著者
工藤 天志 正野 隆文 棟安 実治 花田 良子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.284, pp.37-40, 2010-11-11
被引用文献数
1

携帯電話を用いた印刷画像からの情報検出が注目されている.本稿では,携帯電話で画像を撮影する際に起こるレンズ歪みの補正法の改善について述べる.従来手法では,あらかじめ決められた範囲の離散値を歪み係数の候補として,各値に対する回帰直線の誤差を求めて歪み係数を決定していたが,多数の候補点について探索を行うため処理に時間がかかっていた.そこで,歪み係数の推定に黄金分割による直接探査法を用いることで,処理速度の向上を図る.また,歪み係数の推定を高速化できたため,より歪み係数の推定精度を向上するため,補正に利用する辺を従来手法の上辺,左辺のみから,すべての辺を考慮する手法を提案する.
著者
前川 泰之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.380, pp.7-12, 2001-10-17
参考文献数
7

大阪電気通信大学(寝屋川市)構内で過去13年間連続測定した放送衛星電波(11.84 GHz、右旋偏波、仰角41.4°)と通信衛星ビーコン波(19.45GHz、右旋偏波、仰角49.5°)の観測データを用い、各種前線通過時におけるKa帯およびKu帯衛星電波の降雨減衰特性について比較検討を行った。減衰比の年変化には、梅雨期と秋雨期の停滞前線による降雨の影響の大小関係が深く関連しており、梅雨期に停滞前線上を低気圧が通過する際に発生する降雨では両周波数帯の減衰比が大きいのに対し、秋雨期の前線の南側で発生する降雨では夏季の夕立と同様減衰比が小さいことが分かった。この変化は主として雨滴粒径分布の差異で生じることが示された。
著者
野村 康祐 安部 征哉 福島 健太郎 庄山 正仁 松本 暁 福井 昭圭 山崎 幹夫 二宮 保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.371, pp.105-109, 2010-01-14

近年、データセンターの規模は年々拡大し、その消費電力は著しく増加している。そのため、データセンターにおける給電システムを従来の交流給電から直流給電へ移行し,消費電力を削減することが検討されている。この直流給電システムにおいて、過電流から系統を保護することは最も重要な事項の一つである。そこで、保護用デバイスとして、高速な遮断が可能である半導体遮断器の適用が検討されている。しかし、遮断の際に発生するノイズ電流により他系統の半導体遮断器に誤動作が発生する。本稿では、ノイズ電流による半導体遮断器の誤動作の発生メカニズムについて検討する。
著者
中村 崇仁 佐野 雅己 沢田 康次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.193, pp.41-48, 1999-07-19

強化学習において、Temporal Difference (TD)学習の発展形であるQ-Learningがよく用いられている。この方法は、状態と行動の対を評価する。そのため、高次元空間では多大な時間、計算資源が必要となる。そこで、本研究では、単一のエージェントを、積極的に複数のエージェントとしてとらえ、出力(行動)の決定を分割するアルゴリズムを提案する。このアルゴリズムにより、探索空間を縮小することになり、収束までのステップ数、計算時間、消費メモリ量の改善がみられた。その評価を行い、応用例を示す。
著者
畠山 良己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.95, no.219, pp.19-26, 1995-08-25

音により魚群の行動を制御したり、大きな音の漁業への影響を評価するために重要な4種類の音圧レベルがある。第1番目が音を聴くときの基本的特性ともいうべき魚の聴覚閾値である。現在世界中で30魚種以上のオージオグラムか測定されており、ここ10年で日本でも6魚種について測定された。第2番目が誘致レベルであり、多くの放声実験で誘致的反応があった魚群位置の音圧を計算してみると、大まかには110-130dBの範囲にあった。第3番目は威嚇レベルで、一般的魚で140-160dBの音圧に驚く反応を示した。第4番目が損傷レベルで、海底に埋めた火薬の発破では220dB以上で死ぬ魚の発生の可能性がある。
著者
森東 淳 福元 伸也 大塚 作一 三部 靖夫 田中 宏征 武田 光平 野村 雄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.43-48, 2010-03-08

2次元コードが,広告におけるWebページとの連携を目的として広く利用されている.しかし,デザイン性を損なわないように,2次元コードを小さく表示するのが一般的である.このため情報取得が煩わしく,また取得時間がかかるという問題があった.また,デジタルサイネージにおいては,ディスプレイ解像度の問題も加わるため,デザイン性と機能性の両立がより困難になると予想される.そこで,動物体の接近を感知し,2次元コードを適応的に拡大表示する手法を提案する.また,提案手法の有効性を確認する実験を行なった.その結果,(1)提案手法では取得時間を5秒程度短縮できる可能性があること,(2)2次元コードの適切な拡大時間が250ms程度であること,が示唆された.
著者
大竹 杏奈 浦 正広 久野 秀幸 中 貴俊 山田 雅之 遠藤 守 宮崎 慎也 安田 孝美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.110, no.35, pp.57-58, 2010-05-07

地域の活性化において観光は重要な要素であり,その集客において広告の果たす役割は大きい.しかし,観光は居住地域や年齢の異なる様々な層を対象とするため,単一メディアによる情報配信ですべての層をカバーすることは困難である.そこで本研究では,複数のメディアを用いることでそれらの層をカバーする,ワンソース・マルチユースのクーポン配信システムを構築する.
著者
伴野 明 岸野 文郎 小林 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.636-646, 1993-03-25
参考文献数
12
被引用文献数
52

本論文では,画像処理を用いた視線検出手法をインタフェースの環境で実現することをねらいとして,特徴点である瞳孔を安定に抽出するための照明条件について明らかにし,また,アクティブステレオカメラを用いて特徴点の空間位置を求め,視線を検出する装置の試作について述べる.瞳孔の抽出では,照明の波長と瞳孔像の輝度の関係,瞳孔の2値化に必要な照明強度などについて求めた.また,パイプライン画像処理装置を用いて特徴点を実時間で抽出した.視線の検出では,瞳孔と顔の3点を特徴点として用い.これらの動きを追跡するようにカメラを駆動制御し,検出範囲の拡大と高精度化を図った.試作システムを用いて,指標ボードを注視したときの注視点を実験により求め性能を評価したところ,頭部の動きを許容して,視角誤差1度程度で,毎秒10回の検出が可能であった.また,瞼などによって瞳孔像が欠落すると,注視点の検出精度が低下するため,瞳孔をだ円近似する手法を提案し,精度の低下防止に有効であることを示した.
著者
島村 達也 関口 啓貴 北島 律之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.143, pp.51-54, 2006-06-29
被引用文献数
1

仮想経路が提示されるヘッドマウントディスプレイを装着して,実際に経路を10mから20m歩行した際に,映像の種類によって歩行距離が影響を受けるかどうか調べた.操作したパラメータは,経路周囲の物体密度と,映像の移動速度であった.実験の結果,歩行距離に対する映像の顕著な影響は見られなかった.本研究で用いた歩行距離内では,ヒトの歩行による距離評価システムは,視覚による影響を受けづらく,比較的頑健であると推測される.
著者
佐藤 智紀 深江 唯正 宮本 龍介 岡田 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.74, pp.1-6, 2010-06-03
参考文献数
4

近年,不審者侵入などに対するセキュリティ技術の向上が急務となっており,その一つとして通信用に用いられる漏洩同軸ケーブル(LCX:Leaky CoaXial cable)を利用した物体検出技術の研究が行われている.しかし,LCXを用いた物体検出においては,LCXが揺れた場合などの外乱の影響を受け受信レベルが変動した場合に侵入者として誤検出を起こしやすいという点が挙げられる.外乱除去法について検討するにあたり,あらゆる外乱に対して定量的な評価を可能とするようなモデルが必要であり,本研究では,レイトレーシング法を用いたLCX侵入者検出システムのシミュレータモデルを作成し,FDTD(Finite Difference TimeDomain)法を用いた電磁界解析結果との比較を行うことで,シミュレータにおいて構築したモデルの精度の評価を行った.その結果,レイトレーシング法が通常用いられる電磁界解析法であるFDTD法と同等の結果を得られることを確認した.
著者
藤木 哲也 早瀬 康裕 井上 克郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.169, pp.65-69, 2010-07-29

ソフトウェア開発者はプログラム理解の際に,ソフトウェア中の識別子から関数や変数の役割や振舞いを類推する.識別子名中の単語の意味や用法は自然言語とは異なる場合があるために,作業者は類推を行うためにソフトウェア開発の経験からソフトウェア独特の意味や用法を学ばなければならなかった.本稿では,類推を支援するために,識別子名に出現する名詞の説明文を自動的に生成する手法を提案する.名詞の説明文の生成には,ソースコード中に記述されたコメントを利用する.コメントに対して自然言語処理を行い,名詞の説明を行っている箇所を抽出することで説明文生成を行う.また,実際に提案手法を適用した結果についても示す.
著者
松本 雅行 北村 知
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.143, pp.37-44, 2000-06-16
被引用文献数
3

JR東日本では、山手・京浜東北線の保安装置であるATC装置の老朽取替に伴い、現行のATCとは抜本的に異なる車上主体形の新しいATC(デジタルATC ; D-ATC)の開発を行った。D-ATCの開発に当たっては、安全性の確保を前提としつつ、その中でより稼働率を高めるために、いくつかのアシュアランス技術を用いた。ここでは、D-ATCの開発の方向と、そこで用いられているアシュアランス技術について述べる。
著者
打矢 匡 柏 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.1122-1125, 2001-11-01
参考文献数
4
被引用文献数
25

スーパコンピュータは数T FLOPS/数百GByteの性能をもつに至っている.本研究では, 汎用的電磁界解析法であるFDTD法についてMPIを用いて並列型スーパコンピュータに対応した並列化を行い, その実行性能を調べた.
著者
久保 純哉 井上 富雄 三瀬 敏朗 新屋敷 泰史 橋本 正明 片峯 恵一 鵜林 尚靖 中谷 多哉子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.326, pp.1-6, 2008-11-20

組込みソフトウェアの開発においては,システムの障害などを処理する非正常系が,開発規模の約7割を占めている.筆者らが既に提案している組込みソフトウェアの非正常系分析手法において,HAZOP(Hazard and Operability Study)のガイドワードは重要な役割を持っている.しかし,ガイドワードの体系は,未整理である.そこで,本稿は,要求された品質とその品質を実現するための機能の関係を示すQFD(Quality Function Deployment)と,ガイドワードの関係を考察する.
著者
池田 健吾 黒田 英夫 藤村 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

近年ワープロの普及により,一般の人でも整った活字体文字で文書を作成することが一般的になっている.しかし,一方で,画一的な活字体が個人的な手紙などに使われることに対して,個性がないなどの理由により敬遠される傾向がある.そこには,より人間的な文字を使いたいという要求がある.そこで我々は人の特徴を取り入れた書体の自動生成を目指している.そのなかで漢字のストロークから文字の特徴を正確に取り出すために,正確な芯線を取り出す必要がある.今回我々はヒゲの少ない輪郭線追跡細線化法を提案する.