著者
林 達也 髙石 鉄雄 本田 寛人
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

2型糖尿病患者を対象として、短時間の階段昇降運動による血糖コントロール改善効果を検討した。食後90分に行う8~10分間、及び食後60分と120分に行う3分間の階段昇降運動は食後高血糖を急性的に緩和した。階段昇降運動と自転車運動を同じ心拍数で行ったところ前者でより急性的な血糖降下が得られた。さらに自宅内で毎食60分後と120分後に3分間の階段昇降運動を2セットずつ行うことで24時間にわたる血糖コントロールが改善するとともに、この運動を2週間継続することで血糖コントロール指標(血中1,5-アンヒドログルシトール)が改善した。以上より、階段昇降運動の2型糖尿病治療における臨床的有用性が示唆された。
著者
阿部 竜也 増岡 淳 中原 由紀子 伊藤 寛
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

極めて予後不良な脳幹腫瘍DIPGの原因遺伝子としてH3F3A遺伝子のK27M変異が分かってきており、精力的に研究が行われ、さまざまな遺伝子異常、エピゲノム異常が報告されている。我々が樹立したK27M異常を有する幹細胞株では、既存の治療法では全く歯が立たず治療抵抗性であった。この腫瘍に対して、近年ドーパミンD2受容体(DRD2)拮抗薬であるONC201が注目を集めており我々も解析を行っている。本研究ではこのような幹細胞株に対して、その耐性のメカニズムを解析するとともに、H3K27M変異に関連する作用機序の異なるいくつかの分子標的薬を併用し、これまでにない新しい有効な治療法の開発を試みる。
著者
三輪 宗弘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

戦時中の移入朝鮮人労働者(炭鉱)の賃金並びに労働環境の調査を一次資料に基づいて行った。石炭産業の賃金に関しては、日本人と朝鮮人の間に差別するような規定はなく、同一基準であり、年齢、学歴、職種、経験などが加味されたが、基本的に出来高制であった。2年契約が多く、契約を更新には、6か月とか1年間、2年間など様々な形態があった。労働時間は10時間で、残業手当は1時間単位で10パーセントほど割増で支払われた。休養日は月二回が多かった。1000人当たりの死亡率は、日本人と朝鮮人労働者の場合、炭鉱で1年間5人であった。貯金に関しては任意貯金が多く、生活の安定のため、一定金額まで貯金を奨めた場合もあった。
著者
河本 洋一 和田 辰也 山本 一成 藤原 章 宮脇 杜
出版者
札幌国際大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、ヒューマンビートボックスがどのように発祥し発展を遂げてきたかを、世界的に活躍するビートボクサーの様々な演奏記録から明らかにした。その結果、ヒューマンビートボックスは、ヒップホップ文化の音楽の中で、人間の音声器官を使用して既存の楽器や様々な装置の音を模倣したことが始まりであり、発祥は1984年頃であることが明らかとなった。また、日本においては2000年に入ってから日本人として初めて世界的に認知されたビートボクサーAFRAの登場によって、急速に発展を遂げたことがわかった。今後はアーカイブの分析のためのコーパスの作成が急務である。
著者
樋脇 治
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

近年、磁場が生体へ及ぼす作用のひとつとして脳の松果体で産生されるホルモンであるメラトニンの量が磁場により影響を受けることが明らかにされてきている。通常メラトニンは昼間よりも夜間に盛んに産生されるが磁場照射により夜間のメラトニン産生が抑制されることがラット等を使った実験により確かめられている。本研究では、生体への静磁場・変動磁場の影響について特に体内時計の中枢である視交叉上核の電気活動に着目した。磁場が生体へ影響を及ぼす過程には視交叉上核が重要な位置を占めていると考えられるが、まだ磁場と視交叉上核の関連についてはほとんど研究が行なわれていない。まず、静磁場の視交叉上核の電気活動への影響を調べた。強度100μTの静磁場を体軸方向・水平面内で体軸と垂直方向・鉛直方向の3方向に生成した。立ち上がり10秒・立ち下がり10秒・期間5分の磁場を30分間隔でそれぞれの方向に照射した。このときの視交叉上核における自発インパルス数を計測した。その結果、視交叉上核のインパルス数は吻側・尾側・右側・左側方向の水平方向の磁場照射に対して増加するものの背側・腹側方向の鉛直方向の磁場照射に対しては変化しなかった。次に、商用周波数磁場の照射実験として、50Hz,Peak-to-Peak40μTの磁場を照射する実験を行った。地磁気と同程度の強度である40μTの鉛直下向きの直流磁場に加え、50Hz磁場の方向が、体軸と平行な方向(X軸方向)、水平面内で体軸と垂直な方向(Y軸方向)、鉛直方向(Z軸方向)になるように磁場を照射する実験をそれぞれ行った。その結果、Z軸方向に50Hz磁場を照射した実験では視交叉上核の概日リズムに変化は見られなかったが、XおよびY軸方向に50Hz磁場を照射した場合,視交叉上核の慨日リズムに顕著な乱れが観察された。
著者
日高 庸晴 津田 聡子 土屋 菜歩
出版者
宝塚大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

夜の繁華街を来訪する若者を対象にした申請者の過年度調査では、感染予防の知識や検査に関する情報が十分に届いておらず、過去6ヶ月間のセックスパートナーの数は複数かつ、予防行動の実践は概して低率であることがわかっている。一方で“夜の街”で繰り広げられる人間関係や性関係とそれに関連する暴力・性暴力への予防介入研究の報告はほとんどなく、“夜の街”の実態に即した健康教育の実施が圧倒的に不足している。男性を主たる対象に、強引なナンパ・アルコール・性交渉は暴力になり得ること、加害者にならないような行動様式や交際規範を涵養することも、“夜の街”の若者たちへ予防の観点から介入を行う上で重要な視点である。
著者
山本 健一 鄭 雄一 光嶋 勲 大庭 伸介 矢野 文子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)が異所性骨化や石灰沈着性腱炎の治療に奏功するという報告があるがその基礎的研究報告はなく、メカニズムは不明。本研究ではH2ブロッカーを介した腱の石灰化抑制のメカニズムを基礎的に調査した。H2ブロッカーの中でも力価の高いファモチジンを選択し、in vitroで腱由来細胞TTD6と骨芽細胞系細胞MC3T3-E1においてファモチジンが石灰化抑制することを確認。次にin vivoでアキレス腱が異所性石灰するTTWマウスを用い、ファモチジンが異所性石灰を抑制することを証明。以上よりファモチジンが異所性石灰化に対する治療薬として基礎的にもその効果が証明された。
著者
高山 真 中澤 徹 劉 孟林 檜森 紀子 門馬 靖武 菊地 章子 志賀 由己浩
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は、健常者を対象に、漢方薬当帰芍薬散、桂枝茯苓丸を単回投与した際の眼底血流促進効果をレーザースペックルフローグラフィ(LSFG)検査等により評価し、その効果を検討する(研究①)、正常眼圧緑内障患者を対象に、通常の眼科的治療に漢方薬を追加内服した際の効果を検討する(研究②)ことにより、正常眼圧緑内障に対する漢方薬による治療の有効性を明らかにすることである。研究実績の概要:研究①については、前年度までで研究が終了し、学会や論文等による発表を行った。研究②については、本年度も対象者に漢方薬による治療追加を行うデータ収集を行った。平成30年3月31日時点で、正常眼圧緑内障の女性12名がエントリーされた。1名が除外基準により該当した。11名に対し6ヶ月間当帰芍薬散の投薬を行い、全11例がこれを完了した。中間解析では、9名17眼について、母集団の解析、および当帰芍薬散単回投与前後の眼底血流の検討を行った。その結果、母集団の検討では漢方医学的に「血虚」(末梢血流障害、冷え症)と診断された症例が多く、正常眼圧緑内障の病態である眼底血流低下と合致すると考察された。また、眼底血流の解析では、当帰芍薬散服用後に、7眼で眼底血流の上昇を認めた。血流が上昇した症例は、漢方医学的に血虚のスコアが高い傾向がみられ、正常眼圧緑内障と漢方医学的「血虚」の病態との関連、そして当帰芍薬散がそうした症例の眼底血流を上昇させる可能性が示唆された。有害事象の検討では、1名に軽微な腹部違和感が出現したが、服薬を継続し症状は軽快した。本研究に関連し、眼底血流が著明に改善した症例の発表、論文発表を行った。
著者
川道 武男 川道 武男
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

長野県浅間山中腹標高1500mにて巣箱を252個設置して,巣箱内にいたヤマネとヒメネズミを捕獲し,マイクロチップや超小型発信機で2年間追跡した.2年間で,ヤマネ80頭,ヒメネズミ302頭を捕獲し,個体識別し,4月から11月まで,ほぼ毎日巣箱を見回った.ヤマネ:非冬眠期間中は,日中の休息場として巣箱を転々と渡り歩いていた.そのため,平均行動圏面積は広く,雌0.5ha,雄1.52haであり,雌同士だけが殆ど重複していなかった.成獣密度は約0.7頭/haで,性比はほぼ1対1であった.2歳以上の個体がメスで44%,雄で64%を占め,長寿命が示唆された.冬眠開始と終了の時期は,気温・性別・体重に左右されており,繁殖開始時期と出産回数は冬眠終了時期に影響されていた.ヒメネズミ:巣箱は主に繁殖巣として利用した.平均行動圏面積は雌0.1ha,雄0.14haであった.成獣の雌雄間に親密なつがい関係が見られ,大きな雄は大きな雌とペアを形成していた.出産期は春と秋の2回あり,母の体重と出産直後の仔の平均体重とには,正の相関関係が認められた.春の出産期では,大きな雌が早くに出産して,性比が雄に偏っていた.春に生まれた娘の一部は,性成熟後も母親の行動圏内かその周辺に留まって繁殖した.秋の出産期に産んだ母メスとその娘の体重と数には負の相関関係が認められた.ヤマネとヒメネズミの関係:ヒメネズミとヤマネもしくはアカネズミとの同居があった.異種間の同居は全てヒメネズミが巣材を運んだ巣箱で起こった.
著者
土屋 賢治 松本 かおり 金山 尚裕 鈴木 勝昭 中村 和彦 松崎 秀夫 辻井 正次 武井 教使 宮地 泰士 伊東 宏晃
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

背景と目的自閉症スペクトラム障害(ASD)の危険因子として父親の高年齢が指摘されている。今年度の本研究では、父親の高年齢が児の認知発達にどのような影響を与えるかについて、本研究では、父親の年齢という非遺伝的要因の発症への寄与を、関連因子の評価を交えて、prospectiveおよびretrospective二つの方向を交えた疫学的探索的研究を行った。方法(1)Retrospective研究:自閉症・アスペルガー障害または特定不能の広汎性発達障害(ASD)と診断され総IQが70以上の84名(5~27歳、女性14名)、精神科診断を持たない208名(5~34歳,女性104名)から、臨床情報を取得するとともに、母子手帳を通じて両親の生年月日を確認し、出生時の父親・母親の年齢とASD診断との統計学的関連をロジスティック回帰分析を用いて検討した。(2)Prospective研究:浜松医科大学医学部附属病院産婦人科(静岡県浜松市東区)および加藤産婦人科(静岡県浜松市浜北区)の2病院を2007年11月19日より2009年7月1日までに妊婦検診を目的に受診し、研究への参加の同意が得られた全妊婦780名と、その妊婦より出生した児809名を対象とした。この児を最長3年3ヶ月追跡し、Mullen Scales of Early Learningを用いて、運動発達および認知発達(視覚受容、微細運動、受容言語、表出言語)を3~4ケ月ごとに繰り返し測定した。また、父親の年齢と関連する生物学的要因として、生殖補助医療に関するデータを収集し、関連を解析した。結果とまとめ(1)出生時の父親の年齢が高いほど、児のASD診断のリスクが高いことが示された。母親の年齢には同様の関連は見られなかった。出生時の父親の年齢とASD診断のリスクとの関連の強さは、母親の年齢や出生順位、性別、自身の年齢を考慮に入れても変わらなかった。(2)粗大運動、視覚受容、微細運動、表出言語の発達、発達指標の到達、ASD疑い診断に、出生時の父親の年齢は統計学的に有意な関連をしていなかった。しかし、生殖補助医療の有無(なし、IVF、ICSI)は、いずれの発達変数においても、なし-IVF-ICSIの順に発達が遅れる傾向が認められた。欠損値に対する配慮からStructural equation modelingによって解析を進めたが、サンプル数の限界のため、父親の年齢と生殖補助医療の交互作用については言及できなかった。結論父親の年齢とASD発症リスクの生物学的基盤としての生殖補助医療の関与を確定することはできなかった。しかし、その可能性が示唆されるデータが一部から得られた。
著者
伊藤・山谷 紘子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

植物に含有される、機能性含硫化合物を高めるためには、植物のイオウ吸収機構および代謝機構を解明することが重要である。そのためには、元来イオウ含有量が多く、機能性の高い植物(作物)を選抜して、代謝や遺伝子発現などを比較生理学的に調べる必要がある。そこで本研究では、機能性含硫化合物を高い濃度で含有している可能性の高いアブラナ科伝統野菜を供試作物として選び、根域イオウ濃度が生育、イオウ含量、イオウ吸収に関与する遺伝子発現量、イオウ同化に関わる酵素活性に及ぼす影響を調べた。研究結果はSoil Science and Plant Nutritionに掲載された。
著者
山口 亮子
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、DV加害者の性質を研究し、DVは加害者から被害者への垂直関係だけではなく、子を巻き込み複雑なパターンが複数あることを指摘した。その上で、日本の裁判例を分析し、アメリカの研究を参考に、DVが関わる、離婚、面会交流、監護者指定、養育費、親権制限の問題を検討した。施設訪問や学際的研究を通して、警察、行政の対応の問題点と課題を明らかにした。
著者
深見 哲男 東 亮一
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

UHFテレビの受信障害が、時々,日本海域に発生している。この受信障害の原因は,水蒸気や黄砂などの環境因子によるダクト伝搬によると思われる。この研究の最終目的は,ダクト伝搬の発生を予報することである。そのため,石川県津幡において日本海側や韓国のTV電波を定常観測すると共に,気象データと測定データを比較した。その結果,ダクト伝搬は,春から夏の晴天時に発生するが,秋から冬にほとんど発生しないことが分かった。そして、天気との相関が非常に強いことが分かった。
著者
今関 源成 戸波 江二 西原 博史 石川 健治 毛利 透 小山 剛 戸波 江二 岡田 信弘 市川 正人 西原 博史 石川 健治 小山 剛 江島 晶子 高見 勝利 宍戸 常寿
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

2008年3月, 台湾の憲法・行政法研究者10名を迎え、東京(早稲田大学)で「議院内閣制と大統領制」および「実効的人権保障とその問題点」をテーマとして、第3回共同研究シンポジウムを開催した。2009年3月, 日本の憲法研究者8名が台湾に赴き、台北(台湾大学)で、「公法典範的継受與轉型」をテーマとして、第4回共同研究シンポジウムを開催した。これまでの成果をまとめた論文集の刊行に向けて, 鋭意努力中である。
著者
溝口 恵美子
出版者
久留米大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

炎症性腸疾患(IBD)における慢性炎症からの腸上皮と癌化にはキチナーゼ様タンパクI型(CHI3L1)が深くかかわっている。我々は汎キチナーゼ阻害剤でキサンチン誘導体の一種であるカフェイン(CAF)がCHI3L1の発現・活性化を抑制することを発見している。本研究では、アゾキシメタン(AOM)誘導性の大腸異形成モデルにおいて、CAFよりもペントキシフィリン(PTXN) によって大腸腫瘤数・腫瘤の大きさが有意に抑制されることが分かった。CAFおよびPTXN同時投与では副作用(例:ショック死)が強いため実験を中断した。今後、PTXNが将来的に大腸癌の予防・治療薬として臨床応用できる可能性が示唆された。
著者
安藤 馨
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

前年度に引き続き、率直に言って、コロナ禍の影響はとりわけ研究の公表に関して本研究においても避けることはできなかった。しかし、事実認定的な法的言明が認定者の動能的な(=非認知的な)心的状態を表出しており、表象主義 representationalism の下で信念がそのようなものとして描かれがちであるような、純粋に認知的な(すなわち、世界をそのまま表象しようとする、世界から心への適合方向のみを有する受動的な)心的状態を表出するものではない、という点についての理解が深められた。すなわち、事実認定的な言明が表出する「pということにして話を先に進めよう being for proceeding as if...」という心的態度がどのようなコミットメントを伴っているかについて、理解が深められた。「p ということにして話を先に進めよう」という主体は、以降の推論において、not p を主張しないというコミットメントを有し、以降の推論において p → q を受け入れた場合には q を主張するというコミットメントを有することになる。他方で、これらのコミットメントは、いわゆる推論主義 inferentialism が、p を主張するという行為に伴うものとして挙げているコミットメントそのものである。したがって、事実認定的な法的言明ではないような、通常の認知的主張については表象主義的な意味論が妥当なものとして成立する一方で、非認知的なコミットメントを伴う事実認定的な法的言明については推論主義的分析が適用可能である、ということができるようになる。これは、「pである」という事実認定的法的言明を「pは法的に正当である」という規範的様相に包まれたものとして分析してきたやり方を大きく離れ、法的言語を意味論レベルで通常の言明と異なった構造を有する特異なものとして分析するという可能性を示すものである。
著者
星 裕一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

(1)標数pの射影的双曲的曲線の上の階数p-1の休眠乍の一意性を証明した。(2)絶対不分岐底上安定還元を持つ代数曲線の等分点に関する研究を行った。(3)対数的スキームのある圏論的表示を得た。(4)局所体の同型類の圏論的特徴付けの研究を行った。(5)p進局所体上の通常曲線に対する副p良還元判定法を確立した。(6)付加構造付き楕円曲線のモジュライ空間に対する遠アーベル予想を解決した。(7)組み合わせ論的遠アーベル幾何学を発展させた。(8)巾零通常固有束の超特異因子の特徴付けを与えた。(9)Riemann面上の射影構造に関する理論の正標数版を確立した。(10)局所体の遠アーベル幾何学の研究を行った。
著者
長田 拓哉 小澤 龍彦 奥村 知之
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

1、アスナロ精油による抗腫瘍効果:アスナロ精油を胃癌、食道癌、大腸癌、乳癌細胞株とそれぞれ反応させたところ、いずれの細胞株に対しても濃度依存的、時間依存的にアポトーシスを誘導した。腹腔内に胃癌細胞を投与したヌードマウスにアスナロ精油を吸引させたところ、コントロールと比較して腹膜播種転移が有意に抑制された。2、アスナロ精油における抗腫瘍メカニズムの解明:アスナロ精油を分画し、ツヨプセンを同定した。ツヨプセンは抗腫瘍効果を有し、癌細胞にアポトーシスを誘導することを確認した。またツヨプセンが癌細胞内でPKM2と会合することを明らかにした。
著者
金城 厚 久万田 晋 植村 幸生 内田 順子 島添 貴美子
出版者
東京音楽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

(1)1970年代から80年代にかけて、東京芸術大学が収集した沖縄民謡調査資料(90分カセットテープ1,300巻とそれに付随する調査メモ)をデジタル化し、安定的に保存・試聴できるデータベースとして整理した。(2)沖縄県立芸術大学芸術文化研究所のウェブサイトにメタデータを公開して、多くの研究者が所用の資料を検索できるシステムを構築した。(3)音源データを複数のHDに複製し、協定に基づいて国内の複数の研究機関に配置して、遠隔地の研究者による利用の便宜、また災害への備えを図った。(4)個人研究者でも録音資料をアーカイブ化できる比較的簡易な方法を提唱することができたと考えている。