結果は鍼特有のユニークな現象である可能性があり、「鍼のプラセボ効果」について興味深い示唆を与えるものと考える。
著者
田村 和之 来間 泰男 小田 清 高原 一隆 秋葉 節夫 岡本 篤尚 仲地 博
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、以下のようなことを明らかにすることができた。1.地方自治体に対して国が交付する在日米軍基地・自衛隊関連交付金等(基地交付金)は、補助率が高く、これを受ける地方自治体は基地交付金に依存する傾向が見られる。また、その算定にあたり国の裁量が働く余地があり、この仕組みは依存を昂じさせる。2.基地交付金は、これまで自治体の公共事業の実施に大きな影響を与えてきた。過疎地域の地方自治体がこの傾向から脱却することは容易でない。しかし、産業の発展している都市周辺部の自治体の基地交付金依存度はさほど大きくない。3.一部地域では、新しい基地公害(野生種絶滅の危険)などに基地交付金を対応させる必要が見られる。4.軍事施設・基地は、当該地域の産業や住民の生活に密着する限りにおいて地域経済の活性化効果をもつが、その施設の後始末、発生する公害等の処理を考慮すると、短期的な効果だけでみるのは問題である。5.基地と地域経済とは微妙なバランスをたもたせながらも、将来的には暮らし密着型の産業構造へシフトすることが求められる地域は少なくない。6.沖縄県では、復帰により経済の基地依存度は大きく落ちたが、近年、やや高めている。そのような中で、軍用地料が「相当に高い」という問題がある。このことが沖縄経済だけでなく自治体行財政にもゆがみをもたらしている。
著者
上間 陽子 仲嶺 政光 望月 道浩 芳澤 拓也 辻 雄二 長谷川 裕 打越 正行
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

沖縄の貧困を解明するために、本助成をうけることで次の3つの調査を行うことになった。まずひとつは沖縄の風俗業界で働く若者のインタビュー調査を実施した。この調査では、彼らの生育環境、友人関係、結婚、就職、文化などについて調べた。次に全国学力・学習状況調査の沖縄の結果の分析(2013年、2014年)を行った。最後に沖縄の教員が、貧困世帯の子どもをどのように捉えて、関わりを作ったのかについて、各年代ごとにどういった傾向があるのかについて分析した。
著者
岩坪 美兼
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ウメは自家不和合性が強く、種子から育てると品種間の雑種となり、また花ウメには果実が稔らないものもあるために、接ぎ木で増殖が行われている。育種における交配には、有性生殖を行う必要があり、二倍体品種とそれ以上の倍数体を区別する必要があるために、染色体の観察を行った。実ウメ57分類群はすべて二倍体であった。花ウメ285分類群のうち、三倍体は10分類群、二倍体と三倍体の双方の系統が存在する品種が2分類群存在した。本研究により、通常見かけるウメ品種のすべてについて染色体数を明らかにした。
著者
海野 知紀
出版者
東京家政学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

緑茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)をラットに混餌投与したとき,ラットの糞重量を増加させ,腸内細菌叢バランスを変化させた。一方,盲腸内容物の短鎖脂肪酸含量は減少したことから,EGCGは盲腸内発酵性に影響を及ぼすことが示唆された。さらに,高脂肪食負荷ラットの盲腸発酵性について緑茶抽出物と紅茶抽出物を比較したところ,高分子ポリフェノールを含む紅茶抽出物では盲腸内短鎖脂肪酸含量が増加したことから,ポリフェノール化合物の化学的特徴によって腸内細菌に及ぼす作用が異なることが推察された。
著者
古畑 徹
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、中韓両国の高句麗・渤海をめぐる論争の経緯を明らかにしたうえで、次の3点の成果が得られた。①唐代の国際システムは、中国の「内」「外」と、指標によってどちらにもなりうる中間ゾーンという三層構造で、それは時代によって変動するものであること。②高句麗はその三層構造の「外」の存在であり、渤海は中間ゾーンの存在で、時間経過とともに「外」に移行したこと、③渤海史の叙述方法には、いくつかの歴史的な広域地域にまたがる存在として叙述する方法があること。
著者
奥村 利勝 粂井 志麻 高草木 薫 野津 司
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

過敏性腸症候群(IBS)の主要病態である内臓知覚過敏の中枢メカニズムを解明することを目的にした。内臓知覚はラットの直腸にバルーンを装着し伸展させることで内臓痛を生じさせる実験系で検出した。オレキシンの脳室内投与は内臓知覚鈍麻を誘導すること。モルヒネ、levodopaやグレリンによる内臓知覚鈍麻はこのオレキシンによる内臓知覚鈍麻作用を利用していること。オレキシンによる内臓知覚鈍麻作用は脳内ドパミン、アデノシン、カンナビノイド シグナルを介していることが明らかにできた。これらの結果からオレキシン シグナルの低下はドパミンなどを介して内臓知覚過敏を誘導し過敏性腸症候群の病態形成に深く関与すると考えた
著者
西村 直記
出版者
愛知医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

高濃度人工炭酸水への浸漬による生理的効果について検討した。炭酸水の主成分であるCO2は皮膚から吸収されることで、皮膚血管を拡張(末梢循環の改善)させ、温感を促進(高水温による生体への負担軽減)させることが確認できた。また、夜間睡眠前の炭酸水への入浴は、睡眠初期の体温の低下を促進させ、睡眠中の迷走神経活動を亢進させるためにより深い睡眠が得られ、積極的な疲労回復効果が期待できることが明らかとなった。