1 0 0 0 OA 真空と表面

著者
福谷 克之
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
Journal of the Vacuum Society of Japan (ISSN:18822398)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.204-209, 2013 (Released:2013-06-28)
参考文献数
2
被引用文献数
1 4

Any vacuum chamber has interior surfaces of the chamber facing toward the vacuum. Interaction of gas molecules with the chamber surface including scattering, adsorption and desorption is thus of particular importance for vacuum technology. The present article describes fundamental concepts of gas-surface interaction, which encompass the thermal accommodation coefficient, cosine law, adsorption potential, mean time of sojourn and adsorption isotherm.
著者
太田 祐介 長橋 究 小島 康裕 上原 博和
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.530-534, 2021 (Released:2021-03-13)
参考文献数
6

72歳,女性。大動脈弁狭窄症による心不全のため大動脈弁置換術を予定していたが,血小板減少を認めヘパリン起因性血小板減少症Ⅱ型と診断された。手術の延期が考慮されたが,循環動態が不安定であったため予定通り大動脈弁置換術を施行した。 手術開始時にアルガトロバンを4μg/kg/minで持続静注を開始し,人工心肺開始時にメシル酸ナファモスタットを30mg/hで開始した。活性化凝固時間の推移を確認しながらアルガトロバンの投与量を調節した。大動脈遮断解除後,アルガトロバンの投与を終了し,大動脈遮断解除の1時間後に人工心肺を終了した。止血に難渋し人工心肺終了から7時間後に手術を終了した。手術時間12時間21分,人工心肺時間3時間10分,出血量3444mL,輸血量6400mLであった。 本症例は,過去の症例報告と比較してアルガトロバンの投与量は少なかったが,人工心肺終了後の出血量を減らすことはできなかった。
著者
中村 友也 一條 裕之
出版者
富山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

過度の幼少期ストレスが成長後の不安やうつを惹起するメカニズムを明らかにするため、生後10-20日のマウスの仔を母親から毎日3時間分離し,成長後の個体の行動とストレス関連部位の外側手綱核、海馬、扁桃体の神経回路変化を調査した。幼少期ストレスを与えた群では、コントロールと比較して外側手綱核特異的に抑制性のParvalbumin陽性細胞数が減少し、ストレス下の興奮性神経細胞の活動性が上昇し、不安様行動とうつ様行動がみられた。本研究では不安やうつを引き起こす幼少期ストレスが外側手綱核特異的に抑制性回路を改変して高次機能に影響を及ぼすことを明らかにした。
著者
佐々木 理沙 泉 桂子
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p> 1960年頃まで、山村ではまつたけが身近な食材であったことが既往研究で指摘されている。本研究の目的はまつたけ高級化の過程を戦後の料理書から明らかにすることである。研究方法は文献調査とまつたけ採取者へのヒアリングによった。第1に、1960年代までまつたけは都市の人々にとって身近な食材であった。1958~2019年の『きょうの料理』から抽出したまつたけレシピの分析(N=149)では、1960年代以前と比較して1970年代になるとレシピ数は減少し、レシピの内容は単純化した。1960年代までは節約料理や洋風料理・中華料理にまつたけが用いられていた。一方、1946~1974年に連載された『サザエさん』では、6,761話中14話にまつたけが登場し、初登場は1951年9月であった。同書では1951年から高級品として扱われていた。両者でまつたけ高級化の年代が異なる要因は、まつたけの出荷時期によって、産地や価格の大幅な変動があったことによる。岩手県内のまつたけ採取者3名に対するヒアリングから、高級化の時期に地域差があり、採取者にはまつたけの採取・贈与・共食・環境整備の楽しみが存在した。</p>
著者
貴船 育英 岩谷 美江 川田 邦明
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.633-637, 1979-11-05 (Released:2010-01-18)
参考文献数
8

環境大気中に存在する数ppb程度のアンモニアの簡易定量法を検討した.採気方法は,ガス捕集面積17.3cm2を有するガラス繊維ろ紙に 3% ホウ酸-20%グリセリンの混合溶液を塗布したもの,又は8.6%シュウ酸-50%グリセリン混合溶液を塗布したものをろ紙ホルダーに装着し,吸引ポンプに直結し,20l/minの流量で吸引して,大気中の微量アンモニアを捕集する.採気の終わった捕集ろ紙は,イオン交換精製水20mlでろ紙よりアンモニアを抽出し,その一定量を分取して,フェノール-次亜塩素酸ナトリウムによって生成する青色のインドフェノールを直接640nmで吸光度を測定し定量する.ホウ酸及びシュウ酸ろ紙ともアンモニアの捕集率は,毎分20 lの通気流量でほぼ 100% の効率を示し,水による捕集ろ紙からのアンモニア抽出も100%の効率で抽出回収された.環境大気中測定可能なアンモニアガスの最小濃度は,インドフェノール法によるアンモニアの検出限界が0.38μg NH3/10mlであることから,ガス捕集面積17.3cm2を有するろ紙を用いた場合,大気を20 l/min,1時間採気で0.84ppbまでの大気中アンモニアの測定が可能である.これは,従来よりのインピンジャー法による1時間の大気の採気では16.7ppbが定量限界であることから,インピンジャー法に比し,ろ紙法では約20倍定量限界値が低くなり,ろ紙面積を更に大きくすればより微量の大気中アンモニアの定量が可能となる.本法では,捕集効率が優れ,捕集及び分析操作が簡便,迅速であり,しかも高感度で,その変動率も5.3%の分析精度であった.又,試料の運搬を容易とし,かつ長期間保存しても,試料の損失は認められなかった.
著者
山田 紀彦
出版者
日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.47-84, 2013-12

近年の比較政治学では,議会,選挙,政党等の民主制度が権威主義体制の持続にどのような役割を果たしているのか,そのメカニズムの解明に関心が集まっている。権威主義体制下の民主制度は単なる飾りではなく,体制存続のための道具として機能しているのである。しかし先行研究の多くが,「複数政党制」や「競争」を前提としてきたため,閉鎖的権威主義である一党独裁体制はほとんど分析対象となってこなかった。本稿は一党独裁体制であるラオスを事例に,明示的/潜在的脅威がほとんど存在しないラオスにおいても,支配政党が国会と選挙を体制維持の一手段として活用していることを明らかするものである。人民革命党は国家や社会への強固な管理体制を確立しながらも,2000年代以降の経済・社会問題の多様化にともなって,国民の政治参加を拡大し,国民の声を国会に反映させることで支持獲得を図ってきた。そして党は国会がそのような機能を果たせるよう,選挙を戦略的に活用している。このような国会と選挙の連関は,過去5回の国会議員選挙を分析することで裏付けられる。党は国会の位置づけの変化にともない候補者の属性を変化させ,「ほぼ」意図通りの国会を形成しているのである。国会と選挙が体制維持に果たす役割は,これまでの権威主義体制研究が示してきた知見とは異なっているが,一党独裁体制でも「名目的民主制度」が体制維持にとって重要な役割を果たしていることには違いないのである。

1 0 0 0 Y-00 is Broken

著者
太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.84, pp.67-68, 2008-06-05

量子暗号系Y-00は、共有秘密鍵により生成された擬似乱数と信号ビットに基づく位相角(偏光角)を持つ中規模の数の光子を使う。角度の量子論的不確定性により擬似乱数の値を知らない者にとっては信号ビットそのものの復元は難しい。しかし、不確定性を含んだ角度の測定でも擬似乱数の情報が大幅に漏れるため、プライバシー増幅が行えない。つまり、Y-00は破綻している。
著者
山本 憲子 中塚 えりか 白井 恒雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1983, no.8, pp.1226-1230, 1983-08-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
7
被引用文献数
2

大気中のアンモニア定量法として,インドフェノール吸光光度法をとりあげ,分析感度および再現性の向上を目的として,最適諸条件を決めた。とくに,発色液の最適pHについて検討を行ない,リン酸緩衝液を用いてpH10.5~11.7に調節することにより,感度および精度ともすぐれたものとなり,大気中アンモニアの測定に適用が可能となった。また,発色温度を通常の室温から40~50℃に上げることにより,発色時間は90分間から30分間となり,分析操作も迅速化された。大気捕集法としてインピンジャー法について検討を加え,大気中濃度レベル(1.0~15.0ppb)においても,インピンジャー2本を用いれば再現性のよい90%以上の捕集効率が得られることが確認された。本法により,横浜市において20箇月間測定をつづけた。アンモニア濃度は夏期には10ppb以上となり,一方,冬期には1~2ppbとほぼ一定した低い値を示した。すなわち,季節によるアンモニア濃度の変動は気温の変化とほぼ同様の動きを示し,このことからもアンモニアはおもに土壌から発生していると思われる。
著者
平山 智樹 藤原 和也 日比野 剛 花岡 達也 増井 利彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.II_301-II_308, 2017 (Released:2018-04-01)
参考文献数
42

本研究では,積み上げ型技術選択モデルを用いて,インドの将来の温室効果ガスと一次生成の大気汚染物質,短寿命気候汚染物質(SLCP)の排出量と,対策導入コストを推計し,気候変動緩和策が大気汚染物質とSLCPの排出に及ぼす影響を評価した.その結果,125ドル/トンCO2の炭素価格で導入可能な気候変動緩和策による副次効果として,SO2,PM2.5,BCの排出を基準年比横ばい以下まで抑制できること,2050年までの累積GDPの0.12%に相当する大気汚染対策コストを削減できること等が示された.一方で,気候変動緩和策の推進がもたらすバイオマス利用の拡大が,大気汚染物質やSLCPの排出増をもたらす可能性があることも示された.温室効果ガスだけでなく,大気汚染物質やSLCPも含めた最適な排出パスを検討するためには,低炭素化のみならず,健康被害や気候変動の要素にも留意して検討を進める必要がある.
著者
安齋 太陽 岩住 俊明
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
大学の物理教育 (ISSN:1340993X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.21-24, 2020-03-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
7

1.はじめに懐中電灯の光をコンパクトディスク(CD)にかざすと,CDの表面に虹が広がって見える.光の波の性質により,回折した光が干渉することで現れる分光現象である.これまで筆者らは,身近