著者
渡辺 斉
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.48-54, 1953-03-01
被引用文献数
1

菜豆品種"金時"について,花芽の分化,発育及び開花の様相について調査し,次の結果を得た。1.花芽は,葉腋に分化し,頂芽が花芽になることはない。2.主枝及び側枝の葉節位の分化は,比較的速やかに行われ,その葉腋に短期間内に,花芽の分化が起る。3.葉腋に分化する始原体は,腋芽又は花芽として分化,発育する場合と,それが更に二つに分かれ,一は花芽,一は腋芽の始原体になる場合とある。4.第1複葉が展開するころ,花芽分化が始まり,第3複葉の展開時には,発育の早い花芽は,雌蕋形成達期にする。5.花芽の増生は,分化始めから12日位即ち,展開複葉6枚ごろに一応終了する。6.開花運動は,開花前日の日没頃から顕著になり,午前1〜2時ごろ開葯授粉を認める。花瓣の開綻は,午前2〜4時ごろである。7.不完全開花した花は,完全開花した花に比し,着果率が低い。
著者
石橋 正己 荒井 緑 大崎 愛弓 大槻 崇 當銘 一文
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

平成20年から23年にかけて研究代表者は毎年バングラデシュを訪問し,熱帯植物を中心にバングラデシュ天然薬用資源の調査を行った.その結果,現地特有の植物種や現地で栽培された薬用植物を中心に約200種以上の植物種を収集した.得られた植物エキスに対して種々のシグナル伝達経路(ウィント,ヘッジホッグ,トレイルシグナル等)に対するスクリーニング試験を行い,選別された植物エキスより数多くの新規生物活性天然物を単離した.
著者
元木 泰雄 横井 政人 小杉 清
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.31-36, 1972-12-25

1.1才ザクロおよび1才サルスベリのさし木3年苗と,本年生の実生苗について,千葉大学園芸学部において,花芽の分化発育状況を調べた.2.1才ザクロのさし木苗では,1971年には4月19日肥大期,5月3日がく片形成期と進み,6月7日から第1回の開花が始まった.その後7月5日には,第2回の肥大期が認められ,8月9日には,はい珠形成期まで進み,ついで開花した.3.1才ザクロの実生苗では,6月7日肥大期,8月9日はい珠形成期と進み,8月30日に開花し始めたが,この場合には,1回しか花芽分化がみられなかった.4.1才サルスベリのさし木苗では,1971年には4月26日肥大期,5月3日がく片形成期,6月28日雄ずい形成期と進み,7月12日から開花し始めた.5.1才サルスベリの実生苗では,6月21日肥大期,6月28日はい珠形成期と進み,7月10日から開花し始めた.このように1才サルスベリでは,さし木苗も実生苗も,花芽分化は1回しか認められなかった.
著者
広保 正 矢野 誠一 森永 道彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.43-46, 1970-12-31

キクの生育に対する窒素の供給時期および期間の影響について水耕法で研究した.窒素は7月16日から8月9日まで欠除しても影響がなかったが,それ以上欠除が長くなると生育が悪く開花も遅れた.また9月25日(出蕾)以後は欠除しても差支えなかった.謝辞,苗の供与をいただいた取手市斉藤恒次氏に感謝する.
著者
松本 悟 田代 順孝 宮城 俊作 木下 剛
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.93-102, 1998-03-31

本研究は,都市河川とりわけ近代産業発展の舞台となった隅田川とその沿川の産業施設に着目し,これらがやがて衰退・用途転換していく過程において,河川と産業施設との関係がどのように変化してきたのかについて,河川に対する表裏の認識という視点から分析することを通じて,沿川空間のもつ地域環境デザイン上の意義と課題について考察を行うことを目的に実施した.その結果,産業施設の河川に対する表(産業インフラとして)→裏→表(環境資源として)という認識の変化が明らかとなった.そして,河川と地域との関係を媒介する場としての産業施設の位置的な重要性が指摘され,地域の論理やニーズを的確に反映した空間デザインが課題とされた.
著者
吉田 孝宣 岡崎 伸生 荒木 英爾
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.167-170, 1988

必須脂肪酸欠乏状態にあるドンリュー系雄ラットに腹水肝癌細胞AH130(以下,無脂肪食AH130細胞)を継代移植して,その脂肪酸構成の変化を観察し,宿主の栄養環境の変化が腫瘍細胞に与える影響について検討した。その結果,無脂肪食AH130細胞の脂肪酸組成は普通食で飼育したラットに移植したAH130細胞のそれに比べ,18:1(n-9)の増率と18:2(n-6)の減率,および,20:3(n-9)の出現と20:3(n-6)の消失が見られた。一方,無脂肪食で飼育したラットの肝と血清では,これらの変化に加え20:4(n-6)の減率も認められた。無脂肪食AH130細胞に見られたこれらの脂肪酸組成の変化は,宿主の肝と血清における変化と同方向の変化で,AH130細胞の脂肪酸組成は宿主であるラットの栄養環境の影響を強く受けていることを示している。しかし,20:4(n-6)が宿主の肝においてのみ有意に減率していた事実は,AH130細胞独自の脂肪酸代謝機構の存在を示唆しているものと推定される。
著者
永井 敏雄 小室 一成
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

心血管再生治療、なかでも細胞移植治療は新しい心不全治療法として脚光を浴びているが、その効果の詳細な機序は不明である。我々は、自己組織化ナノペプチドPuraMatrixTMを用いたマウス心筋前駆細胞移植モデルを用いて、抗炎症作用を有する心筋前駆細胞分泌因子soluble junctional adhesion molecule-A (JAM-A)が、心筋梗塞後のリモデリング抑制効果の一部を担うことを解明した。また、新生心筋を評価するための遺伝子改変マウスを用いて、leukemia inhibitory factorおよび心筋前駆細胞移植のそれぞれが心筋再生効果を有することを明らかにした。
著者
尾形 隆彰 犬塚 先 桜井 厚 片桐 雅隆 中澤 秀雄 米村 千代 渋谷 望 出口 泰靖
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

千葉地域における新しい文化の創出や、海という自然環境を生かしたレジャー、ディズニーという人気観光スポットを生かした地域づくり、また都心からの地の利を生かした移住による「田舎暮らし」といった可能性を明らかにした。またそうした地域に住む住民の意識や行動の変化を捉えることにも成功した。
著者
寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,触知覚や操作に対するフィードバック感覚を利用して,直感的に情報を伝達するための方策について検討した。具体的には,飲料の種類を識別できる飲料パッケージ用触覚記号や薬剤の種類を示唆するパッケージ用触覚記号を提案することと,押しボタンスイッチの操作感とスイッチの物理特性の関係を解明することを試みた。本研究の結果は以下のように要約できる。1)晴眼者と視覚障害者を対象とした実験によって,内容物に対応した飲料パッケージ用触覚記号の形状と材質を明らかにした。2)薬剤パッケージを対象として,薬効を示唆する触覚記号と容量の異なるパッケージが存在することを伝える触覚記号の具体案を示した。3)押しボタンスイッチを対象として,スイッチの操作感と操作目的,スイッチの物理特性の関係との対応関係を明らかにした。さらに,スイッチの操作感評価においては,時間の要因を考慮する必要があることを示唆した。
著者
菅原 憲二
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学社会文化科学研究 (ISSN:13428403)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.A23-A38, 2001-02-01

京都御倉町は、現在中京区に属し、三条通に面し、烏丸通と室町通で東西に区切られた両側町である。祇園祭の際には、応仁の乱以前に楊雄山を出し、近世では神輿の轅町であったように、由緒を誇る下京南艮組の古町であった。豪商千切屋惣左衛門が根拠としていた町でもある。この町に町有文書があることは『明倫誌』や秋山國三 『公同沿革史・上巻』に掲載された史料によって、早くから知られていた。しかし、町有文書自体の所在は長い間不明であった。...
著者
西垣 知佳子 中條 清美 砂岡 和子 隅田 英一郎 内山 将夫 徳井 厚子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

グローバル化の進展に伴い,世界の外国語教育は多様化の方向に進んでいる。本研究では多言語教育のための語彙学習教材の開発を行った。研究成果として,1)ペーパー版の英語語彙学習教材を開発し,試用効果を小・中学校で検証した,2)英語教材をもとに中国語,韓国語,日本語学習のためのペーパー版語彙学習教材を作成した,3)ペーパー版教材の成果を踏まえ,iOSを使ってモバイル英語語彙学習教材を開発し,Apple Storeにて公開した。
著者
高橋 英吉 井上 祐吉 永澤 勝雄
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.13-21, 1971-12-31
被引用文献数
1

1.カキ平核無の生理的落果に対する,しゃ光及び環状剥皮処理の影響を調査するため1968年および1969年に試験を行なった.2.1968年および1969年の第2次生理的落果のピークは,それぞれ7月7日および7月5日に現われた.3.アルミニウムを塗布したビニールフィルムによるしゃ光処理は,落果を著しく促進し,落果のピークは6月28日に認められ,対照無処理区にくらべ9日早かった.4.1969年の生理的落果期間中の異なる時期に5日間のしゃ光処理を行なった結果,各々の処理時期ともしゃ光により落果は増加した,しかし,落果のピークの出現は早くならなかった.この相違は1968年と1969年の日照量の差異によるものであろう.5.生理的落果終了後のアルミフォイルによる完全しゃ光および,果実着果部位の上下の環状剥皮による栄養しゃ断は,いずれも落果を促進させた.処理区の果実が50%落果するのは,環状剥皮による栄養しゃ断区が早かったが,全果が落果するのは,しゃ光区が早かった.これらのことから平核無の生理的落果は果実中の炭水化物含量だけでなく内生的ホルモンバランスにも起因するものと考えられる.
著者
浅野 二郎 仲 隆裕 藤井 英二郎
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.109-122, 1987-03-30
被引用文献数
1

紹鴎から利休へとつづくわび茶の草創の時期において,わび茶の先達たちが求めた世界は,一座建立の世界であり,それは,茶の場において亭主の座と客の座がもつ格差の否定につながるものであった.而して,利休が求めるものは,四畳半,三畳あるいは二畳といった,いわゆる小間の茶に佗びすますところのものであった.しかし,うき世の外の道を目指したこのわび茶も,終いにうき世の外のものではあり得ず,やがて,それは客のための茶へ,さらに客のもてなしのひとつとしてとらえる茶へと変容する.わび茶に対する意識のこのような転換に伴って,茶室の空間構成にも,新たな展開が起る.この際立ったひとつとして茶室における台目構があげられる.一方,露地についてみるとき,露地もまたおそらく茶室のたどった道筋と無縁のものではあり得なかった筈である.つまり,台目構の茶室に対応する露地は,台目構を構想する意識と深くかかわりつつ造形されていったものとみてよいのではあるまいか.本論文では,特に台目構の茶室をとらえながら,それに対応する露地の形態がどのように展開したかを,指図(平面図)が確認できる史料を手がかりとして,検討を加えた.即ち,織部がかかわった松屋久好の露地,細川三斎の露地および金森宗和の露地を事例的にとりあげ,関連資料を活用しつつ,これらの露地が辿った道程を見極め,それぞれの茶匠たちが求めた造形をとおして,わび茶における伝統の継承と創造の問題について論じた.
著者
中澤 潤 杉本 直子 中道 圭人
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.159-165, 2006-02-28

イメージ画を用いて,大学生の発達,成長,成熟の素朴概念についての検討を行った。大学生は,発達・成長・成熟の各々に,人の青年・成人期までの単純増加の質的変化を最も多く描いた。特に,発達と成長は同じように描かれた。発達と成長に比べ,学生は成熟を変化のプロセスというより,特定の段階に到達した状態として認識していた。
著者
西元 直行 小柳津 朝子 永沢 勝雄
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.9-17, 1972-12-25
被引用文献数
1

地下水位の高低によるブドウおよびナシの生育におよぼす影響を調査した.1.ブドウの新梢伸長量および新梢肥大についてはB区がよく生育した.水位の低いA区がB区・C区に比較して劣ったが,新梢伸長量の点よりみて,B区・C区は徒長的傾向であったとみられる.2.ブドウの葉のクロロフィル含量およびみかけの同化量については,地下水位の低いA区がB区・C区より多かった.しかし,葉面積は地下水位の高いC区およびB区がA区より大きかった.3.ブドウの根群および相貌におよぼす地下水位の高低による影響は大であった.水位の低いA区は主根を基本とする根群,水位の高いC区は細根を中心とする根群を形成した.B区はA区とC区の中間的な様相を呈した.4.ナシの新梢伸長および新梢肥大等については,地下水位の高いC区が明らかに劣った.さらに伸長停止期も早く,6月22日であった.5.ナシの葉内クロロフィル含量および葉面積に関しては,地下水位の高いC区がA区およびB区より明らかに劣った.光合成産物増加量はA区が特に少なかった.6.ナシの根群形成におよぼす地下水位の影響はブドウとほぼ同じであった.水位の高いC区で異常根および枯死した根が多かった.7.ブドウおよびナシを比較すると,地下水位の影響をより鮮明に受けたのはナシであった.
著者
臼井 則生
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.215-226, 1997-03-28

本稿は発展途上国において輸出ブーム現象が誘発する構造調整問題,すなわちオランダ病を回避するために如何なる政策対応が求められるのかを明らかにするため,1970年代に原油ブームを経験し,しかも対照的な経済パフォーマンスを示したインドネシアとメキシコの経済運営に関する比較検討を行ったものである.両国の経済運営にはいくつかの相違点が存在し,特に政府財政,対外借入ならびに為替レート政策に対照的な点が見い出された.メキシコは潤沢な原油収入が存在するなかで野心的な開発政策を展開し,財政ならびに貿易収支の赤字を拡大させ,結果的に政府の経済運営に対する信認が失われるなかで生じたキャピタル・フライトをファイナンスするため対外借入への依存度を増大させた.また,対外不均衡を解消するため為替切り下げを実施したものの,適切な需要管理政策が欠落したために,その効果は限られたものとなった.こうしたメキシコの状況に比べ,インドネシアの政府財政ならびに対外借入のあり方は比較的コンサーバティブであり,しかもこれらの対応は同時に実施された為替切り下げと整合性を有するものであった.メキシコが製造業部門の停滞というオランダ病の兆候を見せる一方で,インドネシアがオランダ病の影響を回避しえた理由のひとつは,こうしたマクロ政策対応の相違にあるものと考えられる.また,メキシコにおいては原油収入の多くが石油生産拡大のための公共投資という形で用いられたのに対し,インドネシアではオランダ病の影響を受けると考えられる製造業ならびに農業といった貿易財部門への投資として用いられた.原油ブームによる収入が貿易財部門の供給能力を増大する形で用いられたことが,インドネシアの成功のもうひとつの要因と考えられる.両国の比較分析を通じて得られる知見は,オランダ病の影響を回避するためには当該国の政策当局は輸出ブーム収入の短期的棚上げを含めたより慎重なマクロ経済運営を行う必要があるということ,ならびに輸出ブームによる収入を長期的観点から貿易財部門を中心にその生産基盤を強化する形で用いるべきであるという二点である.