著者
中島 明子 坂田 実花 鈴木 浩
出版者
和洋女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

予備調査を踏まえ、東京都墨田区内の高齢者730人のデータを解析。98%が墨田区内での居住継続希望であった。さらに自宅継続・区内転居・区外転居希望者別に住要求及び生活要求について分析し、居住継続要因と非継続要因を考察した。居住継続支援としては、民間借家対策、耐震・老朽化対策と併せ、経済及び健康対策が必要である。これに対し公的・民間セクターが相互に補完しあう"すみだ型地域居住支援システム"を構想した。
著者
片山 貴文
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

災害時に混乱せずに活用できることを目指して、2つの看護記録シートを開発した。このシートを評価したところ、住民の92.7%が、自分の健康状態を伝えることに役立つと回答していた。また、看護職者の94.3%が、緊急に支援が必要な人を、および、96.2%が、継続的に支援が必要な人を、それぞれ把握することに役立つと回答していた。東日本大震災では、日本医師会の災害医療チームが、この看護記録シートを用いて避難所の支援活動を行った例がみられ、実際に被災者支援に役立てることができた。
著者
臼井 キミカ 上西 洋子 辻下 守弘 佐瀬 美恵子 白井 みどり 佐々木 八千代 兼田 美代 津村 智恵子 後藤 由美子 山本 美輪 山本 裕子 川井 太加子 鷹居 樹八子 柴田 幸子 杉山 百代 中村 里江 北沢 啓子 南部 純子 浅田 さゆり 才木 千恵 正田 美紀
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

研究目的は、重度認知症高齢者の基本的な生活支援技術を明らかにして、その研修プログラムを開発し、重度認知症高齢者のQOLの向上を図ることであり、目的達成のために重度認知症高齢者を対象とした2カ月間の小集団回想法、6カ月間の手織りプログラム、5週間の生活支援技術に関する介入、及び国内外の看護職等への面接調査を通じて重度認知症高齢者への日常生活支援技術研修プログラムを作成し、複数回の研修を実施しそのプログラムが有効であることを評価した。
著者
品川 優
出版者
佐賀大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は,統計資料および農村調査を通じて,韓国で企業・団体がマウル(集落)と交流し農業・農村の支援活動をおこなう1社1村運動の実践実態とそこでの成果,および問題・課題について明らかにした。2008 年までに1社1村運動は7,309件おこなわれ,全体の経済効果は290億ウォンに及ぶ。こうした一定の成果をあげているが,民間企業が1社1村運動に参加しやすい環境づくりやマウルサイドの意識改革などの問題も抱えていた。
著者
千葉 早苗 本多 牧生 笹井 義一 笹岡 晃征
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

(長期生態系変動)西部北太平洋における過去数十年の海洋環境と生態系変動の関係についてレビューした結果を論文にまとめ出版した(Chiba et al.2008&2009)。特に十年規模周期の水温偏差に応じた親潮域における生物生産タイミングの経年的変化や(温暖期:早い,寒冷期:遅い),温暖性種の分布の南北移動について報告した。(衛星データによる生物季節的変化の検知)1998-2007年の衛星海色データを用いて北太平洋の基礎生産の季節変動パターンを明らかにした。その結果、水温の上昇が基礎生産に正に働く海域(ベーリング海・親潮混合域)と負に働く海域(アラスカ湾・黒潮海域等)が見られた。また同じく海色衛星データを用いて、西部北太平洋亜寒帯域における植物プランクトンブルームのタイミングの経年変動を調べた結果,十年間でブルームのピークが約一ヶ月遅くなっていることが分った。海洋研究開発機構が同海域で実施している時系列観測の結果では,1998-2007年の間に水深5000mにおけるオパールのフラックスの割合が減少傾向に有り,表層のプランクトン群集組成の変化が示唆されている。本研究の結果から,経年的な環境変化に応じた表層生態系の生物季節的変化が,主要プランクトン種の変遷を招き,結果として海域の生物ポンプ機能に影響を与えていることが推測された。(動物プランクトンによる炭素の鉛直輸送)2006-2008年に調査船「みらい」により採集した表層の動物プランクトンの群集/サイズ組成から摂餌率/排泄率を求め,基礎生産量および亜表層への炭素の鉛直輸送効率との関係について調べた。しかし夏季の高生物生産季においては,それらの間に明確な関係は見られなかった。今後は低生産季について同様の見積をし,その季節変動について明らかにしていく。
著者
名嘉山 リサ 与那覇 晶子 渡久山 幸功
出版者
沖縄工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

The Teahouse of the August Moon(『八.月十五夜の茶屋』)の原作小説、戯曲、映画を相対的に研究、比較検証することで、アメリカ側がどのように戦後沖縄を描き、また各作品がアメリカ、日本、沖縄等でどのように受容されたかを探ることを目指した。各研究分担者がポストコロニアル論、ジェンダー論などを中心に複数の論文を執筆し、沖縄、日本、アメリカで研究発表を行った。また当時の演劇の音声や二次資料などを収集し、作品の受容についても光をあてることができた。
著者
田中 章
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

再生核ヒルベルト空間に対する標本化定理に関する理論的な解析を行った.具体的には,所与の再生核ヒルベルト空間と所与の標本点集合によって,当該再生核ヒルベルト空間に属する任意の関数が完全再構成可能となるための必要十分条件を与え,また完全再構成可能でない場合については誤差の上限を与えた.また,機械学習への適用を想定し,種々の再生核ヒルベルト空間の族に対して,標本点や採用する空間に対する解の挙動を理論的に解明した.
著者
砂川 洋子 照屋 典子 知念 正佳 笹良 剛史 金城 恵 里見 雄次
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、沖縄県内(離島を含む)の300床以上の総合病院に勤務する看護師1377人を対象として、緩和ケア実践上の悩みや困難感などの現状調査を行った結果、多くの看護師が疼痛緩和や症状緩和、患者家族の意思決定支援、精神的ケアなどで課題を抱えていることを明らかにした。このことを踏まえて、教育プログラムを構築し、アクションリサーチによる介入を行った結果、緩和ケアの知識や技術の獲得につながり、継続教育支援の必要性が示唆された。
著者
芳村 康男 蛇沼 俊二 前川 和義
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

船体の左右に一対のフィンを船首あるいは船尾付近に装備し、このフィンの角度を効果的に制御することによって、横揺れだけでなく、縦揺れ、および船首揺れをも減少させようとする新しい統合型減揺フィンの開発をめざして研究を行い、本年度は以下の成果を達成した。1)既存の漁業調査船を供試模型船(全長:約2m)とし、フィンの取付け位置を前年度の理論検討結果を用いて、より効果的な場所に変更し、水槽実験を実施した結果、縦揺れ・横揺れの双方に有効な結果が得られた。2)上記の模型実験は、20年度と同様、船を曳航する方式で減揺性能を確認したが、最終年度にあたる21年度は、模型船に舵・プロペラを装備して模型船を波浪の中を自走させ、向波だけでなく、横波斜波中の実験を実施した。使用した水槽は(株)IHI横浜研究所の大型角水槽である。また、模型船は無線操縦によって操船を行った。この実験の結果本減用システムは、種々の波向きの航走でも有効なことが確認できた。3)上記の実験を行う中で、減用フィンが操縦性能に及ぼす影響についても調査した。その結果、船首フィンの場合は、波浪中を直進するに際して、舵角を大きくとり、やや操船しにくいが、逆に船尾フィンの場合は、保針に要する舵角も小さく、操船し易いことが明らかとなった。4)以上の実験結果から、統合型の減用フィンは船尾に装備することが望ましいことが判明した。5)上記の研究成果は総合的に評価を行い、その結果を21年度の北海道大学の修士論文1件、および卒業論文1件としてまとめた。
著者
野崎 智義 津久井 久美子 佐藤 暖 JEELANI Ghulam
出版者
国立感染症研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

赤痢アメーバの嚢子モデルであるEntamoeba invadensを用いて、嚢子化過程において、キャピラリー電気泳動飛行時間計測型質量分析計を用いたメタボローム解析、DNAマイクロアレイを用いたトランスクリプトーム解析を行い、代謝物の動態、遺伝子発現を網羅的に解析し、高度な代謝の変化を確認した。更にこれまで未同定の新規の代謝経路を発見した。本研究成果は、遺伝子発現と代謝物の動態から代謝の流れと調節点を同定し、嚢子化の代謝変化の分子機構を理解することを可能とした。
著者
岸 保行
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

台湾・香港・中国に進出した日系企業で働く現地人マネジャーたちは、日系ものづくり企業での長期の勤続を経て自らの地位を高めていた。多くの日本人スタッフとの協働体験や思い出を共有することで、日本人スタッフや日本の本社との信頼関係を構築させ、お互いの理解を増幅させていた。このような過程は、まさに日系企業内部における「第二次社会化(secondary socialization) (Berger & Luckmann 1966=1977)」の過程であり、Weick(1995=1999)のいう「センス・メーキング(sensemaking)」の過程そのものであった。
著者
高田 邦道 橋本 雅隆 塚口 博司 苦瀬 博仁 小早川 悟 黒後 久光
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

平成12年度の研究概要は、社会実験の準備を中心として、社会実験対象地区の絞込み、ポケット・ローディング・システムのシステム設計、社会実験対象地区の現況調査、実験装置の設置場所の検討、社会実験対象地区における事前調査、および社会実験対象地区における関係者との折衝を行った。社会実験対象地区の絞込みでは、平成10年度から平成11年度の科学研究補助金によって行われた東京都六本木地区における都心部商業務地区のポケット・ローディング・システム(以下、PLS)社会実験の結果を踏まえ、近隣商業地区におけるPLSの効果を把握するために東京都練馬区江古田地区を社会実験対象地区とした。また、PLSのシステム設計では、今回の対象地区である江古田地区に対応できるシステムの設計および実験装置の改良を行った。平成13年度は、昨年度より検討を行ってきた東京都練馬区江古田地区において、ポケット・ローディング・システムを利用した「貨物車専用荷さばき駐車場」社会実験の実施および実態調査を中心に行った。社会実験は平成13年3月から1年間の予定で実施した。社会実験中のポケット・ローディングの利用状況は、カード保有の会員利用が34台で、カード無しの一般利用が1309台であった。平成14年度は、社会実験対象地区における商店街のアンケートを実施し、社会実験の認知度および荷さばきに関する意識調査を行った。PLSを利用したいと考えているドライバーは82%、管理者は92%とその需要は高い。しかし、今回の社会実験の認知度は、商店街の店舗の47%と約半数であったが、商店街のポケット・ローディングの利用率はわずか3%であった。さらに、今回の社会実験により得られたデータの解析と補足調査の結果を加えて、用地管理、道路管理、交通管理、運輸管理の視点を含めた地区交通対策の方策を検討している。
著者
日浦 勉 陶山 佳久 彦坂 幸毅 熊谷 朝臣 内海 泰弘 陶山 佳久 彦坂 幸毅 熊谷 朝臣 内海 泰弘
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本列島に広く分布するブナは光合成窒素利用効率、窒素生産力、窒素滞留時間、夏場の蒸散速度、水利用効率、リター分解速度、摂食機能群ごとの葉の食害度など様々な機能的性質に地理的な変異を持つことが明らかとなった。これらの形質は遺伝的にも固定されていると考えられることから、現在のブナ林生態系は環境変動に対してある程度可塑的に応答するものの、温暖化など急速な変化に対しては脆弱な側面もあると考えられた。
著者
渡辺 岳夫
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

代表的なマイクロ・プロフィットセンター・システムであるアメーバ経営システムの会計情報上の特性ならびに運営方法上の特性が,当該システム導入企業の従業員の自己効力感,チーム効力感,および自律的動機づけにポジティブな影響を及ぼし,それらの心理的構成概念を通じて,チーム内・チーム間のインタラクションを生起させしめ,最終的にチームのパフォーマンスを促進していることを明らかにした。
著者
相原 威 酒井 裕 藤井 聡 塚田 稔
出版者
玉川大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-07-23

脳内の外界モデル形成には, 外界からのボトムアップ(感覚)情報だけでなく, 注意や情動などによる広範囲調節系と呼ばれる内因性の情報も融合する必要がある。 海馬や皮質などの神経回路への調節系の信号は, 集中時などに内在性アセチルコリン(Ach)として放出され, 記憶に関与するとの報告がある。 そこで、本研究はボトムアップ入力の統合に対するAChによる修飾を細胞およびネットワークレベルの実験により検証を行った
著者
中松 満始
出版者
千葉県立現代産業科学館
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

○研究目的:東京芸術大学所蔵の、国会議事堂正面他ブロンズ製扉製作に関する資料の基礎研究を行った。本扉は大蔵省営繕管財局から委嘱を受け東京美術学校(現東京芸術大学)が製作した。○研究方法:東京芸術大学所蔵の、国会議事堂正面扉に関する第一次資料をデジタルカメラで撮影しデジタルデータ化し、その全てについて精読後、特に重要な資料をタイプした。○研究成果:資料は全2冊に綴られ保存されていた。1冊目367枚、2冊目218枚、計585枚の資料を確認し、内容別に以下の4区分に大別整理した。1)大蔵省営繕管財局と東京美術学校との連絡記録2)東京美術学校と、ブロンズ扉地金鋳造会社である、住友伸銅鋼管との連絡記録3)東京美術学校内に設置した、扉製作工場に関する記録4)製作に伴う職員雇用等に関する記録1)の資料を整備し、大蔵省営繕管財局が委嘱先(東京美術学校)に提示した「仕様書」は、製作を請負った東京美術学校が事前に作成提出した「工作仕様書」を、ほぼそのまま転用していたことがわかった。また、扉製作は2回に分け学校へ依頼があり、1回目(正面玄関正面、側面、境界、衆議院玄関、参議院玄関の各扉)の工事のあと、2回目(総理大臣、大臣、秘書官室の各扉)の製作依頼・工事が実施されたことがわかった。つまり、東京美術学校による国会議事堂内ブロンズ製扉工事は、正面玄関正面扉(5組)、側面扉(2組)、境界扉(1組)、衆参両議員玄関扉(各院共3組)、総理大臣室テラス側扉(1組)、大臣室テラス側扉(2組)、秘書官室テラス側扉(1組)が、その全体であるとわかった。2)の資料を整備し、東京美術学校が住友伸銅鋼管から購入したブロンズ量(33t)とその発注回数(7回)がわかった。3)の資料を整備し、学校内に39坪の仮設工場を設置、次に担当教官であった津田信夫(つだしのぶ)の自宅工房を借用、さらに校内に3棟増築したことがわかった。また、仮設工場設置の記述文から立体図を作成し、各工場の外観図による復元を行った。4)の資料を整備し、製作に伴う雇用等については、学校教官2名を中心に、経理担当1名、製造技術担当1名のもとで、50名の雇用者が関わっていたことを確認した。さらに、本扉の図面製作(デザイン)は、学校教官であり製作責任者であった、津田信夫が行ったことがわかった。
著者
谷内 一彦 渡邉 建彦 古本 祥三 櫻井 映子
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

神経創薬に応用可能な神経イメージング基盤技術の萌芽的開発のために以下の研究を実施した。1)神経変性疾患に蓄積する異常蛋白質であるアミロイドβ、αシタクレイン、プリオンに結合する低分子標識化合物[^<11>C]BF-227を用いてPET分子イメージング法の臨床研究を行なった。アルツハイマー病(Aβ)、プリオン病(プリオン)、多系統萎縮症(Multiple System Atrophy)(αシヌクレイン)、パーキンソン病(αシヌクレイン)において、[^<11>C]BF-227の脳内での結合量が増加することが明らかになった。[^<11>C]BF-227はタウ蛋白には結合しないが、アミロイドAβ、プリオン、αシヌクレインへの結合特性を持っていることが基礎および臨床研究から明らかになり、神経変性疾患の超早期診断や鑑別診断に有用である。またタウ蛋白に結合特性があるTHK523をポジトロン(^<18>F)で標識して基礎研究を行い、インビトロ、インビボにおいてタウ蛋白に特異的結合することを見出した。さらに小動物用PETを用いて評価し、タウトランスジェニックマウスでのタウ蛋白の分子イメージングに成功した。2)ヒト脳内における薬物の脳内移行性について、鎮静性抗ヒスタミン薬を例にPET分子イメージングで研究した。前日の夜に鎮静性抗ヒスタミン薬ジフェンヒドラミン50mgを服用した場合に、12時間後の翌日までヒスタミンH1受容体を50%近く占拠することを明らかにし、翌日残存効果(hangover)のイメージングに初めて成功した。さらに鎮静性抗ヒスタミン薬であるケトチフェン含有点眼薬による鎮静作用の発生予測のために、点眼後に脳内H1受容体占拠率測定を行い、点眼により鎮静性抗ヒスタミン薬は脳内に移行することが明らかになった。PET分子イメージングを用いることにより組織移行性をヒトにおいて調べることが可能である。
著者
瀧口 正樹 岩瀬 克郎 松本 絵里子 有田 恵美子 大平 綾乃 玉井 恵子 平良 暁子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

マウスは昼夜サイクルの暗期に活動・摂食し,明期に休眠・絶食する。通常,絶食期後半にはグルコースが不足し糖新生系酵素遺伝子が活性化されるが,このリズムは栄養条件により変動する。今回,この変動に随伴するコルチコステロン,グルカゴン,インスリン等の液性因子の変化を長期絶食,高脂肪食,炭水化物/タンパク質比各種食条件下において明らかにした。また,恒明条件下での概日行動リズム周期の延長を示した遺伝子標的破壊マウスは,暗期後半の光パルス照射による行動開始位相前進が亢進傾向を示し,また暗期始点6時間前方変位後の行動開始位相の再同調に要する日数に短縮傾向を示し,日周行動リズムの光刺激応答性の亢進が示唆された。
著者
小沼 孝博
出版者
学習院大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、18世紀後半における清朝とカザフ遊牧勢力との対外交渉を、一次史料である文書史料の分析に基づいて研究した。特筆される成果として、清朝-カザフ関係に関する英文資料集の刊行がある。本資料集の主な目的は、カザフ首長層から清朝に送付された書簡を紹介し、その特徴と歴史史料としての価値を検討することにあり、加えて清朝に派遣されたカザフ使節に関する基礎データも提示した。
著者
北坂 尚洋
出版者
福岡大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

これまでの国内での議論や外国の立法の研究をもとに、離婚事件およびその他の家事事件の国際裁判管轄権の日本の基準について、立法提言をまとめることが本研究の目的である。研究初年度となる2009年度には、離婚事件、親子関係事件、相続事件等の家事事件の国際裁判管轄権に関するわが国の現状をまとめた。そして、研究最終年度となる2010年度には、前年度の研究をもとに、特に、アメリカ抵触法に関する概説書を翻訳して、アメリカ法の状況を明らかにしたほか、子の監護者等の変更の国際裁判管轄権や婚約破棄に基づく損害賠償請求事件の国際裁判管轄権に関する研究を進めた。