著者
金澤 麻由子 Mayuko KANAZAWA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2017
巻号頁・発行日
2017-11-25

本作「きみとぼくのあいだのコト」は、2015年5月に出版した絵本『ポワン』の主人公の黒パグ「ポワン」と白パグ「フォーン」の眠る姿が描かれた絵画作品であり、鑑賞者のふるまいに相互作用するインタラクティブな作品である。 鑑賞者が近づくとその気配を感じ取った絵画上の主人公(犬)たちの反応を様々な映像アニメーションで表現することで、あたかも絵画と鑑賞者の想像力とが対話を生成していく「動く絵画」としてのアートディスプレイであり、絵本の世界観を映像インスタレーション作品として制作したものである。リアルタイムでの相互作用を可能にするセンサーとして、BLASTERX SENZ3D(3D深度&音声認識対応の3Dカメラ)を用い、表情と音声認識技術を用いた。センサーカメラを使用することで、よりリアルタイムでの絵画とのコミュニケーションと、鑑賞者と作品との関係性が近づき、目標としている「癒し」や「安らぎ」の感情を生む作品を目標にした。 本稿では2017年9月に銀座ステップスギャラリーでの個展開催にて新作発表する本作の「戌-pug-」展での本作の制作意図とともに制作方法などについて考察する。 "Affair between you and me" is in art display based on "Un Point" picture book that was published in July 2015. Its main message is "yourself as you are". "Un Point" - a picture book consisting of series of paintings, a story of two sleeping dogs – black and white pugs was adapted as a interactive video installation. When the viewer approaches the installation, dogs notice the presence and react in various ways. The installation main concept is: a painting that communicates with its audience. The concept of the book is used as a basis for the animation. To achieve the real time interaction, a sensor camera "BLASTERX SENZ3D" was used. Both video and sound is used to create communication with the viewer. The goal of the installation is to create a feeling of relief and healing through communication with the painting. The installation was exhibited with commentary and design explanation as part of "IMU-Pug" exhibition in Ginza Steps Gallery in September 2017.
著者
石原 肇 Hajime ISHIHARA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2018
巻号頁・発行日
2018-11-27

本稿は、芸術工学を専攻している学生に合わせた教養教育としての人文地理学の講義を目指した実践と今後の課題について報告することを目的とする。高校での地理の履修状況について把握したところ、全体的には履修している学生は少ない状況にある。このため、学生が人文地理学を体系的に理解することができるよう、テキストを使用することが必要であると考える。学生は自らが将来創作するであろう作品と人文地理学との間の関係性は希薄であると考えている場合が多い。一方、学生は自らが将来創作するであろう作品と風土との間の関係性はあるものと考える者の数が増える。人文地理学と風土は同義ではない。しかし、人文地理学は風土を理解する学問の1つである。学生が人文地理学により強く関心を持つことができるよう、自らが将来創作するであろう作品と風土との関係にも触れて講義を展開する工夫が必要と考えられた。
著者
藤田 治彦 井口 壽乃 近藤 存志 川島 洋一 池上 英洋 加須屋 明子 井田 靖子 橋本 啓子 天貝 義教 高木 陽子 高安 啓介 加嶋 章博 朝倉 三枝 三木 順子 永田 靖 塚田 耕一
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

美術、建築も含めた広い意味でのデザイン教育の歴史をおもなテーマにした国際会議、第1回ACDHT(Asian Conference of Design History and Theory)を本研究開始の平成27年10月に大阪大学で開催、平成29年9月には第2回ACDHTを東京の津田塾大学で開催した。その研究内容は同国際会議での発表論文を査読して掲載する ACDHT Journal の”Design Education beyond Boundaries”に掲載され、同国際会議ウェブサイトでも閲覧可能にしている。研究代表者と13名の研究分担者は、全員、積極的に調査研究を進めている。平成29年度は、特にインド、スペイン、ドイツ、中欧、イギリス(スコットランド)の研究成果が注目された。第2回ACDHTでは、第1回ACDHT以上に、本科研プロジェクト以外の研究発表者も国内外から参加し、このデザイン教育史研究を通じての国際交流を高めている。本研究は、各国のデザイン史、美術史、建築史等を専門とする日本の代表的研究者が研究分担者となり関連国、関連地域の独自の調査研究を進め、国際会議での発表でも高く評価されているているが、全世界を視野に入れれば専門の研究分担者のいない国や地域も多く、それが「デザイン教育史の国際的比較研究」の目的を達成するには唯一の欠点でもあった。研究代表者は、その欠点を十分に補って研究を総括する立場にあり、第1、第2年度には、担当する研究分担者のいない中国、東南アジア、インド等の調査を行い、平成29年度にはオランダと北米(アメリカ東部とカナダ)および南米(アルゼンチンとチリ)等で調査研究を行った。調査のために訪問した各国の主要教育機関からは多くの場合、重要な関連資料を提供され、旅費は必要だが、図書購入費は節約可能で、順調に調査研究を進めている。
著者
今村 文彦 杉浦 康平 齊木 崇人 松本 美保子 山之内 誠 黄 國賓 さくま はな 尹 聖喆 曽和 英子 Fumihiko IMAMURA Kohei SUGIURA Takahito SAIKI Mihoko MATSUMOTO Makoto YAMANOUCHI Kuo-pin HUANG Hana SAKUMA Seongcheol YUN Eiko SOWA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2014
巻号頁・発行日
2014-11-25

本報告は、アジアンデザイン研究所の活動としてアジアの山車文化についてデザイン的視点から調査、研究を進めるものである。研究所では開設以来、アジア各地域でみられる祭礼の多様な山車の造形的特徴、象徴性、世界観、その仕組みと社会や環境との関係性などについて、継続的に取り組んできた。2013年度は第2 回国際シンポジウムを開催した。アジア各地に分布する舟形の山車とそこにみられる蛇や鳥のモチーフやデザインの象徴性、神話性をめぐって、ミャンマー、タイ、日本からの報告を中心に活発で意欲的な議論を重ね、アジアの山車の構成原理についての興味深い知見を得ることができた。さらに山車イメージと密接に関連する山や木の造形を巧みに表現しているインドネシアの影絵ワヤン・クリに用いられるグヌンガンについて、現地で調査を実施し、その造形的特徴、使用法や構成原理等が明らかになった。また日本で活躍するバリ島の人形遣い(ダラン)を招き、バリ島のワヤン・クリについての研究会および上演会を開催した。これらの一連の活動により、アジアの山車と山、木などとの関連性について把握し、アジアのデザイン語法を解明する手がかりを得ることができた。
著者
本多 マークアントニー 泉 政文 山本 忠宏 大塚 英志 橋本 英治 Mark Anthony HONDA Masafumi IZUMI Tadahiro YAMAMOTO Eiji OHTSUKA Eiji HASHIMOTO
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

WEB表現へのまんがの適応について、その方向性として、①縦及び横の「スクロール形式 」、②「見開き」に基づくまんがの文法を解体し、一頁単位の表示に基づく文法にシフトした形式 、③静止画のスライドショー形式、の3つが仮説としてたてられ、今回の共同研究では、①のうち「縦スクロール形式」と③の「スライドショー形式」について、そこで採用されるべき文法を仮定し、それに基づき実験作品を制作した。縦スクロール形式においては日本まんが表現の「映画的手法」をいかに導入するかに研究の主眼を置いた。その結果、アイレベルを基準とし、それに続くコマでのアングルの極端な切り換え、コマの縦幅の極端な変化における「尺」(時間)の表現などの、紙媒体で成立した手法の中心的な部分が、WEBへの置き換えが可能であることが確認された。その結果、「横スクロール形式」よりも「縦スクロール形式」の方が映画的手法の移植に向いているという仮説が新たに得られた。また「横スクロール」においては、画面の天地ほぼ中央に視線誘導の基準となる中心線を置くことで視覚の流動性を確保したが、「縦スクロール」では画面を二分割して構図を構成することで画面の左右中央に基準線が存在するのに近い印象を与えることができた。Based on the hypothesis that there are three major directions taken by modes of adaptation of web expression to manga, namely, 1) Forms that adopt vertical or horizontal scrolling; 2) Forms that dismantle the conventional manga grammar based on the double-page spread, and shift to a grammar based on the single-page display; and 3) Forms involving slide shows of still images, this joint study looked at vertical scrolling among the forms under category 1), and also 3), the slide show format, hypothesizing the kind of grammar suitable for these forms, and creating experimental works based on the hypothesized grammar. Research on vertical scrolling webcomics focused on how the movie-style techniques of Japanese manga were incorporated. The research showed that the main movie-style techniques realized in print—such as starting from normal eye level and then abruptly changing the angle in the subsequent panel, or radically altering the height of the panel to represent length of time—could be successfully transferred to the web. Another outcome of the research was the new hypothesis that vertical scrolling is better-suited to the transplantation of movie-style techniques than horizontal scrolling. It was also found that in horizontal scrolling, smooth eye movement for the reader could be retained by placing a central line, which serves as a reference for guiding the eye, roughly at the mid height of the screen, whereas in vertical scrolling, partitioning the screen into two halves to create the composition achieved an impression similar to having a reference line dividing the width of the screen.
著者
金澤 麻由子 Mayuko KANAZAWA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2017
巻号頁・発行日
2017-11-25

本作「きみとぼくのあいだのコト」は、2015年5月に出版した絵本『ポワン』の主人公の黒パグ「ポワン」と白パグ「フォーン」の眠る姿が描かれた絵画作品であり、鑑賞者のふるまいに相互作用するインタラクティブな作品である。 鑑賞者が近づくとその気配を感じ取った絵画上の主人公(犬)たちの反応を様々な映像アニメーションで表現することで、あたかも絵画と鑑賞者の想像力とが対話を生成していく「動く絵画」としてのアートディスプレイであり、絵本の世界観を映像インスタレーション作品として制作したものである。リアルタイムでの相互作用を可能にするセンサーとして、BLASTERX SENZ3D(3D深度&音声認識対応の3Dカメラ)を用い、表情と音声認識技術を用いた。センサーカメラを使用することで、よりリアルタイムでの絵画とのコミュニケーションと、鑑賞者と作品との関係性が近づき、目標としている「癒し」や「安らぎ」の感情を生む作品を目標にした。 本稿では2017年9月に銀座ステップスギャラリーでの個展開催にて新作発表する本作の「戌-pug-」展での本作の制作意図とともに制作方法などについて考察する。
著者
かわい ひろゆき 荒木 優子 瀬能 徹 Hiroyuki KAWAI Yuko ARAKI Toru SENOU
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2010
巻号頁・発行日
2010-11-24

本研究は、本学がこれまで取り組んできたさまざまな社会連携事案を踏まえ、アートとデザインの分野において社会貢献できる、新しい社会連携の形を模索することが目的である。そのために、まず、本学が持つクリエーティブ力を積極的に情報発信するためのツールの制作とその活用法を考案した。具体的なツールとしてポストカードが検討され、学内の教員や学生たちの作品50点を公募により集め、ポストカード・ブックにまとめることとした。また、それを地域のショップなどに無料配布した。配布場所の選定は作品採用者の裁量に任せることとし、採用の条件として、一人3カ所に配布することを義務づけた。さらに、配布期間を春休みとすることで、帰省先も含めたできるだけ広範囲への流布を狙った。結果的には応募者総数68名、作品点数143点のなかから52名の52作品が選ばれポストカード・ブックとなった。本研究は、学内教員と学生からの52作品によるポストカード・ブックの制作とその配布という、非常に実験的で具体的な試みであったが、初回としてはまずまずの成果をあげることができたと考えられる。In the present study, groping for the shape of new socialcooperation is a purpose that the contribution to society canbe done in the field of the art and the design based on casefor various societies on which this learning has worked upto now.Creative power of this learning was first designed andproduction and the use method of the tool to sendinformation positively were designed for that.The postcard was examined as a concrete tool, and it wasassumed that the work 50 points (the teacher and studentsin school) were collected by the public advertisement, and itsummarized it in the postcard book.52 works of 52 people were consequentially chosen from theaverage of 68 people of the total of the applicant and 143points of the number of works and it became a postcardbook.It is thought that a so-so result was able to be achievedfirst time though the present study was a veryexperimental, concrete attempt (the production of thepostcard book by 52 works from the school teacher andthe student and the distributions).
著者
金澤 麻由子 Mayuko KANAZAWA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2015
巻号頁・発行日
2015-11-25

四季は、日本人にとって感情を写す対象として、多くの作品に登場している。その移ろいによって心のありようまで変わっていく。本作「うつろい いろは」は、日本の風景、こころのふるさとをテーマに京都の大覚寺『大沢池』を描いた50mの絵画に、四季によって体験が異なる4場面のインタラクションを備えたメディアアート作品である。「春」では、手を上げる動きにより、そこから花のアニメーションが生成する。「夏」では、鑑賞者は神話的動物へと変身し、動物と一体となるカナダ先住民の精神世界を体験する。「秋」では、鑑賞者の動き(ジャンプ)に応じて手描きアニメーションによる動物たちが登場し、多様な生きものたちのポリフォニー(多声)が響き合う。「冬」では鑑賞者の顔が映されるインスタレーションおよび、iPhoneアプリの作品である。アプリ『ゆきんこ』をダウンロードすることで、インスタレーション作品を持ち帰るという試みに挑戦した。2014年夏に東京都現代美術館で開催した「ワンダフルワールド」展での本作の展示風景とともに制作意図、制作方法など解説する。
著者
小山 明 鈴木 明 藤山 哲朗 岡部 憲明 山﨑 均 大内 克哉 久冨 敏明 尹 智博 Akira KOYAMA Akira SUZUKI Tetsuro FUJIYAMA Noriaki OKABE Hitoshi YAMAZAKI Katsuya OUCHI Toshiaki HISATOMI Jibak YOON
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

研究の目的は、インタラクションデザインに関するこれまでの学術的な交流や研究の基盤に立ち、日本における新しい教育領域・教育方法としてのインタラクションデザインの可能性もしくは問題点などを、実際の教育現場において確認し、導入のための基礎を構築することにある。本研究の中心となったのは、2012年12月17~21日に開催したスプツニ子!客員教授によるインタラクションデザインワークショップである。これは「Body Futures」をテーマとした、未来における身体の在り方を考えるワークショップであり、公開講評会をKIITOで行ない、提案された各グループのプロジェクトは2013年2月22~28日の期間、同じくKIITOにおいて開催された「Body Futures展」において展示された。このワークショップでは、大学院と学部の連携、大学と企業(アシックス)との連携が試みられた。異なる年齢層の参加者間の連携と、異なる組織領域間の連携が新たな発想を生み出し、「未来の身体」を様々な観点からとらえた科学的な提案が行なわれた。The objective of this study is to identify possibilities and problems related to interaction design within actual educational practice, and thus to construct a foundation for its introducation as a new field and methodology of study in Japan. The main part of this study derives from an interaction design workshop conducted 17-21 December 2012 by Visiting Professor Sputniko! (Hiromi Ozaki) entitled "Body Futures" that proposed to consider further dimensions of physicality. An open forum was subsequently held at KIITO and group projects developed from the workshop were exhibited 22-28 February 2013 under the same Body Futures title, again at KIITO. This workshop attempted to create linkages between the graduate school and university departments, as well as between the university and commercial enterprise (ASICS). It spawned connections between participants of different ages, fostered new thinking across diverse organisational sectors, and proposed various scientific ideas about the future of the body.
著者
近藤 公夫 王 敏 日色 真帆 三上 晴久 廣川 美子 川村 政美
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

日本の文化史に1000年前の金色堂に見られる黄金よりも、500年前の銀閣に銀をもって蔽った漆のたたずまいを好ましいかに思う今日の心象、その心象が形成された風景の源流を三内丸山以来の伝統に考えるのは是か非か。あえて日本の赤をめぐる景観の源流として三内丸山の風景をとりあげ、そこに出土した赤漆の色に「日本の赤と中国の赤」に関する調査研究の拡大と深化に係わる発展的な端緒を求めたいと考える。おそらく今日の科学をもってすれば什器に見られる彩文の赤漆について、あるいは同様に出土している黒漆などに関しても、その原色を解明して三内丸山の文化に迫る可能性は考えられよう。そこから四季の自然に恵まれ秋季の紅葉があざやかな東北日本にあって、今も日本民族の心象に伝わる縄文文化に投影された赤の風景を、その植生に見られる景観の変化から考え得るとも思われる。さらには重ねて司馬遼太郎氏がこの地を北のまほろばと記した秋色を思えば、日本の赤についての源流を縄文時代の赤漆と山野の紅葉から妄想した次第について、ひとつの心象的な風景へと思いを致さざる得ない。4000年前以上もの太古に三内丸山社会が見せた情景、遠近の人々を集めた祭祀のにわに赤が演じた風景とは何であったのか。それは後世の神前に舞う乙女達の白衣紅裳とは果たして連なるものか、あるいは東アジア文化に如何なる位置を占め、それは如何なる変遷を経て今日の伝統文化と結ばれ得るのか。それは自然科学から考古学そして歴史学から文化人類学、それぞれの検討を総合した上に新しい展開を今後に期待させる課題に連なるであろう。
著者
古賀 俊策 福場 良之 福岡 義之 近藤 徳彦 西保 岳
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

人類が直立二足歩行によって獲得した身体活動能力、とりわけ全身持久的運動能力は他の動物よりも優れた生理機能(循環調節や発汗など)によって支えられる。実際の持久的身体活動時には、活動強度や温度などの環境刺激が時間と共に変化する非定常状態が多くみられる。この状態では潜在的な統合生理機能(全身的協関)が顕著に抽出されるので、ヒトが進化過程で獲得した持久的運動能力の特性がより明らかになる。しかし、各々の生理機能(呼吸、循環、筋肉、体温など)が統合的に調節される仕組みについては不明な点が多い。今回は全身的協関がより顕在化する非定常状態に着目して、生理人類学的視点からヒトの持久的運動能力を総合的に検討した。
著者
佐久間 華 戸矢崎 満雄 藤本 修三 藤山 哲朗 林 健太郎 大畑 幸恵 Hana SAKUMA Mitsuo TOYAZAKI Shuzo FUJIMOTO Tetsuro FUJIYAMA Kentaro HAYASHI Yukie OHATA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

本稿は、瀬戸内国際芸術祭2013 春の部(2013年3月20日[春分の日]~4月21日[日])の一環として参加した「沙弥島アートプロジェクト by 神戸芸術工科大学」で行われた全ての活動について、成果物の画像を交えながらその内容を述べたものである。成果物として挙げられるのは、次の4つ、①香川県坂出市沙弥島内3カ所(西ノ浜、ナカンダ浜、旧沙弥小中学校)を舞台にした本学の教員(助手・実習助手含む)6名による作品展示・建築作品の公開、②準備期間中に行った地元の子供・親子を対象にしたワークショップ、③会期中に行った一般客及び地元住人を対象にしたイベント、④大学院の選択科目のひとつである大学院総合プロジェクト「沙弥島アートプロジェクト」において、担当教員の指導のもと、学生が行ったポスターや周辺地図などの印刷物およびスタッフ用パーカーなどのグッズ企画・制作である。This report assesses all the activities carried out in 'Shamijima Art Project by Kobe Design University' which was held as a part of Setouchi Triennale 2013 Spring term (20th March and 21st April 2013), together with the images of the project outcomes. The following four types of work have been completed in the project; ① Works of art and architecture created by six teachers of KDU(including assistants and a research assistant) in three different venues (Nishinohama Beach, Nakandahama Beach and Fomer-Shami Elementary and Junior High School), ②Workshops for the local people held in the preparation period, ③ Events for both the local and general visitors during the Triennale period, and ④ Poster, map and other graphic design works and goods productions such as staff costume created by students under the supervision in the one of the Kobe Design University graduate school's optional subjects which is also called 'Shamijima Art Project'.
著者
倉知 徹 川北 健雄 相良 二朗 佐々木 宏幸 谷口 文保 Tohru KURACHI Takeo KAWAKITA Jiro SAGARA Hiroyuki SASAKI Fumiyasu TANIGUCHI
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2010
巻号頁・発行日
2010-11-24

兵庫県播磨町では、2007 年以降住民主体のまちづくり組織、旧播磨北小学校施設運営協議会(以下協議会)が中心となった地域づくり活動が行なわれている。2009 年度に兵庫県立東はりま特別支援学校が開校し、公立学校とまちづくり組織の協働による取り組みが開始された。本報告は、2009 年度に取り組まれた協議会が中心となった協働によるアートワークショップについてのプロセスデザインの報告である。アートワークショップでは、県立播磨南高校芸術類型の生徒と県立東はりま特別支援学校の生徒が作業を分担し、協力して絵を描いた。描かれた絵は、多くの人に見てもらうためにギャラリーでの展示が行なわれた。また、成果を参加した人に配布することと、より多くの人に配布するために別の媒体に加工することとした。描かれた絵の一部を取り出し、ポストカードとクリアファイルに加工し、地元住民等に配布された。このアートワークショップのプロセスを通じ、それまで交わることのなかった人同士が協力し、協力して創作活動を行うことができた。また、このプロセスを通じ、多主体が協働する際のきっかけと内容を明らかにすることができた。The community building activity led by the Machizukuri organization called ex-Harima North Elementary school Facilities Management Conference (NE-FMC)) has been implemented in Harima town, Hyogo prefecture since 2007. In 2009, Hyogo prefectural East Harima Special Needs Education School (EHSNES) was founded, and the collaborations of community building activities began. This paper reports the process design of the art workshop thorough the collaborations implemented in 2009.In the artwork shop, four paintings were drawn through the collaboration by students of the Harima South high school and students of EHSNES. The paintings were processed to postcards and clear files, and distributed to a lot of people. Through the collaboration, student could interact each other, and the process clarified the chances and the contents of collaborations between multi-groups.
著者
高 台泳
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は国内外の諸観光ガイドマップに対し、その地図記号を収集・分析したものである。その目的は従来の諸地図記号を見直して、新たな地図記号を開発するための研究基盤を設けることである。そこで、国内外の約34カ国から様々な観光ガイドマップを収集した。収集にあたっては自らユーザーの立場で諸観光ガイドマップの検証と分析も同時に努めた。これらの資料をデジタルデータ化してから、幾つかのカテゴリに分けて整理・分析した。
著者
貴島 正秋 井ノ口 淳三 太田 光一 相馬 伸一 藤田 輝夫
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

『日本コメニウス』において貴島が「コメニウスの『汎知学校の輪郭』における理想的な学校構想」藤田が「コメニウスの『汎知学の序曲』の翻訳」,太田が「Acta Comeniana,14-17について」,相馬が「J. A.コメニウス文献のデジタル化について」,藤田が「J. Aコメニウス『青少年』に使用させるために集めた『作法』の『規則』の翻訳」,井ノロが「コメニウスの関係文献目録2002-2005」,Comenius-Jahrbuch(Band9-10)に,相馬が「Kyoiku Sisou to Dekaruto retsugaku」,世界新教育学会に貴島が「ユネスコの礎えを築いたJ. A. Comeniusの精神」「コメニウスと世界平和」,日本教育学会で貴島が「初期コメニウス思想=迷宮からの脱出」,相馬が「ユートピア思想史から見た『地上の迷宮と心の楽園』」,太田が「藤田輝夫のコメニウス研究(1973-2004)」発表,『日本のコメニウス』第15号は2004年9月21日死去した藤田の追悼号にしてメンバーその他関係者が故人を偲んだ。
著者
三上 晴久 須村 みどり 川村 眞次
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

「住まい方を継承する」という視点から、建築計画学的に重要なキーワードを挙げ、それらが如何なるものか記述した。そして、それらを次代に伝え継承してゆくことが、集合住宅の保存たりうるとした。また、建築専門誌である新建築誌に掲載された戦後の集合住宅に注目し、そこで試行された住まい方に言及するとともにそれらの現況に言及した。
著者
齊木 崇人 小玉 祐一郎 宮代 隆司 土肥 博至 杉本 正美 上原 三知 佐藤 滋 土肥 博至 杉本 正美 上原 三知 佐藤 滋 中井 検裕 鎌田 誠史 橋本 大樹 長野 真紀
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

新しい住宅地開発プロジェクト、神戸・ガーデンシティ舞多聞の実践と、本研究の指針とした、E・ハワードの田園都市思想とガーデンシティ、それらの系譜にみるコミュニティのフィールドワークを同時進行的に行うことにより、将来の持続可能なコミュニティの創出・再生を目指す居住環境計画に対する、「特有価値を持つ空間デザインを生み出す手法」「コミュニティ形成を促す方策」「空間とコミュニティを持続・向上させるエリアマネジメントの仕組み」の指針を導き出した。
著者
相良 二朗 種村 留美 長尾 徹 野田 和恵 田頭 章徳 見明 暢 ペイター ボンジェ
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

認知症者を含む独居高齢者(日中独居を含む)91名を対象に、スウェーデンのカロリンスカ研究所が開発したETUQ(日常生活機器使用状況調査表)を用いて訪問調査を実施した。その結果、高齢になり、家族環境の変化や認知力の低下などから、使用が中断された家電製品等の存在や、継続的に使用されている家電製品等が抽出され、それらの特徴が明らかとなった。また、認知力が低下した独居高齢者が抱えている日常生活上の問題が明らかとなった。これらの問題に対し、継続使用が可能な家電製品のインタフェース・デザインについていくつかの知見を得ることができ、適切な使用を促す音声ガイドの有効性が試作を通して明らかとなった。また、音声ガイドのあり方についての知見も得ることができた。