著者
吉田 聖一
出版者
一般社団法人 日本高圧力技術協会
雑誌
圧力技術 (ISSN:03870154)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.378-385, 2009-11-25 (Released:2011-01-24)
参考文献数
8
被引用文献数
2

Two tank explosions simultaneously occurred at a salt water disposal facility in Lamesa, Texas on May 15, 2009. One tank launched as a skyrocket, and the roof plate separated and flew in the other tank at the explosion. The frangible roof joint is designed so that the strength of the sidewall-to-roof joint is weaker than that of the sidewall-to-bottom joint under overpressurization in aboveground oil storage tanks. This rule did not perform as intended in the tank which launched. This paper presents a consideration on the frangible roof joint design due to the tank explosion.
著者
柏崎 正憲
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.59-76, 2020

<p>It is only recently that Locke scholars have begun to pay attention to his translation of Jansenist Pierre Nicoleʼs <i>Essais de morale</i> in relation to Locke's application of hedonism and other related topics. This paper attempts to elucidate Nicole's influence on Locke's moral thoughts, and Locke's innovative adaptation of Nicole's arguments about what human weakness means in moral life that inspired a comparatively more forgiving evaluation of human reason, self-love, and moral virtue in his later years. His interpretation and adaptation of Nicole's moral thoughts allowed him to reconcile human nature with a prospect for human perfection through the improvement of hedonically motivated action and the contractual nature of society itself. One can trace the development of Locke's moral thought process during his translation of Nicole's work, and witness the taking shape of some of the most important insights and arguments that would become fully developed in his major works, <i>An Essay Concerning Human Understanding</i> and <i>Two Treatises of Government</i> in the later years.</p>
著者
千葉 昭彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.137, 2010

1. 「都市地理学」の見られ方<br>「地理学は地域研究において有用、有益な分野であるので、社会や行政などに対して政策提言をしていかなければならない」という趣旨の発言が地理学界でしばしば聞かれる。そこでは、現実にそのような役割を担い、実現しているのかどうかということが問われることとなる。<br>検討対象を都市地理学に限定するならば、林(2001)は「都市地理学の限界」とのタイトルのもとに、バージェスやホイトのモデルを取り上げ、都市地理学は都市構造記述するにとどまっていると評し、都市形成のメカニズムの理論的説明がみられないとしている。それゆえに、都市地理学は都市問題発生のメカニズムも把握できないのでその解決の処方箋を示すことができないとしている。<br><br>2.都市地理学の研究目的と研究対象<br>林の指摘は、地理学あるいは都市地理学の関係者の意図と異なるものとなっている。そこで、地理学あるいは都市地理学の有用性や社会的な役割に関する先達の指摘を確認しておこう。<br>ヘットナーは「われわれは応用地理学の課題に中に、計画の直接的基礎としての評価および変更の提案と言う二段階を区別することができる。・・・(中略)・・・そして、評価は必然的に変更への提案につながる」(ヘットナー,2001,PP.243―244)と述べている。プレポも「地理学はデータや生のもの、材料や生活の共存、人間活動や景観の次第に急速となる変化と、他方での永続性、空間を構築し、整備し、荒廃させる諸力の可動性を考慮するものである」(プレポ,1984,P.32)と指摘している。<br>わが国の論者でも同様の言及を確認することがでる。木内は「(1)地理学を今より広く、かつ深く、社会の諸問題に活用することは、双方にとって有益である。(2)このために応用地理学を地理学の一分野として樹てることは望ましいが、現情は必ずしも十分な状態にはない。・・・(中略)・・・(3)地理学の応用は、そのテクニクを実社会に利用するという控え目のものから、計画・政策を樹立する積極的な姿勢のものまで幾段階かがある」(木内,1968,P.76)としている。また、西川も「こうした地域と結びついた、いわば社会的病理現象の因果関係を解明して、その対策を適切に講じるために、そしてさらに合理的な土地利用と地域・地区制を確立し、よりすぐれた生活環境を育成し、産業効率の増進をはかるなどの地域開発計画に対して、人文地理学はいろいろな形で貢献できるし、またそれが強く期待されているのである」(西川,1985, P.7)と記している。<br>ところで、学問の位置付けを阿部謹也(1999)が指摘するように真理探究の基礎研究と問題解決の応用研究とに分けてとらえるとしても、都市地理学が後者の役割を担うならば、その政治的立場や価値判断にかかわりなく、次のようなプロセスが求められる。すなわち、取り上げるべき問題を認識し、その上でその問題が発生する要因やメカニズムを究明し、最後にそれらを勘案して問題解決の道筋を示す、つまり政策提言に至る。これはあたかも医師が患者の症状(病気)を認識し、その症状(病気)の発生原因を解明し、病気の原因を取り除く治療方法を処方あるいは処置するプロセスと同じであろう。<br><br>3. 都市地理学に求められる方向性<br>阿部和俊(2007)は都市的地域を研究対象とした論文を、都市を点として分析したものと面として分析したものといった区分と、都市を研究したものと都市で研究したものとに分類している。ここで都市地理学に応用研究としての役割を求めるのであるならば、「まちづくり」などの特に面として都市を研究する領域では、林の指摘とのギャップの解消が求められることになる。
著者
藤岡 碧志 岡崎 裕之 鈴木 彦文
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.7, pp.1-7, 2021-07-02

日々の研究データを管理するためのシステムとして Nii が GakuninRDM というサービスの提供を開始した.GakuninRDM は一般的なオンラインストレージサービスをと同様に扱うことができ,バージョン管理や外部サービスとの連携も可能となっている.しかし,同サービスが掲げている「研究データ管理による研究推進と研究公正」を達成するためには機能が不十分であると考えた.そこで我々は外部サービスとして NextCloud を選択し,その上にレビュー機能・RDM ヘ登録するファイルヘの署名付与を行うカスタムアプリケーションを構築し,運用することで研究データの再利用と研究公正に有用か検討を行う.
著者
坂本 公一 高橋 忠雄 吉田 欣也 車田 頼義 角田 元成
出版者
日本家畜臨床学会
雑誌
東北家畜臨床研究会誌 (ISSN:09167579)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.36-40, 1991-08-20 (Released:2009-04-22)
参考文献数
8

臨床症状から第四胃食滞と診断された10例の子牛について、臨床的観察を行うとともに、診断および治療について観察した。その結果、発症子牛は何れも黒毛和種の哺乳子牛で、発症日令は18~158日、平均48日であった。初診時の症状は、何れも水様便であったが、下痢症に対する治療法に反応せず次第に衰弱し、哺乳欲の低下、腹囲の膨大、第四胃部の拍水音および排便量の著しい減少が認められた。No.1からNo.3の3頭には、第6病日以後も内科的対症療法を継続したが、平均19日の経過でいずれも死亡した。No.4、No.5の2頭には第6病日以後、第四胃切開術を実施し、No.6からNo.10の5頭には第四胃内容の攪拌を目的とした腹部のマッサージを実施した結果、いずれも処置の翌日、多量の便または正常便の排出と供に一般症状の改善がみられ治癒した。死亡したNo.1とNo.2の幽門部には潰瘍がみられ、その隆起によって幽門部が狭窄しており、No.3の幽門は毛球によって閉塞していた。また手術を実施したNo.4とNo.5の第四胃内には未消化の植物線維が堆積していた。以上のことから子牛の臨床症状として、腹囲膨病、第四胃拍水音および排便量の著しい減少などがみられた場合は、第四胃マッサージあるいは、第四胃切開術は第胃食滞の治療に効果のあることが認められた。

1 0 0 0 ロシア手帖

著者
ロシア手帖の会 [編集]
出版者
ロシア手帖の会
巻号頁・発行日
1971
著者
石井 僚 村山 航 福住 紀明 石川 信一 大谷 和大 榊 美知子 鈴木 高志 田中 あゆみ
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.493-502, 2019
被引用文献数
2

<p>The study described here developed a short surrogate index for the children's socioeconomic status (SES) using house possessions and investigated its validity. In Study 1, 192 pairs of parents and their middle school-aged children participated in a questionnaire survey. Based on the results, three items regarding possessions at home were selected for the short surrogate index out of the 17 items used in the Programme for International Student Assessment. Furthermore, the short surrogate index for the children's SES was related to family income, parents' academic background, and hierarchy consciousness. In addition, it was found to have good test-retest reliability, thereby demonstrating its validity. To confirm that the item selection and validity in Study 1 did not involve sampling error, Study 2 investigated the reproducibility of validity with a different sample. One hundred ninetyfive pairs of parents and their middle school-based children responded to the questionnaire, and the results redemonstrated the index's validity. Studies in different disciplines using the short surrogate index can be conducted because SES can be both the main and confounding variable.</p>
著者
小西 真衣 伊藤 操子 伊藤 幹二
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.45-54, 2009-05-30 (Released:2018-02-01)
参考文献数
32

近年森林や山岳等自然地域では、レクリエーション利用が増加傾向にあり、それに伴う雑草の侵入の増加は重要な問題の一つとなっている。そこで雑草の侵入に対する人為的なかく乱(通行)と環境条件の効果を明らかにするために、京都大学芦生研究林において、かく乱地(通路:車道・林内歩行路・軌道)および非かく乱地の発生雑草の種類および環境要素を調査した。雑草は主にかく乱地で発生が観察され、特に車道基面では、量・種類共に多く雑草の侵入の成功が推察された。発生雑草種の特徴や生活型から、通路上では踏みつけ耐性を有する種が多く、繁殖体の移入経路は車道では人・車両および風、林内通路では人の持ち込みによるものが多いことが示唆された。環境条件は、相対照度と土壌水分率について、車道と林内の間に有意な差が認められた。しかし車道内では、発生雑草種数は相対照度が高い地点で少なく、また土壌水分率と相対照度との間には負の相関が認められたことから、相対照度の高い地点では、開放度の大きさゆえ風圧や乾燥が雑草の発生の障壁となる可能性が考えられた。また、車道基面-のり面、林内歩行路内-歩行路外での発生雑草種の違いから、非かく乱地では雑草の発生に対するなんらかの障壁の存在が予想された。この障壁に関して、土壌硬度が踏みつけのあるかく乱地で有意に高いことから、踏みつけに伴う土壌の二次的な変化の関与が考えられた。
著者
小林 直人 中村 修 大井 健太
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.11-25, 2011 (Released:2011-03-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

この論文では研究戦略の形成とそれに基づく構成的な研究評価について考察した。特に研究遂行にあたっては、戦略形成の一環として研究プログラムの目標とそれを達成するためのシナリオの設定が大切であることを強調し、その研究戦略に沿った研究評価を行うことの重要性を指摘した。また研究評価にあたっては、研究の進展(progress)、深さ(depth)、位相(phase)の3側面から評価を行うとともに、それらを研究戦略と対比しつつ演繹・帰納・仮説形成(アブダクション)用語1による推論を組みあわせて構成することの重要性や、最終的に総合的な評価を形成する際にも構成的な評価法が重要なことを述べた。さらに産総研における研究ユニット評価および長崎県における公的研究機関の研究プログラム形成と評価の実情を紹介して、構成的な評価法との対比を試みた。構成的な評価法は、研究の価値を引き出し、次の進化に向けるために必要な創造的営みの一つとして捉えることができる。
著者
鈴木 元子 スズキ モトコ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-14, 2017-03-31

ユダヤ系アメリカ作家ソール・ベローのホロコースト体験者を主人公とした2つの小説『サムラー氏の惑星』及び『ベラローザ・コネクション』と、日本の作家遠藤周作の『沈黙』とその周辺のエッセイを中心に、比較文学文化研究をおこなった。1章の序論では共通するアイデンティティの葛藤について、2章では両作家の宗教的背景・大病との闘い・シュタイナーの影響について、3章ではホロコーストとキリシタン弾圧、及びその作風について、4章では同化か隠れかについて、アルメイダとフェレイラのマラーノ出自説からの読み直し、そして最後に、両作家のオウム/九官鳥という動物表象を論じて結びとした。
著者
多田 千代 小野 日出子 徳永 登喜枝
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会誌 (ISSN:03862666)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.96-99, 1974

Of the method of making Pompon Tufting, a way of using a rectangular cardboard pattern was examined tentatively. The cardboard should be long enough to wind the desired full length of the yarn around, and, as winding, it is necessary to make it uniform and not to tense. Width of the cardboard will be the same as desired for the finished pompon. Where to cut and where to tie the wound yarn should be marked clearly with chalk before the cardboard is removed. Instead of the cardboard, pencils may be used. The round of the pencils bound is as following; circular pencils : 2r(π+n) six-angle pencils : 6r+n√<3r> r=a pencil's radius, n=number of pencils bound, π=the circular constant.
著者
喜多 一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.5, pp.1, 2021-07-02

現在の組織にとって情報環境の整備が重要であることは言うまでもないが,限られたリソースの中で,組織の能力構築,技術動向の把握と実務への展開などが求められる.本講演では京都大学を例に近年の情報環境の整備として,事務業務系のクラウド移行,認証基盤の見直し,大学 Web の更新,研究用の情報環境の整備,などを紹介するとともに,授業の全面オンライン実施やテレワークなど,情報環境の利活用状況が大きく変わった COVID-19 対応の経験について報告し,さらに今後の課題についても考えたい.
著者
藤村 直美
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.4, pp.1, 2021-07-02

大学における最近の情報環境整備について,九州大学における取り組みを,情報統括本部の設立から,その後の活動について,筆者が直接かかわった活動について述べる.具体的には,ソフトウェアの包括契約,電子メール,認証基盤,教育情報システム,PC 必携化 (BYOD),遠隔講義システム,Web 学習支援システム,教育データの利活用,クラウドの活用,最後に ISMS 取得について,歴史的な経緯,現状,問題点,今後の課題等について述べる.
著者
安田 晶子 小方 博之
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.419-429, 2021-03-20 (Released:2021-03-25)
参考文献数
30

大学等の高等教育機関におけるe-learning の機会は急速に増加している.それに伴い,単位認定などを目的としたハイステイクスな試験もオンラインで実施する必要が生じてきている.しかしながら実際には,オンラインでのハイステイクスな試験は十分に普及していない.これは,現状では,オンライン試験において替え玉受験などの不正行為を検出し防止する技術が確立されていないためである.そこで本研究では,オンライン試験受験時に使用される可能性の高いタブレット型端末に着目し,端末のタッチスクリーンを操作する際に得られる手形状の特徴を用いて,替え玉受験を検出・防止する手法を提案した.本研究で提案した手法では,タッチスクリーン操作時の受験者の手形状画像を記録し,機械学習によって受験者本人であるか替え玉かを判別した.実験を行い提案手法の有効性を検証した結果,提案手法によって替え玉を検出できる可能性が示された.