著者
岩崎 美智子 富田 喜代子 松本 なるみ 亀崎 美沙子
出版者
東京家政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、方法としてのライフヒストリーを検討した後、戦後の保育所における保育内容や「ララ物資」などの救援物資、保育者養成の実態を文献・資料等によって明らかにした。さらに、全国17 都道府県において元保育者への詳細なインタビュー調査を実施して、職業選択の要因、「生きがい」の構成要素、人生の転機や挫折・困難の経験について分析をおこなった。また保育者が考える専門性や保育者にとっての「戦争」の意味を考察した。
著者
香曽我部 琢
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、離職が少なく、長期的に就業を継続する保育者が多い園に着目し、その園の保育実践の質も把握した上で、保育者たちがどのような関係性を築いてきたのか、そのかかわりの経験や出来事を包括的に捉え、そしてそこで生起する感情を明らかにする。とくに、仕事に対する活力や情熱などのポジティブな感情であるワーク・エンゲージメントに焦点を当て、その形成プロセスを巨視的・縦断的な視点で明らかにする。そして、その知見をもとにリーダーシップと同僚性を育む研修プログラムを開発することを目指す。
著者
井濃内 歩 井出 里咲子
出版者
言語文化教育研究学会:ALCE
雑誌
言語文化教育研究 (ISSN:21889600)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.61-81, 2020-12-28 (Released:2021-04-14)
被引用文献数
1

本研究は,国内で急増する留学生とその家族が地域社会で参入する「公共空間」の一つ,保育園をフィールドに,保育園と外国人保護者とのコミュニケーション課題の実態を報告するものである。社会的文脈と不可分の動的実践として「ことば」をまなざす言語人類学の立場から,外国人保護者と園の対話を阻むものとして語られる「ことばの壁」が,相互理解には「英語」か「日本語」という共通「言語」が不可欠だとする言語イデオロギーや,わかってほしい事柄のすれ違いにより,双方に「わかりあえない」という観念が形成されている状態であることを論じる。課題解決の糸口として,現場の「ことば観」を解きほぐし,多様なコミュニケーション資源を柔軟に駆使した対話とかかわりあいの仕掛けづくりへの提案を行う。さらに,課題を抱える公共空間に調査者が「入る」こと,呼びかけに応答し,人々の声を聴くことそのものが,フィールドの変容とその協働的な再創造に繋がる可能性について考察する。
著者
川手 憲俊
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.79-84, 2001-02-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
49
被引用文献数
4 3
著者
無藤 隆
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.393-400, 2003-09-30 (Released:2007-12-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本論では,幼稚園・保育所(以下,「幼稚園」と総称する)における実践と,保育・幼児教育(以下,「保育」と総称する)の研究を巡って,その特質と現状を整理したい.ただし,第一に,日本の保育のあり方に即すること,第二に,その保育の実態と改善に資するということ,第三に,保育の研究の詳細ではなく,日本の保育を律しているであろう「原則」の抽出を目指すことを行いたい.
著者
増子 保志
出版者
日本国際情報学会
雑誌
Kokusai-joho (ISSN:24364401)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.3-9, 2017-07-02 (Released:2023-07-24)

Chinese food in our country has Chinese food Japanese style which was uniquely arranged, notauthentic Chinese, including “Hatupousai” and “Chyukadon”. One of them is ”Yurinchi”. This is servedas one of the Chinese cuisine very commonly, such as a Chinese restaurant in the street and a pub.Because of its convenience, it receives the impression that it is cook arranged in a Japanese style.Also, many home-cooked recipes exist that are arranged in a Japanese style, and have become popular ingeneral, and ”Yurinchi” are recognized as one of the Chinese cuisines for most Japanese.However, in the media, there are many discourses that are regarded as a cuisine originating in China.However, in China, which is said to be home-grown, it is almost impossible to see restaurants andrecipes for home-cooked dishes at all. Even asking the chef of Cantonese cuisine, only ambiguousanswers such as whether it is Taiwanese food rather than Cantonese cuisine can only be obtained. Alsoin books of household dishes published in Hong Kong and Taiwan, there is no descriptionabout ”Yurinchi”, and that description is not found in special cookbooks.However, naming and pronunciation are in Chinese. If so, when and where was the ”Yurinchi”, how wasit brought to Japan? Is it really a dish derived from China?
著者
高砂 浩史 小野 元 伊藤 英道 大塩 恒太郎 田中 雄一郎
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.313-318, 2016 (Released:2016-09-23)
参考文献数
20
被引用文献数
6

【目的】水頭症を伴う脳室内血腫に対する治療として脳室ドレナージ(EVD)が一般的であるが,神経内視鏡を用いた脳室内血腫除去術の有用性と安全性をEVD 単独治療との比較により検討する.【方法】2010 年から2014 年までの水頭症を伴う脳室内出血28 例中,EVD 単独治療の9 例と神経内視鏡下血腫除去とEVD を行った9 例を対象とした.年齢,GCS,脳室内血腫量,EVD 留置期間,離床でのリハビリテーションまでの期間,在院日数,シャント術の必要性,合併症,退院時予後について検討した.【結果】EVD 留置期間と離床でのリハビリテーション導入までの期間は神経内視鏡治療群で有意に短かった.内視鏡治療はより重症例に適用されていたが,退院時の転帰に有意差がなかった.【結論】内視鏡下脳室内血腫除去術はEVD 留置期間を短縮もしくは不要にし,本格的なリハビリの導入期間も早まる.そこで神経学的予後の改善が期待される.
著者
佐藤 直樹
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.569-573, 1998-09-20 (Released:2017-07-11)
参考文献数
2
被引用文献数
1

自然科学では量の関係を重んじる。その自然科学の柱の一本をなす化学でも, 物理量や単位などの表記はけっして枝葉末節の問題ではなく, ときには理解の本質に深く関わってくる。おもに「化学IB」の教科書をそんな目で見ると, どんどん使っていくべき国際単位系(SI)への対応が実質的にはほとんど図られていないように思える。ここはぜひ, 単位系の技術的な側面だけにとらわれることなく, むしろその思想や基礎概念について勘案しながら手直しを始める必要があろう。このように考える立場から広い議論が湧くことを期待して, 教科書中で目にとまった気になる表記や記述について, その具体例のいくつかを指摘したい。
著者
Jin-Ho Park
出版者
ARCHITECTURAL INSTITUTE OF JAPAN (AIJ), ARCHITECTURAL INSTITUTE OF KOREA (AIK), ARCHITECTURAL SOCIETY OF CHINA (ASC)
雑誌
Journal of Asian Architecture and Building Engineering (ISSN:13467581)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.25-30, 2005 (Released:2005-07-30)
参考文献数
18
被引用文献数
4

This paper first discusses the fundamental notion of shape morphing and morphing techniques. Then it sets out to introduce early applications of the notion in architecture. Antoni Gaudi′s Sagrada Familia Cathedral in Spain and Le Corbusier′s Firminy Chapel in France are examined with regard to shape morphing. The examination seeks to cast new light on the significance of the two designs whose morphing method has become the legacy of an innovative characteristic of considerable contemporary architecture.