著者
篠村 恭子
出版者
小学校英語教育学会
雑誌
小学校英語教育学会誌 (ISSN:13489275)
巻号頁・発行日
vol.18, no.01, pp.20-35, 2018-03-20 (Released:2019-04-08)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究は,初等教育教員養成段階の大学生の小学校での「理想の外国語授業1」のイメージ(以下,「理想の授業」)が児童英語教育関連科目の1 年間(前期・後期)の受講を通してどのように変容するかを明らかにすることを目的とする。調査は,平成28 年度に計4 回(前期・後期講義それぞれの初回と最終回)行い,毎回の講義終了時に学生に記録させた振り返りレポートの記述と併せて分析した。 受講した学生のうち,中学校英語科教員免許状を取得予定で自身の英語運用能力に対する自信が高い学生(学生A)と取得予定は無く英語運用能力に対する自信が低い学生(学生B)の2 名を抽出し, SCAT(Steps for Coding and Theorization,以下,SCAT;大谷,2011)という質的分析の手法を用いて分 析を行った。その結果,学生A は受講を通して「理想の授業」に変容が見られ,徐々に外国語授業の「指導者」としての視点を獲得していったが,学生B については1 年間を通して「理想の授業」に大きな変容は見られず,外国語授業の「指導者」としての視点の獲得も見られなかった。
著者
平田(中原) 久美子 鈴木 慎一郎 今井 徹 鷲巣 晋作 田村 めい 間 勝之 大塚 進 木村 高久
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.19-22, 2020-06-10 (Released:2020-07-01)
参考文献数
16

Distigmine has reversible and persistent cholinesterase (ChE) antagonism, and is used for the dysuria due to low activity bladders such as the neurogenic bladder dysfunction widely postoperatively, but fatal cases were reported by cholinergic syndrome. Therefore a dose was limited to 5mg only for adaptation of “the dysuria due to hypotonic bladder such as after surgery and the neurogenic bladder dysfunction” in March, 2010. In the current study, we examined a ministerial policy in the package insert revision using Japanese Adverse Drug Event Report database (JADER). Using a side effect report registered with JADER from January, 2004 to June, 2016, we calculated Reporting Odds Ratio (ROR) which was the index of the safe signal of the medical supplies adverse event and we compared number of reports and ROR of the cholinergic syndrome by the distigmine in approximately the measure in March, 2010 and evaluated it. The number of reports of the cholinergic syndrome by the distigmine was 138 cases before March 2010 and 65 cases after March 2010. After a measure, the number of reports decreased. The possibility that the package insert revision of the distigmine contributed to a decrease in cholinergic syndrome onset was suggested. Whereas monitoring careful sequentially needs the onset of the cholinergic syndrome in constant frequency to be found.
著者
久保田 雅史 小久保 安朗 佐々木 伸一 嶋田 誠一郎 北出 一平 松村 真裕美 亀井 健太 北野 真弓 野々山 忠芳 鯉江 祐介 松尾 英明 成瀬 廣亮 小林 茂 馬場 久敏
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.873-878, 2009 (Released:2010-01-28)
参考文献数
37

〔目的〕本研究の目的は,術後早期から股関節内外転筋力強化運動を重点的に行うことで,退院時の歩容に影響があるかを明らかにすることとした。〔方法〕対象は2005年1月から2007年12月までの期間で骨盤骨折を受傷し,当院にて骨接合術を施行した12例とした。術後2週目より骨折側の筋力強化を開始した6例を標準リハ群,術後2-3日後より筋力強化を開始した6例を早期リハ群とした。全荷重可能となった退院時に三次元動作解析装置を用いて歩行解析を行い,群間における歩行速度,歩幅,ケイデンス,股関節外転モーメントを比較した。〔結果〕歩行速度,歩幅,ケイデンスは群間に有意差は見られなかったが,早期リハ群の立脚期股関節外転モーメントは標準リハ群と比較して有意に高値を示していた。〔結語〕本研究の結果より,術後早期からの股関節内外転筋力強化運動によって退院時の歩行能力が改善される可能性が示された。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1240, pp.108-110, 2004-05-03

東京下町の人気スポットの1つ、葛飾区柴又の帝釈天。参道は今日も帝釈天と寅さん詣での観光客で賑わう。行き来する観光客に交じり、草団子屋や川魚料理店などの暖簾をくぐる人々がいる。地元で「セイワさん」で親しまれる青和信用組合の営業職員たちだ。 青和は柴又、高砂、奥戸など葛飾区の約4分の1と隣接の江戸川、足立区の一部を基盤とする地域信用組合。
著者
濵田 徹
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア = Nikkei healthcare : 医療・介護の経営情報 (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.374, pp.70-74, 2020-12

新型コロナウイルス禍の下、各病院で感染リスクへのきめ細かい対応が不可欠になっている。その際、院内での汚染・清潔エリアの区分など「建築」の視点からの対策も重要だ。病院建築のコンサルティング実績が豊富な(株)プラスPMの濵田徹氏に、対応方法や実例…
著者
小嶋 哲人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.12, pp.3147-3153, 2013-12-10 (Released:2014-12-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

血栓症は欧米白人に多い疾患とされてきたが,近年日本人にも少なくないことがわかってきている.日本人にもみられる血栓性素因としてアンチトロンビン(AT),プロテインC(PC),プロテインS(PS)の欠乏症や分子異常症があるが,本稿では,これらAT, PC, PSの活性値や抗原量の従来から用いられている臨床検査法とともに,新しい血栓性素因・アンチトロンビンレジスタンスの臨床検査法の開発について概説する.
著者
坂本 英夫
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.15, pp.p105-125, 1986-12

近年,わが国においては高速道路・新幹線・航空による高速交通の発展は著るしいものがあり,国土の時間的距離の縮小が達成されつつあるといえよう.しかし,一方で,それら高速交通の恩恵に浴していない地域も存在している.このような地域は概して部分的・飛地的に局在しているので,鉄道や道路による高速交通をはかることは困難な点がある.そこで,航空機をもって交通面の隣路を打開しようとする動きが出ている.乗客数と設備投資の上から,小型の航空機で比較的短距離(150㎞程度)を運航する,いわゆるコミューター航空の構想がこれである.欧米では,小型機の運用形態には3種類あるといわれている(今野修平,1985).1つはコミューターで,定期航空である.第2はエアタクシーで,不定期のチャーターである.第3は自家用機である.わが国で,小型機を活用して地方の活性化をはかるべく,注目をあびているのが,第1番目にあげたコミューターである(西岡久雄,1985,佐藤文生,1985).本稿では,とくに辺地での地域航空の可能性を検討するとともに,問題点を探り,かつ具体的な場として北海道と近畿地方を例にして考察を進めることにした.
著者
出川 哲朗
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.296-297, 2016

<p>曜変天目は世界に3碗しか現存せず,そのすべてが,国宝に指定されている。宋時代に建窯で焼成されたもので,南宋の宮廷でも使われ,日本には室町時代にもたらされ,徳川将軍家にも伝えられた。この曜変天目の釉上に丸い斑文があり,その周囲が青く光り輝くのを特徴としている。この青く見える部分は固有色ではなく,構造色と考えられ,現在その解明が進められている。</p>
著者
麻生 茂 谷 泰寛
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.18-24, 2018

<p>本稿では,エアタクシーやジェネラルアビエーションへの用途を目的として小型電動航空機の開発機運が急速に高まっていることを示し,現在,世界中で研究開発が始まっている電動航空機を紹介している.また,日本航空宇宙学会航空ビジョン委員会のグリーンイノベーションの提言として電動航空機が挙げられていることを示すとともに,著者らの小型電動航空機に対する研究開発の試みとして,小型電動航空機のコンセプト機の提案と1/10スケール機の試作に関する試み,EV車用などに開発された電気モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせた電動パワーユニットの開発とそれを小型機に搭載しての走行テスト,電動航空機用に特化した概念設計手法の開発を紹介している.最後に,高い利便性を有する小型電動航空機の出現が交通インフラに革命をもたらすことを述べている.</p>
著者
鶴田 和寛
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.139, no.1, pp.4-7, 2019

<p>1.はじめに</p><p>福岡県西方にある糸島半島の北側には風光明媚な海岸線(二見ヶ浦,野北海岸)が連なり,おしゃれなカフェやレストランが立ち並ぶ。福岡空港から直結するJR筑肥線の九大学研都市駅</p>
著者
Munekazu NAKAICHI Toshie ISERI Hiro HORIKIRIZONO Misa KOMINE Harumichi ITOH Hiroshi SUNAHARA Yuki NEMOTO Kazuhito ITAMOTO Kenji TANI
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.21-0061, (Released:2021-04-09)
被引用文献数
3

A male 25-month-old Dalmatian dog attended our veterinary hospital because of anorexia and high circulating liver enzyme activities. Abdominal computed tomography showed a slightly small liver with rounded edges, and laparoscopic examination showed that the liver was yellowish. Histopathological examination revealed multifocal necrosis of hepatocytes and severe chronic hepatitis. Rhodanine staining showed severe copper accumulation in hepatocytes and a quantitative analysis of the copper content of the liver showed substantial accumulation (10.3 mg/g dry mass), suggesting a diagnosis of copper-associated hepatitis. Previously reported canine mutation in the COMMD1, the gene responsible for the copper-associated hepatitis in the Bedlington terrier, was not identified. To our knowledge, this is the first report of copper-associated hepatitis in a Dalmatian in Japan.
著者
小黒 章 佐藤 温重 福島 祥紘
出版者
明倫短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

特定病態下(骨粗鬆症,腎炎,糖尿病)ならびに日常よく用いられる薬剤ないし嗜好品(カフェイン,エタノール,ニコチン,アスピリン,ワルファリン)との併用経口投与時における,マウスへのNaF投与(5.26mM=100ppmF,10日間)に関して,飲水量,体重変化,血中フッ素濃度,骨髄幹細胞の非特異エステラーゼ,クロロアセテート・エステラーゼ発現,細胞表面抗原Mac-1,Gr-1,MOMA-2,F4/80の発現,また,細胞生存率,NBT還元能,LPS刺激によるNO産生(NO_2生成),LDH,β-glucuronidase, acid phosphatase(ACP)活性,貪食能,付着/浮遊細胞数比,核/細胞質比,ライト・ギムザ染色像,位相差像などの検索を行った.血中フッ素濃度は飲水中のフッ素により有意に上昇したが,LDH,β-glucuronidase, ACP活性を除く他のマーカーに顕著な変化を認めなかった.しかし,疾患動物における所見は不安定であった.マウス骨髄細胞を,1,25-dihydroxyvitamin D_3とNaF存在下において培養したところ,1,25-dihydroxyvitamin D_3ではなくNaF量に依存してMac-1,Gr-1,クロロアセテート・エステラーゼが発現し,非特異エステラーゼは影響されなかった.細胞生存率とNBT還元能は0.5mMにおいて損なわれ,NO産生,LDH,β-glucuronidase, ACP活性は0.2ないし0.6mMにおいて極大を示した.貪食能,付着/浮遊細胞数比,核/細胞質比,ライト・ギムザ染色像,位相差像には顕著な変化を認めなかった.In vivoでのNaFと薬物同時負荷,疾病罹患動物へのNaF負荷に際して,LDH,β-glucuronidase, ACP活性以外の上述の検査項目に差を見いだすことができない.疾病動物であっても,恒常性維持機能がNaF負荷に対応する結果と思われ,上述のようなin vitro実験によって先ず骨髄細胞分化の指向性を見い出し,しかる後,in vivo実験によって確定するのが確実のように見える.