著者
水谷 亜希
出版者
日本・美術による学び学会
雑誌
美術による学び (ISSN:24356573)
巻号頁・発行日
vol.2, no.8, pp.202108, 2021 (Released:2021-05-11)

古美術を扱うミュージアムでは、作品を「見る」ことと、解説を「読む」ことが、来館者の体験のほとんどを占めます。京都国立博物館では、そこに「さわる」「話す」を加える活動を行ってきました。コロナの影響で現在は活動中止中ですが、これまでの経緯と、この状況下で見えたことについて述べます。
著者
今井 敬子
出版者
日本・美術による学び学会
雑誌
美術による学び (ISSN:24356573)
巻号頁・発行日
vol.2, no.7, pp.202107, 2021 (Released:2021-05-11)

新型コロナウイルス感染症の拡大防止策のため、世界各国の地域において人々は自宅待機し、博物館・美術館は相次いで休館している。このような状況下で、閉館中の美術館はどのような役割を担えるのだろうか?国内外の美術館におけるHP 上での活動について紹介する。 (※原稿内容は、2020 年4 月初旬から19 日のまでの間に収集した情報を元にしている。)
著者
遊免 寛子
出版者
日本・美術による学び学会
雑誌
美術による学び (ISSN:24356573)
巻号頁・発行日
vol.2, no.6, pp.202106, 2021 (Released:2021-05-11)

新型コロナウィルスの感染拡大により、美術館の活動は大幅な見直しを迫られています。これまで、作品と人をつなげる、人と人をつなげることを目指し、コミュニケーションを重視してプログラムを組み立ててきた美術館の教育普及活動は、これからの時代に、どのような形でその目標を遂げることができるのでしょうか。当館の活動を例に考えてみようと思います。
著者
石田 岳史 松田 昌三 小山 隆司 栗栖 茂 大藪 久則 柴田 正樹
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.362-365, 1995-08-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

We report an unusual case of a 63-year-old man supposedly bitten by a mamushi, who developed shock, bleeding diathesis and serious hematemesis at an early stage. About 10 minutes after the mamushi bite, he fell into shock transiently, and 2 hours later, continious bleeding from the bite wound and an injection site was observed. This platelet count decreased markedly to 1.3×104/mm3 resulting in serious hematemesis. Four hours after the bite, we injected Agkistrodon halys antivenin (6, 000U) with methylpredonisolone sodium succinate 500mg and the bleeding from the bite wound and hematemesis improved remarkably. Twelve hours after the bite, the platelet count had increased to 27.1×104/mm3, and the patient had recovered from the bleeding diathesis. Mamushi bites are sometimes complicated by DIC (disseminated intravascular coagulation) as a result of massive tissue necrosis, however, there was severe thrombocytopenia and bleeding diathesis in this case, even though the local swelling and muscle necrosis were not serious. It is very important to closely monitor patients after mamushi bites, and mamushi antivenin should be used early without hesitation when these complications are observed.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.62, pp.109-111, 2000-09

2001年中にキオスク端末が全国に普及。Cコマースの売り上げの過半数を占める。キオスク端末を活用するには、コンビニ各社に商品を仕入れてもらうことが必要。 コンビニエンスストア各社のキオスク端末での売上高の予測を見ると、コンビニ業界がいかにCコマースを有望視しているかが分かる(表4−1)。
著者
進藤 斉 矢部 修平 角田 潔和 小泉 武夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.61-68, 2006-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

低温醪において液部のMet濃度が増加せず, 低濃度で一定推移し, 酵母菌体内にSAMを高蓄積する現象に対して, 低温が及ぼす影響を個別に検討した。1. 単発酵培地では, 糖が同濃度条件でY, Pまたは麹エキス由来成分が低濃度条件であってもMATFase活性は高くならなかった。また10℃の低温培養でも同様であった。MATFase活性は, 低温における菌体内SAM高蓄積との直接的な関連は薄いと推察した。2. 醪ではSAMを菌体内に高蓄積している10℃発酵条件下でも必ずしもMATFase活性が高くならなかった。さらにMet添加でMATFase活性が高く, かつ10℃でもSAMは高蓄積されないことが示された。このため, 本酵素活性と低温醪でのSAM蓄積の関連性は低いこと明らかとなった。3. 10℃醪では, SAM量が228~242mg/醪1kgと15℃の180mgに比べて多かった。しかし両温度条件でもSAMの90%は菌体内に存在し粕へ移行したことより, 低温醪でSAM生成量が多くても末期管理が適切ならば酒質への悪影響はないと推察した。4. 糖とアミノ酸が連続的に供給され並行複発酵するモデル培地として固液共存培地を作成した。グルコースは順調に消費され, 培養終了時のアルコールが約15%, アミノ酸度も徐々に増加し最大4mlとモデル培地として妥当な経時変化であった。5. 固液共存培地では, 10℃, 15℃両条件で総アミノ酸量及び各アミノ酸組成でも大部分は増加したが, Metは10℃で低濃度のまま一定推移する特徴的な動向を示した。また培養終了時の菌体内SAM量は, 10℃では19.6mg/1010cells, 15℃では同7.0mgと固液共存培地においても醪と同様に低温で高蓄積された。並行複発酵かつ低温での液部Metの低濃度推移と酵母菌体内SAM高蓄積現象は, 米, 米麹を用いずに再現可能であった。またMetが低濃度で徐々に供給されることが, 低温での酵母のMetの選択的取り込みに影響していると推察された。
著者
村尾 修 岩本 宜式
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.70, no.594, pp.77-84, 2005
参考文献数
16
被引用文献数
3 3

Convenience stores contributed supplies to the damaged area due to the 1999 Hyogoken-Nanbu Earthquake. Since then, how to practically use the convenience stores after earthquake disasters has been discussed by the Cabinet Office, Japan Franchise Association, and the convenience store companies. However, it cannot be realized without consideration of the location and regional potential capacity of each store. In this paper, the authors estimate the regional potential capacity for the distributable supplies of the stores in Kawasaki City from view points of the population, location, and range of the activity of the residents. Also it shows the disaster response plans by the companies.
著者
小松 雅史 稲垣 善之 三浦 覚 小林 政広 梶本 卓也 池田 重人 金子 真司
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.126, 2015

森林に降下した放射性セシウムは樹冠にトラップされたのち、林内雨や葉枝の脱落によって林床に移行していくと考えられる。そこで、森林内の放射性セシウムの動態を明らかにするため、リターフォールによる放射性セシウムの移行について調査を行った。茨城県石岡市のスギ林およびヒノキ林、茨城県城里町のスギ林および広葉樹林において、リタートラップを用いて樹冠より降下するリターフォールを採取した。サンプルは葉や枝などに分別・計重し、放射性セシウム濃度を測定した。そして重量と濃度から、単位面積あたりのセシウム濃度を求めた。スギ林からのリターフォールによる移行は、主に褐色葉によるものであったが、事故から2か月間、雄花による移行が多いことが明らかになった。城里町のスギ林では、褐色葉のセシウム濃度は指数的に減少しているものの、事故から2年経過後もリターフォールによる移行は継続していた。石岡市の調査地では森林内のセシウム蓄積量分布調査を、また城里町の調査地では林内雨のCs濃度の計測を行っている。リターフォールによる放射性セシウムの移行について、樹種やサイトの比較とともに、これらの結果との関係について考察を行う予定である。
著者
小林 政広 吉永 秀一郎 伊藤 優子 篠宮 佳樹 相澤 州平 岡本 透 釣田 竜也
出版者
森林総合研究所
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.333-373, 2018

茨城県城里町に位置する桂不動谷津流域における2001年から2014年の降水および渓流水の主要溶存成分濃度および流入量についてまとめ、各年の平均値の変化傾向を解析した。降水中の非海塩性硫酸イオンおよび無機態窒素イオンの流入量はともに変動しながら減少する傾向が認められた。渓流水中の硫酸イオン濃度は2011年までほぼ一定であったが2012年および2013年の間伐施業時に上昇した。硝酸イオンは間伐前減少傾向にあったが間伐以降上昇に転じた。間伐時の濃度上昇はカリウムイオンおよびカルシウムイオンでも認められた。ケイ素濃度は年平均値の変動が小さく、緩やかに上昇する傾向が認められた。
著者
菅田 洋一
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.95-105, 2021 (Released:2021-05-12)
参考文献数
18

米国の宇宙航空・情報通信産業が独走を続けてきた背景には、宇宙安全保障技術への巨額な政府投資と革新的な研究開発の追及があった。近年、宇宙開発競争は中印の台頭に見られるように世界で加速している。日本では、宇宙基本法が2008 年8 月に施行され、宇宙開発利用に安全保障の概念が盛り込まれ、宇宙産業の技術力及び国際競争力の強化が色濃く反映された。昨今の国際社会の情勢等に鑑み、宇宙資産の保護や社会経済システムの保全等を考えると、日本でも可能となった政府投資等を通じ、対処できる手段を今から講じていくことは重要である。本稿では、まず安全保障衛星を類似化した上で、この分野で先行する米国の通信衛星や偵察衛星について近年の技術動向を考察する。また、このような技術開発に必要となる米国政府予算の投下状況を分析し、日本との対比にも言及しながら、今後の安全保障衛星に関連する課題や方向性について論ずる。
著者
大貫 靖浩
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

演者は現在まで、さまざまな地形・地質・気候条件下における森林土壌を観察する機会を得てきた。森林土壌が斜面のどの位置でどのくらいの厚さを有し、どのような物理的性質(例えば容積重、孔隙率、レキ量)を持つかについては、森林土壌学の分野では系統だった研究は行われてきていないが、微地形分類を切り口にすると明瞭な区分が可能であることがわかってきた。本発表では微地形分類に基づく森林土壌の物理特性に関する研究成果について、北関東と沖縄で行った実例を紹介したい。<br> 調査地は茨城県城里町の桂試験地、および沖縄県名護市の南明治山試験地である。両試験地ともにいわゆる「低山帯」に位置する小流域で、桂試験地は中古生層の頁岩・チャート等の上に関東ローム層が堆積し、乾性~湿性の褐色森林土が分布している。これに対し南明治山試験地は、第三紀層の砂岩・泥岩等が基盤となり、一部でレスが堆積し、赤色土・黄色土・表層グライ系赤黄色土が分布している。<br> 桂試験地(2.3ha)では、682地点を測点とした地形測量によって精密地形図を作成した後、571地点で土研式簡易貫入試験を実施し、10地点で土壌断面調査を行った。桂試験地においては斜面中腹を限る形で明瞭な遷急線が確認でき、遷急線の上側には頂部斜面・痩せ尾根頂部斜面・上部谷壁斜面・上部谷壁凸斜面・上部谷壁凹斜面が、下側には谷頭斜面・谷頭急斜面・谷頭凹地・下部谷壁斜面・下部谷壁凹斜面・麓部斜面・小段丘面・谷底面が分布する。土層厚は痩せ尾根頂部斜面・上部谷壁凸斜面を除く遷急線上側の各ユニットと、谷頭斜面・谷頭凹地で厚いことがわかった。 <br> 土壌の物理特性は遷急線を境に明瞭に異なり、遷急線より上方の斜面では上部谷壁凸斜面を除き容積重が小さく、全孔隙率が高く、レキ量が非常に少ないのに対し、遷急線下方の斜面では容積重が大きく、全孔隙率が低く、レキ量が比較的多いことが明らかになった。保水機能に寄与する有効孔隙率は、遷急線より上方の頂部斜面で特に高い値を示すのに対し、遷急線下方の斜面では低い値を示し、レキ量の多寡が有効孔隙率に影響を及ぼしていると考えられた。<br> 南明治山試験地(1.0ha)では、130地点を測点とした地形測量によって精密地形図を作成した後、99地点で土研式簡易貫入試験を実施し、9地点で土壌断面調査を行った。南明治山試験地においては、明瞭な遷急線は上部谷壁斜面および谷頭凹地と下部谷壁斜面の境界に確認でき、遷急線の上側には頂部平坦面・頂部斜面・上部谷壁斜面・谷頭凹地が、下側には下部谷壁斜面および谷底面が分布する。土層厚は頂部平坦面および谷頭凹地で厚い。 土壌の物理特性は微地形および土壌型によって明瞭に異なり、頂部平坦面に分布する赤色土は容積重が大きく、全孔隙率が小さいが、飽和透水係数は比較的大きい。頂部平坦面・頂部斜面に分布する表層グライ系赤黄色土は、容積重がA層でも1.0Mgm<sup>-3</sup>を超え、全孔隙率・飽和透水係数ともに小さい。上部谷壁斜面・谷頭凹地に主に分布する黄色土は、赤色土・表層グライ系赤黄色土と比較して特にB層の容積重が小さく、全孔隙率・飽和透水係数が大きかった。土壌侵食危険度の指標となる粘土比と分散率は、赤色土・表層グライ系赤黄色土で高く、黄色土で低かった。