著者
福井 春雄 正田 敏幸 藤原 公 村岡 高志 次田 隆志
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会四国支部紀事 (ISSN:0915230X)
巻号頁・発行日
no.26, pp.9-16, 1989-12-25

前報においては,根菜類のモデルとしてハツカダイコンを用い,各種濃度のキトサン溶液による種子被覆および,キチン・キトサンを土壌混和してポット栽培試験を行い,キチン・キトサンによる作物の生長促進効果とその作用性を調べた。その結果,0.01%キトサン溶液の種子被覆によって顕著な根部肥大効果が認められ,またキトサンの種子被覆および土壌混和によって,ハツカダイコンの根部および葉部におけるキチナーゼ活性が賦活された。さらに,根部への窒素およびカリウムの吸収量増加が認められ,キトサンによる作物への作用性が示唆された。しかし,キチンの土壌混和による根部肥大等の効果は見られなかった。そこで本報では,前報で根菜類に対する生長促進効果の認められたキトサンに注目し,種々のキトサン処理を施した各種の作物について圃場における栽培実験を行い,各種作物への栽培適用性を検討した。
著者
石山 修武
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1267, pp.32-34, 1987-12-20
著者
粟野 誠一
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所報告
巻号頁・発行日
vol.13, no.155, pp.2-19, 1937-09

近來ヂーゼル機關用燃料の發火性に關する研究の進歩と共に、その發火性が發動機性能に及ぼす影響が論ぜられるに至つたが、發火時期或は燃料の燃燒割合等がサイクルの熱力學的性質に如何なる影響を及ぼすかに就いては未だ理論的に充分明にされてゐない。本文は、燃燒ガスのエントロピ線圖を利用した逐次的近似圖式解法を案出することによつて發火時期、燃燒割合を考へた場合の筒内壓力及び平均ガス温度の上昇の模様、平均有效壓力、熱效率等を算出し、これらがサイクルに及ぼす影響に就いて理論的考察を試みたものである。この圖式的方法は燃燒割合が豫め與へられるなればガソリン機關の筒内壓力の推定にも適用出來る。又熱損失を伴ふ場合の諸計算にも用ひることが出來る。これらの理論的に求めた指壓線圖の傾向は、實驗によつて求めたものと極めて類似し、又出力效率等に關する理論的結果は各種の實際的現象によく一致しこれらに理論的根據を與へ得る。
著者
長谷部 悟史 太刀川 信一 浜村 昌則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.174, pp.35-40, 2005-07-07

本稿では, DS/SS方式における他局間干渉を抑圧する一方式として, 定振幅となる合成系列による符号ダイバーシチ通信方式を提案する.従来の符号ダイバーシチ方式では, いくつかの符号系列和を拡散系列に用いるため, 送信出力が多値レベルとなる.それに対して, 本方式では, 定振幅となる合成系列を拡散系列に用いることにより, DS/SSMAと等価な送信出力を実現する.また, 受信機では, 他局間干渉によって生ずる相互相関を打ち消すように, 定振幅となる合成系列をうまく分解し, ダイバーシチブランチに割り当てることで特性の改善を図ることが出来る.本稿では, 本方式と従来の符号ダイバーシチ方式との遠近問題下におけるBER特性の比較を行い, さらにダイバーシチ受信する際にブランチで扱う逆拡散系列の構成方法の検討を行った.また, 両方式の送信出力の違いに着目し, リミッタを適用した際の検討も行った.その結果, 本方式が従来の符号ダイバーシチ方式とほぼ同等の特性を有すること, ブランチの構成方法によってはさらに特性の改善が可能であることを明らかにした.そして, リミッタの適用による本方式の利点を明らかにした.
著者
中江 政行 細見 格 市山 俊治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.11, pp.79-86, 1999-01-30
被引用文献数
8

本稿では,ユーザの利用時要求に合わせた様々なサービスの提供を可能とするための,カプセル化コンテンツの利用制御技術(チケット方式)について述べる.本方式では,一般的な超流通モデルと同様にコンテンツの構成要素データを暗号化しているが,その復号鍵から各種サービスに依存したデータ(チケット鍵)を生成し,各チケット鍵の配布条件や課金条件を個別に設定することで,各サービスの利用を限定的に許可し課金を行うことができる.このように安全で柔軟な利用制御により,カプセル化コンテンツの流通を促進することができる.This paper describes a billing and utilizing control system of a capsulated content in order to provide various services adaptable for its users' request. each element of a content is as well encrypted as so-called super-distribution systems. However, in this system, "Ticket-Keys" are generated from their each decryption key. Since each Ticket-Key depends on services provided by a capsule and its conditions in trading can be independently specified, if its users by a "Ticket" for a particular service, then it can permit providing the service exclusively. With such a flexibility and security, its distribution is much promoted.
著者
藤井 俊子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.139-146, 1996
被引用文献数
1

最近のわが国の胃がんによる死亡の地域較差について, 日本を12の地域ブロックに分けて, 1985年および1990年の男女の胃がん標準化死亡比(SMR)を算出し, 栄養・食品項目[熱量および栄養素の平均充足率(平均摂取量を平均栄養所要量で除したもの), 平均脂肪エネルギー比, 動物性たんぱく質比, および109種類の食品等の1人1日あたりの摂取量.資料 : 国民栄養調査, 1975,1980,1985]の関係について, Pearsonの式により相関係数を調べた.その結果, 1990年の地域ブロック別胃がんSMRと項目との関係で, 男女ともに有意の正相関が認められたのは8項目(熱量, 穀類, いも類, 菓子類, せんべい類, 日本酒, 加工食品, しゅうまい), 有意の負相関が認められたのは3項目(トマト, 洋酒その他の酒類, 鶏肉)であった.
著者
山根 克 中村 仁彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2000, 2000

ヒューマノイド, CG中のキャラクタなどのヒューマンフィギュアは, 人間とインタラクションを持ちながら動作を生成していくことが求められる。しかし, 従来の研究はオフラインの運動生成が中心であった。本論文では, ヒューマンフィギュアの運動生成のために筆者らが提案している力学フィルタを応用し, インタラクティブに外力などを加えながら多様な動作を生成する方法について述べる。
著者
野崎 博路
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学理工学部研究報告 (ISSN:03864928)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.37-41, 2005-09-30

The drift turn experiment of the influence of the difference of the steering wheel gear ratio was done by using driving simulator, and the following conclusions were obtained. At the time of running which uses the tire grip area, it is easy to control the steering wheel gear ratio (15.0~18.0) in a usual vehicle. On the other hand, when the rear wheel tire fell into the drift area, it was assumed to be clear to be able to make the vehicle easy to control by controlling the steering wheel gear ratio (7.5~9.0) even when the vehicle became unstable.本文データの一部はCiNiiから複製したものである。
著者
竹本 太郎
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
no.111, pp.109-177, 2004-06
被引用文献数
1

1.目的 明治期における学校林について詳細に調べられたものはこれまでほとんどない。本稿は,明治地方自治制が生み出した,自然村と行政村の二重構造の中で,1)なぜ学校林設置が導入され,2)どのように普及し,3)どのような役割を果たしたのか,を明らかにする。2.方法(時期区分)市制町村制により合併町村が行政村としてあらわれた時期から,日露戦後の地方改良事業を通じて行政村が定着していったとされる時期までを研究の対象とする。ただ,それ以前から学校林は設置されているため,学制発布から市制町村制までを前史として扱うことにした。第1~5期については,明治政府の学校林設置施策の変化を追う形で区分した。まず,学校基本財産制度が始まった地方学事通則制定以降を第1期とし,次に,文部省からの「学校樹栽日」通達以降を第2期とした。さらに,国有林野法による小学校基本財産への不要存置国有林野売り払いをはじめとする一連の動きを第3期とし,その中でも特に日露戦争を機に普及した学校林設置を第4期とした。最後に,地方改良事業に伴う部落有林野統一を通じて学校林が設置されていく時期を第5期とした。この期間における学校林設置を,収集した資料をもとに,1)設置政策の変遷,2)設置の実態,から明らかにする。This paper intends to clarify 1) why school forests were introduced, 2) how they have spread and 3) what kind of role they played, in the dual structure of natural villages and administrative villages, which the Meiji local autonomous system produced. In the very early period (from 1872 to 1889), school paddies and school forests were introduced as a way of making generating school funds. Though most of them were set up on lands owned by natural villages, some of them were set up on lands sold by the Meiji government. In this period the number of school paddies was larger than that of school forests. In Aomori Prefecture especially, school paddies developed rapidly.
著者
齋藤 雅裕 萩原 将文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.480, pp.1-6, 2009-03-04
被引用文献数
1

本論文では,自然言語の文書から知識を学習し,それに基づき類推を行うニューラルネットワークを提案する.ニューラルネットワークは生理学的な知見を活かした処理が可能であり,優れた学習能力が注目されている.また,類推は人間の知能において重要な役割を果たすと言われている.そこで提案ネットワークでは,学習能力を持ち,類推を行うことのできるニューラルネットワークを提案する.ネットワークに入力される文書はまず,構文解析器による前処理が行われる.これに基づき,提案ネットワークの結合の学習が行われる.また,従来のニューラルネットワークでは学習に用いた情報しか活用することができなく,知識獲得に問題があった.提案ネットワークでは,大規模な辞書であるNグラム辞書を用いることで,この点の解決を図っている.類推では,ニューロンの発火パターンが記憶部に記憶される.そして,類似する発火パターンが出現した際に記憶部が検索される.過去の発火パターンから推論が行われることで,類推が可能となった.実験では,goo辞書やWikipediaから知識を学習し,類推を検証した.実験により提案ネットワークが類推を行えることを確認した.
著者
江口 浩二 塩崎 仁博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.56, pp.73-80, 2008-06-12

最近,確率的トピックモデルに基づく情報検索手法が提案され,言語モデルの枠組みにおいて潜在的ディリクレ配分法(LDA)またはその変形を用いた実験で良好な結果が報告されている.しかしながら,アノテーション付き文書を検索するタスクに対しては,LDA に基づく手法ではアノテーションによって特定された属性型を直接利用することができない.本稿では,アノテーション付き文書コレクションのための新たなアドホック検索手法を提案する.提案手法は多重多型トピックモデルに基づく.これは,Wikipedia におけるエンティティ,カテゴリラベル,その他の語を典型とする,複数種の単語型を直接扱うことができる.この多重多型トピックモデルをアドホック検索に適用する方法を新たに提案し,Wikipedia を用いたエンティティ検索に関する実験によって提案手法の有効性を示す.Very recently, topic model-based retrieval methods have produced good results using Latent Dirichlet Allocation (LDA) model or its variants in language modeling framework. However, for the task of retrieving annotated documents, LDA-based methods cannot directly make use of multiple attribute types that are specified by the annotations. In this paper, we explore new retrieval methods using a 'multitype topic model' that can directly handle multiple word types, such as annotated entities, category labels and other words that are typically used in Wikipedia. We investigate how to effectively apply the multitype topic model to retrieve documents from an annotated collection, and show the effectiveness of our methods through experiments on entity ranking using a Wikipedia collection.
著者
中山 浩太郎 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.56, 2008-06-12

Wikipedia は知識抽出のための有用なコーパスとして,人工知能や情報検索,Web マイニングなどの研究分野で最近急速に注目を集めている.筆者らの研究グループでは,Wikipedia から高精度な大規模連想シソーラスを構築できることを証明してきたが,is-a 関係などのような,より明確な意味関係の抽出が技術的課題であった.本研究では,リンク構造解析による重要文抽出と,自然言語処理を利用した解析手法を提案し,意味関係を抽出することで,Wikipedia から機械可読な概念辞書を自動的に構築することを目指す.The fact that Wikipedia is an invaluable corpus for knowledge extraction has been confirmed in various research areas such as AI, IR and Web Mining. In our previous researches, we have proved that we can extract a huge scale and accurate association thesaurus from Wikipedia. However, to construct a Web ontology from Wikipedia, extracting explicit relation types is a remaining technical issue. In this paper, we propose a method to construct a Web ontology from Wikipedia based on parsing and link structure analysis.
著者
稲本 奈穂 柿本 正憲 高谷 優樹 榎本 暁人 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.42, pp.29-32, 2009-10-21

複数のカメラで撮影される実写画像から,立体視可能なスポーツコンテンツを生成する手法を提案する.従来,立体視用の実写コンテンツを生成するためには,キャリブレーションされた複数のカメラで被写体を撮影し,被写体のデプス情報を取得する必要があった.もしくは,表示ディスプレイと同じ視点数分のカメラを用意し,ディスプレイの視差に合わせて撮影を行う必要があった.それに対し本手法では,カメラ間の相対的な位置関係から,視点補間技術を用いて,立体視に必要な視点数分の画像を生成し,立体視画像の合成を行う.カメラのキャリブレーションを省力化できること,ソフトウェア処理にてディスプレイの個体差を吸収できることから,高効率かつ出力先を選ばない柔軟な立体視コンテンツ生成が可能となる.
著者
木宮 一邦
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, 1973-06-15

静岡県大崩地区の地形と地質を説明し, 崩壊の発生状況と関連付けている。大崩海岸における過去6.5年間崩壊事故を表示し, 乾燥係数K, 有効雨量ER, 崩壊誘因雨量Rの定義を行ない, KとRとの関係を図示し, このグラフを検討した結果崩壊に二つの形があることが判明した。すなわち, 乾燥型崩壊と湿潤型崩壊とがある。乾燥型崩壊はRが上昇している時に起こらずRが減少している時に発生している。これは乾燥状態にある岩石はき裂が開口し, そのため, その後に降った雨は地山に吸い込まれる率が多く1回の降雨で地下水圧を上昇させるためである。ただし地下水圧が低いので上昇するに時間がかかるのでRのピーク時と崩壊がずれる原因である。湿潤型はいずれもRが上昇中に崩壊し, このRのピークに先立ってかならずその前兆となるピークが20日以内に存することである。崩壊例とK, Rとの関連から乾燥型および三つの型の湿潤型の四つの型に分類される。これらの型は雨の降り方と関係があり, さらに地下水圧変化を推定して崩壊の予知を行なうことができる。この地区の方法は一般的なものであるから他地区の崩壊地区に利用することが可能である。