著者
西村 浩一 佐々木 敦 小林 一義
出版者
釧路工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

10GHzを越える電波は降雨、降雪、霧などの大気条件によって減衰することは知られているが、釧路地方で発生する濃い海霧が12GHz帯衛星放送波の減衰に及ぼす影響については解明されていない。海霧発生時における衛星放送波の減衰について、より正確な実測データを得るため、受信レベルの測定地点における気象データ収集システムと、海霧等の視程値を計測する視程計測システムを製作した。これらのシステムを用い、これまで得られたデータから、次のような結果を得た。雨の場合は、雨量に応じて衛星放送波の受信レベルが減衰している。これに対し、海霧が発生している時の受信レベルは、その減衰量は少ないが絶えず細かく変動している。この受信レベルの細かな変動は、局所的な海霧の濃さの変動によるものだけではなく、海霧の空間的形状にも深く関係していると考えられる。また、視程がほぼ同じであっても、海霧の粒径により受信レベルに与える影響に差がある。粒径が大きな霧(湿った霧)ほど、受信レベルに与える影響が大きい。降雨による衛星放送波の減衰と、ガイシの絶縁特性の低下の間に相関関係があることもわかってきた。降水量が多い場合には、ガイシ表面の汚損物質が洗い流されて絶縁特性が再び回復するが、霧や小雨の場合は絶縁特性を低下させるだけである。特に海霧の場合は、その中に含まれる海塩粒子が絶縁特性をより低下させている。釧路地方で発生する海霧は、その濃さが場所によってかなり異なる。今後の展開として、衛星放送波の減衰と海霧の画像データから、海霧の動きを予想することも期待される。
著者
川出 雅人 細井 聖 田畑 尚弘 秋間 正道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.97, no.117, pp.33-40, 1997-06-20
被引用文献数
10 1

自然なヒューマン・マシン・インタフェースを目指して、われわれは視覚による頗の意味理解技術、および顔の表現技術の研究開発を進めている。この技術の応用例として、似顔絵クリエーション技術を開発した。コンピュータビジョン技術により様々な人種や顔・髪の種類に対してロバストに特徴抽出し、ファジィ推論による部品選択・部品配置・部品変形ルールにより複数の似顔絵画家・イラストレータや漫画家などのタッチ(画風)で似顔絵を自動的に描画することができる。喜怒哀楽などの表情の付加や、胴体・背景・メガネ・アクセサリなどとの違和感の無い合成なども実現した。ヒューマン・マシン・インタフェースやアミューズメント分野などへの応用が可能である。
著者
小林 直 チュウ トン ウー アルシハーブ アブドラ 嶋本 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.955-964, 2010-07-01
被引用文献数
2

近年,ユビキタスコミュニケーションの発展とともに人体通信技術に関する研究が注目を浴びている.その使用用途は医療現場でのヘルスケアシステムや,携帯端末への組込みなど,多種多様である.本論文では人体通信技術を用いて,人体手部における指の識別や掌上の場所の特定を行う検討を行った.指識別方式では周波数,受信電力差,位相差等の識別情報と装着箇所を組み合わせた実験を行い,少ない識別情報で,より高精度の指の識別率を得る最適な組合せを求めた.掌識別方式では,掌上に複数の観測点を設け,観測点を正しく識別可能であるか求めた.更に,掌上に記述した文字を認識する技術の提案及び実験を行った.結果として,人体通信を用いて指識別及び掌識別方式が実現可能であることを示した.
著者
泉 英二
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.11-18, 1998-10-01
被引用文献数
1

日本の戦後システムが大転換期を迎える中で,林政も大きく転換しようとしている。その中でも注目されるのが,森林法等の改正案で浮上してきた「市町村の役割強化」の考え方である。そこで,まずこのような考え方が登場してきた背景について,多面的に検討した。続いて,戦後市町村林政の展開過程を諸文献をもとに検討し,その上で当時の課題を紙野に依拠して明らかにした。次に,愛媛県における市町村の林務執行体制を検討し,現状の林政への対応で精一杯であることを明らかにした。続いて,愛媛県庁の林務執行体制と予算等の現状を検討した。次に,国の「行政改革」の内容を官民役割分担,地方分権等を中心に検討し,その上で,最近の「林政改革」の内容を明らかし,市町村への権限委讓とすると,かなりドラスティックであると評価した。しかも,現状の市町村の体制では具体化は無理とした。最後に,今後の市町村林政への期待として,人員・組織の強化を前提として,(1)市町村独自の「林業振興計画」の策定,(2)市町村による管内森林・林地の公有化と公的管理の強化,(3)市町村合併による「流域林業」政策の実現,等を述べた。
著者
松尾 眞砂子
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

〔目的〕味噌によって生活習慣病を予防するため、味噌の抗酸化力を維持・増進する味噌の調理法、併用する香辛料や野菜の影響を検討する。〔方法〕調理温度、香辛料野菜の種類による味噌の褐色度、ポリフェノール化合物、イソフラポンの変動とORACの関係を測定する。味噌の生体内抗酸化力への影響は、野菜の味噌煮液をラット肺ホモジネートの上清に加え、SOD活性、GSH-Px活性と12-HETE生成量の変動を測定して推定した。〔結果〕1.調理法の影響 味噌の抗酸化力は主として70%エタノール可溶性画分のORACで、色度の明度、総イソフラボン量やアグリコン量に比例した。味噌の調理法による抗酸化力は蒸す、煮る、妙める、焙る、加圧加熱の順で褐色度、DPPH-SCとORACが増大し、総イソフラボン量とアグリコン量が減少した。加熱によるORACの増大要因にはメラノイジンの生成が示唆された。2.香辛料の影響 味噌を香辛料と調理すると、ショウガやゴマはポリフェノール量とOARCを増加し、ニンニクはポリフェノール量やイソフラボン量は増加しなかったが、ORACを増加した。唐辛子は褐色度とORACを低下させ、和芥子はポリフェノール量を増加したがイソフラボン量をORACを減少させた。これらの結果から、ショウガ、ニンニクとゴマはそれぞれ固有の抗酸化物質を溶出付加して味噌の抗酸化力を向上させ、唐辛子はメラノイジンの生成を抑制し、和芥子はメラノイジンの生成抑制とイソフラボンアグリコン量の減少により味噌の抗酸化力を減少させることが示唆された。3.野菜の影響 味噌をニンニク、葉ネギ、チンゲンサイ、ナスやブロッコリーと加熱するとORACが増加した。その要因には、ニンニクの場合はポリフェノールの溶出により、葉ネギ、チンゲンサイとブロッコリーの場合はポリフェノールの溶出と褐色度の増加が示唆された。4.生体内抗酸化力 ニンニク、ゴボウ、葉ネギはSOD活性とGSH-Px活性や12-HETE生成を促進し、タマネギ,チンゲンサイとピーマンはSOD活性を増大し、白ネギはSOD活性と12-HETEの生成を促進し、ナスはGSH-Px活性と12-HETEの生成を促進して体内でも味噌の抗酸化作用を増強することが示唆された。
著者
栾 竹民
出版者
鎌倉時代語研究会
雑誌
鎌倉時代語研究
巻号頁・発行日
vol.22, pp.96-117, 1999-05-31
著者
熊谷 良雄 飯塚 智幸
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会梗概集
巻号頁・発行日
no.9, pp.186-189, 1999-11
被引用文献数
1

Since the Great Hanshin-Awaji Earthquake, the residents have been hoping activities that reduce the damage of an earthquake, fire fighting, rescue and first aid activities. In this paper, we analyzed the individual rescue activities. As conclusion of this paper, (1) The number of family influences most whether they carry out rescue activities or not. The more the number of family are, the more active they carry out. (2) Moreover by the degree of the damage of a district, the individual rescue activities that influence whether they carry out rescue activities is different.
著者
古志 智也 齋藤 孝道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.64, pp.33-38, 2003-06-19

P2Pネットワークモデルにおいて,通信を暗号化するためのグループ鍵(共通鍵)をどのようにして安全に共有するかが問題の一つとしてある.多くのP2Pネットワークモデルの実現方式では,公開鍵の取得をPKI(Public Key Infrastructure)などの利用を前提にしており,さらに,IPアドレスの取得にはDNS(Domain Name System)を利用している.しかし,これらCA(Certificate Authority)やDNSなどの利用,もしくは,処理を一部委託するといった形態は,外部サーバの非依存を特徴とするP2Pの本来の趣旨になじまない.したがって,本論文では,「知り合い」という信頼モデルを導入することにより,外部サーバに依存しないノードだけで構成する安全で閉じたネットワークの構成方式の提案を行い,その安全性に関する議論を行なう.The P2P network model has a problem how to distribute a group key to proper members. Many P2P network models use server systems, such as PKI's CA and DNS. However, these methods are not applied to P2P feature : independent of external servers. Therefore, in this paper, we propose a secure grouping method, which is independent of external servers, and we discuss its security.
著者
井野瀬 久美惠
出版者
甲南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、18世紀末〜19世紀初頭にかけて創造され、19世紀半ば以降に確立された「解放する/自由主義の大英帝国」「慈悲深き/博愛主義の帝国」という言説について、この帝国像の構築に重要な役割を果たしたと思われる「帝国からの訪問者」、とりわけ、奴隷解放直後のヴィクトリア朝社会にさまざまな事情でやってきて暮らした非白人、いわゆる「黒いヴィクトリア朝人(Black Victorians)」に当てて、この言説の意味と役割、その構築のメカニズムを探ることにある。多様な形態をもつ彼らのなかから、本研究が分析対象としたのは、イギリス海軍(ないし陸軍)によって現地の苦境から解放、救出され、女王(あるいはイギリス貴族)の庇護の下、(本人の意志とは無関係に)イギリスに連れてこられ、(期間の差こそあれ)ここ帝国の中心部で生活した経験を持つ非白人の少年少女たちである。救出時、10歳前後であった彼らの渡英時期は、おおむね1850、60年代前後に集中しており、彼らが言及されたコンテクストは、奴隷貿易や奴隷制度と深く絡みあっていた。この時期、アジアやアフリカの植民地(正確にはイギリスによって植民地化されつつある地域)からやってきた彼ら、特に彼らの「救出劇」がどのように語られたのかを、同時代の資料(議会報告書や外務省や植民地省への報告書、新聞や雑誌、伝道諸団体の年次報告書など)から分析し、従来の在英黒人(非白人)分析ではすっぽりと抜け落ちていた1850〜60年代が、「奴隷を解放する慈悲深き帝国」という大英帝国の自己像にとって決定的に重要であったことを明らかにした。と同時に、この大英帝国の自己像が、21世紀初頭の現在、深化するイギリス国内のポストコロニアル状況のなかで200年目を迎えた「奴隷貿易廃止の記憶」によって、改めて問題視され、再検討されている諸相を、2007年を通じてイギリス各地でおこなわれた奴隷貿易廃止200周年記念イベントの中に探り、この記億をめぐる現代都市戦略を明らかにした。
著者
麻野 雅子
出版者
三重大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は、現代政治思想における公共性に関する理論研究を踏まえつつ、阪神・淡路大震災時のボランティア活動に関わった人びとの体験記や活動の記録文書を分析することから、現代の日本人が抱いている公共性意識を解明することである。これまで公共に資する活動を行うのは行政機構の専権事項のように考えられがちであったが、阪神・淡路大震災においては数多くのボランティアが、初期の救出作業や防災活動、安否確認にはじまり、援助物資の搬出・搬入、避難所の運営、炊き出しや水くみ、被災者の在宅支援など多種多様な公益に資する活動を行った。ボランティアは、すべての市民に対して責任をもつわけではないので、公平性に拘束されることなく臨機応変な対応で、行政ができない公共活動を行うことができた。ボランティアによる公共活動に参加したり助けられたり人びとは、行政や市場システムが提供するのとは違う公共活動があることに気付いた。ボランティアが公共サービスを提供するやり方は、一つには、自分たちのやり方で自発的に行うという「自己決定」の原理に支えられている。その一方で被災者の立場に立ち、被災の現実を他人事としてではなく自分に関わることとして受け止め、当事者として何か活動をしようという「協働」の原理によっても支えられている。こうした震災ボランティアの活躍によって、「自己決定」と「協働」の原理に基づいて運営される公益活動が広がり、市民自らが公共活動を担っていこうとする市民的公共性の意識が成立する可能性が高まったといえる。
著者
坂井 忍
出版者
北海道大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

地震時の人的被害軽減を念頭にこれまでに多くの死傷者発生予測式が提案されている。しかしその多くは過去の震害資料をマクロ的に統計処理して得られる実験式であり、建物が何戸倒れ、その結果として死傷者が何人発生したのかというレベルから議論がなかなか進展していない。その一方、近年の地震(フィリピン、イラン、エル・サルバドル)においては緊急救助活動の現場から、どういう建物がどのように倒壊し、何人閉じ込められ、どのくらいのあいだ生きながらえたのか、という資料が蓄積されつつある。これにより従来よりもやや微視的な観点から、死傷者の発生プロセスに深く立ち行って議論することが可能となってきている。本研究では、建物の倒壊から死傷者の発生にいたるプロセスを解明し、モデル化することを目標としている。本年度は、現場資料の充実をはかる一方で、昨年度提案した建物崩壊モデルをもとに負傷者の予測モデルを構築し、プロトタイプモデルとしてコンピュータ上に実現した。本年度の研究期間における成果を、以下にまとめる。資料収集:救助隊からの資料収集を継続する一方、被災現場における救助活動パターンの整理を被害資料等をもとに行った。負傷者の予測モデル:近年の被災現場からの報告書には、瓦礫の下から救出された人間の救命率を救助活動の全期間にわたって記録したものが見うけられ、研究代表者は、これらの解析から建物倒壊時において何割の人々がどの程度の怪我を負ったのかを推定する手法を提案している。本年度では、救助隊から得られた資料を中心にこの手法を適用し、組積造とRCフレーム造の2つの事例について倒壊時における負傷程度を比較検討し、建物の倒壊メカニズムの差異が負傷程度にどの程度の影響を与えるのかを探った。そして、これまでの成果を単一のモデルとしてコンピュータ上に統合した。
著者
深井 純一
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

大正25年に北但馬で発生した大規模な地震の際に、被災地の中心にあった旧制豊岡中学校の生徒が救援活動の第一線に立ち、優れた功績を挙げた経過を手書き作文に残していた。それらの膨大な作文を読みやすい現代語に改めるとともに、分厚い作文集と資料集増補版に収録して刊行した。この研究成果が地方小都市や農山漁村で大災害が勃発した際に、地元に残る中学性・高校生たちの救援活動の旺盛な展開に役立つ教訓を残しえたならば、これほどうれしいことはない。本研究報告は活動中に生徒たちの人身事故を起こさずに、安全に震災救援に邁進した未成年の若者たちへの『青春賛歌』に他ならない。
著者
小島 泰友
出版者
農林水産省農林水産政策研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

比較静学モデルによる価格伝達分析を行い,硬質小麦の政府売渡価格やふすまの市場動向,製粉・製パン業の非農業部門など,これらの外生変数による小麦製品の価格変化率に対する寄与率を計測し,小麦政府売渡制度の相対的影響度を明らかにした.高度経済成長期を終え,非農業部門からのコスト上昇圧力が緩和した1980年代半ば以降,小麦の政策価格は,食パン価格の変化に対して,それ以前よりも相対的に強い影響を与えている.1980年代後半以降の小麦価格の引き下げ期に,小麦粉価格の低下が不十分であった要因について,定量分析を行った.製粉大手企業は原料費削減による残余資金を原資に,製販統合・経営多角化を推進し,食品販売部門の強化を図っている.よって,硬質小麦の政府売渡価格の引き下げは,強力粉価格の低下に十分反映されていない.価格支持政策から直接支払政策への農政転換は,必ずしも消費者利益の増加につながるとは限らない.強力粉価格が低下した1980年代後半以降,食パン卸売価格が下方硬直的であった要因を推測的変動モデルで定量分析を行った.製パン大手企業の販路拡大競争と製パン小売業の台頭によって70年代後半,低価格戦略が取られたが,その後,企業合併等で市場集中度が高まると,価格は下方硬直的となった.食品製造業全体を上回る製パン業の人件費の伸びも影響した.70年代後半の市場競争性があれば,90年代末の価格水準は,約6〜12%低いと推定される.規模の経済性をもつ不完全競争下の食品産業を想定し,農業効率化と輸入関税削減が,農産物から加工食品への価格伝達性に対してどのような効果をもたらし,農業生産者と最終消費者にどのような影響を与えるのか,McCorristonらのモデルをもとに理論的考察を行った.農業効率化と関税削減をいかに進めるかだけでなく,加工食品市場の競争性をいかに高めるかという論点も,最終消費者だけでなく農業生産者の利益の確保のために,重要である.
著者
田代 崇 上田 高徳 堀 泰祐 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.149, pp.23-28, 2006-07-06

近年のWebページ総数の飛躍的な増加に伴い,歌詞や新聞記事の無断引用などの著作権侵害のWebページの数も増大している.そこで本稿では,著作権違反の疑いのあるページを自動検出するシステムを提案する.本システムではまず,検索ワードを,指定された文章を文節単位に区切り組み合わせることにより生成し、GoogleやYahoo!が提供しているWebサービスを用いて著作権違反の候補ページを収集する.次に候補ページを類似度をもとにランキングを行ない,ユーザーに提示する.ランキングに用いた類似度は文節をもとにした最長共通部分列から求める.評価実験を行った結果,歌詞,新聞記事,ブログ等からなるWebページをシードとして,著作権侵害ページを検出することができた.
著者
永野 和男 園屋 高志 加藤 直樹 村瀬 康一郎 近藤 勲 生田 孝至
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本研究の目的は,(1)企業等の協力あるいは教師や研究グループによる自主的な活動により各地で多数試行されている「ネットワークを利用したマルチメディア情報通信を学校教育に活用する種々のプロジェクト」の動向を把握し,適切に評価することにより,今後の教育実践及び必要な条件等に関して指針を与える。(2)これまで蓄積されてきた教育情報を相互に利用できるような仕組みを開発し,マルチメディアを中心とした教育情報の組織的な流通の促進を支援する。(3)マルチメディア及び情報通信を用いた教育実践の評価の枠組みと学習の評価の枠組みを作成し,それによる評価分析により,今後の教育実践のあり方等に関する指針を示す。ことである。平成8年度は,前年度と同様,分担者を(A)小・中学校におけるマルチメディア利用・ネットワーク利用の実践に関する試行および調査検討(B)教師支援のためのマルチメディア利用・ネットワーク利用の実践に関する試行および調査検討(C)マルチメディア・ネットワーク利用に関する教育的意義と評価方法の検討の3つのグループにわけて研究を進めた。(A)班では,遠隔共同学習,メディアキッズなど先進的な事例について,経過,成果の調査,問題点の検討をもとに,インターネットで実践できるカリキュラムのモデルとして「野菜・果物データベース」とその教材を開発し,実践してその実用性を評価した。さらに,これまで提供されてきたインターネットホームページを整備し,体験版のCD-ROMを作成して,実践校などに配布,啓蒙活動を進めた。(B)班では,前年度に,蓄積された教育情報(学習素材,メディア教材など)を各大学や各教育センターなどで利用できるように条件整備を図りながら、その教育利用の方法,成果についての実態調査を進めた。(C)班では,昨年に引き続き,Internet 100枚プロジェクトの課題研究,共同学習を中心に,経過,成果を追跡調査,技術的問題点,教師の意識の変容,教員養成の方法などを明らかにした。これらの成果は,最終報告書にまとめると同時に,文部省などに対して,今後進めるべき具体的政策を提言した。
著者
福永 富之 葛 崎偉 中田 充
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.404, pp.59-64, 2004-10-28

より安全なネットワーク・コミュニケーションを行なうために、ペトリネットに基づいて多段的暗号化を行う公関鍵暗号MEPKCが提案されている。従来の公開鍵暗号と異なり、MEPKCは鍵生成器を公開し、その鍵生成器より生成される複数の暗号化鍵は、平文を暗号文に段階毎に暗号化することに用いられる。MEPKCでは、ペトリネットを鍵生成器とし、また初等T-invariantを暗号化鍵としている。本論文では、MEPKCの暗号化鍵を生成する方法を開発するために、線形計画法を適用して全ての初等T-invariantを計算する方法について議論する。