著者
鈴木 浩二 松川 徹 栗田 多喜夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.29, pp.7-12, 2009-03-06
被引用文献数
2

局所特徴を SVM により背景領域からの特徴と対象領域からの特徴に分類し利用する手法 (初期特徴選択) を提案する.初期特徴選択の有効性を検証するために,UIUC Image Database を用いて SIFT 特徴を車領域からの SIFT 特徴と背景領域からの SIFT 特徴に分類する SVM を作成し,SIFT 特徴を用いた Bag-of-Features の特徴選択に適用する実験を行った.この実験の結果,Bag-of-Features において背景領域からの SIFT 特徴を SVM で選択的に取り除くことにより,クラスタ数が少ない場合において従来手法よりも識別率を向上させることできた.We propose a local feature selection method that classifies local features into background's features and target's features using SVM. We applied this feature selection method to "bag-of-features" method in generic object recognition problem. To verify the effectiveness of the proposed method, we conducted experiments using UIUC Image data base. Experimental results showed the proposed method outperformed the conventional Bag-of-Features representation with a fewer number of clusters.
著者
古本 大
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.149-157, 2006-08-31
被引用文献数
3

高校生物のカリキュラム的な制約と時間的な制約によって、野外調査を行うことはなかなかできないのが実状である。その中で、本校独自のカリキュラムとして高校生物の授業や宿題の中で、校内の樹木観察や磯採集などを行っている。これらの課題により、生徒たちは抽象的な生物というものではなく、個々の種を知ることの大切さを初めて認識するようになった。また生物部の短期的な活動として、生物の採集を合宿先や日帰りで行ける海、山、川などいろいろな場所で行い、持ち帰って飼育している。採集・飼育によって、生徒はその生物の分布や生活環境について考えるようになった。長期にわたる研究としてはセミの抜け殻調査や幼虫の羽化の研究、成虫の再捕獲調査など多岐にわたる調査を1995年以降、毎年夏に行ってきた。セミの研究については毎年、大阪府高等学校生徒生物研究発表会で発表させるとともに、数年分をまとめて学生科学賞に応募してきた。賞への応募は研究内容を深めることや、生徒の目的意識を高める効果があった。これらの実践により、生徒は種の多様性や自然環境の大切さを感じるようになっていったようだ。
著者
細田 明宏
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.37-48, 2011-12-31

In Bunraku, a single puppet is manipulated by three puppeteers. In this paper, we will consider the method of operating Bunraku puppets by referring to the theory of the Joruri narrative because Bunraku is formed by uniting Joruri and puppets. In the 17th century, special puppeteers, Tezuma ningyotsukai, appeared and showed off their clever techniques. Bunraku puppeteers, under the influence of them, wanted to manipulate finer movements and needed two assistants as co-operators. Thus, the manipulation method of Bunraku puppets was established in 1734. Furthermore, the mechanism inside of the Bunraku puppet head was made for richer expression of emotion; these mechanisms were used to show the puppeteer's technique in Tezuma puppets. Actually at that time, there was a significant change in the artistic theory of Joruri. From that point, the importance of expressing the feelings of the characters has been established. There is a similar claim written later in the theoretical book about how to operate the Bunraku puppets. In brief, the operation method of Bunraku puppets was established for expressing the character's feelings, in accordance with the artistic theory of Joruri.
著者
大澤 正嗣
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第124回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.67, 2013 (Released:2013-08-20)

トウヒツヅリハマキ (Epinotia piceae) は小型の蛾で、幼虫は針葉樹の葉を食害する。富士山北麓で2001年に本害虫が大発生し、多くのシラビソが食害され枯死し、被害面積は104haに及んだ。本害虫による被害は大台ヶ原で記録があり、本害虫の大発生は8年周期で繰り返されるであろうことが報告されている。富士山麓でも再び大発生する可能性があり、本害虫発生数のモニタリングを行っている。成虫のモニタリングは羽化トラップを設置し、夏に地面から発生する成虫を捕獲しカウントした。幼虫はシラビソを伐倒し、枝を各伐倒木から採取し、そこに付いている頭数をカウントした。その結果、調査を開始した2003年から2004年は減少傾向、2005年~2009年は頭数が一定して少なかった。しかし、その後個体数は増加に転じ、特に2011年~2012年は増加が著しかった。今後大発生が懸念される。
著者
三浦 義彰
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.185-195, 2005-08-01

中学時代に生化学という学問のあることを知り,医学部入学の後,憧れの生化学に直面したら何のことはない尿の化学の実習ばかりで大いに失望した。卒業と同時に太平洋戦争が始まり,海軍軍医に任ぜられた。海軍では,生化学専攻という点が買われ航空医学の研究所に採用され,不具合の航空機の原因を検討した。2年ほどの戦地勤務後,再び航空医学の研究所に戻ったが,航空機はなくな(代わりに不足勝ちの食糧の対策やジェット機に備えて,乗員の食糧の研究に追われた。戦後,東大医学部の生化学教室に戻り,研究未発達の核酸の代謝を燐の放射性同位元素を使って始めた。しかし燐よりも炭素の同位元素を使いたく,それを習いにペンシルバニア大学に留学した(1952-3年)。そこで得た知識は生化学の技術も習うことは出来たが、西欧の生化学の究極の目的は「生命とは何か」を化学的に究明することであると悟らされた。帰国後,東大分院と千葉大学で,カイコの絹糸腺から得た核酸はネズミの肝臓でも絹糸蛋白フイブロインを合成すること,ネズミの再生肝DNA合成の起こるまでの準備期間にはトロンボキサン,c-GMP,オルニチンデカルボキシラーゼの上昇が必須であることなどを還流肝を用いて証明した。この一連の反応はDNA合成に必要なpleiotropic responseである。定年後は実験室がないので,栄養の本などの執筆につとめている。
著者
牛山 聡 東山 三樹夫 飯塚 昌弘 平田 能睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.93, no.527, pp.39-44, 1994-03-22
被引用文献数
49

Fourier解析による波形分析では信号の周期性を仮定するため、波形が単一正弦波であっても観測区間の位置や長さによって分析結果が異なると言う問題がある。本稿は、時間窓の影響を受けない概周期関数を用いた一般調和解析によって、定常的とは限らないPiano音や音声信号の分析を試みる。その結果、(1)過渡的な信号が短時間に切り出した区間ごとの分析合成によって概周期関数のモデルで表現できる、(2)短時間内に生じるわずかな周波数変動を概周期関数に基づく一般調和解析によって分析できる、ことを実証する。
著者
福田 拓章 寺田 隆彦 平田 能睦 東山 三樹夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-09-05

筆者等は、先に一般調和解析(GHA)による非定常信号の周波数解析法を提案した。本報告では、GHA手法を歌声のピッチ抽出に応用する可能性を検討する。
著者
笠原 要 松澤 和光 石川 勉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.1272-1283, 1997-07-15
参考文献数
26
被引用文献数
99

人間は,単語の意味を表す「概念」間の類似性を,その単語が扱われる文脈や状況の変化に応じて柔軟に判別する.本論文では,属性とその重みより構成した概念の知識ベース(「概念ベース」)を用い,文脈や状況等を表現する単語(「観点」)を指定したときに,観点に応じて概念間の類似性を判別する方法を提案する.この方式は,概念どうしの類似性判別を行う前に,概念中の属性の重みを観点に基づいて強調することを特徴とする.概念ベースは,まず国語辞書等の語義文から自立語の出現頻度に基づいて属性とその重みを獲得し,次いで得られた概念ベースの自己参照による新たな属性の追加,および不要な属性の統計的な除去からなる精錬を行うことによって,完全に機械的に構築した.実際に作成した約4万の日常語に関する概念ベースで方式評価を行った.この結果,提案の類似性判別方式がシソーラスを用いる従来の方式に比べて有効であり,また,この判別において観点が効果的であることを明らかにした.We propose a method for measuring the semantic similarity berween words using a largescale knowledge base that is automatically constructed from machine-readable dictionaries and is self-refined.This method of measuring similarity takes into consideration the fact that similarity changes depend on situation or context,this is what we call a 'viewpoint.'A feature of this method is that certain parts of the overall concept of measured words,compared with each other,are emphasized by using the viewpoint when calculating the degree of similarity.An experimental knowledge base,which contains knowledge of 40,000 Japanese daily-used words,was employed in order to evaluate the proposed method of measurement.The similarity measurements with the proposed method were closer to those decided by human judges than were similarity measurements made using the conventional way of using a thesaurus.Moreover,it was found that consideration of the viewpoint was effective when measuring the semantic similarity.
著者
西島 千尋
出版者
日本福祉大学
雑誌
現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要 (ISSN:13451758)
巻号頁・発行日
no.129, pp.1-26, 2014-03-31

音楽受容研究において,西洋音楽中心主義的な時代の大多数の人々は「聴衆」とみなされてきた.ラジオやレコードなどの文化産業が興隆すると,大多数の人間が意志や好みを持たずメディアに踊らされる「消費者」とみなされるようになる.20世紀後半には,カルチュラル・スタディーズの流れのなかで,ただ消費するのではなく,取捨選択して音楽を選ぶ「消費者」が注目されるようになる.そこに近年,新たな消費者像が誕生している.それが「ユーザー」である.その契機となったのは,音楽のデータ化およびインターネットの普及であった.近年の日本の音楽関連研究は,ネットおたくを中心とした「ユーザー」への関心が高い.日本では「ユーザー」が「ネットおたく」と同義で使用される場合も多いからである.しかし,音楽のデータ化やインターネットにより,音楽に携わるのは匿名を基本とするネットおたくだけではない.新たなユーザー層は,さまざまにインターネットや動画共有サイトを使用し,さまざまな意義を見出している.そこで本論文では,アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスで行ったフィールドワークで得た情報をもとに,ソウル・ラインダンスの事例を取り上げる.アメリカ合衆国で急速に人気が高まっているソウル・ラインダンスは,黒人の「伝統」のダンスであると認識されながらも,パソコンやインターネットの普及と共に新たな活動の様相を呈している.ソウル・ラインダンスの事例を記述することで,音楽のデータ化およびインターネットの普及による音楽と人間との関係性の変化に着目したい.
著者
駒井 三千夫 白川 仁 後藤 知子
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

これまでの報告では、苦味レセプターTAS2R遺伝子中のSNP(一塩基多型)は苦味感受性に大きな影響を与えていることが判明している。ブロッコリー等のアブラナ科植物の苦味を敏感に感じ取ることが可能な人では、発癌リスクが高いと推定される疫学的データがあるため、その苦味感受性とその物質の代謝酵素の活性も違う可能性も類推される。苦味レセプターの多型と苦味感受性の相関関係を明らかにしていくことは、苦味受容機構の解明につながるほかに、個人の遺伝的素因と疾病発症の関係を解明する糸口になるものと考えられる。よって本研究では、被験者個々人のTAS2R遺伝子のSNP検出と官能検査を行い、苦味感受性に関与するSNPを同定することを目的とした。今の段階では研究結果の詳細を公開することはできないが、以下に成果の概略を記す。平成21年度の研究では、TAS2R44とTAS2R45におけるSNPの組み合わせに規則性がみられ、これらの遺伝子型はカフェインの閾値とは関連が見られなかったものの、カフェインの苦味強度との関連が見られた。これらのSNPの組み合わせは苦味感受性に影響を及ぼしていることが示唆された。TAS2R44、TAS2R45のハプロタイプを解析した結果、TAS2R44では3つのハプロタイプ、TAS2R45では2つのハプロタイプが観察された。これらのハプロタイプの組み合わせにより、被験者48人は3種類、官能検査を行った38人は2種類の遺伝子型に分類することができた。これらの成果は、今後の研究の進展に極めて重要である。
著者
牟田 淳
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

私は主に形の縦横比率とその形に対して人々が抱く印象間の関係を日本と米英に於ける各々千人程度のアンケート結果を用いて研究した。形の種類は四角形、キャラクター、顔等とした。四角形の場合、米英人は黄金比四角形を有意に好む場合があるが日本人は正方形を有意に好む事等が明らかになった。キャラクターの場合、日本人は細長くないキャラクターを好むが米英人は細長いキャラクターを好む事等が判明した。顔の場合、日本人は前髪を分けた幾分細長い顔を好む事等が判明した。以上から好みの比率は不変ではなく、民族や形の種類等により変化する事等が判明した。
著者
谷口 行信 南 憲一 佐藤 隆 桑野 秀豪 児島 治彦 外村 佳伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1112-1121, 2001-06-01
被引用文献数
28

映像の効率的なブラウジングのためには, 映像にインデックスを付与する作業が必要である.本論文は5種類の映像解析技術-ショット切換検出, カメラワーク検出, テロップ検出, 音楽検出, 音声(人の声)検出-を統合した映像インデクシングシステムSceneCabinetについて述べる.映像解析技術に基づく自動インデクシングアプローチは従来から提案されているが, 自動付与できるインデックスは限られる上, その精度は100%でない.このような映像解析の不完全性を補うために, 本システムは自動付与されたインデックスを効率的に修正したり, 関連情報を人手で簡単に付与するためのユーザインタフェースを提供する.具体的には, タイムラインと代表画像一覧を組み合わせることで, 効率的にインデックスの修正や付与ができるようにする.本システムを用いると, 手作業の場合に比べて約半分の作業時間でインデックス付与できることを評価実験により示す.更に, 映像ストリーミング技術を統合したWebページ作成ツールについて述べ, その応用事例を挙げることで本システムの有効性を示す.
著者
前橋 明 浅川 和美 佐野 裕子 泉 秀生 松尾 瑞穂 長谷川 大
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2012年度から2014年度の3年間で、述べ25県の幼稚園に通う3歳~6歳児15,575名、1都1府35県の保育園に通う1歳~6歳児41,797名の生活習慣調査を実施し、結果の返却と、希望の保護者には個人健康カードを作成して配布した。また、各地の行政や教育委員会と連携し、2012年は、18地域で延べ22回、2013年は、34地域で延べ70回、2014年は、24地域で延べ79回の健康づくり理論普及の講演会や、生活リズム向上のための運動指導などを展開した。生活習慣調査と講演会開催担当者358名を対象に、実践に対する評価を調査た結果、子どもたちの生活リズムが改善し、元気になったと回答が寄せられた