著者
西角 暢修 若杉 樹史 水野 貴文 山内 真哉 笹沼 直樹 内山 侑紀 道免 和久
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12117, (Released:2022-01-25)
参考文献数
15

【目的】二次進行型MS 患者の下腿三頭筋の痙縮に対して,FES を前脛骨筋に実施し,痙縮の減弱に伴い歩行能力向上を認めたため報告する。【症例】40 歳台男性。再発と寛解を繰り返しているMS 患者で,今回4 度目の再発にて歩行困難となり入院。ステロイドパルス療法が施行されたが,右下腿三頭筋の痙縮や前脛骨筋の筋力低下が残存し,歩行が不安定であった。【方法】FES は,歩行練習中に右前脛骨筋に対して5 日間実施した。評価は,介入前後でMAS や足クローヌス,6 分間歩行距離などを測定した。【結果】FES 介入前後でMASは2→1+,クローヌススコアは4 →1,6 分間歩行距離は80 m →150 m であった。【結論】前脛骨筋へのFES は,即時的に下腿三頭筋の痙縮を減弱させ,立脚期の反張膝や遊脚期での躓きが減少することで,歩行能力を向上させる可能性があることが示唆された。
著者
井碩 孝博 池田 優
出版者
近畿大学医学会
雑誌
近畿大学医学雑誌 = Medical Journal of Kindai University (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.115-124, 2017-12-20

[抄録]本邦では,近年寄生虫疾患は稀な疾患となっているが,近年のコールドチェーンの発達,グルメ志向そして海外旅行者の増加に伴って海産性の寄生虫症の増加が認められる.小児においても同様の傾向にあり,臨床において注意すべき疾患となっている.今回我々は,日本海裂頭条虫症の4歳男児例を経験した.肛門からの虫体の排出を主訴として来院し,虫体検査の結果,日本海裂頭条虫の成熟受胎片節であることが確認され,駆虫目的で入院となった.検査所見からビタミンB12の減少・貧血は認められなかった.プラジカンテル及び下剤の1回内服により虫体の排出を認め,頭節の排出も確認でき,プラジカンテルによる副作用は認められず,有効で安全であった.その後の虫卵検査は陰性であり,6か月の経過観察中虫体の排出も認めず駆虫できたものと考えられた.プレロセルコイドが寄生している第2中間宿主であるサケ属魚類の生食歴は確認できなかったが,最近の子供の食事の嗜好からスーパーマーケットや回転ずしでの,サケ属魚類からの感染が考えられた.近年プレロセルコイドの感染がウラル山脈以東のロシア各地の沿岸で確認され,2017年にアラスカ湾から北太平洋沿岸でプレロセルコイドの感染が報告され,これらの地域が日本海裂頭条虫の感染源ではないかと考えられる.今回,本症例の考察に加え,日本海裂頭条虫の2009年以来の小児症例,生活環,治療,鑑別,感染源の最新の知見を網羅した.
著者
井上 三朗
出版者
山口大学
雑誌
山口大学独仏文学 (ISSN:03876918)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.a1-a21, 2004-12-24
著者
岩男 芙美 遠矢 浩一
出版者
日本リハビリテイション心理学会
雑誌
リハビリテイション心理学研究 (ISSN:03895599)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.63-74, 2021-01-14 (Released:2022-02-17)
参考文献数
12

援助者の言語的介入および被援助者の不安特性と不安へのコーピングスタイルが援助場面評価へ与える影響を検討した。大学生に対し,相談内容(生活・友人の2種)及び援助者の言語的介入(承認・解決・整理の3種)が異なる援助場面の文章を提示し,場面想定法によって援助場面への評価を測定した。不安へのコーピングスタイルの分類では,対処多様型,問題焦点対処型,葛藤型の3タイプが抽出された。これらと援助場面評価の関連を検討したところ,スタイルによって異なる関連の仕方が示された。友人に関する援助場面において,対処多様型は承認されることで肯定的に援助場面を評価する一方,解決策の提示には否定的であった。葛藤型は,生活に関する援助場面自体を否定的に評価した。自身の問題への被援助者なりの対処の仕方に着目し,被援助者のコーピングスタイルを考慮しながら,援助者の介入を調整する必要があることが考察された。
著者
五十嵐 喜治 吉田 哲哉 鈴木 恵津子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.138-143, 1993-02-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
15
被引用文献数
29 40

長者ナス(小ナス)から単離したナスニン,および他の2~3のアントシアニン色素が,リノール酸-リポキシダーゼによるβ-カロチンの退色,およびリノール酸の自動酸化に及ぼす影響について,それぞれ,カロチン退色法,ロダン鉄法を用いて検討した.pH 7においてカロチン退色法で測定した抗酸化効果はナスニンで最も強く,次いで,マルビン,ルブロブラッシンの順であった.pH 2.8においてロダン鉄法で測定した抗酸化効果も同じ傾向を示した.また,抗酸化効果はアグリコンのディルフィニジン,マルビジンおよびシアニジンにも認められたが,後2者の活性はそれらの配糖体と大差がなかった.ナスニンはディルフィニジンに比べて高い活性を示した.この結果はリノール酸の自動酸化系におけるナスニンの強い活性にそのp-クマール酸部分が関わっている可能性を示した.
著者
豊川 浩一
出版者
Japanese Society for Slavic and East European Studies
雑誌
Japanese Slavic and East European studies
巻号頁・発行日
vol.30, pp.45-58, 2010

ピョートル一世からエカチェリーナ二世までの間に、ロシアはヨーロッパの一員となった。それはロシアの知識人に活動の機会を与える啓蒙主義の時代でもあった。しかし、この時代をどのように理解すべきなのかということについては議論がある。17世紀以来の国家システムや社会組織をそのまま引き継いだという議論もあり、また18世紀ヨーロッパの同時代性のなかで開花した時代として理解すべきであるという考えもある。おそらくは、その両方の見方が必要になろう。実際には、18世紀ロシアはどのような時代だったのだろうか。確かにこの時代のロシアは17世紀の諸制度を引き継いでおり、また他方では、ピョートル一世が目指したように、貴族の国家勤務を柱に国家を建設し、秩序ある社会を目指そうとした時代であった。さらに重要なのは、ロシア人自身が「ロシア人」とは何者なのかを認識し、あるいは「ロシア人」を形成する時代でもあった。そこで役割を果たすのがピョートル一世の意を受けてその死後に創設された科学アカデミーの存在と活動である。特に、ロシア各地に派遣することになる遠征隊の役割が重要となる。ユーラシア大陸とアメリカ大陸の間に海峡が存在することを明らかにしたベーリングの遠征隊に代表されるように、各種の遠征隊はロシア=ユーラシア各地の地誌、歴史、自然を調べ上げる作業を行った点で際立っている。これらの遠征隊が行った作業は、ロシアが一体どういう国家であるのかということをロシア人自らが理解するうえで有効であった。ロシアが征服・併合した土地にはロシア人自身の知らない多くの民族が住んでいる。彼らはどういう人々なのか、また彼らに対してどのように対応しなければならないのか、ということを考えさせたのである。南ウラルへの遠征、特にI.K.キリーロフを隊長とするオレンブルク遠征隊は、そのような学術遠征の意味をも兼ね備えた遠征であった。もちろん、最終的な目的は中央アジアさらには遙かインドや中国との交易を念頭においたロシア南東地域の完全な制圧と防衛線の建設である。その遠征の成果の一端はP.I.ルィチコーフによる『オレンブルク県地誌』や『オレンブルク市史』となって現れる。しかし、地方住民-特にバシキール人-はこの遠征の動向に注目し、敏感に反応する。すなわち、イヴァン四世以来、自分たちとロシア国家の関係を契約によって成り立つ自由なものであるという認識を持っていた。しかし、遠征隊の活動は、16世紀以降の進んだロシア人による植民およびそれによる先の契約関係の崩壊、またより明確な形をとって現れる自らの土地の占拠とみなされたのである。そのため、それまでバシキール人が植民運動に対して示したと同様に、この遠征に対してもバシキール人は激しい武装蜂起でもって答えた。これに対して、当局は厳しい態度で臨むことになる。そうした遠征隊の行動に対して危惧する人もいたが、遠征隊長キリーロフはバシキール人を絶滅させても構わないとさえ考え、厳しい懲罰行動を行った。そうしたことも啓蒙主義時代の出来事であった。以上の問題を具体的に考えてみようとするのが本稿の課題である。
著者
錦織 勤
出版者
鳥取大学地域学部
雑誌
地域学論集 (ISSN:13495321)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.349-361, 2010-03
著者
米川明彦著
出版者
明治書院
巻号頁・発行日
1984
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.329, pp.78-80, 2010-04

セブンプレミアムのピザトーストはオーブンレンジ(500W)で3分半加熱。チーズが程良く溶け、外はコンガリ、サクサク、中はふっくらと、なかなかの美味。100円ショップのレンジ調理グッズを使えば、フライパンなしで目玉焼きも作れる。お湯もレンジ調理グッズで適温に沸かせるので、コーヒーも簡単。ローソン100の野菜ジュースを加えれば、栄養のバランスも整う。
著者
多喜 義彦
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.580, pp.140-142, 2003-01

光る携帯ストラップの開発では,ある部品の値段を1ケタ上げることを提案する。(本誌) 私が開発支援した商品に,「ウルトラマン」やら森永チョコボールの「キョロちゃん」やら,キャラクターがピカッと光る携帯ストラップ(図2)がある。これが,およそ2年間で累計900万個,160億円を売り上げる大ヒットとなった。
著者
仲座 栄三 渡久山 諒 稲垣 賢人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_193-I_198, 2015 (Released:2015-11-10)
参考文献数
11

南西諸島に点在する巨大な津波石の特徴が示された後に,それらの起源が推定されている.結果は,過去数千年間に大津波が7回来襲したとする従来の定説を否定し,明和津波が唯一で巨大な津波であったことを示唆している.こうした議論内容は,これまでに仲座らが発掘調査などから指摘している明和津波最大説と軌を一つにしている.実験により,こうした巨大津波石の発生メカニズムが調べられ,津波石への衝撃波圧の発生,津波石の水没と移動との関連が議論されている.巨大津波の流体力や最大遡上高を推定する上で,本研究成果は示唆に富む内容となっている.
著者
西野 精治
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
日本臨床薬理学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.3-SL2, 2021

<p>私は、大阪医科大学大学院4年在学時の1987年に、早石修学長 (当時) の早石生物情報研究所共同研究員としてスタンフォード大学睡眠研究所に留学することになった。その後34年にわたり、スタンフォード大学で睡眠研究を続けている。その間、東北大学にはヒスタミンの国際シンポジウムなどで度々訪れる機会があった。本学術総会では、ヒスタミンにちなんで脳内マスト細胞と睡眠に関する研究成果を報告する。ヒスタミン神経のみならず、マスト細胞由来のヒスタミンは覚醒系の伝達を担い、ストレス性不眠、不眠による脂肪細胞等における炎症や耐糖能異常などにも関わるという結果が動物実験で得られた。次に、新型コロナウイルス感染症と睡眠に関する疫学的調査の結果を報告したい。2000年初頭より新型コロナウイルス感染症「COVID-19」が猛威を振るい、全世界で多くの死亡者を出す事態となった。COVID-19の広がりによって人々の生活習慣や労働様式から睡眠習慣まで大きな影響がみられ、今後、新型コロナウイルスとの共存を考える上で生活変化・職場での生産性の分析は重要である。2020年4月に行った1,000人規模の調査では、コロナ禍の下で特にリモートワークにより睡眠時間は長くなったが、就寝時間が後ろ倒しになり、睡眠の質が低下したケースも多いことがわかった。さらには、コロナ禍が約一年経過した2021年2月には調査対象者10,000人規模で睡眠状態やコロナ感染についての疫学的調査を行い、「マスクをせずに外出(OR 7.01, 95% CI: 4.50, 10.92)」などがCOVID-19のリスク因子として認められた。また調査対象者10,323名中、新型コロナウイルス感染を認めなかった8,693名のうち睡眠時無呼吸症候群 (SAS) の既往歴がある者は231名(2.7%)であった一方、新型コロナウイルス感染者144名の中でSAS既往者は51名(35.4%)に及んだという衝撃的な結果が得られた(OR 4.93, 95% CI: 2.81, 8.63)。新型コロナウイルスの感染者はインフルエンザの感染リスクも高く(OR 6.30, 95% CI: 3.79, 10.49)、SAS既往者では双方の感染リスクが高いことも分かった。最後に、谷内学会会長より研究成果のみならずスタンフォードでの研究生活やシリコンバレーでの生活も紹介していただきたいとの依頼を受けたので、米国での研究室の主宰者としての研究生活についても紹介させていただきたい。</p>
著者
佐々木 信博
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
HYBRIDS (ISSN:09142568)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.21-27, 1992-03-01 (Released:2010-03-18)
参考文献数
4
被引用文献数
3
著者
小前 憲久 日比野 康英 菅野 延彦
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.119, no.10, pp.763-772, 1999-10-01
被引用文献数
2

The spectral karyotyping (SKY) method is a novel molecular cytogenetic technique which simultaneously discerns entire chromosomes. In order to elucidate the origins of micronuclei induced under hyperthermic conditions in human lymphocyte culture, peripheral blood cells were cultured at 40℃ or 42℃ for 3-24 h, using the cytokinesis-block method with cytochalasin B. The induced micronuclei were identified by the fluorescence in situ hybridization (FISH) and SKY methods. At 42℃ for more than 6 h, the frequency of occurrence of micronuclei in binucleated cells rose with increasing incubation time. By the FISH method, 83.3% of micronuclei induced in 24 h culture at 42℃ were shown to be positive for the human centromeric probes. By the SKY method, each micronucleus induced under the hyperthermic conditions was identified unequivocally and shown to contain a specific chromosome. These results suggest that the micronuclei induced under the hyperthermic conditions in human lymphocyte culture contain chromosomes which do not migrate to the poles at the anaphase of the cell cycle because of the breakdown of the spindle apparatus.
著者
近藤 達夫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.7-12, 1986-10-25 (Released:2020-09-01)
参考文献数
1
被引用文献数
1

One of the goals of Osaka Master Plan, 1967, is a multiple nuclei concept. Two new sub-business centers, i.e. Shin-Osaka and Benten-cho, have been proposed. In this study, the author made estimation of these centers’ share of floor space, number of establishment and number of job.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.59, pp.118-120, 2000-06

角川書店など17社が団結してアニメマニアをターゲットにしたサイトを立ち上げた。限定グッズのオークションでマニアの心をくすぐり、雑誌やiモードとも連携した巧みな囲い込み戦略で、初年度3億円以上の売り上げを目指す。 「欲しいものは何が何でも手に入れようとする。