著者
有田 悦子 鈴木 幸男 竹下 啓
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、医療者-患者間のコミュニケーションギャップに注目し、臨床現場での有意義なインフォームド・コンセントの実現に還元すると共に、医療スタッフや薬学部生を対象とした医療コミュニケーション能力養成のための教育プログラム構築にも寄与することを目的として「がん患者への医療者からの説明」について質的検討を行った。その結果、同じ内容の説明をしたとしても、個々の患者の治療に対する感じ方や理解度などにより受け取り方は異なり、医療者が患者の個別性を尊重する重要性が示唆された。
著者
山口 謠司
出版者
大東文化大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ベルギー王国ルヴァンラヌーヴ・カトリック大学図書館に所蔵される日本古典籍は第一次世界大戦後まもなく昭和天皇によって寄贈されたものである。このコレクションは、もとルヴァン大学に所蔵されていたものが、一九七四年のルヴァン大学紛争の際に、新しく作られたルヴァンラヌーヴ・カトリック大学図書館の所蔵になったものである。筆者はこの研究において、昭和天皇の寄贈の経緯と、この寄贈に当たってどのような人物がコレクションの収集を行ったかについて調査し、かつ詳細な書誌目録を作成するものである。
著者
護 雅史 福和 伸夫 飛田 潤
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、未曾有の被害が予測されているこの大震災に対して、有限かつ変動するヒト・コト・モノ・カネで、莫大な情報量の中から学術的に重要な被害調査情報を取捨選択するための、いわば「データトリアージ」と効率的な被災調査行動戦略の策定を、満足化手法により実現しようとするものである。研究成果としては、過去の地震被害調査状況調査の取りまとめや、被害予測等に必要なデータの収集とデータベース化とともに、WebGISによる公開システム等について検討した。さらに、2011年東日本大震災関連の情報収集に努め、情報集約拠点を設置した。また、戦略立案システム構築にあたって必要となる、想定東海地震、東南海地震、南海地震の地震動評価やこれらを用いて災害時に重要施設となる小学校の被害予測を行った。
著者
馬田 英隆
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

世界的な森林の撹乱と劣化は森林植物に深刻な影響を与えつつある。例えば、少なからずの森林植物の絶滅が危惧され、中には絶滅してしまった種もある。本研究の目的はそれら植物の保全のための基礎情報を得ることにある。本研究では、ラン科植物のタカツルランを事例として研究した。タカツルランは無葉緑植物で、わが国では絶滅危惧1A類(CR)に分類されている。タカツルランは根の中に棲息している木材腐朽菌と共生関係を結んでいる。このランは光合成能力を喪失しているので一生を通して炭素源は共生菌に依存し、さらに種子の発芽にも共生菌を必要とする。これらのことは、共生菌がタカツルランの保全に有用なツールとなり得ることを示唆している。タカツルラン保全の試みは移植によって行った。最初に、タカツルランの根から共生菌を分離した。次いで、共生菌とタカツルランの種子との共生培養を試験管内で行い、プロトコームと幼植物体を準備した。最後に、プロトコームや幼植物体を土壌中に埋設した。得られた結果から次のような提案をすることができる。1.移植植物体は、共生菌が繁殖している培養基と共に埋設したときに成長した。このことから、共生菌は植え戻しにとって必須で有ることが明らかにされた。植え戻しを確実に成功させるためには、容器の中で植物体を共生菌が繁殖している培養基と共に培養し、その容器を森林に埋設すれば良い。2.移植用の植物体は根・茎が充分に生長した植物体を用いるのが良い。3.移植された植物体は外部へ根を伸長させ、其処にあった丸太に付着し、丸太の中のキノコが親和的な種であればそのキノコと共生関係を築いた。従って、移植する前に親和的なキノコが生育しているかどうかを調査しておく。4.共生菌の生長はタカツルランの生長にとって是非とも必要である。従って、生長と植え戻しに適する時期は温度が高く降水量が豊富な6月、8月、9月が良い。
著者
高橋 博子
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008-04-08

本研究の目的は、広島・長崎で収集された被爆資料が、米国政府が冷戦政策の中でどのように利用され、いかなる核時代が作られていったのかを、近年公開された資料や広島・長崎の被爆者や核実験によるヒバクシャの証言の分析に基づいて浮き彫りにすることにある。核兵器という人類の生み出した兵器が、非人道的であるのはいうまでもないことであり、本研究では、単に核兵器の開発史や核戦略史をたどるだけではなく、核兵器による被害者を視野に入れた、米国の核開発史の全体像を具体的、かつ実証的に検討した。
著者
小田 光宏 堀川 照代 間部 豊 庭井 史絵 仲村 拓真
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

学校図書館職員(司書教諭,学校司書)に求められる技能(知識・技術)に対して,資格教育の内容が十分であるかどうか,また,資格教育で扱われる内容は,求められている技能と乖離していないどうかを解明する研究を実施した。具体的には,資格教育で使用されるテキストブックの分析,資格教育の担当者への聴取調査,司書教諭への聴取調査,学校司書への聴取調査行い,結果を統合的に分析した。結論として, 司書教諭に求められる技能は,資格教育で獲得できるものの一部に乖離が見られること,また,学校司書に求められる技能は,資格教育において不足するものがあり,乖離が大きいことを導き出し,得られた示唆についての意義を検討した。
著者
長澤 多代
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は,大学教育における教員と図書館員の連携という観点から,クイーンズ大学及びエッカード・カレッジのケース・スタディを完成させ,すでに明らかにしたケースのモデルも含めて比較分析をすることである。クイーンズ大学については,文献調査に加えて,2012年度から2014年度までに3度の訪問調査を行い,関係者への聴き取りや観察調査によって得たデータや内部資料をもとに,教員と図書館員の連携構築のモデルを構築している。エッカード・カレッジについては,訪問調査がかなわなかったために,文献調査に加えて,元図書館長への聞き取りを行った。以上の調査で得たデータをもとに,ケース間の比較分析を進めている。
著者
田中 善一郎
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

1947年から2009年までに実施された参議院選挙について、個々の選挙が実施された背景、各党の立候補者の数や選挙出場回数、当該選挙時の世論調査の状況と事前予測、選挙の投票率と都市部と農村部の投票率の違いについて分析を行った。さらに、選挙の結果については、各党の得票数、得票率、獲得議席数と議席率などについて、地方区(または選挙区)と全国区(比例区)とに分けて、特に前々回との比較や地域別傾向を分析した。参議院選挙は、衆議院選挙に比べて、第一党への集中度が大きくなく、その結果として、参議院は衆議院に対して、「抑制と均衡」の機能を果たしてきたことが明らかとなった。
著者
名取 一好
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の結果、「日本版デュアルシステム」の指定を受けた多くの地域・学校において、生徒のキャリア形成や職業・進路選択に本 事業の成果が認められた。しかし、やむなく縮小や休止・中止せざるを得ない状況も多くの地域・学校において認められた。事業を担当した特定の教員の多大な負担、生徒の保険費用や移動のための予算確保の難しさ、本事業を就職先確保の手段として考えている学校もあることから、実習先の事業所等の確保の難しさ、事業を担当した教員や校長の移動等に伴う校内体制の整備等の難しさなどがそれらの理由として明らかとなった。 一方、指定地域や学校の中には、本事業を縮小したものの、中核事業として高大連携、地域産業の担い手育成などを組み入れたカリキュラム改革を行い、単に生徒の専門技術の向上のみならず、高等教育機関への進路意識の醸成など伴った総合的な職業・キャリア教育を実施して大きな成果を上げている学校等もあることが認められた。また、本事業の推進は、地方自治体による単独事業としてのデュアルシステム導入を促すなど、一定の役割を果たしたと評価できるが、専門高校における職業・キャリア教育のさらなる発展を図る上で、「日本版デュアルシステム」を教育課程上に位置づけるなどの施策も今後の課題であろう。
著者
鈴木 光太郎
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、実験心理学における空間知覚の諸問題の歴史をたどり、西洋の近世哲学の問題意識が、近・現代の実験心理学にどのように引き継がれたのかを明らかにすることを目的とした。研究では、17・18世紀の哲学者が「モリヌー問題」や「倒立網膜像問題」などの問題をどのようにとらえていたかを明らかにした上で、そこで措定された問題に答える形で、実験心理学者が「先天盲の開眼手術」の研究、「逆さメガネ」や「顔面視」の実験を行なったという経緯を明らかにした。
著者
高木 眞佐子
出版者
杏林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

これまでキャクストン版『イングランド年代記』に書誌学上もっとも近い写本とされてきた、大英図書館所蔵のBL Additional 10099写本の大部分が、実際には印刷本からコピーされた写本と見られる有力な証左を得た。この研究は、カリフォルニア州サンマリノのハンティントン図書館所蔵のHM136写本が、キャクストン版の印刷用原稿である可能性を濃厚に示す証拠を写本上に示したDaniel Wakelinの発見に有力な理論的根拠を与えることになった。結論としてProse Brut研究において100年定説になっていたBL Additional 10099写本の重要性は根底から覆り、HM136の重要性に新しいスポットが当たるようになった。
著者
大石 時子 柳原 真知子 柳原 真知子 恵美須 文枝 山村 礎
出版者
天使大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

ピアエジュケーションの中から中高大学生のセイファーセックスネゴシエートの実際の言葉を抽出し、これらの抽出された認識や行動のパターンと大学生への意識調査の結果等を基本に、大学生ピアカウンセラーを養成するための、8パターンのロールプレイ用演劇シナリオを完成した。また大学生への意識調査からセイファーセックスネゴシエートに関する大学生ピアカウンセラー養成前後の教育効果を計る自己効力感の尺度を作成した。
著者
田村 栄子
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は,ヴァイマル共和国とナチス時代に、医師および医療の活動がどのように行われたかを社会史的に考察することを目的として進められ、以下の研究成果をえた。1.ドイツ医学界においては、19世紀から医師資格をもたない、自然治癒医療が盛んであったが、ヴァイマル時代に国民の間で、専門教育を受けて国家試験に合格した医師(「学校医学」)への不信が強まり、自然治癒医療者に頼る傾向が強まった結果、「学校医学」の側に強い「医学の危機」意識が生じた。2.また医学生の増加や世界恐慌の影響により、医師の就職難も生じた。ドイツ医師協会は、危機への対応として、ユダヤ系医師・女性医師を排除する方向を強めて、自然治癒医療に接近してナチスへも接近していく。3.他方、自然治癒医療の側は、様々の医療的・文化的団体を作って、民族の全体性の視点からナチスに接近していく。4.医師のなかで10%に満たない女性医師は、1924年に「ドイツ女性医師同盟」を結成して、民衆の心によりそう活動を展開した。とりわけ女性医師は、労働者層の女性の個人の状況に共感して、妊娠中絶を禁止した刑法第218条廃止の闘いに取り組み、ナチスへの抵抗力にもなった。5.ナチス政権は、社会主義系・ユダヤ系医師の排除に乗り出し、病気の予防や健康指導に力を入れた。6.生活習慣と病気の関連が注目され、自然治癒医療が「新ドイツ治療学」として国家的政策に取り入れられた。7.「学校医学」の側の医師の45%はナチス党員であったことに示されるように、医師は、ナチスの断種法の実施、安楽死政策に関与した。第二次大戦下、自然治癒療法は背後に退き、「学校医学」が前面に出て、彼らは、強制収容所における人体実験、ホロコーストなどナチス犯罪の最前線を担った。
著者
北山 研二 一之瀬 正興 川上 善郎 村瀬 鋼 木村 建哉
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、「らしさ」の概念を中核とする表象の問題(表現することと現れることの関係性)に関して、理論研究と実証事例研究を交差させて、国際シンポジウム、研究会、調査を実施しながら討論を重ねた。理論研究次元では、存在と現象、自然と文化、一般性と個別性という哲学的対立概念を表象次元で交錯させる「らしさ」の位置づけについて包括的な考察をした。実証研究次元では、社会心理学的事例研究によって、情報社会における事件と事件らしさ、ニュースとニュースらしさの相互関連性が実証された。文学的事例研究によって、演劇では真実らしい人物造型が重要であること、また地方色を出す文学が現地事情よりは文化的コード(らしさ)によって形成されること、さらに美術的事例研究によって、実物(真なるもの)より表象性(真らしきもの)が問題であることが、論証された。映画的事例研究によっては、「自然さ」の文法「真らしさ」が映画的リアリティーであるだけではなく、その多くが身体的反射性に由来することが確認された。さらに歴史テレビ映画や写真映画の事例研究によって、「真なるもの」と「真らしきもの」の明快な判別ができないことも証明された。文化論的事例研究つまり文化としてのらしさの研究では、それぞれの「らしさ」が文化的多層性の産物であり、その反映であるはずの実物(真なるもの)を特定できないことが確認された。こうして本研究の目的、「らしさ」という概念を軸に、表象文化の成立と変遷を「自然」の成立との交替として捉え直し、近現代の表象文化の諸展開について具体的・包括的な見取り図をつくることは、おおむね達成された。
著者
黄 梅英
出版者
尚絅学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

日本の教育型大学における卒業研究の教育実態に関する研究(人文社会科学を中心に)について、2017年度は主に学生のアンケート調査の分析と、インタビュー調査の追加・内容分析を行った。アンケート調査の(重回帰)分析結果から卒業論文の完成度は下記の要因に影響されている。①教育側の要因として、学生の卒業論文の完成度は3年次までのアカデミックライティングのトレーニングの有無・頻度、4年時の卒業研究での個人指導の回数と正の相関をもっている。②学生側の要因として、学生の卒業論文の完成度は高校での平均成績分布と正の相関、4年時の履修単位数と負の相関をもっている。上記の分析結果は学生のインタビューからもある程度の裏付けが得られた。例えば3年時までの授業の中で小論文の指導、添削を受けた場合、また、社会調査やフィールドワーク、国内外の実習など(大学外主催のものも含む)のプログラムに参加した際に報告書が課されたり、指導を受けたりした場合、何らかの力が身につき、卒業研究を進める中でも活かされたというケースが幾つもあった。それに加え、高校の在学中に模試などのために小論文のトレーニングを受けたり、また入試形態によって特別指導を受けたりした学生の中で一定の力を身につけたと感じた学生もいた。つまり、卒研にかかわる基礎的な学習・トレーニングは重要であるといえよう。一方、完成度の比較的高い学生は4年時に卒業研究のほかに履修する(しなければならない)単位数が比較的少ない者が多い。つまり、履修状況が比較的よくて、単位を落とされたケースがあまりない場合、卒業研究も比較的うまく仕上げている。そこから通常の授業での学習姿勢や成績が卒業研究の質も影響していると読み取ることができる。上述の分析を通して教育型大学の卒業研究の教育実態は、学生と教員の両側の取り組み状況に影響されていることは明らかにされた。
著者
牛島 佳代 成 元哲 守山 正樹 田中 美加
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、福島原発事故が母子の心身の健康に与えた影響を明らかにし、支援策を構築することである。分析には、2013年から毎年実施している福島県中通り9市町村の2008年度出生児の母親に対する社会疫学調査と面接調査データを用いた。結果、一貫してSQDで評価されるうつであった人は12.7%、うつ維持には低収入、放射能の対処をめぐる認識のずれ、経済的負担感が関連していた。また、うつ状態を脱した人も事故により生じた新しい日常への適応のあり方を模索していた。福島の母子がレジリエンスを獲得するためには、母親が抱く将来の健康不安に対して真摯に向き合い、継続的な医療補償システムを構築することが必要である。
著者
松谷 満 成 元哲 大瀧 友織
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、原発事故によって、被災地福島の政治にどのような変化があったのかを明らかにすることである。本研究では、福島市民を対象とする質問紙調査、市会議員などを対象とする聞き取り調査を行った。その結果、福島では他地域と比較して政治不信が高まっていること、政治の側では結果的にさほど大きな変化が生じておらず、世論とのあいだに乖離がみられることが明らかとなった。
著者
篠原 一之 西谷 正太 土居 裕和 尾仲 達史
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

父親、母親に見られる脳とホルモンの特徴を調べ、父性、母性をもたらす生物学的基盤を明らかにするべく、乳児表情に対する脳活動は、親と非親間で異なるか、ホルモン受容体遺伝子多型により親集団で異なるかを調べた。結果、父親特徴的な脳活動を明らかにした。また、妊娠~産後2年の母親を調べ、産後のホルモンや経験が母親脳の変化に貢献することを示唆した。一方、母性へのオキシトシン受容体遺伝子多型の影響を明らかにした。
著者
山田 嚴子
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

第二次世界大戦下のオシラサマ信仰と民間巫者の活動を、戦前の影響と戦後の動向を考慮に入れながら調査した。その結果、以下のことが明らかとなった。(1)津軽地方では、明治以降、オシラサマは寺社信仰との関わりで信仰されてきた。(2)戦時中に民間巫者は「英霊」の口寄せを行っており、このような巫者たちは、1970年代に、新たな形で注目を受けていた。
著者
赤穂 昭太郎 神嶌 敏弘
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

情報幾何の枠組みから新たな分散・統合データ解析法の構築を行った.まず,基礎となる指数分布族における次元圧縮法に基づいて,指数分布族には属さない混合分布族にも適用可能な手法への拡張,確率モデルとしての定式化によるベイズ推定の枠組みへの拡張,次元圧縮とクラスタリングの同時最適化への拡張という3つの拡張を行った.また,新たな学習パラダイムとして,少数の高品質データと大量の低品質データの統合を行う飼い慣らしという枠組みを転移学習に基づき開発した.