著者
信川 益明
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.39-42, 2011
被引用文献数
1

人の生活様式とライフステージに対応する医療・福祉システムは,健康増進・医療活動を支援するためのセーフティネットとして重要であり,人と人のつながりの中で「生活密着型」のシステムを構築することが必要である。経済産業省地域見守り支援システム事業は,生活支援,医療連携,生きがいづくりを実現するためのビジネス体制構築を目的としている。この事業において特定保健用食品およびJHFAマーク表示許可食品の機能に着目し,高齢者,高血圧症者に適する食品の機能を持った食材を選定し最新の調理方法に基づきレシピ開発を行った。農林水産省「食」に関する将来ビジョン検討本部」が国民全体で農林漁業・農山漁村を支える社会を創造するために策定したプロジェクトの1つである「医療,介護,福祉と食,農の連携」では,経験則から科学的立証を行い,医,食,農の連携を図り,「食」と「農」を基盤とした健康・長寿社会の構築を目指している。
著者
高松 良晴
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.305-311, 2008-10-15
参考文献数
17

<p>脱線転覆した列車が隣接線の列車や堅い構造物と衝突すると大惨事となる.1960 年代,貨物列車の脱線転覆から三河島事故,鶴見事故と続いた.当時の国鉄は,列車制御技術の開発とともに,北海道狩勝に実験線を設け,12 年間にわたり,2 軸貨車の脱線メカニズムの解明を行った.その成果が旅客線までに及び,その後,同種事故の発生は久しくなかった.だが,2000 年代に入ると,また,日比谷線事故,福知山線事故と死傷者多数を出す脱線転覆事故が続くようになった.今度は旅客電車のボギー台車の脱線である.自動車にはテストコースがあるが,わが国の鉄道にはない.大都市内鉄道や新幹線が,ともに,高頻度高速で運行されている.一方,東海・東南海・南海地震発生の確率が論じられている.より安全な鉄道を目指し,いまこそ,再び脱線実験線を設け,脱線のみならず,部材疲労,火災,衝突などの各種実車実験を行うべきである.</p>
著者
大澤 枝梨香 加納 徹 竹島 由里子
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.137-138, 2019-02-28

現在、多くの若者がTwitterを趣味とつなげて利用している。特に、Twitterと連携可能なゲームが登場したことから、ゲームをしている合間に簡単にツイートをすることが可能となっている。そこで本研究では、複数のジャンルのゲームを対象に、ゲームに関するツイートを収集し、感情分析を行う。そして、ユーザがゲームをしている際の感情の変化を、ゲームのジャンルごとに可視化する。可視化結果を比較することで、各種ゲームがユーザに与える心理的影響を直感的に理解・分析できるようになる。さらには、分析結果に基づいて、ユーザに適したゲームの提案や開発につながることが期待される。
著者
清野 惇 セイノ アツシ Atsushi SEINO
雑誌
修道法学
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.206-189, 2006-09-30
著者
加來 卯子 中村 比菜子 庄山 茂子 青木 久恵 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<b>目的 </b>循環型社会形成推進基本法が施行され、人々のリサイクルへの意識は高まっている。衣料品は、複合度の高さや製品の多様性からリサイクルし難いと言われるが、制服は同一素材であり一度に回収が可能なことから、リサイクルに適するのではないかと考えられている。そこで、制服着用の有無が制服に対する印象やリサイクルへの意識ならびに被服の消費行動にどのような違いをもたらすか調査した。 <br> <b>方法 </b>福岡県内の制服着用者群(女子専門学校生88名、平均年齢19.90歳、SD 0.77歳)と私服着用者群(女子大学生96名、平均年齢19.81歳、SD 0.81歳)を対象に質問紙によるアンケート調査を2016年6月に行った(回収率100%)。制服・私服の着用の印象、職場での制服採用に関する賛否、衣服のリサイクルへの意識、実施状況、衣服の消費量等について回答を求めた。分析は、単純集計、t検定。<br> <b>結果 </b>制服着用者群は、制服に対する印象について「学内に一体感がでる、私服を考えなくてよい、資源の節約につながる、個人的費用が削減される」と評価した。制服着用者群は、私服着用群より将来一般職での制服の採用について賛成の割合が高かった。その理由には、「職場のイメージアップになる、組織のつながりを深める」という意見が多かった。また、衣服の消費量やリサイクル意識に関しては制服着用の有無によって差はみられなかった。制服着用者群、私服着用者群ともに衣料品の3Rに対する意識は低く、衣服を環境問題やリサイクルと結びつけて考えていなかった。
著者
清水 泰宏 中野 哲雄 阿部 靖之 越智 龍弥 中馬 東彦
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.587-590, 1997-09-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

We describe the results of conservative treatment using a Kyuro knee brace in 12 cases (6 males and 6 females, ranging in age from 6 to 64 years) who had fresh tears of their cruciate ligament. The treatment consisted of eary continuous passive knee motion with protective bracing for three months. The mean follow-up period after injury was 5 months. M R imaging at follow-up revealed two different modes of conjoining. Seven cases with ACL tears had successful results at 6 months. However one case with on ACL tear and plateau fracture did not achieve such successful results. Two cases with avulsion fractures of the PCL had successful results at 3 months. We believe that conservative treatment is effective for treating fresh tears of the cruciate ligament.
著者
Yuki Kataoka Shiho Oide Takashi Ariie Yasushi Tsujimoto Toshi A. Furukawa
出版者
Society for Clinical Epidemiology
雑誌
Annals of Clinical Epidemiology (ISSN:24344338)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.46-55, 2021 (Released:2021-04-01)
参考文献数
36

BACKGROUNDThe objective of this study was to investigate the methodological quality of coronavirus disease 2019 (COVID-19) systematic reviews (SRs) indexed in medRxiv and PubMed, compared with Cochrane COVID Reviews.METHODSThis is a cross-sectional meta-epidemiological study. We searched medRxiv, PubMed, and Cochrane Database of Systematic Reviews for SRs of COVID-19. We evaluated the methodological quality using A MeaSurement Tool to Assess systematic Reviews (AMSTAR) checklists. The maximum AMSTAR score is 11, and minimum is 0. Higher score means better quality.RESULTSWe included 9 Cochrane reviews as well as randomly selected 100 non-Cochrane reviews in medRxiv and PubMed. Compared with Cochrane reviews (mean 9.33, standard deviation 1.32), the mean AMSTAR scores of the articles in medRxiv were lower (mean difference (MD): −2.85, 98.3% confidence intervals (CI): −0.96 to −4.74), and those in PubMed were also lower (MD: −3.28, 98.3%CI: −1.40 to −5.15), with no difference between the latter two.CONCLUSIONSReaders should pay attention to the potentially low methodological quality of SRs related to COVID-19 in both PubMed and medRxiv. Evidence users might be better to search the Cochrane Library rather than medRxiv or PubMed to search SRs related to COVID-19.
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, pp.114-117, 2009-01

1974年に都内に1号店をオープンした歴史を持つアイスクリームチェーンのB-R サーティワン アイスクリームは、2002年から業績も店舗数も急拡大し続けている。2008年10月末の店舗数は907軒。成長の背景には、5年に及ぶ助走期間後の大胆なビジネスモデル転換があった。 外食不況と呼ばれて久しい。
著者
富松 義晴 三輪 滋 濱田 政則
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F5(土木技術者実践) (ISSN:21856613)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.63-73, 2012 (Released:2012-11-20)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本論文は,現在の土木を取り巻く閉塞的状況の根源を,土木事業と民衆とのかかわりの歴史の中に探り,土木の新しい展開の方向性を示したものである.まず,社会の土木事業に対する嫌悪感にも似た批判の原因として,日本の土木事業がどの時代においても権力者側の要求に沿って行われてきたこと,および民衆が共感し合意した公共の理念が形成されて来なかったことを述べる.また,明治以降,西欧的自然観のもと急速な社会基盤の整備が行われ,無制限に資源を採取し続けた結果,地球的規模での自然生態系の破壊が進行していることも土木に対する社会的評価の低下の要因として論述する.これらの閉塞的状況から土木が脱却するための方向として,土木技術者としての公共哲学の確立と西欧的自然観から日本人の自然観への回帰の必要性を示す.
著者
小林 昂平 古寺 哲幸 田原 悠平 豊永 拓真 笠井 大司 安藤 敏夫 宮田 真人
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.67-71, 2019-08-30 (Released:2019-09-07)
参考文献数
27

Mycoplasma mobile(以下モービレ)は,ペプチドグリカン層を持たない,魚の病原細菌(単細胞の生物)である.モービレは固形物表面にはりつき,はりついたまま滑るように動く滑走運動を行う.滑走メカニズムにおいて,モービレの細胞表面にあるタンパク質でできた“あし”が,宿主細胞表面のシアル酸オリゴ糖を引き寄せ,菌体を前に進める.この滑走運動は,細胞内部にあるモーターがATPを加水分解することにより駆動されるが,ATPの加水分解によりモーターがどのような構造変化を起こすかは明らかになっていない.そこで本研究では,高速原子間力顕微鏡(以下高速AFM)を用いて,細胞内部におけるモーターの動きを可視化することを目的とした.ガラス基板表面に貼り付けた細胞表面を高速AFMでスキャンすると,内部モーターと思われる粒状の構造がシート状に並んでいる様子が見られた.さらに,個々の粒子は滑走方向に対して右方向に8.2 nmシフトする動きを示した.