著者
板垣 博
出版者
武蔵大学経済学会
雑誌
武蔵大学論集 : The Journal of Musashi University (ISSN:02871181)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.27-41, 2021-03-30

本稿の目的は,韓国,台湾,ASEAN(タイ・マレーシア),北米(アメリカ),チェコにおける日本企業の製造拠点を対象として,それらの拠点がどのような経営進化を遂げてきたか,その要因は何なのかを,2時点ないしは複数の時点を比較しながら考察することにある.議論の焦点は経営の大枠の変化にある.具体的には,資本関係:単独出資か合弁か,過半数支配か資本参加か,事業分野の選択:製品と市場(国内か輸出か),現地拠点の機能(製造・開発),ローカル人材の登用・活用などを考察する.研究ノート
著者
松尾 雄二
出版者
宮崎大学教育文化学部
雑誌
宮崎大学教育文化学部紀要. 人文科学 = Memoirs of the Faculty of Education and Culture Miyazaki University. Humanities (ISSN:13454005)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.85-114, 2002-03-30

ニュートンの『プリンキピア』の巻末に付けられている「一般的注解」は、それが力学だけでなく神学や哲学や倫理学等、広範囲の諸問題とつながる内容をもつため、日本においてこれまで完全な訳がなかった。 ここにラテン語原文からの正確な訳を試み、また詳細な注によって解説を加えることで、17世紀科学革命の完成点といわれるこの著作を、彼自身がどのように見ていたかを明らかにした。 そこで彼は、人間一般の知的な営みの中に『プリンキピア』的方法論を位置づけながら、近代科学的思考が神学に基づいていることを主張している。
著者
佐々木 元也
出版者
日経BP社
雑誌
日経インタ-ネットテクノロジ- (ISSN:13431676)
巻号頁・発行日
no.22, pp.82-89, 1999-05

「既存のデータベースのデータをインターネットで容易に提供できるXML(eXtensible Markup Language)には,非常に注目している」(三和銀行 リテール統括部 角田 文彦部長代理)。三和銀行,富士銀行,日本興業銀行,日興証券は,XMLを使い,顧客の資産状況や取引履歴,為替相場,新商品情報などを顧客ごとにカスタマイズして配信する「インターネットパーソナルダイレクトメー…
著者
小達 和子
出版者
東北区水産研究所
巻号頁・発行日
no.38, pp.75-88, 1977 (Released:2011-03-05)
著者
浅枝 敏夫 西本 廉
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.24, no.279, pp.243-248, 1958-05-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
8

This paper describes how the magnitude and distribution of residual stresses in cold-rolled 4-6 brass sheets are affected by the reduction and the annealing temperature before rolling. For this purpose the residual stresses in the traverse direction as well as in the rolling direction are measured.The results obtained are summarized as follows :(1) The distributions of the residual stresses in the rolling direction are of the same type ; tension in the surface and compression in the inner layer.(2) The annealing temperature of 600°, 650° and 700°C causes nearly the same residual stresses in the rolling direction.(3) The residual stresses in the traverse direction are changed remarkably by the annealing temperature ; the stress caused by the rolling after annealing at 600°C is much greater than that at 650° and 700°C. And the type of stress distributions is oscillation type, in which compressive and tensile stresses exist alternately.(4) The rate of reduction is almost independent of the residual stresses in both directions.
著者
児玉谷 朗
出版者
千葉大学
雑誌
語文論叢 (ISSN:03857980)
巻号頁・発行日
no.7, pp.p53-73, 1979-09
著者
内田 浩明
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、カントの晩年の草稿である『オプス・ポストゥムム』の思想を、他の哲学者・思想家との関係に着目しながら究明した。本研究では、スピノザ主義やシェリング、シュルツェの『エーネジデムス』等の『オプス・ポストゥムム』の第7束や第1束で言及される思想との関係について考察したが、特にカントがどのような意図でスピノザ主義に言及したのか、そもそもスピノザやシェリングの思想を肯定的に捉えたのかどうかが解明できた。
著者
三科 仁伸
出版者
慶應義塾福沢研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
no.37, pp.159-186, 2020

はじめに一 高等教育機関と就職構造二 慶應義塾大学出身者の就職動向三 実業界における「学閥」おわりに特集 : 慶應義塾出身の経営者たち
著者
田中 温子
出版者
慶應義塾福沢研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
no.37, pp.187-226, 2020

はじめに一 兵役法下の徴兵関係書類二 陸海軍史料上の臨時徴兵検査三 大学関係資料上の臨時徴兵検査おわりに論説
著者
吉岡 卓 塚本 雅裕 中野 人志 吉田 実 高橋 雅也 藤田 雅之 阿部 信行
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要 平成20年度春季全国大会
巻号頁・発行日
pp.63, 2008 (Released:2008-04-18)

エアロゾルビームプロセッシングにより酸化チタン皮膜を形成し、皮膜表面に高強度短パルスレーザを照射した。照射部を観察した結果、アブレーションせずに形態が変化している事が分かった。続いて、照射部にCWレーザを照射した。その結果、更に形態を変化させる事に成功した。
著者
村瀬 研也 近江 雅人 木村 敦臣
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

近年、磁性ナノ粒子(MNP)を内包した薬剤を外部磁場を用いて目的の場所に送達する磁気送達法や外部から交番磁場を印加して癌細胞を死滅させる磁気温熱療法が注目されている。これらの治療法の有効性を高めるためには、集積したMNPの空間分布を可視化し、集積量を正確に定量する必要がある。最近、我々はMNPを画像化する磁気粒子イメージング(MPI)法およびその装置を開発した。そこで、我々のMPI法を用いて磁気送達や磁気温熱療法の効果を最適化するシステムを開発し、その有用性をファントムや動物実験によって検討した。その結果、開発したシステムは磁気送達や磁気温熱療法の最適化に有用であることが示唆された。
著者
森田 貴己
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.13, pp.35-77, 2004-12

ある種の深海魚は水圧が600気圧にも及ぶ深海に生息している。その高水圧適応機構については古くから関心が持たれてきたが、タンパク質構造と高水圧下での機能との関係を明らかにした報告はこれまでにない。本研究では、深海性ソコダラ類のヨロイダラCoryphaenoides armatusおよびシンカイヨロイダラC. yaquinaeの骨格筋α-アクチンを対象に高水圧適応機構を分子レベルで解明した。本論文の構成は次の通りである。第1章では、ホカケダラ属(Coryphaenoides)の分子系統樹の作成を行った。ホカケダラ属のソコダラ類は、浅海から深海と幅広い水深に生息する同属種が存在することから、深海魚の特性を探る様々な研究に用いられている。比較生化学研究を行う対象魚を選択することを目的として、ミトコンドリア12S rRNAおよびcytochrome oxidase subunit I(COI)遺伝子の部分配列を決定し、本属の分子系統樹を作成した。本系統樹から深海性および浅海性ソコダラ類がホカケダラ属の進化の初期の段階で分岐したことが示された。得られた系統樹を参考に、深海性ソコダラ類であるヨロイダラおよびシンカイヨロイダラの比較対象魚として、浅海性ソコダラ類からイバラヒゲおよびカラフトソコダラを選択した。第2章では、深海性ソコダラ類α-アクチンの高水圧下での性状変化を検討した。深海性ソコダラ類2種、浅海性のソコダラ類イバラヒゲ、淡水魚のコイおよび陸上動物のニワトリの骨格筋からα-アクチンを精製し、高水圧下で重合に要する時間、臨界濃度及び重合に伴う体積増加量を調べた。いずれの分析においても深海性ソコダラ類のα-アクチンは、大気圧下とほぼ変わらぬ性状を示した。第3章では、深海性ソコダラ類α-アクチンのcDNAクローニング及び高水圧適応に必須のアミノ酸の同定を行った。深海性ソコダラ類と浅海性ソコダラ類の骨格筋からα-アクチンのcDNAクローニングを行った結果、それぞれ2タイプずつのα-アクチンcDNAが単離された。ノザンブロット解析、定量RT-PCR法及び2次元電気泳動法から、これらα-アクチンmRNA及びタンパク質のいずれも骨格筋中に存在していること、その存在量は高水圧に適応しているタイプがいずれの形態でも多く存在していることが示された。演繹アミノ酸配列において、深海性ソコダラ類に特異的なアクチンのタイプは、浅海性ソコダラ類に特異的なタイプと比べてQ137K、A155SおよびV54AまたはL67Pの計3カ所にアミノ酸置換を示した。幾つかの生化学的実験から、Q137KおよびA155Sの両置換はα-アクチン分子内にCa2+とATPが高圧によって押し込まれるのを防ぎ、深海性ソコダラ類に高水圧適応を付与していることが示唆された。さらにdeoxyribonuclease I(DNase I)とアクチンの結合実験から、深海性ソコダラ類のα-アクチンが高水圧下で重合するためには、V54AまたはL67Pの置換が重要であることが推測された。第4章では、高水圧適応と低水温適応との関連などを含む総合的考察を行った。
著者
足立 香代子
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.1035-1039, 2012 (Released:2012-08-28)
被引用文献数
2

災害時には、日本栄養士会のJapan Dietetic Association -Disaster Assistance Team) (JDA-DAT) の一員として私を含め、多くのボランティアが現地に入った。このなかで、管理栄養士は、炊き出しも行ったが、主に食事支援と栄養支援活動をした。食事支援は、食材の適正手配と支援、有効利用をするための献立作成、衛生管理などであり、栄養支援は、避難所での栄養・食事相談や在宅での褥瘡ケア、起こりうる栄養障害を未然に防ぐための栄養アセスメントに基づいたケアプランなどを行った。活動が具体的にご理解いただけるように被災者との面談を通して実施した口内炎、下痢、食欲不振、便秘などの事例を示しながら記述した。災害時においても、栄養状態のアセスメントとそのケアができることが管理栄養士の役割だと思っている。
著者
久保 容二郎 野中 薫雄 吉田 彦太郎
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.209-212, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
11

アロエによる刺激性接触皮膚炎の1例を報告した。本症例と健常者10名にキダチアロエの針状結晶をそのまま含むアロエ・ジュースと針状結晶を除去したジュース濾過液のパッチテストを施行した。本症例と健常者6名は針状結晶を含むアロエ・ジュースに陽性が認められた。しかし, 針状結晶を除いた検体に対して明らかな陽性を示した者は皆無であった。その結果より, アロエの外用は針状結晶による刺激性接触皮膚炎をきたす可能性があることが示唆された。上記パッチテストの陽性反応は浮腫と丘疹または小水疱で表現され, アレルギー反応を思わせる所見であった。すなわち, 針状結晶は偽陽性反応の原因となることも示唆された。

1 0 0 0 OA 乳化基礎理論

著者
堀内 照夫
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.2-22, 2010-03-20 (Released:2012-04-26)
参考文献数
55
被引用文献数
1

エマルション科学における重要な課題は乳化剤の選定ならびにエマルションの安定化である。HLB方式において,乳化剤の選定は被乳化油性基剤の性質に応じて,乳化剤を選定する必要がある。化粧品のエマルション製剤の油相は多数の油性成分より構成されている。安定なエマルションを調製するためには,物質/物質間の相溶性の理解と多数の乳化剤のなかから最適な乳化剤を選定する必要がある。本稿では相溶性の指標値として,HLB法,有機概念図法,溶解度パラメーターについて解説したのち,HLB方式による乳化剤の最適選定法について報告する。さらにエマルションの安定性促進試験法のなかで,高温および低温促進試験法について,エマルションの分散状態と安定性について解説する。