著者
山口 意颯男 仲本 正紀
出版者
公益社団法人 応用物理学会分科会 日本光学会
雑誌
光学 (ISSN:03896625)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.70-76, 1972-04-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
5

A high spatial frequency modulation transfer function (MTF) of a lens has been obtained by scanning a line image with a knife edge. Practical limit of the spatial frequency for a camera lens is about lOO/mm at the utmost. However, this apparatus, aiming at measuring high resolution lenses, can measure MTF's at the spatial frequency up to 1, 000 1ines/mm. To design this apparatus, the following components have been developed a knife edge using 18-carat gold, a moving coil type scanner, a digital-to-analogue converter type scanner driver circuit and a slit. The MTF was measured at the spatial frequency of 500 1ines/mm on the axis of the lens under test within 5% discrepancy to the calculated value.
著者
上野 正樹
出版者
国際ビジネス研究学会
雑誌
国際ビジネス研究 (ISSN:18835074)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.45-57, 2019 (Released:2020-11-06)
参考文献数
14

インドのエアコン市場における16社5年の製品と販売台数データをもとに、成長性と市場競争力に優れる戦略タイプを明らかにした。結果は以下の通りである。各社の戦略タイプはハイエンド重視グループの「ハイエンドニッチ戦略」と「プレミアムゾーン戦略」、ミドルレンジ重視の「ボリュームゾーン戦略」、ローエンド重視の「ボトムゾーン戦略」に分類することができる。そして、年平均成長率CAGRと市場シェア変化率において、ハイエンド重視の二つの戦略タイプが他のタイプを圧倒している。これらの分析結果は、有効な新興国戦略が従来研究されてきた戦略から他のタイプへと転換したことを示している。
著者
大森 美湖 矢嶋 昭雄 櫻井 眞治 大西 建 石井 彰
出版者
日本学校メンタルヘルス学会
雑誌
学校メンタルヘルス (ISSN:13445944)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.161-169, 2013 (Released:2021-03-04)
参考文献数
18

【目的】A大学では,教育実習での辞退や失格を防ぐため,2007年度より教育実習生へのメンタルヘルス支援プログラムを開始した。今回その取り組みを呈示し,成果と課題を検討した。【方法】対象は,A大学で2003~2010年に基礎実習を志望した学生8,043名である。2007年より,支援委員会が支援対象学生を選別し,支援活動を開始した。支援開始前4年間と開始後4年間の失格辞退者数を比較,またメンタルヘルス支援対象学生の分析も行った。【結果】支援開始前4年間の失格辞退者は178名(4.4%)であったが,支援開始後4年間は68名(1.7%)と有意に減少していた。実習を行った支援対象学生48 名は全員無事に実習を終了できた。【考察】支援開始後の失格辞退者の減少要因として,①失格辞退の可能性の高い学生を支援することができた,②支援体制を周知させることで,学生も教員もメンタルヘルスへの意識が高まり,情報共有をし易くなった,③問題発生後の段階的支援があること等が考えられた。失格辞退者が減少したこと,実習を行った支援対象学生は全員実習を終了できたこと等から支援は有効と考えられる。今後は,この支援体制で拾えなかったメンタルヘルスの問題をもつ学生をいかに発見するかが課題である。
著者
重富 典子 長谷川 ゆり 楠本 紗羅 小松 菜穂子 新谷 灯 山田 美樹 淵 直樹 永田 愛 朝永 千春 三浦 清徳
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.273-277, 2022 (Released:2022-09-09)
参考文献数
22

プロテインS欠乏症は先天性血栓性素因のひとつで,その頻度は本邦における先天性血栓性素因の中では最も高い.血栓症以外の周産期合併症に遭遇することも少なくはない.2014年1月から2019年12月までに当科で分娩管理を行ったプロテインS欠乏症合併妊娠の7例について検討した.既往妊娠合併症として,人工妊娠中絶術後の下肢静脈血栓症を1例認めた.妊娠合併症は胎児発育不全1例,妊娠高血圧腎症1例,妊娠糖尿病2例であった.早産は2例であった.5例は児の血液検査を行い,2例はプロテインS欠乏症と診断した.妊娠中に血栓症を発症した例は1例で,産褥期に血栓症を認めた例はなく,出血性合併症を2例認めた.プロテインS欠乏症合併妊娠は,下肢静脈血栓症だけでなく子宮内胎児死亡や胎児発育不全,妊娠高血圧腎症といった周産期合併症に注意して管理する必要がある.
著者
中丸 宏二 相澤 純也 小山 貴之 新田 收
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.414-420, 2014-12-20 (Released:2017-06-13)
被引用文献数
2

【目的】日本語版Lower Extremity Functional Scale(以下,LEFS)の信頼性・妥当性・反応性を検討する。【方法】対象は下肢症状を訴える外来患者112名とした。初回に日本語版LEFSとThe Short Form Health Survey(SF-36),1週間後と4週間後にThe patient's global impression of change(以下,PGIC)と日本語版LEFSに回答してもらった。内的整合性を見るためにクロンバックα係数を算出し,再現性は1週間後に安定群を対象に級内相関係数(intraclass correlation coefficient:以下,ICC)を算出した。収束的妥当性は日本語版LEFSとSF-36の下位尺度との相関をPearsonの相関係数を用いて検討した。反応性は,4週間後の安定群と改善群における日本語版LEFSの点数変化を対応のないt検定で検討し,最小可検変化量(minimal detectable change:以下,MDC)を算出した。【結果】クロンバックα係数は0.96,ICCは0.92であった。収束的妥当性は身体機能にかなり強い相関(r=0.75)が認められた。反応性は4週間後における安定群と改善群に有意な差が認められた(p=0.02)。MDCは8.14点であった。【結論】外来患者における日本語版LEFSの高い信頼性,妥当性,反応性が認められた。
著者
金川 晋吾
出版者
東京藝術大学
巻号頁・発行日
2015-03-25

平成26年度
著者
高瀬 武典
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.4-11, 2006-06-20 (Released:2022-08-05)
参考文献数
14
被引用文献数
3

組織進化のモデルは変異-選択-保持の3段階からなる.組織変動研究に進化モデルが多く採用されてきた理由は,変異の段階に組織の自発的・創造的な側面を,選択の段階に環境からの影響を強調するというかたちで組織と環境の相互作用を変動分析に組み込むことが可能な点にある.進化モデルはいくつかの局面で「時間」の捉え方が重要な意味をもつ.本稿では時間について従来の循環型・線型の区別に加えて有界型・無界型の区別を導入し,組織=環境関係のモデルの精密化を図ると同時に現代日本に生じている組織進化の状況について考察する.
著者
前田 圭介
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.6, pp.1184-1192, 2021-06-10 (Released:2022-06-10)
参考文献数
11

高齢者人口の増加は,今後の入院医療の在り方に変革を求めている.多病高齢者に対する多面的包括的な評価と介入が注目されていると同時に,入院高齢者の低栄養に対するアプローチも重要視され始めた.入院高齢者の4分の1は低栄養である.しかしながら,低栄養は見逃され,適切な栄養サポートが入院当初から実施されていない懸念がある.従来,栄養サポートチームは栄養不良の対応に主治医が窮したときのコンサルテーションの受け皿であった.人工栄養の導入や管理を専門とする多職種チームとして発足した栄養サポートチームであるが,デバイスや利用可能な栄養剤が充実した近年では,従来型の栄養サポートだけでは介入効果が得られにくい.入院時に低栄養スクリーニングを徹底し,栄養アセスメントと低栄養診断を組織だって実施する体制,及びそれを支援する栄養サポートシステムが必要である.低栄養診断はGlobal leadership Initiative on Malnutritionの基準を用いることが薦められる.栄養状態に応じて入院当初から個別に栄養ゴールを定め,食事の工夫(食事強化と経口栄養補助)を中心に介入することにエビデンスがある.
著者
大隅 正子
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.809-811, 2011-12-10 (Released:2011-12-22)
参考文献数
4
著者
青木 正志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.8, pp.1978-1985, 2013-08-10 (Released:2014-08-10)
参考文献数
11

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は選択的な運動ニューロン死をきたし,神経・筋疾患のなかでも治療法が乏しく神経難病の象徴的疾患とされている.病態の解明が待たれるが,最近,家族性ALSの原因遺伝子として報告されたTDP-43およびFUS/TLS遺伝子変異に伴うALSの病態が注目されている.一方で,現在までに病態モデルとして確立しているのはSOD1変異に伴うALSであり,このモデルを利用した治療法の開発が進められている.我が国で開発されている治療薬として肝細胞増殖因子は,フェーズ1試験が開始となった.
著者
寺本 渉 吉田 和博 日高 聡太 浅井 暢子 行場 次朗 坂本 修一 岩谷 幸雄 鈴木 陽一
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第8回大会
巻号頁・発行日
pp.37, 2010 (Released:2010-09-01)

背景的・空間的な「場」の本物らしさに関係する臨場感はよく取り上げられるが、場面の印象にとって重要な前景的要素(対象や事象など)の本物らしさを表す感性については検討されていない。本研究では,この前景的要素の本物らしさに対応する感性を「迫真性」と定義し,臨場感との比較を通じて,その時空間特性を検討した。まず,「鹿威し」がある庭園風景を素材とし、その提示視野角と背景音の音圧レベルを操作した。その結果、臨場感は視野角も音圧も大きいほど高まるが,迫真性は視野角が中程度,背景音が実物と同じ場合に最も高くなることがわかった。次に,鹿威しの打叩映像と打叩音の時間ずれを操作した結果,臨場感は音が映像に先行しても高く維持されるのに対し,迫真性は音が映像に対して遅れても維持された。以上の結果は,臨場感と迫真性は異なる時空間情報によって創出される独立した感性であることを示唆する。
著者
三浦 雄一郎 福島 秀晃
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.25-31, 2010 (Released:2011-01-13)
参考文献数
1
被引用文献数
1

The lower limb comprises the hip joint, knee joint, and ankle joint. These joints are connected to each other and provide overall support to the lower limb. Knee-in and knee-out that occur while ascending and descending the stairs or when standing up produce tensile and compressive stresses inside or outside the knee joint, which in turn cause pain. This paper introduces a method for determining the lower limb joint which is chiefly responsible for knee-in and knee-out. It also discusses how to implement range of motion exercises in patients with joint dysfunction. The trunk comprises the pelvis, spine, and thorax. The spine consists of 7 cervical vertebrae, 12 thoracic vertebrae, and 5 lumbar vertebrae. Although these bones generate only small movements individually, these bones function together to provide a wide range of body motion. This paper introduces a method for qualitatively evaluating body motion, in addition to conventional quantitative methods such as the range of motion test.