著者
野村 政弘 澤田 善次郎 星野 裕 増澤 洋一 藤本 義治
出版者
日本生産管理学会
雑誌
生産管理 (ISSN:1341528X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.107-112, 2002-03-30 (Released:2011-11-14)
参考文献数
9

(株) デンソーが開発したQRコード (図1) はJIS並びにISOにより世界標準に認定された。この日本発のQRコードはパブリックドメインとして全世界に向けて発信している。ここではこのQRコードの開発に当たっての考え方とその適用方法について検証する。特に自動車業界で用いられているかんばん方式の「かんばん」にQRコードを用いた電子かんばんの適用事例を紹介する。
著者
山中 敏正
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.73, pp.111-116, 1989-05-15 (Released:2017-07-25)

本研究では,カメラのデザインをおこなう際に参照する基本的な要件を整理し,その体系的な把握のためにグラフ理論を応用し,構造的な分析を行った。1)グラフ理論を現実のデザインの場に持ち込む際に障害となるいくつかの問題点のうち,階層化と構造化の難しさを,「変形骨格行列」と「構造行列」を導入することにより容易にした。その結果,視覚的であり直感的に理解しやすく,デザイナーにとってなじみやすいという構造モデルの特徴の応用性を高める可能性が見いだせた。2)デザインを行う際のチェックリストの構造を最適化して表現することが可能であったばかりでなく,調査解析のプロセスにデザイナー自身が参加することが出来るため,デザイン要件を実感として構造的に意識するために効果的であることが判明した。
著者
小松崎 博
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.591-595, 1996-10-25 (Released:2011-08-11)

新システムは多くの分野の新製品が同時に開発発売されるため, システムインターフェイスの性能がお互いの取り決めの範囲になければならなかった。この新しいインターフェイスとして,「プリント品質がこれまでの135並」「磁気記録性能の保証」「カートリッジ・インターフェイス性能の保証」の三つの項目を重視し新システム対応カメラの開発を行い各々目標を達成した。これにより, 誰でも安心して良い写真がとれる新システムカメラが開発できた。
著者
大野 健三 遠藤 博美
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.15, no.14, pp.19-24, 1991-02-21 (Released:2017-10-06)

DECEMBER 2nd, 1990. TBS sent first Japanese COSMONAUT in space. His name is TOYOHIRO AKIYAMA of TBS news division. He was also first journalistic COSMONAUT in the world. He stayed in Soviet [MIR] space station about one week. During his staying in [MIR], he did live feed for TV and Radio. ENG shooting and some kind of experiment. TBS covered every events of TBS COSMONAUT from launch to return as live feed. This report is written about the system for live feed from space and from USSR to JAPAN.
著者
高木 忠雄
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.250-253, 1994-08-25 (Released:2011-08-11)

閃光発光の調光方式の主流となっているTTL調光方式には, 被写体サイズや反射率の大小に影響されて, 露出が適正値からずれる場合があるという未解決の問題があった。本論文で紹介するマルチエリア調光システムは, 1) 調光エリアの分割化, 2) モニタ発光の実施, 3) 距離情報の利用という3要素を新たに導入することで, 上記課題を解決した。これにより, 閃光撮影における適正露出の確度を飛躍的に向上させることに成功した。
著者
山中 敏正 田村 良一 杉山 和雄
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.449-455, 1995-10-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1

カメラのデザインプロセスにおいて, 設計要件の把握は重要なステップである。そこでデザイナーが情報を把握する方法として構造モデルを応用した結果, 設計要件の総合的な把握と, デザイナーの理解の程度の確認の方法として有効な手法であることがわかった。また, カメラの特徴と消費者による選好の関係を, エゴグラムを用いて解釈する方法は, デザインの初期段階での対象の概念化について補助的な役割を果たすことが確認された。
著者
中村 博重 金子 朗 内山 高夫 日吉 弘測 井駒 秀人
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.281-286, 2005-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
4

銀塩ならではの階調設計についてカラーネガフィルム, カラーペーパー, リバーサルフィルム, 映画用フィルムという切り口でレビューを行う.
著者
岸本 直文
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

急速に進歩する測量技術により、従来の測量図よりもはるかに精度高く墳丘の形状を把握できるようになっている。倭国王墓の変遷については、測量図による従来の比較作業から推移が見通され、また研究代表者は2系列があることや、さらに第3の系列の存在を指摘している。しかし倭国王墓の築造には、本来、個々に具体の割り付け設計があり、また数字による寸法が与えられたはずであり、精度の高い墳丘データがえられるようになったことで、設計仕様レベルでの比較検討が可能となっている。本研究は、最新データにもとづき前方後円墳の設計の実際を解明すること、また複数系列の存在を証明することで当時の王権構造に迫ることをめざすものである。
著者
藤野 真 吉田 英明
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.361-366, 2001-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2
被引用文献数
1

本報告は2001年度写真学会サマーセミナーにて行われた公開実験の結果を報告するものである。この公開実験では, サマーセミナーの参加者を被験者として, デジタル写真と銀塩写真の識別ならびに嗜好を主観評価した。本実験条件下では, 銀塩写真とデジタル写真の識別は特段の困難を伴うものではなかった。また銀塩写真よりもデジタル写真が嗜好される傾向にあった。識別に際してはノイズの量が重視されるが, 嗜好に際しては色再現が重視される傾向が認められた。
著者
鈴木 謙二
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.35-39, 1995-01-05 (Released:2009-07-23)
参考文献数
3
著者
髙山 哲志 迫 秀則 安部 由理子 阿部 貴文 森田 雅人 田中 秀幸
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.320-323, 2019-09-15 (Released:2019-10-02)
参考文献数
15

症例は73歳女性.主訴は心窩部不快感とふらつき.前医循環器科にて,重度の大動脈弁閉鎖不全症と僧帽弁閉鎖不全症によるうっ血性心不全と診断され,入院となった.薬物療法に抵抗性で内科的治療では心不全コントロールが困難であり,外科的治療目的で当院紹介入院となった.当院入院後も心不全増悪傾向を示し,緊急で手術を行った.術中所見では大動脈基部-上行大動脈瘤と,右冠尖と無冠尖の間の交連部に離開を認めた.上行大動脈置換術と,Florida sleeve法に準じた大動脈基部置換術および二弁置換術を行い良好な結果を得た.離開部の病理組織検査では粘液腫様変性を認め,交連部離開の原因となった可能性が示唆された.
著者
藤田 雄司 森 文樹 河野 和明 藤原 敏典 吉岡 嘉明 田村 陽一 江里 健輔
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.2063-2066, 1993-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
10

炎症性腹部大動脈瘤の発生頻度は腹部大動脈瘤の約20%前後であることが報告されてから,最近急速に注目されている.今回われわれは炎症性腹部大動脈瘤の1例を経験したので,最近の治療法をふまえて報告する.症例は62歳の女性で,夜間の発作性腹痛・腰痛を主訴とした.血圧は正常で,貧血や炎症所見あるいは,尿路系障害もなかった.腹部エコー及びCTでは,腎動脈分岐部直下に最大横径4cm, 縦径8.5cmの紡錘状動脈瘤を認めた.動脈壁は約1cmとマントル状に肥厚し,壁内には石灰化があった.瘤壁は約1cm厚に肥厚,線維化しており,内膜には中等度の動脈硬化性変化が認められるに過ぎなかった.径18mmY型Dacron人工血管にて置換術を行った.組織学的には,炎症性腹部大動脈瘤であった.本症は破裂しにくいと言われているが,症状を伴う場合には積極的に手術をすべきである.
著者
浅野 宜之
出版者
關西大學法學會
雑誌
關西大學法學論集 (ISSN:0437648X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.1141-1187, 2018-01-18

本稿は,2016年に制定されたインドの「障害者の権利法」を翻訳したものである。インドにおいては,本法が制定されるまで1995年に制定された「1995年障害者(機会均等,権利保護及び完全参加)法」(以下1995年法)が,障害者に関わる法律のなかでも重要な法律の一つとして存在し,また,そのほかに1992年リハビリテーション協議会法,1999年自閉症,脳性麻痺,精神遅滞及び重複障害がある者の福祉のための国家トラスト法などがインドにおける障害者に関わる法令として適用されてきた。こうした状況の中,2007年に発効した国連障害者の権利条約をインドも批准し,それにともない国内法の整備が必要となった。インド政府は同条約に適合的な国内法の整備のため,1995年法の一部改正ではなく,全面的に新しい障害者法の制定に取り組むこととなった。本法制定までの過程については,これまで部分的に拙稿で紹介してきたが,本稿は最終的に公布された2016年障害者の権利法の全訳である。翻訳に当たっては,官報を底本とした。
著者
村田 大樹 花北 順哉 高橋 敏行 北浜 義博 倉石 慶太 渡邊 水樹 上坂 十四夫 福井 伸行 鈴木 洋司
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.731-735, 2012 (Released:2012-10-29)
参考文献数
15

Amyotrophic lateral sclerosis (ALS) の初期症状は多彩であり, その初期診断は困難であることが指摘されている.  今回われわれは, 腰部脊柱管狭窄症と診断し手術加療を行ったが, 病状が進行し最終的にALSと診断された症例を経験した.  症例は68歳男性. 腰痛を伴う歩行障害を主訴に来院. 画像上L4/5の椎間板ヘルニア, および脊柱管狭窄症を認めたため椎弓切除術を施行したが, 症状の改善を認めず, 術後から下肢の筋力低下, 筋萎縮, および呼吸障害が出現し急速に進行した. 最終診断はALSであり, 術後4カ月の経過で死亡された.  今回, 本症例の経過を報告するとともに, 腰痛, 下肢症状を初発症状とするALSについての文献的考察, および手術, 麻酔操作がALSの自然経過に及ぼす影響につき考察を加えた.
著者
船津 和幸 シャンカル ヴェーンカテーシュワラン 船津 恵美子
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

バーサ作のサンスクリット戯曲の特徴を翻訳研究として考察するなかで、バーサ戯曲の独創性と魅力はその短編性とナラティヴの相対化にあると理解される。それは見る側、演じる側の想像力に訴え、解釈の大いなる自由をゆだねる。そして、実際に、『打ち砕かれた腿』を脚本化するプロセスでその醍醐味を体験的に確認できた。最終的には、演出家シャンカル・ヴェーンカテーシュワランとの共同作業により、実験的なヴォイス・パフォーマンス『百と一の子守唄』としてインドで上演して好評を博した。
著者
九鬼 なお子 大窪 久美子
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第51回日本生態学会大会 釧路大会
巻号頁・発行日
pp.365, 2004 (Released:2004-07-30)

本研究は長野県上伊那地方をケーススタデイとして,立地環境の異なる水田地域におけるトンボ群集の構造と季節変化,また立地環境との関係性について明らかにすることを目的とした.調査地域は中山間地(未整備2、整備済1)と市街化地(未整備1、整備済1)の計5ヶ所を選定した.晴天日の午前と午後にルートセンサスを行い,半径5m以内に出現したトンボ目の種名・雌雄・個体数・出現環境・出現位置・行動を記録した.6月上旬から11月上旬まで月に2_から_3回,1調査地につき28回,計140回実施した.土地利用調査は2003年11月に行われた.総出現種は23種,総出現個体数23,150個体で,その分類群構成はイトトンボ科2種,アオイトトンボ科3種,カワトンボ科2種,オニヤンマ科1種,ヤンマ科2種,エゾトンボ科1種,トンボ科12種であった.出現種数及び総個体数は中山間地未整備で多く,市街地整備済みで少なかった.これは池や川,湿地等の多様な水辺環境が存在し、周辺にねぐら等になる林が多いためと考えられた.成虫の成熟段階別の個体数季節変動から各種の移動について考察した.出現種は移動性大(aウスバキトンボ,bアキアカネ)と移動性中(Aノシメトンボ等,Bナツアカネ,Cシオカラトンボ等),移動性小(オオアオイトトンボ等)の3グループに分けられ,さらに小分類された. 出現種の個体数データを用いてTWINSPAN解析を行った結果,調査地域は中山間地と市街地の2グループに分類され,トンボ群集は7グループに分類された.成熟成虫の出現場所と行動の割合から、各種の水田地域の利用の仕方について考察した.種ごとに特定の環境に集中して出現する傾向がみられ,環境を選択して利用していると考えられた.各調査地域では水辺や森林等の立地条件の違いに対応した種群が出現した.また水田地域に生息するトンボの種ごとの特性に応じた季節変動と行動が確認された.