著者
鈴木 準一郎
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、「植物個体は、地下部(根)から分泌される化学物質を介して、自己と非自己を認識し、自他の識別を行う」という仮説を設定した。その仮説から導かれる予測、「遺伝的に異なる個体間の競争では、根の成長方向は他個体の存在に影響をされないが、クローン個体間あるいはキメラ個体間での競争では、根は他個体と反対の方向へ成長し、根の競合を回避する」の実験的な検証を試みた。キメラ作成の可否に関する予備実験を行い、材料としてナス(Solanum melongena L.)を選定した。ナスを用いて、接ぎ木の手法により、キメラ個体を作成し、予測の検証を試みた。しかし、接ぎ木の成功率のバラツキが予想以上に大きく、とくに成長につれて枯死が非常に多くのキメラ個体で見られた。また、接ぎ木自体は成功しても成長量にバラツキが大きいことがわかった。さらに接ぎ木の操作を行った個体でウイルス感染による枯損が発生するなど予想外の事故も生じた。栽培が可能な季節の間、繰り返し実験を行ったが、当初予定していた反復数のデータ採集が出来なかった。接ぎ木処理により成長量のバラツキが大きくなることから、反復数を減らすことは出来なかった。さらに、反復数の不足を補う解析手法の開発も試みたが、反復数の不足を補い、当初予測していた仮説の検証を試みることは残念ながら出来なかった。そこで、栽培条件を検討するために行った予備実験の結果を、2報の論文として取りまとめ、投稿しそれらが現在審査中である。
著者
津村 文彦
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では現代タイにおけるタトゥーの社会的布置と動態を分析した。サックヤンと呼ばれるタイの伝統的タトゥーは、僧侶などの宗教専門家によって、特別な文字と図像を身体に刻むことで呪術的な力を発揮するとされる。しかし現在ではファッション目的でサックヤンが用いられ、西洋の意匠が多く導入されている一方で、50年以上前からタトゥーが呪術でなく装飾のためにもしばしば用いられていた。タイのタトゥーをめぐる様々なフィールドデータより、魅惑と暴力という両義的な力こそがタイのタトゥーのもつ特徴であることが明らかになった。
著者
吉村 貴之
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

第二次世界大戦後に約10万人の在外アルメニア人がソヴィエト・アルメニアへ移住したのは、ソ連邦が、戦勝国として世界に離散するアルメニア社会の盟主として宣伝を行った結果である。しかし、折からの冷戦の昂進で在外アルメニア人社会は親ソ派と反ソ派に分裂し、この運動も下火となる。一方で、ソヴィエト・アルメニア政府は、この在外同胞の社会統合を進め、対外宣伝を強化するために、在外同胞の祖先の多くが被った第一次世界大戦にオスマン帝国下で発生したアルメニア人虐殺・追放事件から50周年にあたる1965年4月に大規模な追悼集会を首都エレヴァンで催した。だが、これが反トルコ・ナショナリズムを国内に浸透させる結果となる。
著者
只木 孝太郎
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

私は、Chaitinらによって創始されたアルゴリズム的情報理論を拡張して、それを量子力学系の測定理論に適用し、量子測定に対するGodelの不完全性定理を導出しようと試みている。本研究課題は、この全体構想の一環であり、平成19年度後半に私が創始した新しい学問分野であるアルゴリズム的情報理論の統計力学的解釈を徹底的に理解することが、本研究課題の具体的な目的である。
著者
江島 泰子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は複雑に交錯する19世紀の政治・社会さらに文学の様相に対して、聖職者像というテーマによって補助線を引くことで、個々の作家の特異性を浮かび上がらせるとともに、ひいては19世紀文学の多様性を新たな角度から検証することを企図した。19世紀のカトリック教会の状況を制度の面から考察するとともに、実在の司祭像をとおして当時の精神性を考究した。司祭像研究については、個々の作家に特化したもの、あるいはマイナーな作者までも含めての概説書は存在するが、本研究のようなかたちでの先行研究は未だない。本研究の構成は、以下のとおりである。第一部「政教条約下の教会と聖職者」では収集した宗教・社会関連資料を駆使してカトリシスムの組織・動向・精神性研究を行い、文学が描いた司祭像のより深い理解を意図した。第二部「反自然としての聖職者縁」では、ミシュレとゾラを結びつけて検討することで、19世紀反教権主義の一系譜を示し、二人の作家の共通性と差異を明確にした。第三部「『絶対』の人、過去の人」は、ユゴーとルナンの「司祭なるもの」をめぐる思索に関する考究である。第四部「信仰あるいは信仰の誘惑と聖職者像」では、サント=ブーヴとユイスマンスを取り上げ、肉欲の懊悩と信仰と関連して司祭像がどのように把握されているのかを調べた。複数の作家の司祭像をまとめて検討したことで、19世紀フランス文学のダイナミズムの一端を明らかにできた。なお、ルナンに関する論文は、『ルナン学会誌』(Bulletin de la Societe des etudes renaniennes)に掲載することができた。またその論文が認められ、2009年7月のフランス学国際協会(AIEF)のルナン分科会での発表を依頼された。
著者
垂水 浩幸 林 敏浩 八重樫 理人
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

スポーツや音楽分野でのエンタテイナーの実演を遠隔の視聴者にインターネット中継で送れるようになったが、視聴者が現場に対して送ることのできる情報は現状では文字に限られている。本研究は主にスポーツの応援を遠隔から送り、選手に伝え、また選手から更に反応を返すことができるシステムを構築して実際のプロスポーツ公式戦で運用評価し、選手から高い評価を得ることができた。一方視聴者からの評価にはまだ課題が多く今後の課題である。
著者
成田 奈緒子
出版者
文教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

自閉症スペクトラム障害児者における前頭葉高次機能が、より効率的に発現するための刺激入力の工夫を実験的・実践的両側面から検証した。実験的には、刺激入力のない状態で大脳皮質に起こるdefault mode networking(DMN)に着目した脳機能実験によって、ASD児者が健常群と異なる前頭葉血流変化を示すことを予備実験で確認した。また、実践的には特別支援学級に在籍する児への継続的前頭葉刺激活動が学習等に及ぼす効果を示した。
著者
土田 龍太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大叙事詩マハーバーラタの複雑な語り構造を分析調査し、その結果、叙事詩テキストの成立過程とおよその成立年代を明かにし、さらに他のテキストすなはちラーマーヤナなどとの関連について良き手掛りを得ることができた。
著者
馬越 徹
出版者
桜美林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は,近年,大学の経営力の強化が叫ばれていることに鑑み,大学経営の中枢を担う大学職員に焦点を当て,彼らの職能向上,とりわけ専門職化(プロフェッショナル化)の方法としての大学院教育の役割に注目し,その実態と有効性を検討することを目的とした。その際,この分野で50年以上の歴史と実績をもつアメリカ,日本に先駆けて大学職員を対象とする専門職大学院を立ち上げている韓国の事例と日本のそれを比較研究することにした。研究を通じて得られた知見は以下のとおりである。(1)アメリカでは大学拡張期(1960年代)に大学職員の専門職化が進み,専門職大学院(教育大学院高等教育プログラム)が大量に創設されるとともに,専門職種(トップマネジメント,中級マネジメント)に応じた各種の短期プログラムの開発も行なわれてきた。一方,日本や韓国における職員の職能開発は,大学内および大学団体(協会)などにおける研修事業として行なわれてきたに過ぎない。(2)2000年以後,日本でも大学職員の職能開発のための大学院教育(通信制含む)がスタートしたが,まだ緒についたばかりであり,プログラムや開講形態(夜間,週末,夏季・冬季集中等)の面で改善の余地が多い。(例:桜美林大学・大学アドミニストレーション専攻,名古屋大学・高等教育マネジメント・コース,東京大学・大学経営・政策コース)(3)韓国の場合は,国公私立を包含する大学団体(韓国大学教育協議会)が,大学評価認定制度の運用と連動させて職員研修を体系的に行なってきているが,近年,専門職大学院(教育大学院)における大学職員の教育が本格化している。(亜州大学教育大学院・大学行政管理専攻)(4)これらのケース・スタディに加え,職員研修に関する文献目録を作成し,本テーマに関するデータベース構築の基礎作業をすることができた。
著者
岩田 美喜
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、18世紀のイギリス演劇に描かれる「非標準的な英語」を喋る人物たちに焦点を当て、ことばを通じた地理的/政治的/社会(階級)などによる〈他者化〉の現象を探るものである。18世紀は英語の標準化が進んだ時期であり、演劇という文芸ジャンルはそれ以外の英語を用いる者を「周縁」として前景化するはたらきを持っていた。だが、本研究ではさらに一歩踏み込んで、周縁的存在とされるアイルランド人劇作家たちが自ら差異化のシステムを助長するような作品を書いたケースを分析し、また日本における言語を通じた差別化の問題を比較文化的に論じるなど、一枚岩的には成り得ない「言葉と差別」の実相を明らかにした。
著者
服部 英雄
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

佐賀平野に残る地名を聞取調査によって網羅的に収集した。佐賀県の小字は明治の地租改正時に数字のくみあわせなどによって新規に採用した新地名である。地元ではこれと異なる俗称として様々な小地名を使っていた。こちらの方が中近世の古文書の記載に合致する歴史的な地名である。佐賀ではこうした地名をしこ名と読んでいる。今回の調査では、多数の調査員の協力により、700の村の古老を訪問し、この俗称・通称として語り伝えられてきた地名の収集を試みた。その結果佐賀平野分で15、000程の地名が収集できたし、それを地図上に落とすことによって後世に記録として残すことができたのである。これらを歴史資料として活用していくことは様々に可能となった。条里の復原には多くの坪地名が活用できる。従来の調査研究が明らかにしていた坪地名(条里制の遺称地名)と比較しても、およそ2〜3倍の坪地名が収集できたので、各群毎に詳細な復原が可能になった。条里の施工単位の微妙なずれなども明らかになった。荘園地名によっては、中世の村の景観が復原できる。つまり用作・正作といった領主直営田を示す地名によっては中世の開発・干拓の様子を知ることができる。アオ潅漑を利用している地域においては、中世文書の記述との組み合わせによって、中世には既にアオに依拠する耕地が多かったことも明らかにできた。近世の村については、たとえば木戸地名・高札(制札)地名・硝煙蔵地名をてがかりに村の景観を考えることができる。このように本研究では、地名を聞き取りによって網羅的に収集することを目的としたが、その当初の目的はかなりの程度達することができ、また歴史地図である地名地図を作成したことにより、後世への記録を残すことができた。と同時に今後のこれらの地名を利用した新しい研究の展開に道をつけることができた。
著者
大森 毅 川原 一芳
出版者
科学警察研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

化学テロ現場において、原因物質のみを特異的に除染できる方法の開発を目指して、有機リン系化合物分解酵素であるorganophosphorus hydrolase(OPH) の遺伝子に変異を導入し、サリンやVX等を効率的に分解する酵素の開発に取り組んだ。136Leu、254Tyrおよび257Hisの3箇所のアミノ酸を置換した5種類の変異酵素を作成し、有機リン系化合物分解反応を調べた結果、Tyr254Hisの変異を導入した酵素が最も高い分解能力を示した。さらにこの酵素を担体に固定して作成したバイオリアクターは活性を維持し化学剤を分解したことから、酵素によるテロ現場除染技術への発展が可能と考えられた。
著者
植月 惠一郎 松田 美作子 山本 真司 伊藤 博明 木村 三郎 出羽 尚
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近代初期英国文学とエンブレムの関係を明らかにした。シェイクスピア劇や十七世紀英詩を対象に、キリスト教的起源の聖なる図像、モットー、警句と多神教の異教や土着の習俗起源の世俗的な図像、モットー、警句の絶妙な絡み合いから文学の豊饒な表現が生まれた過程を研究した。一方で地理的にも視野を拡大し、ドイツ、フランス、オランダなどを中心とする当時の文化的先進国のエンブレムが、英国のエンブレムに与えた影響も研究し、時間的な視野も拡げ、図像と警句の関係は、十八~十九世紀の挿絵と物語の関係にも転じ、エンブレムの時間的変移も研究した。
著者
土田 玲子 加藤 寿宏 日田 勝子 太田 篤志 岩永 隆一郎
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

4歳から10歳までの発達障害児(DSM-TRによる学習障害-LD-、運動能力障害-DCD-、コミュニケーション障害-CD-、広汎性発達障害-PDD-、注意欠陥-ADHD-のいずれかの診断に属する者)36名に対し、新しく開発された日本版感覚統合検査(JPAN)および南カルフォルニア感覚統合検査(SCSIT)等、関連する発達検査のデータを収集し、その関連性(妥当性)、識別性について検討した。その結果、SCSITとの関連については、発達障害児データの81%が障害カテゴリーに入ることが示され、その妥当性が確認された。さらに、発達障害児群をPDDと非PDD群に分けて分析すると、IQに関しては両群に差異が認められないにもかかわらず、PDD群に有意に姿勢、平衡機能、行為機能、視知覚、目と手の協調運動の問題が大きく認められた。ゆえに、JPANは従来の知能検査では捕らえることのできない発達障害児の感覚運動機能の障害を明らかにできる妥当性が高い検査であることが示唆された。今後の課題として、障害児データ数が目標数に達しなかったため、さらに時間をかけて本研究を継続する必要があることがあげられる。
著者
三好 重明 三松 佳彦 高倉 樹
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

葉層構造は可積分接平面場であるが,1 次元接平面場に,より強い可積分条件を課した完全積分可能なベクトル場に関し,閉葉の位置の問題に関する研究を行った.即ち,3 次元開多様体内に与えられた絡み目を平面への沈め込みの 1 点の逆像として実現する問題に関し,その為の必要十分条件を与え,さらに結び目の場合にその古典的な不変量による記述を与えた.完全積分可能なベクトル場に横断的な 2 次元葉層構造は Thurston の不等式を自然に満たし,開多様体上のそのような自然な族を与える.開多様体上で Thurston の不等式を満たす葉層構造を考察する為の一つの自然な雛形を与えると期待できる.
著者
高井 正三 藤本 幸夫
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目標は,刻手及び印影画像と古文書の写真画像を現行データベースに組み込めるよう,DBシステムを再編成し,画像データを追加して,Ajaxによる画像データベース検索ツールを研究開発することである.この目標を達成するため,(1)入力した写真画像は4,561枚,フィルム画像は11,135枚で,この古文書・絵画等からの刻手・印影画像の切り出しとAjax用の画像の細分化を実施する予定であったが,刻手の版心部の画像は通常山折りになっている部分の記号であり,半分の画像しか得られていないこと,この画像と刻手の同定が不可能に近いこと.また,所蔵者の印影は原文画像との重なりが多く,入力した原文画像からの切り出しが困難であること.絵画に多く押印されている著者印の印影については,逆に日本現存朝鮮古書との関連付けが困難なことが判明し,今日まで藤本幸夫氏が蓄積してきた日本現存朝鮮古刊本刻手名データベースを作成し,これに今後刻手関連画像を連携させることとした.(2)Ajax技法によるUnicode入力支援ツールは完成したので現行の日本現存朝鮮古書データベース・システム(DOKB)に組み込み,実運用している.(3)Ajax技法による検索語類推表示システムは試作品が完成し,DOKBシステムの更新に合わせて組み込む準備ができている.(4)Ajax技法による画像検索ツールは試作版が完成し,画像データベースの本格稼働に向けてシステム開発を進めている段階である.研究成果は学術情報処理研究,電気関係学会北陸支部連合大会の他,「Ajax技法による日本現存朝鮮古書DB入力援と画像DBシステムの開発」という論文を富山大学総合情報基盤センター広報Vol.5に公表した.改訂版DOKBシステムにはAjax漢字入力支援システムが組み込んである.なお,Unicodeの拡張Cの進捗を見極め,Ajaxの有効性を探るため,第30,31回国際化Unicode会議に出席し,DOKBシステムに関するレビューと意見交換を行った.
著者
前田 稔
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

病院患者図書館の現状に関する調査活動について、全国の病院に対するアンケート調査を行った。この調査は約5年ごとに行ってきた調査であり、今回は5300病院を対象に行った。調査項目は下記である。①図書室や本棚の設置状況(a.患者用独立図書室あり b.患者図書室検討中 c.図書室的機能をもつ患者用図書コーナーあり d. 医療従事者用医学図書室あり e.医学図書室の患者開放 f.患者向け本棚なし)②患者向けの図書室や本棚の利用対象(g.入院患者 h.通院患者 i.家族や付添人 j.院外市民 k.職員)③患者向け図書提供と関わるかたはどなたですか(l.司書 m.医師 n.看護師 o.医師看護師以外の医療系職員 p.事務系職員 q.病院OB r.院内ボランティア s.院外団体からの支援 t.公立図書館 u.委員会等で合議 v.近隣病院と連携 w.図書担当者なし x.他)④患者向け図書の運営(y.院内貸出 z.院外貸出 a.病棟へ巡回配本 b.貸出手続きあり c.図書を分類整理 d.分類ラベルの貼付 e.担当者の常駐 f.蔵書目録(リスト)の作成 g.読み聞かせ h.小児看護のプレパレーションで利用 i.他)⑤患者向け院内提供資料(j.闘病記 k.医学専門書 l.健康関連書 m.一般書 n.絵本・児童書 o. 漫画 p.新聞 q. 雑誌 r.パンフ s.独自制作資料 t.映像音声資料 u.ネット端末 v.アプリ w.他)⑥通話外のスマートフォン・タブレットと患者(x.病床での使用可 y.待合室での使用可 z.利用区域で使用可 a.院内禁止 b.端末を貸出 c.患者用院内無線LANあり)アンケート結果に関しては現在集計中であるとともに、集計中に調整点が判明したため、現在調整中である。今後、集計結果について報告を行っていく予定である。
著者
小林 猛久 淺間 正通 小林 稔 杉本 昌昭 西岡 久充 田中 美和
出版者
和光大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

地元中小企業がその機動力を以て大学教育に積極的に関与し、同時に学生達もそれらの中小企業から定期的なフィードバックを得て商品の企画開発、ビジネスコミュニケーションの実用的具現など、欧米的なインターンシップの実質を担保しながら実効を得られるシステムを構築できた。そしてこの実践により、多くの学生が地元の中小企業への就職を考えるようになり、実際に複数の学生が就職を果たすという具体的成果が出た。
著者
岸本 肇
出版者
東京未来大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、中国の山東半島・青島(チンタオ)における敗戦の結果、第一次世界大戦中に日本に抑留されていたドイツ兵捕虜のスポーツ・レクリエーション活動の全体構造を明らかにしようとした。インターネット時代に相応した迅速かつ確実な史料収集と、それではできない現地調査の両面から研究を推進した。主たる新たな知見は、以下の4点である。(1)ドイツ兵捕虜のスポーツ活動の素地は、青島(チンタオ)時代にすでにあった。(2)ドイツ兵捕虜の日本到着直後、スポーツ施設が不十分だった時期においては、スポーツに代わる体力づくりや「格闘遊戯」が、運動不足解消のために工夫されていた。(2)ドイツ兵捕虜の学校(主として中学校、師範学校)・地域とのスポーツ交流には、俘虜収容所見学やスポーツ行事の際だけでなく、実際に、学校で体操を示範したり、地域のチームとサッカーの試合をしたりもあった。(3)戦争の長期化が確定的になってからの各俘虜収容所における「スポーツ管理の軟化」から見ると、板東俘虜収容所だけが際立った優遇であったかどうかは疑問である。
著者
二階堂 裕子 駄田井 久
出版者
ノートルダム清心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、日本の企業や地域社会で実施されている日本語学習活動を、外国人技能実習生をめぐる課題の解決策のひとつとして位置づけ、その意義を明らかにしようとした。得られた主な知見は、以下の通りである。第1に、企業が日本語学習や帰国後就労の支援に尽力している場合、日本での就労経験に対する技能実習生の満足度は高い。第2に、帰国後、日本で修得した技能や日本語能力を活用して再就職できた元技能実習生の場合、来日前よりも職業的地位が上昇する傾向にある。一方、経験と能力に見合った就職先のない人も多い。第3に、過疎化が進む中山間地域で、地域住民と積極的に関わった技能実習生は、日本語の能力を高める傾向がある。