著者
齋藤 邦彦 鈴木 英敏 金田 修一 阿部 剛 齋藤 薫 佐久間 弘典 庄司 則章
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.133-141, 2016-05-25 (Released:2016-06-18)
参考文献数
22

膨潤化処理した飼料米(膨潤玄米)の給与が肥育牛の発育性と産肉性に及ぼす影響を検討した.供試牛は黒毛和種去勢牛を用い,濃厚飼料多給肥育による対照区に4頭を,15ヵ月齢から出荷まで濃厚飼料の30%量を膨潤玄米に代替給与する試験区に4頭をそれぞれ配置した.試験区において稲わら摂取量が有意に多くなった結果,肥育全期間における推定総TDN摂取量も試験区が対照区より多くなったが(P<0.01),試験牛の発育および日増体量は試験区間に差が認められなかった.枝肉格付成績,胸最長筋の水分,粗脂肪,粗タンパク質の各含量および脂肪酸組成については試験区間に差はなかった.以上のことから,黒毛和種去勢牛肥育において配合飼料の30%量を膨潤玄米に代替給与しても,発育性および産肉性への影響はなく,輸入穀物の代替飼料として利用可能であることが示唆された.

1 0 0 0 幕末維新

著者
山内家史料刊行委員会 [編]
出版者
山内神社宝物資料館
巻号頁・発行日
vol.第15編 (第十六代豊範公紀 明治十年八月~明治十九年年末), 1990
著者
坂東 麻衣 山川 宏
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第51回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.229, 2008 (Released:2009-04-14)

円軌道上の宇宙機に関する相対運動の方程式は非線形系であるが, 線形化された宇宙機の近傍での運動はClohessy-Whiltshire方程式として知られる時不変系で記述され,円軌道近傍の最適軌道の決定にしばしば用いられる.しかし,大きな軌道面の変化を扱うことができないなど適用範囲には限界があるため,もとの非線形方程式を直接扱う手法を確立することは有用な場面も多いと考えられる. 本研究では,与えられた時間で初期位置から終端位置へインパルス入力により移行する問題を考える.このとき必要な初速度,終端速度は運動方程式の2点境界値問題を解くことにより決定される.初速度,終端速度をHamilton-Jacobi(HJ)方程式の解を用いて表すことが可能なため,この問題はHJ方程式を解く問題に帰着させることができる.しかし,Hamilton-Jacobi方程式の解析解を求める一般的な方法は存在せず,近似解を求めることも容易ではない. 本研究では,HJ方程式は最適制御問題におけるHamilton-Jacobi-Bellman(HJB)方程式と同様の構造をもつことに着目し,扱う力学の問題を最適制御問題と見なし,近似的にHJ方程式の解を求めることを考える. はじめに,HJB方程式は非線形偏微分方程式であり,直接扱うことは困難であるが,ケプラー運動のハミルトニアンが速度に関して正定関数であるという性質を用いることにより,逐次近似により線形偏微分方程式として扱うことができることを示す.次に,近年提案されたChebyshev多項式を用いたHJB方程式の近似計算法を用いることにより,解を構成する方法について述べる.最後に数値シミュレーションを行い, 提案手法の有効性を確認する.
著者
江島 尚俊
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.1-26, 2016-12-30 (Released:2017-09-15)
被引用文献数
1

現代日本において宗務課は、なぜ文化庁の、ひいては文部科学省の組織管轄下に位置づけられているのか。その端緒を明らかにすべく、本稿では文部科学省の前身である文部省が、いつ、どのような状況の中で宗教行政所管のための理論構築を行っていったのかを明らかにしている。最初に焦点をあてたのは明治一〇年代である。まずは、この時期に生じた文部省・内務省間の宗教学校所轄問題が、太政大臣の政治判断によって一応の決着をみたことを論じた。次は、社会・外交状況の変化でその所轄問題が再燃する明治二〇年代に着眼している。そこでは、文部省が内務省とは別に所轄問題の解決を模索した結果、宗教学校のみならず宗教行政をも所管しようとする理論を構築していたことを指摘した。そして最後に、新しく構築された宗教行政所管論の特徴について論じている。この所管論においては、従来の内務省のように社寺行政の延長で宗教行政を捉えるのではなく、美術行政と学校・教育行政の枠組でそれを捉え直し、宗教行政の文部省所管が主張されていたことを明らかにした。
著者
藤原 愛弓 和田 翔子 鷲谷 いづみ
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.131-145, 2015-11-30 (Released:2017-10-01)
参考文献数
35
被引用文献数
1

ニホンミツバチの分布の南限域である奄美大島の宇検村で採集された個体が、本州や九州とは明確に異なるハプロタイプを持つとの報告があり、奄美大島の個体群が、遺伝的に隔離された地域個体群である可能性が示唆されている。本研究は、奄美大島のニホンミツバチの保全上の重要性を評価し、保全のための指針を作るために必要な基礎的な生態的知見を得ることを目的として実施した。まず、1)ニホンミツバチの営巣環境を把握するとともに、2)奄美大島のニホンミツバチのワーカーと、東北地方や九州地方のワーカーとの体サイズの比較を行った。3)自然林の大木の樹洞に営巣するコロニーと、里地の石墓の内部空間に営巣するコロニーを対象として、ワーカーの採餌活動パターンおよび繁殖カーストの行動を把握するとともに、天候がそれらに及ぼす影響を把握した。4)自然林内の樹洞のコロニーにおいて、分封が認められたので、その過程を観察した。これら一連の調査に際して、5)天敵となり得る生物、巣に同居する生物と病気による異常行動の兆候の有無に関する記録を行った。本研究では、奄美大島のニホンミツバチは、鹿児島、岩手県のワーカー個体と比較して、体サイズが有意に小さいことが明らかとなった。また、ワーカーの捕食者は観察されたものの、コロニーの生存に大きな影響を与える捕食者や病気は観察されなかった。コロニーの採餌活動は天候の影響を強く受けていた。営巣は自然林だけでなく人工物でも観察されたが、亜熱帯照葉樹林内の樹洞のコロニーのみにおいて分封が観察された。一方、里地での墓、民家、学校の植栽木の樹洞に営巣した複数のコロニーが、殺虫剤などにより駆除されていた。これらのことは、自然度の高い森林内の樹洞が、ニホンミツバチの個体群維持に重要であることを示唆している。
著者
安齋 潤 松本 勉
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.2344-2351, 2006-08-15

近年,移動体の位置情報を利用したサービスがさかんに研究されている.移動体のような物理オブジェクトの測位方式として複数の方式(GPS やRFID 等)が存在する.異なる測位方式を備えた複数の位置情報(位置トークン)の提供者,その位置トークンを用いて自身の位置を証明する証明者,位置トークンにより証明者の位置を検証する検証者からなる位置トークンモデルを考える.位置トークンモデルでは,測位方式の違い等により位置トークンの形式も異なる場合があり,必ずしも検証者がトークンを検証可能とは限らないという問題がある.本論文では,検証者に代わり位置トークンを検証する位置証明機関を想定することで,このような位置トークン検証問題を解決する.また,位置証明機関による位置トークンの検証方式についても検討する.
著者
佐々木 真吾
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要. 家政・自然編, 人文・社会編 = Journal of Nagoya women's University (ISSN:21857962)
巻号頁・発行日
no.67, pp.35-43, 2021-03-10

子どもの行動に良い面と悪い面が存在するなど、子育ての場面では子どもを褒めるか叱るか曖昧な状況が数多く存在する。本研究では、褒めるか叱るか曖昧な状況での親の養育態度がレジリエンスと保育観の発達に及ぼす影響を検討した。大学生を対象に、子ども期の曖昧な状況での親の対応を、どの程度褒められたか、叱られたかという観点から回想してもらい、レジリエンス尺度および保育観尺度との関連を調査した。その結果、レジリエンスの合計点は、褒められることが多く叱られることが少ないと回答した者で、褒められることが少なく叱られることが多いと回答した者よりも高かった。同様に、レジリエンスの下位尺度である内面共有性、内省性の得点も、褒められることが多く叱られることが少ない者で高かった。また、子どもと対等に関わることを重視する協調的保育観は、褒められることが多く叱られることが少ない者で、褒められることが少なく叱られることが多い者よりも高かった。以上の結果から、褒めるか叱るか曖昧な状況では、子どものポジティブな側面を見いだして褒めることが、レジリエンスや保育観といった情緒・社会性の発達を促進することが示唆された。
著者
島田 荘平 藤沢 義郎 松田 範之
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材 (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.112, no.7, pp.429-438, 1996-06-25 (Released:2011-01-27)
参考文献数
44

Due to the import of cheap primary energy resources, the German domestic coal mining industry is forced to rationalize the organization and to reduce the production cost. Though the economical situation is stil severe, the new R & Ds and the improvement of practical technologies have been continued in a limited budget range. Many of them are remarkable technolgies to overcome the severe underground mining conditions and to increase productivity and to improve safety performance.This report summarizes the recent R & Ds and practical technologies developed in German coal mining industries. It includes technologies on coal cutting, roadway drivage, material and man transportation, roadway maintenance, safety devices, utilization of mined-out space and safety management. The tndency of these technologies is described in conclusion.
著者
小林 裕樹 重信 秀治
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.17-21, 2022-05-01 (Released:2022-07-07)
参考文献数
14

愛知県の林内地上より,有彩色の色彩を欠き,傘と柄の全体が黒い鱗片で覆われ,全体に強い黒変性を持つアカヤマタケ属菌を見出した.形態観察およびrDNA領域内のITSおよび26S rRNAの2箇所の配列を用いた系統解析の結果,2020年に中国より新種報告されたH. griseonigricansと同定した.本邦からの本種の報告は初となる.
著者
坂 真智子 飯島 和昭 西田 真由美 狛 由紀子 長谷川 直美 佐藤 清 加藤 保博
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.150-159, 2008-06-30 (Released:2008-07-17)
参考文献数
14
被引用文献数
10 7

小麦の加工および調理による計13種の農薬の残留濃度変化に伴う調理加工品への移行率(玄麦に残留する農薬の絶対重量に対する生成試料中の残留農薬重量の比率,%) について,プレハーベスト処理試料(Pre, 9薬剤)とポストハーベスト処理試料(Post, 6薬剤)を調製して調査した.また,玄麦中に残留する農薬の濃度に対する生成試料中の残留農薬濃度の比(以下,加工係数と称する)も求めた.製粉工程において,玄麦に残留していた農薬のうちPreでは70%以上,Postでは80%以上がふすまとともに除去され,60%粉に残っていたのはPre 1.7~23%, Post 4.0~11%の範囲であった.60%粉の加工係数はPre 0.030~0.40, Post 0.069~0.18を示した.これらの数値は,PreのほうがPostよりも高い値を示した.移行率の薬剤間での値の差は少なかった.調理加工における農薬の残留濃度変化を調査することは,基準値設定に役立つばかりでなく,農産物に残留する農薬が食品に移行する量を把握する上で重要である.
著者
荒井 都子 工藤 優汰 三木 則尚
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
マイクロ・ナノ工学シンポジウム 2015.7 (ISSN:24329495)
巻号頁・発行日
pp._28pm3-E-4, 2015-10-21 (Released:2017-06-19)

In this paper, we propose a candle-like micro-needle electrode for electroencephalogram (EEG) measurement from the hairy part of the scalp. Conventional wet electrodes for EEG measurement require skin abrasion and electrically conductive gel. This is time-consuming and uncomfortable. On the other hand, micro-needle electrodes can eliminate this process by penetrating through the high impedance stratum corneum. So far, our group has developed a polymer-based dry micro-needle electrode and measured EEG from the frontal pole. However, it was impossible to measure EEG from the hairy part of the scalp by using this electrode because hair obstructs contact between microneedles and the scalp. Therefore, we fabricated candle-like micro-needle electrodes that has pillars for avoiding hair and measured EEG from the occipital, where there is hair. The acquired signal showed as high quality as the conventional wet electrode.

1 0 0 0 OA 戯聞塩梅余史

著者
滝沢馬琴
出版者
蔦屋重三郎
巻号頁・発行日
1799