著者
広沢 俊宗 ヒロサワ トシムネ Toshimune HIROSAWA
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.3, pp.81-96, 2002-03-30

本研究は,孤独の感情,および対処行動の因子構造を明らかにし,その性差,孤独感強度による差,ならびにAlonenessへの耐性による差を検討することを主たる目的とするものである。また,野本(1999)が構成したCBA尺度(Capacity to Be Alone Scale)をもとにその簡略版CBA尺度が作成され,改訂版UCLA孤独感尺度,Alonenessへの耐性尺度,および携帯電話の使用頻度との関連が吟味された。調査は,大学生を対象に孤独の感情,対処行動,および携帯電話の使用頻度に関する質問紙と,上述した3種類の尺度を用いて実施された。結果は,以下の通りである。1)孤独の感情は4因子,対処行動は8因子抽出され,性差,孤独感強度による差,ならびにAlonenessへの耐性による差が見出され,過去の研究結果と比較検討された。2)Alonenessへの耐性尺度は,簡略版CBA尺度の2つの下位尺度と関連性が見出され,両者の概念が吟味された。また,孤独感と携帯電話の使用頻度との間にはやや高い負の相関が認められ,孤独感の低い人ほどその使用頻度の高いことが示された。
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.P214-P216, 1992

ZYMAXXは要求特性に見合う新たな機会を提示します。初期段階では腐食環境下で問題のある材料の交換を目指しますが,より広い分野での用途開発を行なっていきます。他の強化樹脂と比べて優れた機械特性,耐薬品性,それに私達の製造技術でライダーバンド,バルブシート,ブッシング等の比較的小さな機械部品だけでなく,より大きな部品へも展開可能です。これらの優れた機械特性と耐薬品寿命は以下の点に大きく起因します。<br>-長繊維(1/d〓100)による優れた強化<br>-繊維の配向の制御によるX-Y面での等方性<br>-高い繊維含有量(vf<25%)
著者
鈴木 富士夫 麻生 久 小林 弘行 大西 勉 石田 名香雄
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.488-494, 1986-06-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
30

Carboxyethylgemanium sesquioxide (Ge-132) のウイルス感染症に対する影響をマウスのインフルエンザ感染モデルを用いて検討した。10LD50量のインフルエンザを感染させたマウスに100mg/kg量のGe-132を経口的に頻回投与すると, 生理食塩水投与の対照群に比べ, 1) 生存率の上昇, 2) 肺内ウイルスの増殖抑制, 3) 肺内コンソリデーションの出現抑制, 4) HAI抗体価の上昇抑制などが認められ, 本化合物の感染防御効果が明らかとなった。この有効性は予防的投与では発現されず, ウイルス感染前後および直後からの予防・治療的あるいは治療的投与で顕著であった。また100mg/kgのip, sc, およびimなどの投与で, あるいは33~300mg/kgの経口投与でGe-132の抗ウイルス効果が確認されたが, 経口的に100mg/kg量を頻回投与するのが最も有効であった。Ge-132はin vitroでウイルス粒子やその感染細胞に直接的な影響を及ぼさないので, in vivoにおけるこのような効果は, 宿主の防御機能を介して発現されるものと思われる。因みにGe-132がinterferon-γを誘起したり, natural killer細胞の活性を亢進させることはすでに確かめられている。
著者
Kazuaki Kameda Michinori Shirano Yoshiro Hadano Yu Kasamatsu Tadahiro Nakamura Makiko Ota Tetsushi Goto
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.513-518, 2015 (Released:2015-03-01)
参考文献数
30
被引用文献数
1 4

Polyradiculopathy (PRP) is a rare but serious neurologic complication of cytomegalovirus (CMV) in patients with acquired immunodeficiency syndrome (AIDS). We herein report three cases of CMV PRP in patients with AIDS. Although providing a prompt diagnosis and initiating anti-CMV therapy may achieve clinical improvements, administering single-drug treatment may result in virologic failure. Therefore, introducing antiretroviral therapy is a key step for improving the treatment outcomes of CMV PRP.
著者
甲斐荘 秀生 平尾 雅彦
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第2回日本LCA学会研究発表会(会場:東京大学)
巻号頁・発行日
pp.121, 2006 (Released:2007-02-14)

サービス業では、機能単位は物質やエネルギー量ではないことが多いが、背景に多種の物質やエネルギーのフローがある。多くの化学物質を取り扱うサービス業である洗濯業における洗濯とドライクリーニングを対象に、考慮すべき項目とその評価方法を検討し、LCIを実施した。実際の店舗・工場を対象としたヒアリングによりデータを収集し、温室効果ガス、VOCの分析を行った結果、これらの影響に関する知見が得られた。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1939年05月15日, 1939-05-15
著者
立澤 文見 土岐 健次郎 大谷 祐子 加藤 一幾 斎藤 規夫 本多 利雄 三位 正洋
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.259-266, 2014 (Released:2014-07-31)
参考文献数
14
被引用文献数
6 7

2 種類の主要アントシアニン(色素 1 と 2)が青色花弁のネモフィラ(Nemophila menziesii ‘Insignis blue’)およびその変異系統の紫色花弁から検出された.これら 2 種類のアントシアニンを青色花弁から単離し,化学およびスペクトル分析による構造解析を行った結果,ペチュニジン 3-O-[6-O-(シス-p- クマロイル)-β- グルコピラノシド]-5-O-[6-O-(マロニル)-β- グルコピラノシド](色素 1)とペチュニジン 3-O-[6-O-(トランス-p- クマロイル)-β- グルコピラノシド]-5-O-[6-O-(マロニル)-β- グルコピラノシド](色素 2)であり,色素 1 は新規化合物であった.さらに,2 種類の主要フラボノール配糖体(色素 3 と 5)と 2 種類の主要フラボン配糖体(色素 4 と 6)も青色花弁から単離され,ケンフェロール 3-(6- ラムノシル)- グルコシド-7- グルコシド(色素 3),アピゲニン 7,4′- ジグルコシド(色素 4),ケンフェロール3-(2,6- ジラムノシル)- グルコシド(色素 5),そしてアピゲニン 7- グルコシド-4′-(6- マロニル)- グルコシド(色素 6)と同定された.これら 4 種類のフラボノイドの内,色素 4 と 6 は紫色花弁からは検出されなかったことから,これらの違いにより花色が異なることが示唆された.
著者
コルナトウスキ ヒェラルド キーナー ヨハネス
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.74-75, 2013 (Released:2014-02-24)

単身高齢者集住地区の再生が研究対象となっていない欧米のジェントリフィケーション批判的研究を議論するため、大阪市内で最も単身高齢化問題が顕著である西成区北部におけるゲストハウス外国人宿泊者を中心にした地域の活性化の可能性を検討する。
著者
比良松 道一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

三倍体生物種が稀に高い有性繁殖能力を発現する機構はよくわかっていない. オニユリとその近縁種コオニユリ(いずれもユリ科ユリ属)では, オニユリゲノム2組, コオニユリゲノム1組を有する三倍体オニユリが発生し易く, 三倍体オニユリの成熟種子の生産は, 花粉親の遺伝子型に大きく影響された. 自然条件下での三倍体オニユリの発生と遺伝的分化は, 二倍性のオニユリ配偶子と高い交雑親和性を有する一倍性のコオニユリ配偶子によって促進されていると考えられる. こうした性質を有する一倍性配偶子は, ユリ属植物における三倍体レベルでの交雑育種を可能にすると考えられる.
著者
福永 大輝 大淵 康成
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 画像電子学会第285回研究会講演予稿
巻号頁・発行日
pp.172-175, 2018 (Released:2020-07-01)

本研究では、「リズムアクションゲーム」というジャンルに分類されるゲームにおいて、ゲームデータの自動生成を目的に「キー音」の自動推定を行った。「キー音」とはプレイヤーの操作に応じて発音されるサウンドのうち、もともと楽曲中に含まれる音を切り出したものである。個々のサウンドがキー音となるかどうかについて、音響的特徴とサウンドが再生される時系列情報を使用して機械学習による推定を行った結果、条件によっては 90%以上の精度が得られることを確認した。
著者
福嶋 慶繁 津邑 公暁 杉本 憲治郎
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

計算機環境が複雑化している中,高度に最適化された機械語を得るためには,分野ごとに特化した専用プログラミング言語が必要不可欠である.しかし,最新の画像処理専用プログラミング言語でも,局所的な最適化しかできず,アルゴリズム全体の最適化は未だできない.本研究では,画像処理をデザインパターンとしてまとめ,多くのパターン集として体系化することともに,それをプログラミング言語として試作する.主に,画像処理は,FIRやIIRといった畳み込み,拡大縮小,点の処理の連続として表現され,これを効率的につなぐことで高速化可能であることを示した.さらにそれらを検証するために様々なアプリケーションで検証した.
著者
岡本 太郎 武重 千冬
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.1-9, 1989

視覚は生後発生する感覚であることは視覚領における視覚ニューロン活動の生後の発達が閉眼の影響をうける事から知られている.視覚の発達には視覚領のみならず, これを認識する過程の発達を無視することは出来ない.視覚の誘発電位を指標とすると, 視覚領における第1次の誘発電位と, これを認識する過程に関係する第2次の誘発電位から, 両者の発達の過程を別々に経日的に検索することが可能である.本研究は誘発電位から視覚発達の過程を検討した.視覚誘発電位 (visual evoked potential, VEP) は生後間もない仔ネコを用いて, ヒトの脳波誘導の10/20法の, Pz (頭頂極) およびInion (後頭極) に相当する部位から双極性に誘導し, 無麻酔, 無拘束の状態で、暗箱の上孔から閃光刺激を与えて誘起した.VEPは, 潜時100ms以下のものを第1次誘発電位, 潜時100ms以上のものを第2次誘発電位とした.第1次誘発電位は, 光刺激による特殊投射系を経た視覚領の誘発電位であるので, 視覚そのものの発達の指標となり, 第2次誘発電位は非特殊投射系を経た誘発電位であるので, 視覚の認識の発達に関する過程の指標となると考えられる.視覚の発達に決定的な影響を与える時期は, 視覚ニューロンの検索では生後4週の始めの数日にあると報じられているので, 生後3週の終わりを基準にして3種の閉眼を行った.すなわち, 生後1) 2-4週の問, 2) 4週以降から, 7週から11週までの間, 3) は1) と2) にまたがる2-6週までの間とした.第1次誘発電位は生後2.5週で初めて出現し, その後振幅を増し, 5週にはほぼ一定の振幅で出現して安定に維持された.これに反し, 第2次誘発電位は不安定で出現の有無も振幅も一定せず, この傾向は生後何れの時期においてもみられた.第1次誘発電位は, どの期間の閉眼によっても, 一時的に減少はしたが, 開眼後は徐々に回復し, 最終的には正常と同程度の振幅に復帰した.これに反して, 第2次誘発電位は閉眼と同時に出現しなくなったが, 1) と2) の閉眼では開眼すると徐々に回復し, やがては閉眼しなかった時と同じように出現するようになった.しかし, 3) の2-6週の閉眼では閉眼中はもとより, 開眼後も実験の期間中の開眼18週後まで全く出現しなかった.以上の結果から, 閉眼の効果は第1次誘発電位よりも第2次誘発電位の方に決定的な影響が現われ, かつ3) の閉眼が第2次誘発電位の発現の阻止に必須であることが明らかとなった.したがって仔ネコでは視覚認識の過程が視覚発達上極めて重要であることが示唆された.
著者
戸田 真紀子
出版者
關西大学經済學會
雑誌
関西大学経済論集 = Economic review of Kansai University (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.541-562, 2018-03

ケニア北東部のソマリ人は、植民地時代から現在に至るまで、政府による「集団懲罰」に苦しんできた。ソマリア南部を拠点とするアル・シャバブとの「テロとの戦い」に参戦したケニア政府は、治安部隊によるソマリ人住民への暴力を黙認している。テロ対策として貧困や格差の改善が広く認識されているが、個人レベルの貧困と格差、将来への絶望だけでは、若者がテロリスト予備軍となる理由を説明できない。ケニア北東部のソマリ人が集団として懲罰されてきた歴史を見ることにより、若者をテロリストにする押し出し要因として、個人を超えた、地域全体が持つ疎外感と絶望を明らかにする。
著者
山上 俊彦
出版者
日本福祉大学経済学会
雑誌
日本福祉大学経済論集 = The journal of economic studies (ISSN:09156011)
巻号頁・発行日
no.55, pp.1-32, 2017-09

雇用調整助成金は景気後退時の失業発生を未然に防ぐために, 休業等の一時的雇用調整を実施した企業に賃金(休業手当等) の一部を補助する制度である. これは失業手当の替りに短時間労働への補助金を支給して雇用関係を維持するSTWA の一種であると考えられる. この制度が失業率をどの程度低下させるかについては従前より議論があったところである. しかしながら, 政策効果を評価する理論や実証分析手法が確立していなかったために, 評価が難しかった. そのため, 失業を未然に防いでいるという主張がなされる一方で, 正社員の囲い込みを助長する, さらには産業構造の転換を遅らせるという批判がなされてきた. 本論では海外も含めた制度の概要, これまでの研究の概観を行うとともに, サーチ・モデルであるMP version を用いて雇用調整助成金の意義と限界を明らかにする. その結果, 雇用調整助成金は雇用保護立法と補完的であること, 正社員の労働時間を柔軟化させて雇用を維持する効果があること, 但し, 効率性低下も少なからずあるということが判明した.
著者
衣斐 哲臣
雑誌
和歌山大学教職大学院紀要 : 学校教育実践研究 (ISSN:2432678X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.45-53, 2019-03-25

臨床領域における「対話」実践として、学校で発生した暴力事案の加害生徒・保護者等に対し、学校と児童相談所が連携して対応した事例を児童相談所の立場から報告し、2つの観点から検討した。①膠着した学校・当事者の二者間の枠組みが、児童相談所の介入により三者協働の枠組みとなり事態は変化した。この経過を「対話システム」の変化と捉え考察した。②大学院の事例検討の授業に用いて、他機関連携や支援方法を学ぶとともに、アズ・イフ体験等を通してより深い対話体験が得られたことについて考察した。そして、臨床ならびに教育現場を対話システムと捉え、そこに集う者が相互影響性を重視し対話することから生まれる成果について言及した。
著者
渡辺 昭夫
出版者
青木書店
雑誌
歴史学研究 (ISSN:03869237)
巻号頁・発行日
no.252, pp.1-14,49, 1961-04