著者
Xiaoyi Zhang Hua Qiu Chensheng Li Pingping Cai Fanghua Qi
出版者
International Research and Cooperation Association for Bio & Socio-Sciences Advancement
雑誌
BioScience Trends (ISSN:18817815)
巻号頁・発行日
pp.2021.01318, (Released:2021-08-20)
参考文献数
84
被引用文献数
111

Traditional Chinese medicine (TCM), especially Chinese herbal medicines and acupuncture, has been traditionally used to treat patients with cancers in China and other East Asian countries. Numerous studies have indicated that TCM not only alleviates the symptoms (e.g., fatigue, chronic pain, anorexia/cachexia, and insomnia) of patients with cancer and improves their quality of life (QOL) but also diminishes adverse reactions and complications caused by chemotherapy, radiotherapy, or targeted-therapy. Therefore, Chinese herbal medicines and acupuncture and other alternative therapies need to be understood by TCM physicians and other health care providers. This review mainly summarizes the experimental results and conclusions from literature published since 2010, and a search of the literature as been performed in the PubMed, MEDLINE, Web of Science, Scopus, Springer, ScienceDirect, and China Hospital Knowledge Database (CHKD) databases. Some Chinese herbal medicines (e.g., Panax ginseng, Panax quinquefolius, Astragali radix, Bu-zhong-yi-qi-tang (TJ-41), Liu-jun-zi-tang (TJ-43), Shi-quan-da-bu-tang (TJ-48), and Ban-xia-xie-xin-tang (TJ-14)) and some acupuncture points (e.g., Zusanli (ST36), Zhongwan (CV12), Neiguan (PC6) and Baihui (GV20)) that are commonly used to treat cancer-related symptoms and/or to reduce the toxicity of chemotherapy, radiotherapy, or targeted-therapy are highlighted and summarized. Through a review of literature, we conclude that TCM can effectively alleviate adverse gastrointestinal reactions (including diarrhea, nausea, and vomiting) to these anti-cancer therapies, decrease the incidence of bone marrow suppression, alleviate cardiotoxicity, and protect against chemotherapy-induced peripheral neuropathy and radiation-induced pneumonitis. Moreover, TCM can alleviate epidermal growth factor receptor-tyrosine kinase inhibitor (EGFR-TKI)-related acneiform eruptions, diarrhea, and other adverse reactions. The hope is that this review can contribute to an understanding of TCM as an adjuvant therapy for cancer and that it can provide useful information for the development of more effective anti-cancer therapies. However, more rigorously designed trials involving cancer treatment must be conducted in the future, including complete quality control and standardized models at the cellular, organic, animal and clinical levels, in order to study TCM in multiple forms and at multiple levels.
著者
松井 奈都子 西島 千尋
出版者
日本福祉大学子ども発達学部
雑誌
日本福祉大学子ども発達学論集 (ISSN:18840140)
巻号頁・発行日
no.10, pp.141-152, 2018-01

本報告は, 日本福祉大学子ども発達学部の科目「音楽専門研究Ⅱ」における「弾き歌い」の指導に関するものである. 伴奏をしながら歌う「弾き歌い」は, 特にピアノや吹奏楽などの音楽経験のない学生にとって容易ではないため, さまざまな試みがなされている. 筆者らは「音楽専門研究Ⅱ」(および関連科目「音楽専門研究Ⅰ」) において, ①指番号を明記した楽譜が効率的なピアノ伴奏の習得につながる, ②楽譜の要素別(拍子, リズム, 演奏記号) の理解が楽譜の効率的な理解につながるとする二つの基本方針にもとづいた実践を行ってきた. 本報告はその取り組みの一つである, 2017 年度前期の「音楽専門研究Ⅱ」(松井クラス) における実践をまとめたものである. 実践の結果, 個々の学生により差は見られたものの, 指番号の意識化により反復練習の重要性に気づいたり, 拍子やリズムの意識化により弾き歌いがスムーズになることに気づいたりするなど, ①および②の方針にもとづいた取り組みに学習効果があった.
著者
長田 若奈 酒向 慎司 北村 正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EC, エンタテインメントコンピューティング (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-6, 2015-02-23

我々は条件付き確率場を用いた習熟度に対応したバイオリン運指推定手法を提案してきた.しかし,推定運指は運指の自然さや演奏表現の適切さが不十分である問題があった.本論文では,従来よりも多くの楽譜情報を用いて素性の設計を行う.運指に関連する素性には様々なものが考えられるが,素性重みの学習に L1 正則化を用いることで,運指推定に寄与する重要な素性を判別する.実験では,基本的な素性だけを用いた従来法に対して教本運指との一致率が向上することを確認し,また,推定された運指の自然さに関してバイオリン経験者による主観評価を実施したところ提案法による有効性が確認できた.
著者
伊藤 慶彦 田村 仁
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.411-412, 2015-03-17

ギターは数多い楽器の中で指定された指板を抑えるだけで音が出るポピュラーで簡単な楽器である。そしてギターを演奏するために五線譜を翻訳したTab符といったものが有る。本楽譜は各弦に数字を指定し、指定された場所さえ抑えれば曲が弾けるといったものである。このTab符に五線譜を翻訳するソフトが存在する。しかしこの翻訳ソフトは音階しか読み取らず細かな演奏指定方法についてはTab符へ出力しない。そのため本研究では音楽という非理論的なものからリズム、強弱記号、音階の差、単音、複数音であるか、といった要素から理論的にギターの演奏方法を割り出し精度の高いTab符を出力する支援システムの作成する。
著者
福岡 俊之 片寄 晴弘 井口 征士
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1585-1586, 1990-03-14
被引用文献数
3

自動演奏というと無機的なイメージをもってとらえられるが、情緒溢れる演奏の生成に関する興味も近年高まっており、従来のシーケンサ機能に加え、ピアノの演奏情報を構造的に記述する言語などが提案されている。また、自律的に人間的な演奏を生成するシステムの研究も始まっており、では、1小節ごとに、予め作ったデータベースから、リズム、旋律、演奏記号の類似したものを選びだすことで表情を付けるシステムが提案されている。我々は、従来より、実際演奏の解析に基づいた自動演奏システムについて研究を行ってきたが、本稿では人間の解釈機構を考慮した自動演奏機構について述べる。
著者
片桐 利真 妻屋 昌秀
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.35-39, 2021-02-15 (Released:2021-02-16)
参考文献数
6

使い捨て手袋は,実験室レベルの有機溶媒作業において保護具として頻繁に使用されている.しかし,用いられる素材の多くは親油性であり,有機溶媒を吸着・透過する.本研究では使い捨て手袋(ラテックス,ニトリル,ウレタン,サニメント(ポリエチレン))の有機溶媒(ヘキサン,トルエン,塩化メチレン,2- プロパノール)及びその蒸気の吸着・透過を検討した. その結果,ゴム手袋は有機溶媒の液体だけではなく,溶媒蒸気を吸着・透過した.特に塩素系有機溶媒は,良く吸着・透過した.
著者
荒川 友美子 田中 辰明
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.229, 2005

<b>目的</b> 平成15年6月「高齢者、身体障害者の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法)」が改正された。これにより、公共交通機関においてもユニバーサルデザインの考え方に基づくバリアフリーが広まっている。福祉後進国といわれているわが国であるが現状でのバリアフリーの普及はどの程度であるか、福祉先進国であると予想したイギリス、ロンドン地下鉄と東京メトロのバリアフリー施設の設置について比較検討することで、今後日本が公共交通機関においてバリアフリーをどう普及していくべきか提案することを目的とした。<br><b>方法</b> 日本とイギリスの公共交通機関のバリアフリー施設の設置について比較するために、日本においては東京メトロ各駅、イギリスにおいてはロンドン地下鉄各駅を調査対象とし、エレベーター、エスカレーター、ホームドアシステム、電車内での車椅子スペースなど、バリアフリー設備の有無を調査した。<br><b>結果</b> 東京メトロ駅総数169駅のうち81駅が、ロンドン地下鉄駅総数323駅のうち66駅においてエレベーターの設置があった。ホームドアシステムについては東京メトロ19駅に対し、ロンドン8駅という結果であった。バリアフリー設備の有無の割合では東京がロンドンより大幅に高いという結果になった。
著者
渥美 聡孝
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.70, 2018

近年,九州では大型肉食恐竜の歯の化石が発見され,恐竜研究の地として注目を集めている.古代生物の化石は生物史や系統学,分類学など古生物学的に重要な意義を持つものである.化石の中には竜骨という名で生薬として用いられるものもあるが,恐竜に由来するものではない.第17改正日本薬局方では,竜骨は「大型ほ乳動物の化石化した骨で主として炭酸カルシウムからなる」と規定されており,漢方薬原料として用いられている.しかし近年は中国政府が竜骨の採掘を制限するなど,資源枯渇に対する危機感が露わになっている.したがって,持続的利用のために竜骨代替品などの検討が行われているが,原動物が不明瞭なため対策が困難な状態にある.竜骨は東大寺正倉院にも収蔵されており,奈良時代の生薬が今も残っている.この竜骨は過去の調査でシカ科動物の化石であるとされているが,現在の市販品について分類学的に原動物の調査をした報告はない.今回,日本と中国の市場品竜骨について検討した報告がなされたので紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Oguri K. <i>et</i> <i>al</i>., <i>J</i>. <i>Nat</i>. <i>Med</i>., <b>71</b>, 463-471(2017).<br>2) Oguri K. <i>et</i> <i>al</i>., <i>J</i>. <i>Nat</i>. <i>Med</i>., <b>70</b>, 483-491(2016).
著者
渡辺 和之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

&nbsp; 原発事故による畜産被害を聞き取りしている。2013年秋と2014年春に南相馬市で調査をおこなった。南相馬市には福島県内にあるすべての避難区域が混在する。20km以内の旧警戒地域は小高区にあり、旧計画的避難区域(2012年4月解除)や特定避難勧奨地点(以下勧奨地点)は原町区の山よりの集落に集中する。原町区の平野は比較的線量も低く、旧避難準備区域(2011年10月解除)となり、30km圏外の鹿島区では避難も補償もない。調査では原町区の山に近い橲原(じさばら)、深野(ふこうの)、馬場、片倉の集落を訪れ、4人の酪農家から話を伺うことができた。<br>&nbsp; 南相馬では転作田を牧草地としており、いずれの農家も20ha以上の牧草地を利用する。このため、糞や堆肥置き場には困っていない。ただし、事故後牛乳の線量をND(検出限界値以下)とするため、30Bq以上の牧草を牛に与えるのを禁止し(国の基準値は100Bq)、購入飼料を与えている。<br>&nbsp; ところが、酪農家のなかには1人だけ県に許可を取り、牧草を与える実験をしている人がいる。彼は、国が牧草地を除染する以前から自主的に除染をはじめ、九州大学のグループとEM菌を使った除染実験をしている。牛1頭にEM菌を与え、64Bqの牧草を与えてみた所、EM菌が内部被曝したセシウム吸着し、乳の線量が落ちていた。<br>&nbsp; 市内では震災を機に人手不足が深刻化しており、酪農家の間でも大きな問題となっている。南相馬の山の方が市内でも線量が高く、いずれの酪農家の方も子供を避難させている。妻子は県外にいて1人で牛の面倒を見ている人もおり、今までの規模はとても維持できないという。といって、少ない規模だと、ヘルパーも十分に雇うこともできず、牛の数を半分以下に減らした人もいる。<br>&nbsp; 現地では地域分断よりも、地域の維持がより大きな問題となっている。ある酪農家は「続けられるだけまだいいと、今では考えるようにしている」という。「小高や津島の酪農家を見ていると、いつ再開できるのか先が見えない。農家によって状況も違うし、考え方も違う。どうやって生きて行くのか、その先の見通しを何とか見つけないと。事故がなくても考えなければいけないことだったかもしれない。ただ、無駄な努力をさせられたよな」とのことである。片倉では、小学校が複式学級になる。深野でも小学校の生徒が10人に減ってしまった。「避難先には何でもある。30-40代は戻ってこない。だから、昨年から田んぼも再開した。続けていないと集落が維持できなくなる」とのことである。<br>&nbsp; 人がいなくなったことで獣害問題も深刻化している。山に近い片倉や馬場では、震災前からイノシシの被害はあったが、震災後に電気柵を設置したという。「電気柵をはずすと集中砲火を受ける。猿も定期的に群れで来る。あれはくせ者。牧草の新芽を食べる」という。<br>&nbsp; このような状況でありながらも、彼らは後継者不足には悩んでいない。週末になると避難先の千葉から息子さんが手伝いにくる人もいれば、息子が新潟の農業短大を卒業したら酪農をやるという人もいる。「酪農で大丈夫かとも思うが、牧草さえ再開できれば牛乳は足らないし、やってゆけなくはない」。また、「一度辞めると(酪農の)再開は困難。それ(息子が家業を継ぐ)までは今の規模を維持して行かないと」という。酪農仲間たちは、「親の背中を見てるんだねえ」とコメントしていた。
著者
寺嶋 吉保 森 和夫 川野 卓二 永廣 信治 佐野 壽昭 玉置 俊晃
出版者
徳島大学
雑誌
大学教育研究ジャーナル (ISSN:18811256)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.26-35, 2005-03
被引用文献数
1

チュートリアル教育は、少人数グループにチューターが付いて学生の自主的な学習を指導・促進する学習方法である。徳島大学医学部医学科では2001 年から導入して、3 年生の9 月から4 年生12 月までの47 週間行なっている。2004 年度で4 年目を迎えるが、学生が教員に学習課題を少なめに出して早く終了する傾向もみられ始めた。われわれは、こうした傾向を憂い、グループ学習の楽しさを体験させてからチュートリアル学習を開始する方が、好ましい学習態度を形成できるのではないかと考え、3 年生の7 月に従来の2 時間程度の説明会以外に4 時間かけて「沖縄旅行計画」を作る学生ワークショップを行なった。この結果、前年度の学生よりも、このチュートリアル学習に対する好感度・有用感などが高くなり、グループ学習時間も増加して、この導入プログラムの有効性を示唆した。New curriculum of the school of medicine, the University of Tokushima included 47-week PBL-tutorial hybridprogram started in 2001.To improve their learning skill and attitude, and to introduce a new learning style ofPBL-tutorial to students smoothly, we held a half day student workshop. The content of workshop is of makingtour plans for a family who had relationship problems among family members. Twelve groups with eightstudents respectively competed and evaluated each other, and all students enjoyed working as groups. Theefficacy of this introductory program was evaluated with questionnaire and their study time of grouplearning between this year and last year students. Impression and feeling of usefulness toward PBL-tutorialwas improved, and time of group study increased this year. Results suggested usefulness of this introductoryprogram. We will continue the evaluation of this program.
著者
Yumiko Yamawaki Taeko Mizutani Yuri Okano Hitoshi Masaki
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.647-655, 2021 (Released:2021-05-01)
参考文献数
29
被引用文献数
3

Although extracellular carbonylated proteins (CPs) are found at higher levels in sun-exposed skin, their impact on the cellular functions of fibroblasts and their involvement in the progression of photoaging skin are not fully clarified. In our previous study, we reported that extracellular CPs increase levels of intracellular oxidative stress and result in the accumulation of newly synthesized CPs in normal human dermal fibroblasts (NHDF). Furthermore, fibroblasts exposed to CP-BSA, which is a model of extracellular CPs, had upregulated expression levels of mRNAs encoding matrix metalloproteinase-1 (MMP-1) and interleukin-8/CXCL8 (IL-8/CXCL8). These facts suggested the possibility that extracellular CPs induce a fragile structure in the dermis through the degradation of collagen and elastin. The purpose of this study was to characterize the efficacy of natural carotenoids, such as astaxanthin analogs, produced by Hematococus pluvialis (CHPs) to improve the impaired functions of fibroblasts exposed to CPs. CHPs suppressed the intracellular CP levels elevated by CP-BSA, restored mRNA expression levels of factors involved in the formation and assembly of collagen and elastin fibers and improved the formation of those fibers impaired by CP-BSA. We conclude that CHPs function as antiaging substances due to their restoration of the impaired formation of collagen and elastin fibers caused by extracellular soluble CPs.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1297, pp.55-58, 2005-06-27

6月7日のGMの株主総会で、リック・ワゴナー会長兼CEO(最高経営責任者)は、株主から集中砲火を浴びた。業績回復に向けた策は少なく、手詰まり感が漂う。既に市場の関心は、GM車販売数よりGMの株式と債券の売買動向に移った。GM混迷が世界の金融市場に暗い影を落とす。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.775, pp.141-145, 2000-07-31
被引用文献数
1

エンターテインメント・ロボット「AIBO」の商品化の許可を得るため,役員会議に出向いた大槻正氏(表1,図1,図2)。そこで彼は集中砲火を浴びる。大槻氏は,1体25万円で,国内で3000体,そして米国で2000体販売する案を提示した。 それに対して役員からは,販売台数に問題がありとの意見が相次いだ。25万円もする高額商品が5000体も売れるはずがないというのである。
著者
榊 純一
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.2_22-2_29, 2021-06-30 (Released:2021-08-16)
参考文献数
5

秋田大学は,電動化システムの研究開発による地域産業創生を行う新たな産学官連携拠点として,電動化システム共同研究センターを設立した.センターはその傘下に,国内でも有数のシステム試験施設を竣工する予定であり,その設備を一般にも開放する計画である.加えて,センターは人財開発部を有しており,秋田県の将来を担う若年層への教育や社会人のリカレント教育も実施する.本稿では当該センターを中心とする活動状況を紹介する.
著者
新舍 規由
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.815-820, 2003-09-10

はじめに 医学部3年の春にラグビーの試合中の事故で頸髄損傷,C7完全四肢麻痺となり,常時,車椅子の生活となって今年で15年となる.恩師でもあり現在の上司でもある石神重信先生から厳しくも温かいリハビリテーションを受け,当時としては画期的な早さ(受傷後3か月)で学業に復帰し,留年することなく卒業でき,医師免許を取得した.その後,防衛医大のリハビリテーション部に入局し,現在に至る. 自分自身が障害者であると共に,障害をもった患者さんに接する機会の多いリハビリテーション医である(図1)という理由から,今回の原稿依頼が来たのであろう.職業柄「障害受容」という用語を耳にすることは多いのだが,実は私自身が「障害受容」という用語について受容していない.抵抗感がある.正確に言えばどうもピンとこないのである.そもそも障害受容とは何なのか.障害後に生じる多様な心理状態の変化の結果,一見,障害を受け容れたかに見える状態を便宜的に形容するために研究者が恣意的に作った用語にすぎないように思える.一体障害は受容できるものなのか? 受容しなくてはならないものか? 障害受容に関する考え方の変遷など一般的なことは過去の総説1-3)や本誌の他稿を参照されたい. 予め断っておくが,今回,障害者当事者の立場での執筆依頼であるので,その言葉通り障害者としての私個人のきわめて私的な意見である点をご了承いただきたい.というのも,障害者の立場から書かれた障害受容に関する学術的論文は見当たらず,一般大衆向けの手記が散在する程度であるからである.先天的な障害では状況が変わってくるので,本稿では後天的な障害,いわゆる中途障害,特に脊髄損傷を念頭に置きながら筆を進めたい.