著者
山肩 洋子 正司 哲朗 角所 考 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.433, pp.55-60, 2005-11-17
参考文献数
5
被引用文献数
5

調理者の調理を知的に支援するスマートキッチンの研究を通じて, 調理観測機能や音声対話機能を持つキッチンシステムを構築した.本稿ではこのキッチンシステムを用いて, 一般の調理者が自分の考案したレシピのマルチメディアコンテンツを作成するというタスクにおいて, (i)カメラやマイクにより調理者の調理行動を認識し, レシピに基づき調理進行を把握し, (ii)アシスタントエージェントが調理者と音声対話することにより言語的な情報を追加して, (iii)レシピに対し冗長な映像部分を削除編集して, 視聴者に分かりやすいマルチメディアコンテンツを自動生成するための枠組みと, 作成したコンテンツに対する考察について述べる.
著者
郡 武治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.446, pp.19-24, 2008-01-17
被引用文献数
7

ビタビ復号アルゴリズムを用いた最尤位置推定法を新たに提案する。提案方法は計算機シミュレーションにより検証し、実現可能であるあることがわかった。実現できれば、1チップLSIで駆動し、1秒間に数メガ回最尤位置推定することが可能である。特性としては、移動端末から送信される信号を最も大きい受信電力としてとらえたノードの位置を移動端末の位置とする従来方法に比べ、位置検出平均誤差が最大60%少なくなることを、自由空間等に簡易化したモデルで確かめた。さらに、回路規模の推定を行い、中規模の市販FPGAで実現できる見通しを得た。本文では、最初に動作原理を述べる。次に、16x16の固定ノードより構成される空間モデル上を移動端末が移動することを想定し、検証と同時に特性をもとめ結果を示す。最後に、回路実現のため必要な、パスメモリ打ち切り段数、ACSとパスメモリ量の推定を行い、FPGAのエレメント換算により、回路規模を見積もっている。
著者
横井 謙太朗 河原 達也 堂下 修司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.449, pp.71-78, 1997-01-17
被引用文献数
9

ニュース音声データベースから特定の話題に関連したニュース音声を検索するシステムを実現するため、ニュース音声に話題情報を付与することを考える。新聞記事のテキストデータベースから話題を規定するキーワードを抽出し、それらの話題依存性の統計量を求める。認識器により抽出されたキーワードをもとにこの話題依存性の晴報を総合していくことで、文全体の話題を同定する。今回は、単一単語の話題依存性だけでなく単語共起のもつ話題依存性も利用する機構を提案する。これによってより誤りに強い話題同定が行なえることを、シミュレーションにより実験・評価する。
著者
菅原 崇行 樺沢 正之 宮永 喜一 吉田 則信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.573, pp.65-70, 2001-01-24
参考文献数
5
被引用文献数
2

本文では、アナログ回路を用いたフーリエ変換器の設計について報告する。古くから信号処理の領域において、フーリエ変換による短時間スペクトル分析は非常に有効な手法であり、多くの応用に利用されている。我々がすでに提案している音声認識システムも短時間フーリエ変換処理を音声波形の前処理に利用しているが、本システムでは変換後のデータクラスタリング・ラベリング部分がアナログ回路化されているため、短時間フーリエ変換器をアナログで構成することが望まれていた。本文ではキャパシタの構成をメッシュ形にしたCマトリクスを用いることにより、シンプルな回路構成でチップ面積の最小化が可能なアナログ回路による実現を示す。
著者
宇野 由美子 齊藤 一幸 高橋 応明 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.278-285, 2010-02-01
参考文献数
16
被引用文献数
2

人体近傍で用いられる機器のアンテナの設計では,人体との相互作用を考慮することが重要であり,その影響を評価する際には,人体の組織構造を簡易化した均質ファントムを用いた検討が一般的である.しかしながら,均質なモデルを用いることの妥当性の検討例は少ない.本論文では,2〜10GHzにおける人体の組織構造がアンテナ特性に与える影響の基礎的な検討として,均質媒質モデルと人体の組織構造を考慮した層構造モデルの近傍に半波長ダイポールアンテナを配置し,それらの人体構造の差異がアンテナ特性に与える影響について定量的に評価した.また,実験により数値計算の妥当性を確認するために,広帯域層構造ファントムの開発を行った.その結果,アンテナをファントムから0.3λ以上に配置した際の両モデル間の入力特性,放射指向性,放射効率の差異は小さいことを確認した.しかしながら,アンテナとファントム間の距離が0.1λの場合の両モデル間の差異は,VSWRは0.1以上,放射効率は15%以上あるなど,アンテナ特性の差異が大きいことを確認した.
著者
原田 圭裕 古屋 貴大 高橋 信道 長谷川 光洋 中里 智章 大倉 典子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.68, pp.131-134, 2014-05-22

近年,若者の車離れが指摘されている.その問題に対して先行研究では,若者が車に対して魅力を感じてもらうためには,車の外見だけではなく「運転する楽しさ・喜び・感動」といった「わくわく感」を体感できることが重要だとされている.そこで本研究では,若者の「わくわく感」を生体信号で定量評価し,そこで得られた知見を,車載機器に適用し,評価することを目的とする.本報では,作成したわくわくするコンテンツに対して,生体信号から導出される生理指標を用いて評価した実験について報告する.
著者
阿保 真 河辺 成和 長澤 親生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.210, pp.77-82, 1999-07-22

小型で簡易な高層大気の新しい観測手段として、擬似ランダム変調方式バイスタティック流星レーダの開発を行った。CWレーダに擬似ランダム変調方式を用いることによって、電波の伝搬距離測定と干渉波の除去を実現できることを原理的及びシミュレーションにより明らかにした。また、擬似ランダム変調方式を用いることによりS/Nが改善されることがわかった。更に、GPS衛星による時刻同期等を用いたシステムのハードウェアの設計を行った。基礎実験では流星エコー数の日変化の測定を行った。
著者
太田 憲 羅 志偉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.98, no.671, pp.17-21, 1999-03-18

生体の運動には自覚的・意識的に行う運動と, 反射的・無意識的な運動とに分類することができる。また, 意識的に行う運動は繰り返し学習するによって次第に精練化され, 無意識的・反射的な運動技能へと変化していく特徴が認められる。この運動の無意識化は脳の上位レベルの負担を軽減するばかりでなく, それによって獲得された技能の蓄積によって巧みな運動を即時に遂行できると考えられる。生理学的な研究によれば, このような運動学習に大脳基底核が大いに関与していることが示唆されている。本研究では, 脳に関する生理学的な知見を参照し, リズム協応運動学習の実験を行い, 学習過程における運動の無意識化について考察する。
著者
永井 秀利 中村 貞吾 野村 浩郷
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.690, pp.25-32, 2003-02-28
参考文献数
16

我々は,マイクで拾えない程度の微発声または無発声で発声された発話の内容を認識し,これを計算機への自然言語入力として用いることを研究している.人が発声を行う場合,実際には声に出さなかったとしても,声を出した場合に類似した筋肉の活動が生じると思われる.そこで我々は,それを表面筋電位から捉えることにより,発話内容を認識することを目指している.本稿では,日本語の5母音の認識に活用するために,表面筋電測定位置として口裂周辺の4個所を選定した.その表面筋電波形を計測して分析を行った結果,この4個所でも母音認識の手がかりがかなり得られることや,声の強弱などの発声時の特徴も波形に反映されていることが確認できた.
著者
藤本 典幸 萩原 兼一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.173, pp.61-66, 2005-07-08
被引用文献数
3

個人ユーザを対象に, 数Mbps程度のインターネット回線1本とコモディティPC1台のみを用いて, ウェブページ上に掲載されているマルチメディアデータをキーワード検索するシステムの設計と実装, および評価結果について述べる.サポートされるデータ形式は, 画像(JPEG, GIF, PNG), 動画(MPEG, FLASH, RealMediaなど), 音声(MP3, wave, MIDIなど), PDFファイルなど, HTMLのIMGタグ, Aタグ, OBJECTタグ, EMBEDタグで記述できるもの全てである.本システムはユーザがクエリーと収集時間を入力した後に, Google Web APIを用いて取得したウェブページ群を種ページとして, 指定された時間の間, トピック主導型クローリングを行い, 収集したHTMLのテキストベースの解析を行う(マルチメディアデータの内容解析は行わない).クローリングアルゴリズム, スコアリングアルゴリズムを工夫し, マルチスレッドプログラミングを行うことにより, 本システムは, 各ウェブサイトにかかる負荷を考慮しつつ, ユーザのクエリー入力後30秒間で150ページ前後のウェブページをクローリング, 解析し, 300個程度のマルティメディアデータ(多くは画像)をスコア順に出力することができる.
著者
相澤 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.154-158, 1993-02-25

東京都は,東京臨海部に情報化・国際化に対応する未来型の理想的な都市「東京テレポートタウン」を開発する計画を進めており,21世紀初頭には就業人口約11万人,居住人口約6万人のウォーターフロントの魅力あふれる都市を完成させる予定である.東京テレポートタウンにおいては,最先端の情報通信基盤が都市基盤の一環として先行的に整備されると共に,情報通信多様型の業務集積が形成され,未来型情報都市「東京テレポート」が建設される.情報通信基盤の整備が待ちづくりの重要な要素として一体化している典型的例である.
著者
河合 信宏 川人 祥二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.339, pp.75-80, 2002-09-19
参考文献数
7

本論文では,CMOSイメージセンサにおいて高ゲインカラムアンプを用いた際のアンプノイズについて述べる.画素部から信号を読み出す際に,カラムに並べたカラムアンプで増幅することにより,それより後段のノイズを小さく見せることができ,SNRの向上を図ることができる.ノイズ解析モデルを確立し,ノイズ解析を行ったところ,カラムアンプのゲインを大きくすることで,それより後段のノイズを低減できるだけでなく,カラムアンプ自身のノイズも低減できることが分かった.
著者
中村 克行 趙 卉菁 柴崎 亮介 坂本 圭司 大鋸 朋生 鈴川 尚毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.7, pp.1143-1152, 2005-07-01
被引用文献数
22

本論文では, 複数のレーザレンジスキャナを用いた歩行者トラッキングの方法, 及び駅での検証実験について述べる.提案手法は, ネットワークを利用して複数のレーザスキャナを同期させ, 得られた足断面のレンジデータから歩行者トラッキングを行う.トラッキングアルゴリズムは次の機能で構成される: レンジデータのクラスタリングによる足候補の検出, 足候補のグルーピングによる歩行者候補の検出, 歩行者候補の動きベクトル検出, 歩行モデルに基づく拡張カルマンフィルタによる既存軌跡の延長処理.提案手法を東京都内の駅構内コンコースに適用した結果, 最大で約150人を同時にトラッキングすることができた.トラッキング精度は, 通勤ラッシュ時において8割を超えた.広範囲における高密度の群集計測への応用が期待される.
著者
大藤 義顕 川村 輝雄 樋口 健一 佐和橋 衛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.305, pp.125-130, 2006-10-12
参考文献数
17

シングルキャリア(SC)-FDMAを用いる上りリンクのEvolved UTRAにおいて,広帯域のパイロットチャネルで測定したチャネル品質情報(CQI: Channel Quality Indicator)に基づく周波数領域スケジューリングはスループット増大に有効である.しかしながら,上りリンクのパイロット信号にCAZAC (Constant Amplitude Zero Anto-Correlation)系列などの相関特性の良好な系列を用いた場合には,送信帯域幅の異なるパイロットチャネルをDistributed FDMA多重すると,パイロットチャネルの系列数が減少する問題が生じる.そこで,本稿では,複数の帯域の異なるパイロットチャネルをDistributed FDMA多重した場合の,系列数の減少を最小限に抑えるため,CQI測定用のパイロットチャネルの送信帯域幅に基づいてUEのグループ化を行い,グループ毎に送信帯域を分離して割り当てるCQI測定用パイロットチャネルの送信帯域の割り当て法を提案する.計算機シミュレーションにより,グループ毎にCQI測定用パイロットチャネルの送信帯域を分離することにより,従来のグループ化を行わない場合に比較して,パイロットチャネルの系列数を増大した上で,同程度のセクタスループットを実現しつつ,ユーザスループットの累積分布の5%値を2倍程度に向上できることを示す.
著者
安田 彰 谷本 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

D/A変換器の精度は一般に素子精度の影響を直接受けるため、従来よりこれを改善する方法が考えられてきた。その一つとしてダイナミック・エレメント・マッチング法(DEM)がある[1]。この方法では、各々の変換においてすべてのセルを均等に用いることにより、素子精度の影響を排除している。また、複数回の変換でセルを均等に用いる"random averaging method"(RA)[2]や"individual level averaging approach"(ILA)[3]がある。また、谷らは[3]は1次のノイズシェーピングであることを示した[4]。さらに、[5]では高次のノイズシェーピング特性を持ったダイナミック・エレメント・マッチング法を提案している。本稿では、上に述べた従来方法を統一的に扱う試みとして、ノイズシェーピング・ダイナミック・エレメント・マッチング法(NSDEM)を提案する。さらに、従来方法はNSDEMのサブセットであることを示す。
著者
岩淵 勇樹 秋田 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.163, pp.165-170, 2007-07-19
参考文献数
8

撮像素子やディスプレイなどの画像システムを構成する画素は、通常は正方などの格子状に配置される。しかしこのような画像システムの映像は、最終的に鑑賞されるわれわれの目には、ギザを伴って映る。この問題の解決のために、従来は高解像度化やスムージングなどの手法がとられてきたが、特に傾きの小さい斜め線のギザは、複数の画素から構成されるためにわれわれの目には知覚されやすく、映像の高精細化を阻む要因となる。本稿では、画素の配置を周期的でない、ビット逆転に基づいた配置とすることでこの問題を解決する方法を提案し、ギザの特性について従来の正方格子状の配置と比較する。なお、従来の格子状の画像データは、垂直・水平方向の伸縮を施した場合、サンプリング点に縞状の疎密ができるが、本方式では垂直・水平方向の伸縮において疎密の変化が小さいという特長もある。
著者
辻 康博 星 守 大森 匡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.565, pp.17-24, 1997-03-06
参考文献数
9
被引用文献数
38 13

データベースからの楽曲の検索法で、キーワードによる検索以外の方法として、感性語による検索法を提案する。楽曲の旋律に含まれる音高、音長の局所パターンを特徴量として用い、この特徴量の曲の分類という点における有効性を、主成分分析などの統計分析により検討した。分析の結果、この特徴量は曲の分類に有効であることがわかった。これを踏まえて、局所パターン特徴量と感性語データとで正準相関分析を行ない、検索空間を作成し、この空間を使用して音楽データべース検索システムを作成した。550曲のデータベースに対して評価実験を行なった結果、この特徴量を用いた感性語による検索法は有効であることが確かめられた。
著者
佐々木 紀夫 村岡 裕明 中村 慶久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.563, pp.19-24, 2001-01-11

ハードディスク装置における転送時間シミュレーションを行い, 転送時間のハードディスク装置のパラメータによる依存性やマルチヘッドシステムによる高速化について検討している。回転数, 平均シーク時間, セクタサイズ依存性を検討し, データの配置が転送時間に重大な影響を与えることが明らかとなった。またマルチヘッドシステムにより動画データの転送時間について検討した結果, ヘッドの複数化は効果的であることが確認された。