著者
福士 謙介 渡部 徹 渡辺 幸三
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

東南アジアでは、暑熱環境による熱中症や睡眠障害、洪水や渇水に伴う水系感染症、そして蚊個体数・生息分布の増加に伴うベクター感染症が、気候変動下で深刻化している。本研究は、環境情報、文化的な情報、エネルギー使用状況等の情報および、人間行動や建築情報を含めたデータの収集を行った。都市の下水からの病原微生物による近郊農地が汚染されていること、および洪水時にウイルスによる胃腸炎が流行していることが示唆された。また、スマートフォンアプリを開発し、リアルタイムで蚊に刺された住民からデータを集積できた。さらに、効率的に蚊を集め、深層学習などを使って蚊を蚊として正しく羽音に基づいて同定できる正答率を高めた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア : 医療・介護の経営情報 (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.310, pp.37-41, 2015-08

この先、見逃せないのが、厚生労働省が7月に立ち上げた検討会の議論の行方。療養病床再編の道筋が明確化し、新たな施設類型ができる可能性も出てきた。2018年度以降は、一般病床を含めて医療・介護サービスの提供体制が抜本的に見直される予兆もある。
著者
福元 健太郎 菊田 恭輔
出版者
学習院大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

災害への対処が公金に値するかを市町村が「認定」すると、不正を含む政治的バイアスが入り込む余地がある。具体的には次の3つを検討する。(1)災害復旧事業費の国庫補助率を嵩上げする激甚災害指定の有無が、その前後の選挙におけるその市町村の与党得票率と関連しているかを、選挙間の最大降水量を操作変数として用いて不偏推定する。(2)災害弔慰金の対象となる災害関連死を認定するタイミングが、市町村によってどれほど異なるかを、ノンパラメトリックな生存分析を用いて調べる。(3)住家の被害認定が被災者生活再建支援金の支給条件を満たすか否かが人為的に決められていないかを、回帰不連続デザインによって判断する。
著者
小川 瑞貴 羽藤 英二 石井 健太
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1351-1358, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
11

本論文では,歩行者行動に着目し,Origin-Destination交通分布と経路選択パラメータを同時に推定する手法の構築を試みる.目的関数に対しては,情報幾何学の観点から,収束解の一意性を保証する推定アルゴリズムを提案する.提案した手法に基づき,実測データを用いた推定を行った.また,旅行者の期待効用などの定量的な観点から,都市機能のネットワークデザイン問題を代理モデルによって高速化することを試みる.ネットワークデザイン問題は,解集合が離散的であり,割り当てが再帰的ロジットモデルによって計算されるため,膨大な計算コストがかかる.そこでネットワークと目的関数値の教師データを用いて、フィードフォワード・ニューラルネットワークを学習することで、高速化した枠組みを提案する。
著者
坪井 志朗 三村 康広 山崎 基浩 鈴木 雄 西堀 泰英
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1405-1412, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2

新型コロナウイルスの感染防止による新しい生活様式によって、テレワークやオンライン会議が普及し、職場と居住地が必ずしも近くにある必要はなくなる等、我々の暮らしを大きく変えている。地方都市や郊外地域の居住意向が向上し、職場にとらわれない居住選択ができるようになった一方、地方都市移住や田舎暮らしを適切な地域に誘導しなければ、単なる都市のスプロールとなり、都市の広域化が懸念される。本研究では、愛知県豊田市をケーススタディとして、コロナ禍における地方都市の人口動態の変化と居住地選択の意向変化を分析した。その結果、人口動態について転入者数の減少により人口減少へとなっていること、コロナ禍前後で居住地選択の考え方が変わっていることが指摘できた。
著者
飯泉 俊雄 服部 晃 真田 雅好 武藤 正樹
出版者
国際組織細胞学会
雑誌
Archivum histologicum japonicum (ISSN:00040681)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.305-320, 1977
被引用文献数
14

マウス脾臓を灌流固定, 凍結割断ののち, 巨核球について走査電子顕微鏡による観察を行なった. 多くの巨核球は脾索内に存在し, 脾洞と細静脈の壁に近接していた. また稀には洞内と細静脈内にも認められた. 巨核球は細網細胞によって囲まれ, ときには両者の胞体の鋸歯状結合もみられた. 巨核球の概形は, 未熟なものは円形, 成熟するに従って不整形となり, 細胞表面には大きな突起がみられた. 巨核球の細胞表面には小孔と小突起が認められた. 小突起には2種類が識別され, 一つは血小板放出に関与すると考えられる球状の突起 (第一型) で, 他は絨毛状の細長い突起 (第二型) であるが, 後者の意義は明らかにされなかった. 細胞表面の小孔は細胞内の血小板分離膜系の入口であることが明らかにされた. 細胞の割断面すなわち細胞内には, 血小板分離膜系が小溝として認められ, その発達が形質膜の細胞内への陥凹によって始まることが確認された. 発達した血小板分離膜系によって囲まれた血小板小野は金米糖様の形をしていた.<br>血小板放出様式については四つの機序が観察された. 1) 血小板分離膜系が巨核球の中間層に発達し, 個々の血小板小野を形成したのち, この分離膜系がエクトプラズムにまで及び, ついには細胞表面を細区分する. この部分がびんからコルク栓をぬくようにして細胞から離れたのち, このエクトプラズムの欠損部より内部の血小板が集合してあるいはリボン状に連なって放出される. このさい脾索で放出された血小板は洞壁の内皮細胞内の小窓を通って洞内に流出する. 2) 巨核球の大きな細胞質偽足が洞内に突出し, 後になってこれが個々の血小板に分離する. 3) 巨核球が直接血流に入り, 肺などで血小板を放出する. 4) 巨核球の細胞小突起 (第一型) が洞内に突出, これが血小板として離れる. この場合は小器官のない血小板が生ずると考えられた.

1 0 0 0 OA 氣海觀瀾廣義

著者
川本幸民 譯
出版者
勝村治右衛門
巻号頁・発行日
vol.1, 1800
著者
濵田 維子 井上 福江
出版者
純真学園大学
雑誌
純真学園大学雑誌 = Journal of Junshin Gakuen University, Faculty of Health Sciences (ISSN:21866481)
巻号頁・発行日
no.3, pp.99-109, 2014-03

要旨 : 子宮頸がんの一次予防として,性的接触前の思春期女子へのHPVワクチン接種が推奨されている。福岡県でも,2011年以降,11歳から16歳の女子におけるHPVワクチンの無料接種が可能となった。本研究の目的は,HPVワクチン接種の現状を知り,ワクチン推奨年齢の娘を持つ母親の子宮頸がんに関する知識,ワクチン接種に対する意識,娘との関わりについて明らかにすることである。その結果,生徒のHPVワクチン接種率は78.4%を占めたが,母親の過半数は子宮頸がんに関する知識がなく,母親から娘への適切な情報提供は行われていないことが明らかになった。検診の必要性も含め,母娘を視点においた子宮頸がん予防教育と情報提供が急務である。
著者
山本 晃輔
雑誌
大阪産業大学 人間環境論集 = OSAKA SANGYO UNIVERSITY JOURNAL OF HUMAN ENVIRONMENTAL STUDIES (ISSN:13472135)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-10, 2017-03

This study examined the influence of autobiographical memory of experiences of success or failure on learning motivation. Participants (N = 216) completed a scale that assessed their degree of learning motivation. They were asked to recall autobiographical memory of experiences of success or failure and to rate these memories based on 6 items pertaining to memory characteristics (e.g., vividness). Participants then completed the learning motivation scale again. Participants obtained higher post-test scores on the motivation scale, compared to the pre-test scores. In addition, autobiographical memories of successful experiences were more emotional, positive, vivid, and frequently remembered than were memories of failure experiences. Autobiographical memory pertaining to effortful experiences as a facilitator of learning motivation will be examined in future research.
著者
厚井 知穂 栗田 智子 庄 とも子 荒牧 聡 稲垣 博英 柴田 英治 蜂須賀 徹
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.508-513, 2013 (Released:2014-06-16)
参考文献数
13

Disorders of sex development (DSD) are defined as congenital conditions in which development of chromosomal, gonadal, or anatomic sex is atypical. In some cases of DSD, especially 46,XY DSD and Turner syndrome (+Y), early bilateral gonadectomy is recommended; this recommendation is based upon the high incidence of gonadal tumors in affected individuals. Because these cases are frequently found in younger women, laparoscopic surgery is an excellent choice for minimally invasive treatment. We performed a prophylactic laparoscopic gonadectomy on three patients at the appropriate time after carefully determining the correct diagnosis.