著者
岸 宣夫
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.48-56, 1963-08-10
著者
田中 美里
出版者
同志社大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

本研究では、数値化や記述が困難な人間の感性情報を、人間とコンピュータとの対話を通して明らかにし、意思決定やデザイン設計に応用することを研究目的とする。E-co㎜erceなどに見られる従来の情報推薦はアクセス履歴などに基づくコンテンツ同士の関連度から呈示を行うものである。これに対し、本研究では個人ごとに、そして対象問題ごとに異なる感性モデルから共通するモデル、普遍的なコンセプトと言えるメタモデルを抽出し、応用した新しい推薦技術の確立を目指していることに意義が存在する。これらのモデル抽出を可能とする手法として、対話型遺伝的アルゴリズムに着目している。ユーザの評価と最適化計算を繰り返すことで、ユーザの感性モデルを特徴空間中の景観(ランドスケープ)の形状によって表現する。この対話型遺伝的アルゴリズムを用い、感性のメタモデルを抽出するために、以下の問題を解決していく必要がある。(A)複雑な感性モデルの推定、(B)ユーザの評価の揺らぎの検討、(C)メタモデルの抽出技術の検討である。課題(A)については採用第一年度に、多峰性の感性モデルにおいて複数の最適化を求めるアルゴリズムを開発した。採用第二年度目である本年度は、課題(B)について取り組んだ。対話型最適化手法では、ユーザの主観的な評価値を用いてランドスケープの探索を進めるため、ユーザの評価に揺らぎが生じるとその感性モデルを正しく抽出できなくなる。そこで、ユーザの評価の揺らぎについて検証し、さらにより正確な評価値を得るための一手法として脳活動情報に着目した。ユーザの解候補を評価するときの脳活動を計測し、感性的な評価値との関係を定量化することで、脳活動情報による評価値の算出や補正を行うことを試みた。本研究ではこのためにMRI装置を用いた生体情報の取得と利用について数回の被験者実験を行っている。さらに年度の後半には非常に精度の高いMRI装置を借用し、大規模な被験者実験を行ってユーザの脳活動と嗜好との関連性について調査を進めた。これらの研究の成果については適切な機会に研究発表を行い、外部に公開している。
著者
久保田 祐歌
出版者
国立大学法人愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教育創造開発機構紀要 The journal of the Organization for the Creation and Development of Education (ISSN:21871531)
巻号頁・発行日
no.3, pp.63-70, 2013-03-31

高等教育においては、「21世紀型市民」の育成や高等教育のグローバル化(学位の国際通用性)、大学のユニバーサル化、質保証への対応という観点から、学士課程の学習成果(ラーニング・アウトカムズ)が求められるようになっている。そうした背景から、エンプロイヤビリティの意味合いを含むジェネリック・スキルの概念が、高等教育のカリキュラムに導入されるようになってきている。海外においては、学生の生涯に渡る発達という観点から大学における教育目標を定め、カリキュラムにおいてそれを涵養する組織体制づくりが進んでいる。日本においては、ジェネリック・スキルの教育目標の設定とカリキュラムの検討、専門教育と教養教育のそれぞれにおけるジェネリック・スキル教育目標の連関の検討という課題がある。ジェネリック・スキルを育成する教育は、教育方法の転換を伴うため、大学全体としての組織体制づくりを必要とする。しかし、大学生にとっては広い文脈の中で、自分の専門分野での学習を社会へと関係づける経験が可能となるため、極めて意義深い取り組みと言える。
著者
南本 真一 藤井 彩恵 山口 弘純 東野 輝夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.2169-2183, 2010-12-15
被引用文献数
2

本論文では,モバイル無線端末間の無線通信履歴とモバイル無線端末のGPSなどから得られる端末の移動履歴を用いて,建物などの位置および形状を推定する手法を提案する.災害発生時に効率の良い傷病者救助活動を行うためには,災害現場の地理情報,特に,現在移動可能な領域を特定することが非常に重要であるが,建物の倒壊や道路の寸断,建造物情報の不足などにより既存の地図では不十分な場合が多い.赤外線やレーザによるレンジセンサ,カメラを用いた画像解析によって建造物を推定する手法も多く研究されているが,ハードウェアコストや測定にかかる人的コストが無視できない.これに対し,提案手法では医療従事者などが保持するモバイル無線端末の無線アドホック通信機能とGPS測位機能のみを仮定し,それらの人員が領域を歩き回ることで得られる端末間の通信情報と,端末の位置情報のみを用いて障害物の位置や形状を推定し,対象領域の地図を自動作成する.150m×190m内にいくつかの建造物が存在する領域を対象に,15人の移動を想定した実機実験で提案手法の性能を評価した結果,約350秒で推定精度85%程度の地図を生成できることを確認した.また,シミュレーション実験により様々な環境で提案手法が有用であることが示された.In this paper, we propose a method to automatically recognize the situation of a disaster site. The method assumes that rescue parties have mobile terminals that are equipped with GPS receivers and wireless communication devices. Using the position information and wireless ad-hoc link information from the terminals, which are automatically recorded during those parties' rescue operations, the method estimates the presence and shapes of obstacles in the site. The results from the experiments have shown that our method could achieve certain accuracy within reasonable time.
著者
岡田 誠 櫻井 宏明 鈴木 由佳理 才藤 栄一 武田 斉子 岡西 哲夫 加賀 順子 大塚 圭 寺西 利生 寺尾 研二 金田 嘉清
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.209-217, 2002
被引用文献数
4

現在,トレッドミル歩行は,省スペースで連続歩行が可能であるいう理由から,片麻痺患者や脊髄損傷患者などに多く利用されている評価・練習方法である。本研究の目的は,トレッドミル歩行における臨床的応用の予備的検討として,トレッドミル歩行と平地歩行の比較を運動力学的因子,特に床反力に着目して検討することにある。健常成人28名に対し,主観的な判断として「遅い」,「快適」,「速い」の3速度で平地歩行時とトレッドミル歩行時の床反力(垂直分力,前後分力,左右分力)を計測した。両歩行の床反力波形の類似性は,3分力ともに類似性の高い結果となった(r=0,76〜0,95)。床反力波形のピーク値の比較では,垂直分力第3ピーク値と前後分力第1ピーク値において3速度ともトレッドミル歩行の方が有意に低い値を示した(p<0.01)。これらの結果から,トレッドミル歩行と平地歩行には,相違点がいくつか認められたものの,床反力波形の全体としての類似性は高く,事前の予備練習や歩行速度の調整を行い環境的要因のことを考慮した上でトレッドミルを用いれば,有用な代替的手法になると考えられた。
著者
戀津魁 伊藤彰教 三上浩司 近藤邦雄 菅野太介 金子満
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.605-607, 2011-03-02

映像作品を制作するにあたって,初めに作成される情報としてシナリオがある.シナリオなくして映像制作をするのは非常に困難であり,シナリオ執筆は必須の作業と言える.しかし,シナリオを記述するためにはキャラクター設定やエピソード等膨大な情報を考え,記述したものを管理する必要があり,シナリオ執筆自体にかかる以上の労力を必要とする.そこで本研究では,PHPとMySQLデータベースを用いてシナリオライターの情報管理を補助するシステムを開発した.Webブラウザを介して執筆過程の情報を随時データベースシステムに登録し,好きなタイミングでユーザーが参照できるインターフェースを作成した.また,記述された情報を自動的にシナリオの体裁を整えた形に表示する機能を実装した.これによって,多種・多数に渡る中間生成物をシステムが管理するためライターの負担を軽減し,また執筆完了後は記述された情報を効率的に参照できる形として出力可能になる.
著者
水野 有智 木下 裕介 和田 春菜 福重 真一 梅田 靖
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.798-804, 2012
被引用文献数
1

Developing scenarios is a hopeful approach for drawing visions and pathways of sustainable manufacturing toward sustainable society. Sustainable Society Scenario (3S) Simulator is an integrated design support environment that supports understanding, describing, and analyzing scenarios. This paper proposes a design support method of scenarios in 3S Simulator. Proposed method supports designing scenarios in forecasting manner, in which futures are explored starting from the present. We employ two-leveled causal networks for supporting scenario design in structuring ideas and describing the structured ideas into a scenario, by expressing the structure of the object world of the scenario. In the case study, we verified that the outlines and details of a scenario are deployed from the causal networks. Using 3S Simulator, the relationship between the causal networks and the descriptions of a scenario is clarified. This supports a designer to understand the scenario rationally. As the conclusion, proposed method supports designing scenarios in forecasting manner.
著者
菅野 太介 青山 優也 戀津 魁 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.175-176, 2013-03-08

シナリオは映像コンテンツのシーンの構成、登場人物の動きや台詞などを文章で表したもので、映像コンテンツの設計図である。本研究ではシナリオを構成するメインストーリーとサブストーリーが含まれるシーンを分析し、その結果に基づいてシーンを視覚化するシステムを開発し、シナリオ制作を支援した
著者
戀津 魁 石川 圭一 菅野 太介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.181-182, 2013-03-08

ゲーム等に用いられる表現として,プレイヤーの選択に応じ異なるエンディングを迎えるマルチエンディングシナリオがある.通常のシナリオと異なり,執筆する際にプレイヤーに提示する選択肢及びその選択に応じた複数のストーリーを制作する必要があり,情報量が肥大化する.本研究では既存のゲームシナリオ分析から,分岐点となる選択肢の形式及び分岐後のストーリーの構造を抽出し,これを用いた情報管理による執筆支援を行う.
著者
柴田 博仁
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, 2004-01-01

本研究では,文章作成支援という問題を取り上げる.特に,論文や報告書,小説,エッセイなどの作成で見られるように,ある問題やテーマに対して関連する情報の収集と独自のアイディアが求められ,最終的には表現や構成を吟味したうえで文章としてまとめる活動を支援することを目的とする.このような文章作成は,問題が明確に定まらず,実践の中で問題を発見し,解決していくデザインプロセスの一種として考えることができる.また,その過程で生じる問題を解決するためには,これまでの概念空間から別の空間へとジャンプする創造的思考が求められる.本研究では,文章作成を「創造的デザイン」として捉え,これまでの創造的思考,デザインプロセス,文章作成に関する研究の成果をもとに,支援の方法論を探る.このような考えに基づき,文章作成に関わるさまざまな活動を一貫して支援する枠組みを提案し,統合的文章作成支援環境iWareを構築した.iWareは,おのおの独自の枠組みに基づいて構築した二つのサブシステムからなる.一つは文章の素材を集め,アイディアの生成を支援するiBox+であり,他方は収集,生成した素材やアイディアを整理し,文章にまとめあげることを支援するiWeaverである.実践的な利用の中で,本研究の枠組みは,日常的な情報収集活動と文章を構築する活動とをシームレスに支援し,文章の構造が定まらない試行錯誤的な状態から明確に構造化されるまでのスムーズな移行を可能とすることを示す.
著者
海沼賢 宮下 芳明 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24, pp.113-120, 2006-03-14
被引用文献数
1

本研究では3Dマップ上を自由にウォークスルーしつつ,その地形に触発されて思いついたコメントを書き捨てて行けるシステムを開発し,小説創作における支援を試みた.まずオーサーは自分のイメージする物語の舞台となるマップを作成し,物語構築に協力してもらいたいビジターに配布して,思い思いの「妄想」を書き込んでもらう.オーサーは作品執筆の際,ビジターによって多くのコメントが書き込まれたマップ上を歩き回り,他者の妄想を拾い読みながら自らの発想の糧にしていく.これにより一人の人間による発想の限界を超えた多種多様なアイデアを得ることが可能となり,発想の行き詰まりを打開すると期待される.本稿では,マップをビジターに配布して発想を集めるビジター実験と,それを用いて実際小説の執筆を行うオーサー実験によってシステムの評価を行った.We developed a system that the users can walk through a 3D map and can write and leave their whimsical thoughts with basis on its terrain. In this paper, we evaluated its potential as support for writing novels. At the very start, the author creates a 3D map that forms a setting of his story, and distributes it to the people (visitors) whom the author wants to help him. The visitors write their whimsical thoughts freely; the author strolls on the map, browsing the comments, and gets new inspirations from them. In this way, the author collects many ideas that cannot be cooked up by himself, and finally may end a deadlock. To examine how the system actually works as we intended, we conducted two experiments. In the first experiment, we collect whims using the system, and analyzed what types of comments can be collected. In the second experiment, we took five people writing a novel with the system, and observed their activities.
著者
久保田 展史
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.223-226, 2008-07

研究活動報告(Reasearch and Activity Reports)筆者は青年ボランティア達とともに2003年より定期的に京都府立医科大学病院ならびに京都府こども病院において、入院する児童を励ますための訪問活動を行ってきた。入院している児童は医療関係者や家族以外との接触は皆無で、長期に入院するする児童は成長に必要な刺激もなく、治療の先行きが見えないとよりいっそう不安な日々を送ることとなる。そのような中で青年ボランティア達が中心になって入院する児童を励ます活動を続けている。年に2回コンサートを開き、時には祇園祭を味あわせてあげようと夏祭りを企画、南観音山保存会など一般の方々を巻き込んで活動を続けている。この5年間の活動を振り返り、その実践内容と評価、そして課題を報告する。The present writer have done the visit activity to encourage the hospitalized child with the young person volunteers more regularly than 2003 in the Kyoto Prefectural University of Medicine hospital and the Kyoto Prefecture child hospital. The hospitalized child doesn't have the human contacts other than the doctor, the nurse, and the family. Therefore, the child who does for it to be hospitalized at a long term doesn't have stimulation necessary for growth. And, If they do not see the future of treatment, children and the family spend uneasier every day. Young people are continuing the activity that encourages them for the hospitalized child. Authors are holding the concert for children twice a year. And, authors executed the summer festival for children last year. "Minami-Kannon-yama preservation association" cooperated in this festival. In this report, it introduces the content of the activity of "Give Kids the Dream" of five years, and it reports on the evaluation and the problem in the future.
著者
田中 功 綿打 敏司 長尾 雅則 柿澤 浩太 山田 瑞紀 ALI Md Mozahar 丸山 恵李佳
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、In等の稀少金属を用いない透明導電体や高効率電子放出材料の開発を目指して、遷移金属元素や希土類金属元素をドープしたアルミン酸カルシウムC12A7の高品質バルク単結晶を育成し、その育成結晶をエレクトライド化して元素ドーピング効果を調べた。その結果、固液界面形状を制御して溶媒移動浮遊帯域溶融法(TSFZ法)で結晶育成を行うことによりC12A7バルク単結晶中のドーパント濃度を制御することができた。さらに、希土類金属元素の置換はわずかな固溶量でもC12A7エレクトライドの電気伝導率の向上に効果的であることを明らかにした。
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.165-167, 2004-12

楽天が出店希望者向けに毎週開催している「インターネットショップ開設講座」。楽天人気のせいで毎回満席が続く。ショップ開設講座の担当者は冒頭で「楽天市場では鎧でも石でも売れる」と説明する。もはや楽天市場で売れない商品はないというわけだ。 驚くことに、出店希望者の多くはネット通販の経験がなく、70%が初めてホームページを作る人たちだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1578, pp.28-31, 2011-02-14

1月14日、東京都内のホテルにはインターネット上のショッピングモール「楽天市場」の出店者たちが集まっていた。楽天が毎年開いているこの方針説明会「楽天新春カンファレンス」で、三木谷浩史・会長兼社長は出席している出店企業の関係者に対し、力強くこう語りかけた。 「グループとして世界一の物流を必ず作り上げていく。
著者
飛田 範夫
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.7-12, 1988-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

日本の伝統的スポーッの1種である蹴鞠は, 中国から7世紀頃に日本に伝来したものと考えられる。当初邸内の庭で鞠を蹴り合うだけであったが, 次第に本格化して「鞠の庭」が定められ, 4隅に懸と呼ばれる桜柳楓松などの樹木を植えるに至っている。造園的に見ると, 懸の仕立には庭園の勇定技法が応用され, 鞠の庭の舗装に関しては, 土と砂あるいは塩を含ませたものをっき固めるなどの工夫がなされていることがわかる。