著者
川西 弘子
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.99-104, 2003-03-15

Louisa May Alcott wrote Little Women in 1868 (part1) and 1869 (part2) and adopted John Bunyan's The Pilgrim's Progress as its framework. This study focusses on the influence of The Pilgrim's Progress on Louisa May Alcott and Little Women. Conclusions are as follows. 1) Louisa May Alcott was familiar with The Pilgrim's Progress from her early childhood because it was her father's favorite work. 2) Louisa May Alcott often referred to The Pilgrim's Progress in Little Women and stressed the moral points in The Pilgrim's Progress rather than the theological ones.
著者
平田 典子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

岩澤p進対数関数は通常の局所的なp進対数関数と異なり、解析的に良い性質を持つ.すなわちp進体の代数閉包の完備化である全平面において定義されている,この事実に着目して、岩澤p進対数関数の楕円関数上のアナロジーを構築し、それを用いてp進楕円対数の一次形式の下からのディオファントス近似評価を与えるということが今回の課題の目標であった.p進楕円関数もp進楕円対数関数も局所的な関数であるが、実際には楕円でない場合のp進対数関数の場合と異なり、p進楕円対数関数のもつ代数的な性質が良くなかったため、岩澤p進対数関数の持つ非常に良い性質の楕円版は得られなかったが、最終的な課題である2個のp進楕円対数の一次形式のディオファントス近似の下からの評価については、一次形式の係数である代数的数の高さに関する最良の評価を得ることが出来た,これが高田里奈氏との共著としてKyushu Journal of Mathematicsに出版されたLinear forms in two elliptic logarithms in the p-adic caseの主結果である.これにより、先行結果であったJournal of Number Theory 57巻(1996年)133-169に出版されたG.RemondとF.Urfelsの評価を改良して最良評価に達することが出来たことになる.しかしながら評価の定数部分が大きくなってしまったので、定数の改良も行うことが今後の課題である,なお、代数体上で定義された楕円曲線のS整数点はC.L.Siegelの定理より有限個であることが分かっており、その全ての座標を計算することはS.Langらの論法を用いれば可能であるが、上記の仕事はそのための具体的な評価不等式を与えたことに相当する.
著者
藤原 成一
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.A77-A92, 2005

私たちの生存の場は「締(しめ)」「縁(えん)」「間(ま)」「奥」「離」という五つの基本原理によって形成されてきた。これら五つのキーワードは空間構成の原理であるだけでなく、文芸や芸術・芸能にあっても重要な思想であり、かつ作法・方法でありつづけてきた。日本人の発想、表現方法の根底にあるのはこの五つの原理である、という仮説の提起である。本稿はそのうち「間」をとりあげる。空間・時間・世間・人間というように、「間」は私たちの生きる場を根拠づけるものであるだけでなく、日本文化では、とくに芸術・芸能の面で、また人と人との間など、生き方においても、決定的な意味をもちつづけてきた。芸術から建築まで、人や世間、神仏とのつき合いから死生観まで、一貫する「間」の思想と演出方法を見つめ直し、日本文化の本質を再確認することによって、「間」の新しい創出を挑発する。
著者
三澤 真美恵 貴志 俊彦 佐藤 卓己 孫 安石 川島 真 小林 聡明
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では東アジアの複数の地域(日本、中国、香港、台湾、シンポール、韓国、北朝鮮)および複数の視聴覚メディア(テレビ、映画、レコード、ラジオ)を対象に、地域間・メディア間の相互連関性を検討した。各年度に行われた国際ワークショップや国際シンポジウムを通じ、国内外の研究者が多様なディシプリンを持ち寄ったことで、東アジアに固有の相互連関の具体的様態についても明らかにすることができた。本研究の成果は論文集として公刊される予定である。
著者
植松 英穂 小島 智恵子 松岡 啓介
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題の目的は、(1)プラズマ・核融合分野における国際会議に関する基礎的年表とデータベースの作成、(2)資料に基づく核融合分野における国際交流の歴史調査、(3)研究者への史実補完のためのインタビューである。作成した国際会議に関する基礎的年表とデータベースは、自然科学研究機構核融合科学研究所や日本原子力研究開発機構、日本大学理工学部に所蔵された国際会議のプロシーディングスや歴史的文献資料をもとに作成した。年表やデータベースを作成する上で得られた基礎的データは、今後の核融合分野における国際交流の歴史研究で使用される。また、資料調査の中で核融合研究黎明期におけるいくつかの史実が判明したために、同調査結果を日本物理学会等で発表した。さらに、史実を補完する目的で核融合研究者へのインタビュー調査を実施した。現在、インタビュー記録のテープ起こしを行なっており、校正作業を行なったうえで文書記録として保存する予定である。
著者
和田 明 杉本 隆成 落合 実 遠藤 茂勝 立田 穣 渡部 輝久
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

(1)北極海を対象として3次元流動解析結果(開発済)を用い、事故時の放射性物質の濃度解析を行った。核種拡散モデルには海水の流動、拡散の他に物質間の吸着・脱着(スキャベンジング効果)、海水と海底堆積層(3層モデル)との相互作用を考慮したモデルの構築に努め、線量評価のための精度向上を図った。濃度解析は核種(Pu-239とCs-137)の放出シナリオに基づいて、局所域(カラ海、バレンツ海)と北極海全城を対象として実施した。濃度解析ではパラメータ(分配係数値、粒子の沈降速度、SS濃度)が海水及び海底土内の濃度におよぼす影響を検討した。Pu-239の場合、3つのパラメータが大きいほど、海水中濃度が低く、Cs-137の場合はパラメータによる濃度への影響はPu-239よりも小さいこと、どちらの核種においても海水に接する粒子層が最大値を示した。核種が放出されてから、10年後(局所域)及び1000年後(全域)の濃度は核種により異なり、Pu-234では海底土内に90%、残りは海水中に残存すること、Cs-137では海水中に60〜80%、残りは海底土に残存する事を確認した。(2)放射性核種の底質移行に係わる浮遊懸濁物の役割に着目し、懸濁物の放射性核種吸着量を支配する要因の一つである懸濁物の物理化学的特性を調べるためにPIXE法を用いた元素分析を実施した。試料は那珂湊の海水を用いた。1年間に亘る調査の結果、主要元素の濃度はほぼ一定であり、海洋中での生物活性の季節的変動にも拘わらず安定であることを見出した。更に、室戸沖の表・深層水、青森県を囲む3海域での懸濁物元素組成を比較した結果、元素濃度はほぼ一様であった。従って、浮遊懸濁物の元素組成は海域間及び季節間で大きな変動は無く懸濁物による核種の吸着効果は各海域で同様でスキャベンジング効果は濃度に依存することを確認できた。(3)生物への移行に関するデータを収集してプランクトン生態系による放射線核種の鉛直方向の輸送モデル化を検討した。14年度に構築した生物中のCs-137の濃度予測モデルについて検証データの取得を行った。検証データとしてIAEA・モナコの海洋研究所がモナコ沖合で観測したチェルノブイリ事故時のCs-137のデータを適用して、海産生物中Cs-137の動的濃度予測3次元モデルを検証した。
著者
曽根 陽子 亀井 靖子 香山 奈緒美
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は昭和40年代後半に首都圏郊外で大手開発業者によって開発された建て売り住宅・団地の変容の要因を明らかにすることを目的とした。これは欧米に比べ短命なわが国の戸建て住宅の延命に役立つと同時に、現在のわが国の供給住宅の約1割を占める建売住宅・団地の変容過程を明らかにすることである。首都圏からの距離が等しい、同時期に一斉分譲された7団地のアンケート調査を中心に13種の調査を行い、以下のことを明らかにした。1)分譲形態、延べ床面積、協定有無等々の開発条件の違いは入居時にはさほど違いが見えないが、30年後には、住宅改変状況や家族構成、住戸植栽の状況などに違いを生じさせる2)住宅改変は新築後の年数より、子供が中学生になった時や世帯主が50才代になった時などライフステージ上の変化時の方が強い関係がある3)中古住宅購入者は新築建売購入者より家族形態が多様である。購入時の築後年数と住宅改変までの年数は逆比例し、新築後15年以上経過した住宅では建替え率が高くなる4)住戸の緑の量は手入れの度合いは関係があるが、プランターの数はどちらとも関係しない5)世帯主が高齢になるほど緑の量が多く、手入れも良い傾向がある6)南道路の家、街路の角やT字路の突き当たりにある家の方がそうでない家より緑の量が多く、手入れも良い7)建売団地は宅分団地より、協定団地は協定のない団地より緑が多く、手入れも良い。8)住宅改変状況、緑の量と手入れの度合い共に近隣の影響をうける「同化」現象がある。
著者
小巻 泰之 地主 敏樹 竹田 陽介
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では,2つのデータベースを新規に作成し,以下のような分析結果を得た.1)ドル円為替レートの予測に関するサーベイ・データ(世界経済情報サービスによる「為替レート予測レポート」(以下,WEISサーベイ))2)1980年代後半の外国為替市場の相場状況に関する新聞報道(日本経済新聞,日経金融新聞)を基に,為替介入(以下,観測介入)と通貨当局者の発言(以下,口先介入)1)為替相場の市場参加者の期待形成について日本での従来の先行研究の多くが利用してきた「国際金融情報センター(JCIF)」のサーベイ・データではなく,世界経済情報サービス(ワイス)によるサーベイ)を用いると,必ずしもJCIFサーベイから得られる結果が追認される訳ではない.2つのサーベイの結果の違いは,その作成方法が電話などによるアンケート調査なのか,各人の予測形成の段階で他者の情報に影響されることにあると考えられるが,市場への影響を考慮する場合,利用するデータ属性の違いも考慮すべきであることが示される.2)為替介入の効果為替介入の市場への影響については,データが開示された1991年7月以降については分析が可能であるものの,それ以前の介入動向の影響について十分な分析は難しい.そこで,外国為替相場の場況に関する新聞報道(日本経済新聞,日経金融新聞)ベースの情報を収集し,加えて当時の市場コンセンサスについても,日次ベースにて,1980年から2000年まで21年(約7700日分)のデータ(全133系列)の収集を行い,データベースを作成した.これにより,1980年代後半の為替介入の影響をみると,東京市場で伝えられた介入情報は多いにも関わらず,その効果は当局の意図とは異なり,一方向の大きな変動を引き起こすことが示される.この中で,為替市場へ影響を与えたとみられるのは,為替介入,経済指標及び経済指標に関する市場の予測(コンセンサスともいうべきもの)などの定量的な情報だけでなく,通貨当局者の発言,市場での噂など質的な情報も大きな影響を与えていると考えられる.
著者
窪田 悠一 大林 一広 冨永 靖敬 田中 有佳子
出版者
日本大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2021-10-07

本国際共同研究の目的は、国内武力紛争(内戦)下の反政府武装勢力(反乱軍)による市民経済の管理・統制のメカニズムとその影響を理論的、実証的に明らかにすることにある。本研究では、反乱軍経済やその影響について、定量的な分析を可能にするデータセットの構築と現地調査を含む事例研究を通して考察する。内戦下の反乱軍は、なぜ、またどのように市民経済に関与するのか、またそうした経済政策や市民経済との関係は紛争の動態や市民の意識や政治社会行動にいかなる影響を及ぼすのかという問いに多角的にアプローチすることで、反乱軍経済だけでなくその領域統治メカニズムの解明に貢献することを目指す。
著者
西国領 君嘉
出版者
日本大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

日本舞踊家初代吾妻徳穂の舞踊活動におけるアーカイブ化を目的とし、初代徳穂の「春藤会」「夫妻会」「定式舞踊研究会」「アヅマ・カブキ」「徳穂三趣の会」の公演プログラムをはじめとする文献、吾妻流関係者や舞踊界で親交のあった舞踊家や演奏者へのインタビューを行なっている。これまでの調査では、渋谷区に所在する吾妻流事務所を訪問し、保管されている過去資料の閲覧しながら、初代徳穂の義娘であり二代目吾妻徳穂の実母である吾妻花舟氏にインタビューをし、資料の収集と倉庫の整理を行なうことが、本研究の主軸であった。ここで得た情報から、その他のルートへ派生し調査の枠を広げていた。しかし、当該年度は新型コロナウイルスによる自粛と、花舟氏の高齢化と体調不良により、これまでのような調査は行えなかった現状がある。研究計画では、国内の調査と並行して、アヅマ・カブキの調査のため、米国とヨーロッパを訪問する予定であったが、それも叶わなかった。その中でも本年度は、清元梅吉氏から第1回アヅマ・カブキのインタビュー調査、明治大学教授神山氏から第2回アヅマ・カブキの資料を拝借することができた。これまでの調査では、舞踊の参加者からしか話を伺えなかったが、梅吉氏のインタビューにより、演奏者という違う立場の人物からアヅマ・カブキを知ることができた。また、神山氏の資料は、第2回アヅマ・カブキに発つ初代徳穂への激励の電報や、米国各市の市長などとのやりとりを綴ったスクラップブックであった。このスクラップブックについては、初代徳穂の親交を知る花舟氏にインタビューしながら調査を進めなければ難しいものであるため、先述の理由から進行が滞っている。令和3年度は最終年度にあたるが、まだ資料の収集と調査が足りていないように感じている。
著者
栂 浩平
出版者
日本大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

一部の昆虫では,混み合い条件では変態(幼虫から蛹を経て成虫へ至る過程)が抑制され,混み合いから解放されると変態する現象が知られる.混み合いと言う環境要因を認識し,発生過程を可塑的に変化させることを可能にする機構はどのようなものだろうか.本研究では混み合いによる変態抑制に関わる発生遺伝学的な機構を明らかにするため,以下の解析を行った.ツヤケシオオゴミムシダマシの幼虫は集団飼育条件では変態しないが,隔離飼育によって変態が促進される.隔離後に集団飼育に移すと変態を抑制できることがわかった.昆虫の変態は幼若ホルモン量の低下と脱皮ホルモンの分泌によって促進される.これらに関連する遺伝子の発現解析を行ったところ,脱皮ホルモン関連の遺伝子が混み合いに移行後に発現が低下していることがわかった.脱皮ホルモン(20-Hydroxyecdysone)の注射によって混み合い条件でも変態が促進されたことも合わせると,混み合いは脱皮ホルモンの上昇を抑制する効果があることがわかった.一方で,混み合い条件における幼若ホルモン関連の遺伝子の発現の上昇に有意な差は見られなかった.しかし,発現は混み合い条件で上昇している傾向にあるため,詳細な解析が必要と考えられる.これまで変態の抑制は幼若ホルモンによる抑制が一般的に知られているが,混み合いによる変態抑制は脱皮ホルモンの制御によって達成されることを示した.混み合いによって発現が変動する遺伝子を探索するため,隔離条件と混み合い条件で飼育した幼虫を用いて,RNAシーケンス解析を行った.その結果,混み合いで発現が上昇もしくは減少する遺伝子を22個見つけた.今後は,これらの遺伝子をRNAiによりノックダウンし,混み合い条件での飼育でも変態してしまう遺伝子かどうかを検証する.
著者
糸井 史朗 浅川 修一 高谷 智裕 鈴木 美和 岩田 繁英 周防 玲
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

これまで申請者らのトラフグ属魚類におけるフグ毒獲得経路および手段に関わる研究で得られた知見をもとに、新たな切り口で研究を行う。すなわち、フグ毒保有魚にフグ毒を供給する主たる生物としてツノヒラムシ属に着目し、これを軸としたフグ毒の授受を解明することで、フグ類が保有するフグ毒の真の供給者を明らかにする。また、ヒラムシ類におけるフグ毒の獲得経路、さらにはフグ毒の授受に関わる生物群の生活史と生態学的地位の変化を探ることで、謎多きフグの毒化機構の全容解明を目指す。
著者
中村 光宏
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

調音動作の制御と声道形態の個人差との関係を調査するために、有声歯茎側面接近音 (英語L)の調音動作の空間的・時間的動態を調査・分析した。先行研究では、英語Lは歯茎部との接触状態に基づき、舌尖調音と舌端調音に大別されるが、2種類の調音動作を時間的制御の観点から検討した研究はほとんど無い。更に、2種類の調音動作は独特の舌全体の形状を生成するが、その生成プロセスは十分に理解されていない。本調査分析では、リアルタイムMRIデータベースを使用し、歯茎部における完全閉鎖の形成過程、舌全体の形状の形成過程、舌尖・舌端調音と舌背調音との協調タイミングを観測し、調音動作の構成性の観点から考察した。3つの主要な結果が得られた。①構音時の正中矢状面画像の分析により、10名の被験者のうち8名が舌尖調音、2名が舌端調音であることが分かった。②舌尖調音による完全閉鎖形成過程は3段階に分れる。(a)正中矢状面において舌前方に「くぼみ」が形成され、(b)舌尖が歯茎部方向に伸長して完全閉鎖が実現し、舌全体は凹面状(concave)になる。そして、(c)舌背が咽頭壁方向に後退する。くぼみの形成は、母音化Lにも観察されたが、舌端調音には観察されなかった。舌尖調音に独特のくぼみの形成は、歯茎部に対する舌尖動作の接近角度(orientation angle)調整のための準備動作であるとともに、舌尖調音の開始動作でもあり、完全閉鎖形成時に、凹面の舌形状を生成すると考えられる。③音節頭/l/における協調タイミングは、舌尖・舌端調音が舌背調音に先行するパタンが観測され、音節末/l/では逆のパタンが観察された。この協調タイミングに関する結果は先行研究のものと一致する。このような結果は、調音動作の構成性には個人差が認められることを示唆する一方、それぞれの調音動作と音響的特徴との対応関係を検討する必要性を提示している。
著者
廣田 照幸 佐藤 晋平 森 直人 二宮 祐 丸山 和昭 香川 七海 冨士原 雅弘 長嶺 宏作 太田 拓紀 小野 方資 末冨 芳 神代 健彦 田中 真秀 徳久 恭子 岩田 考 宇内 一文 荒井 英治郎 金子 良事 筒井 美紀 布村 育子 古賀 徹 植上 一希
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、日本教職員組合(日教組)の1950年代から1980年代末までの期間を研究対象に据え、日教組が所蔵する非公開史料の特別な利用、日教組幹部OBのヒアリングや私文書の活用により、それぞれの時期に日教組内部でどのような論争や対立があり、それが結果的に日教組の運動にどういう方向性を与えたのかを、労働運動と教育運動の両面から分析する。保守対革新、文部省対日教組という単純な2項対立の図式で描かれることが多かった日教組運動史を、多様なイデオロギーのグループ間のダイナミックな相互作用過程としてとらえ直していく。