著者
角田 友紀 蛭間 基夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.203-208, 2016 (Released:2016-04-29)
参考文献数
11

〔目的〕住宅改善での理学療法士(PT)の自宅訪問が不十分と指摘がある.そこで,本報告では自宅訪問を規定する要因を明らかにした.〔対象〕PT協会から無作為抽出した全国のPTの中の介入経験者1,163人とした.〔方法〕質問紙による調査を2010年8月から2ヵ月行った(回答率40.3%).介入者の訪問状況から必ず行う必須群(47.5%),事例により行う事例群(47.6%),訪問経験がない非訪問群(3.7%)の三群に分類し勤務機関の実態や介入する具体的支援についてクロス集計により比較した.〔結果〕必須群では勤務機関は訪看や老健が多く,日常業務の主対象は在宅生活者や維持期患者が多かった.〔結語〕自宅訪問が可能なPTとの連携を確保する重要性が示唆された.
著者
菊池 聡
出版者
北陸心理学会
雑誌
心理学の諸領域 (ISSN:2186764X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.55-58, 2022-12-01 (Released:2023-03-20)
参考文献数
12
著者
新井 映子 伊東 清枝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.161-169, 1991-02-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
14

共立て法によりスポンジケーキを調製するさいの, 卵黄の起泡性ならびにその膨化性について検討を行い, 卵黄泡沫の膨化がスポンジケーキの品質に与える影響について考察した.(1) 全卵中の卵黄量に卵白中の水分量に絹当する水を添加して攪拌すると, 卵黄の起泡性は卵白よりも高くなった.これより, 全卵の状態で攪拌を行う共立て法の場合には, 卵黄はきわめて起泡しやすい状態にあること, また, 起泡力をもつことが確認された.(2) 卵黄泡沫は, 共立て法のバッターに特有の硬さ, 粘り, 付着性等のテクスチャー特性を与えた.(3) 卵黄泡沫も焙焼により膨化することが確認された.ただし, 膨化率は, 全卵および卵白により形成された泡沫よりも小さかった.(4) 卵黄泡沫のみの膨化力で膨化させたスポンジケーキは, 凝集性が小さく, もろく, また, きめもあらかった.(5) 共立て法で膨化させたスポンジケーキの官能評価は, 卵黄泡沫および卵白泡沫がそれぞれ膨化することにより形成される2種類の異なる気孔が存在することにより, はじめて得られるものであった.(6) スポンジケーキの良好な膨化のためには, 卵黄および卵白両者の相互作用が必要であった.
著者
大橋 えり 大岡 龍三
出版者
社団法人 日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会誌「ながれ」 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.325-329, 2007-10-25 (Released:2010-10-22)
参考文献数
27
被引用文献数
1
著者
田淵 貴大 清原 康介 西浜 柚季子 村山 洋史 大川 純代 山地 太樹 柿崎 真沙子 金廣 有彦 野村 章洋 尾谷 仁美
出版者
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所)
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2021-04-05

本研究の目的は、日本における新型タバコに関して、(1)ライフコースに応じた詳細な使用状況(使用の決定要因の解明を含む)、(2)その他の健康行動、飲酒・肥満など様々な健康指標との関連、(3)禁煙への影響、を明らかにすることである。日本の一般住民を対象としたインターネット調査を毎年繰り返し、日本を代表するコホート研究データも活用し、新型タバコ研究を継続的に展開する。精緻な統計学手法で解析し、論文を出版し、結果として政策立案者に有益な情報提供をする。
著者
井部 千夫美
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.91-106, 2019-11-29 (Released:2019-12-23)
参考文献数
37

本稿は、米国における、クローズド・キャプション方式の字幕(closed caption)及び画面解説(video description)を主体とする、視聴覚障害者等向け放送の現状と課題について、視聴者層、字幕・画面解説の制作方法、関連制度、最近の字幕・画面解説の付与状況の順に説明し、字幕・画面解説を制作する際に生成されたテキストの活用事例として、盲ろう者への対応とメディア・モニタリング・サービスを取り上げて論じる。そして、わが国への示唆として、字幕付与と画面解説付与の格差による、視覚障害者と聴覚障害者との間における情報アクセシビリティの格差を是正するための対策及び盲ろう者への対応について検討を進める必要があり、わが国でメディア・モニタリング・サービスと同様の新しいビジネスを導入する場合に直面する著作権法上の問題については、米国のような訴訟ではなく、業界団体等による検討などを通じて形成するソフトローのアプローチの方が適切であると結論する。
著者
大塩 佳名子 流郷 千幸
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.4_761-4_770, 2022-10-20 (Released:2022-10-20)
参考文献数
28

目的:夫婦を対象にし,夫婦関係満足度が児の泣きに対する育児困難感へ影響を与えるかを明らかにすることである。方法:A県内で生後3〜6か月の児をもつ父親および母親を対象とし,無記名自記式質問紙を配布した。質問紙は基本属性,夫婦関係満足度,児の泣きに対する育児困難感,対児感情(接近感情,回避感情)の3つを調査項目とし,重回帰分析,媒介分析を行った。結果:夫婦ともに回答のあった100人(父親50人,母親50人)から有効回答を得た。父親は夫婦関係満足度が父親の接近感情を媒介し,児の泣きに対する育児困難感に影響を与えていた。母親の児の泣きに対する育児困難感に影響を与えていたのは回避感情が最も強く,次いで接近感情,夫婦関係満足度であった。結論:父親・母親ともに夫婦関係満足度が児の泣きに対する育児困難に影響を与えていたことから,夫婦関係満足度を高めることで児の泣きに対する育児困難を軽減させることが示唆された。
著者
畑江 芳郎 中野 育子 飯塚 進 武田 武夫
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.429-433, 1998-12-31 (Released:2011-03-09)
参考文献数
17

全身性エリテマトーデス (SLE) の21歳の女性に併発した急性骨髄性白血病 (AML) の報告である.患者はSLEの治療としてコルチコステロイドおよびアザチオプリンなどの投与を受けていた.治療開始約11年してAMLを発症した.抗白血病剤による強力な寛解導入療法を行ったが, 完全寛解を得ることができなかった.剖検では骨髄はもとより肝, 脾, 腎, 大腸およびリンパ節などほとんどすべての臓器に白血病細胞の浸潤が著明であった.自己免疫性疾患にリンパ系増殖性疾患の合併はいわれているが, SLEの治療経過中にみられるAMLの併発は稀と思われる.本例においてはAML発症の原因はあるいは偶然の一致かもしれないし他の要因によるのかもしれないが, 免疫抑制剤であるアザチオプリンの投与による可能性も否定できない.SLEの治療にさいしてこのような薬剤選択に当たっては慎重であらねばならない.
著者
藤田彪述
出版者
[吉成氏]
巻号頁・発行日
1869
著者
金森 紘代 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.22-00039, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
27

土地の境界と所有者を明らかにする「地籍」の整備は,災害からの早期復旧,都市開発や公共インフラ整備の迅速化に大きく貢献する.しかし市町村主体で行われてきた地籍調査事業の進捗率には大きな地域差があり,日本全域では対象面積の半分を超えたにすぎない.地籍整備を推進すべく,国は様々な施策を打ち出しているが,それらは現場の作業効率促進に主眼がおかれ,不動産登記制度を母体とするわが国の地籍整備遅延の本質的な問題について,十分な議論がなされていない.本稿では,既往調査や過去の記事,国会・市町村議会の会議録から得られた知見を整理し,総合的に考察した結果,現行法制度ならびにその実質運用,そして1951年の事業開始時より幾度となく指摘されてきた地籍調査事業への国予算の不足が,整備遅延の原因であることを明らかにする.
著者
境澤 由起江 中村 泰敏 小杉 素子 西田 昌史 和田 真 鈴木 康之
雑誌
研究報告アクセシビリティ(AAC) (ISSN:24322431)
巻号頁・発行日
vol.2022-AAC-20, no.6, pp.1-7, 2022-12-02

本研究では,時間情報を高精度に伝えることのできる聴覚からの刺激と,予測を生起させるリズムの時間的構造に着目し,DTW(Dynamic Time Warping)で手拍子リズムの評価を行うアプリを試作した.主要ユーザーとしては小学生を想定している.ゲームは,前半が手拍子音によるガイドあり,後半はガイド無しとして,手拍子によるリズムへの同期と継続のトレーニングを促す仕様とした.短期的評価では,ガイド手拍子とのズレが小さくなり,手拍子タイミングの正確性と精度,恒常性が向上し,アプリを使うことで時間知覚が向上できる可能性が示唆された.
著者
松下 浩之 福本 稜佑
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.149-162, 2022-03-31 (Released:2022-10-01)
参考文献数
23

余暇の過ごし方を充実させることは、障害のある人の生活の質を向上させるために必要な支援の一つである。知的障害のある子どもの余暇活動についての調査研究はこれまでにいくつかなされているが、その多くは休日や長期休業中の余暇に注目している。本研究では、学齢児童の平日の放課後の過ごし方について、支援資源や保護者のニーズなどについて調査した。そこで、知的障害の有無や学年という点から実施している活動を比較することで、知的障害のある子どもの好みの活動傾向を把握し、活動レパートリーを拡大するための支援の要点を整理することを目的とした。その結果、知的障害の有無にかかわらず、子どもたちは一人で、あるいは家族と自宅内で過ごすことが多かったが、知的障害のある子どもは特に活動レパートリーが乏しく、その多くがテレビや動画鑑賞などの受動的な活動であった。今後は、家族以外の資源を活用した放課後支援が必要であること、豊富な余暇活動機会の保障と、余暇活動を指導する場の設定が重要であると考えられた。
著者
米澤明憲 柴山悦哉 [著]
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1992