著者
伊藤 榮子 Eiko Ito 日本赤十字秋田看護大学看護学部看護学科
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 = Journal of the Japanese Red Cross Akita College of Nursing and the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:21868263)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-5, 2013-03-31

3歳~13歳の子ども60人とその母親の生活習慣とStreptococcus mutans(以下Sm)とLactobacillus(以下LB)の定量測定レベルとの関係を知るためにA市郊外にあるB歯科診療所で治療を受けていた母子60組(120人)に対して質問紙による生活習慣の調査と、Dentocult SM Strip mutans (伊藤、2010)とDentocult LB SLIDE CULTUREによるテストを2010年1月~8月に行った。本稿はそのLB及びSmとむし歯に関わる報告である。結果は以下のようであった。1)母親のSmとLBのレベル、2)子どものSmとLBのレベル、3)母子のSmとLBのレベルの比較から、Smとむし歯の原因になるかもしれないLBには統計的な差はみられず、SmとLBは同等に相関性が高く関連性があると確認された。これらの細菌は主に母親や大人とのスプーン,箸等の共用により感染すると考えられた。このことから、母親と子どもがむし歯予防を実践して生活習慣を変えることに、より大きな関心を持ち感染から子どもを守るための保健行動にふさわしいSmと同様にLBについての事実を含む健康教育をする必要がある。
著者
本間 義治 古川原 芳明
出版者
日本セトロジー研究会
雑誌
日本セトロジー研究 (ISSN:18813445)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-4, 2007 (Released:2019-12-04)

1994年以来続けてきた佐渡海峡の新潟~両津間における佐渡汽船ジェットフォイル並びにカーフェリーによる鯨類目撃記録を、2005年分も整理してみた。22回目撃されたが、1頭のみのことが多く、6回がカーフェリー、16回がジェットフォイルで、例年の記録より少なかった。目撃数は5月が最多で、4月、3月と続き、従来と異ならなかった。時間帯は午前は8時前後、午後は2時頃が多かった。同一日における複数目撃は、2回のみであった。浮遊物との接触事故は、2005年11月19日にジェットフォイルが1回起こしたのみで、軽度なため人身事故に至らなかった。本邦のみならず世界的に高速船の衝突事故が増えてきているので、接触回避策などについて議論した。

1 0 0 0 雄弁

出版者
大日本雄弁会講談社
巻号頁・発行日
vol.28(11);11月特大號, 1937-11-01
出版者
産業研究所
巻号頁・発行日
vol.第14, 1963
出版者
金融財政事情研究会
巻号頁・発行日
vol.30(46)(1445);1979・12・10, 1979-12
著者
梅垣 明美 大友 智 上田 憲嗣 深田 直宏 吉井 健人 宮尾 夏姫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.367-381, 2018-06-10 (Released:2018-06-20)
参考文献数
43

In school education, it is important to encourage students to improve their social skills. Umegaki et al. (2016b) have developed an instructional model known as the Acquisition of Social Knowledge in Sport (ASKS) Model for facilitating improvement in social skills in the context of physical education. They consider that the ASKS Model with heterogeneous team organization would improve social skills that would be applicable to daily life outside of physical education classes and help students to maintain these social skills. However, no previous study has examined whether the ASKS Model would be effective for homogeneously organized teams. Therefore, the present study was designed to examine the type of team organization that would be most effective for the ASKS Model by comparing physical education classes with the ASKS Model based on homogeneous teams and heterogeneous teams. The study focused on physical education classes for male students in the second year of junior high school. The classes included those without the ASKS Model, those with the ASKS Model based on homogeneous teams, and those with the ASKS Model based on heterogeneous teams. A formative evaluation of friendship-building and the KiSS-18 questionnaire on paper were administered before and after each class. The study confirmed 2 points: First, the ASKS Model appeared to be effective when heterogeneous teams were organized. Second, the effectiveness was suggested to be improved when heterogeneity of motor skills was maintained, rather than heterogeneity of social skills.
著者
福田 隆義 夏目 武子 荒川 有史
出版者
文学教育研究者集団
雑誌
文学と教育 (ISSN:02876205)
巻号頁・発行日
vol.1977, no.99, pp.32-39, 1977

昨年九月、数名の会員より鳩の森書房発行、須川久著『音楽をすべての子どものために』の中に、熊谷孝氏の著書からの無断引用と思われる箇所があるとの話が常任委員会にあった。常任委員会ではさらに調査し、著者の須川久氏と出版社鳩の森書房に、抗議と問い合わせの書翰を送った。以下は、須川久氏と文教研との間にとりかわされた書翰である。この件に関する経過と問題の本質については書翰の中に述べられているので繰返さない。学問精神の確立と運動の発展のためにも、かかる"剽窃"問題が再びおこらないことを願って、あえてここに掲載する。
著者
平口 悦郎 三宅 毅 須永 道明 新里 順勝 小沢 達吉 加藤 紘之 田辺 達三
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.209-214, 1992-01-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
13

消化管の手術後,縫合不全により形成された瘻孔が難治化し,その対策に苦慮することがある.当科ではフィブリン糊注入による瘻孔閉鎖を試み,良好な結果を得たので報告する.昭和63年5月から平成元年10月までの期間に321例の消化管手術を施行し,術後縫合不全,瘻孔の形成を認めた27例中12例を対象とした.年齢は28歳から80歳,性別は男性6例,女性6例で,胃全摘術後5例,膵頭十二指腸切除術後3例,直腸切断術後3例,ほか1例であった.それぞれ2週間から5カ月,平均8週間の保存的治療を行い,瘻孔の縮小は認めたものの治癒には至らず,フィブリン糊注入を施行した結果, 9例で瘻孔閉鎖,治癒した.本法によれば浸出液が持続的かつ多量にあるもの,感染の急性期にあるもの,瘻孔部に腫瘍が浸潤しているものなどを除いた多くの症例で,手術的治療をすることなく,短期間で瘻孔を治癒させることが可能であり,きわめて有効な治療法である.
著者
真部 淳
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.153-158, 2019

<p>古来,医学に関するさまざまな書物が著されてきたが,論文の評価あるいは科学誌における査読,すなわちpeer reviewのシステムが確立されたのは16世紀の英国であり,さほど長い歴史を有するものではない.さて,医学・医療における新知見をどのように発表するか.日本語論文と英語論文の違いは前者に比べて後者が格段に多くの読者を得られることにある.本稿では英語論文を書くにあたってのコツを論じる.また,最近のトピックスとして不正行為(misconduct)がある.不正行為が明らかになると,論文の撤回(retraction)に至る.剽窃・盗用(plagiarism:他論文からの無断引用)は不正行為とみなされ,論文はrejectされる.捏造(fabrication)・改ざん(falsification)はすぐには発覚しなくとも,論文が受理されて世の中に出た後に,他の研究者が同じ結果を再現できないことにより問題になる.一度不正行為を行うと,科学の世界から永久に追放されると考えるべきである.とはいっても,本当に誤りを発表してしまうこともあるかもしれない.その場合には誠実な誤り(honest error)として自ら論文を撤回することが可能である.最後に,査読を引き受ける際の注意点を論じる.</p>
著者
山本 聡 牧野 雄一 清水 太一 川本 祥太郎 小野木 真哉 桝田 晃司
出版者
一般社団法人 日本コンピュータ外科学会
雑誌
日本コンピュータ外科学会誌 (ISSN:13449486)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.15-22, 2021 (Released:2021-02-04)
参考文献数
22

The purpose of this study is to develop a support software to place ultrasound transducer, which produces local acoustic radiation force, for active induction of a micro object, representing a thin catheter, through blood vessel network. First, based on the image analysis of 3D blood vessel network, which was obtained using echography, the system calculates the possible area of the ultrasound transducer to be able to induce a micro object to desired path in blood vessel network. Meanwhile, due to the shape of body surface and the position of the ribs, which was obtained by an optical position sensor, the common area with the body surface was derived. Then, considering the position and the movable area of the robot, which grasps and moves the ultrasound transducer, the system indicates the candidate commands for the robot. To verify the system performance, we have conducted a simulation for active induction experiment of thin catheter through blood vessel network of a normal volunteer subject. As the result, we confirmed the variation of the thin catheter induction according to both body posture and breathing condition.
著者
諸橋 義雄
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉醫學會雜誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.7, no.11, pp.1392-1409, 1929-11-28

家兎ヲ豫メ大膓菌ヲ以テ免疫シ、其家兎血淸ガ一定ノ凝集價ニ上昇シタル時種々ナル時機ニ於テ、オムナヂン、ヒリン、ヤトレンカゼイン等ヲ注射シタルニ、是等ハ凡テ非特異性剌戟トシテ作用シ、凝集價ノ上昇スルヲ認メタリ。然シテコノ非持異性物質ノアルモノニ於テハ、特異性ノ免疫機轉ニ於ケルガ如キ陰性期トモ言フベキ時機アリ、即チ注射直後、一時凝集價ノ下降スルコトアリ。次デ徐々ニ又ハ急激ニ上昇ス。特ニオムナヂンニ於テ觀察スルニ、オムナヂンヲ連日動物ニ注射スレバ、凝集價ハ少シモ上昇セズ、却テ下隆スルガ如キ傾キアリ。(自抄)新字体抄録:家兎ヲ予メ大膓菌ヲ以テ免疫シ、其家兎血淸ガ一定ノ凝集価ニ上昇シタル時種々ナル時機ニ於テ、オムナヂン、ヒリン、ヤトレンカゼイン等ヲ注射シタルニ、是等ハ凡テ非特異性剌戟トシテ作用シ、凝集価ノ上昇スルヲ認メタリ。然シテコノ非持異性物質ノアルモノニ於テハ、特異性ノ免疫機転ニ於ケルガ如キ陰性期トモ言フベキ時機アリ、即チ注射直後、一時凝集価ノ下降スルコトアリ。次デ徐々ニ又ハ急激ニ上昇ス。特ニオムナヂンニ於テ観察スルニ、オムナヂンヲ連日動物ニ注射スレバ、凝集価ハ少シモ上昇セズ、却テ下隆スルガ如キ傾キアリ。(自抄)
著者
伊藤 登茂子 浅沼 義博 白川 秀子 久米 真 ITO Tomoko ASANUMA Yoshihiro SHIRAKAWA Hideko KUME Makoto
出版者
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻
雑誌
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 (ISSN:18840167)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.29-36, 2009-10-01

膵癌の治療成績は不良であり, 現在においても, 膵頭部癌切除例の生存期間の中央値は12.3ヶ月, 5年生存率は13.0%と低値である. 浸潤性膵管癌は膵癌の大多数を占めるものであるが, 同診断により手術を受けたのち, 19年が経過したサバイバーに, 病気との向き合い方についてインタビューする機会を得た.1) 疾病の理解, 2) 病気に対する自分自身の構え, 3) 病気への対処行動と予防行動について, その語りを健康生成論的視点で分析したところ, 首尾一貫して健康のベクトルを健康軸に向けるよう, 自分はこれでは死なないと信じて, 病名告知がない状況で自ら文献を調べて疾患を理解し, 回復手段を考え, 便秘やガス貯留が無いように代替療法を取り入れるなど, 主体的かつ積極的に過ごしてきたことが分かった. また, 入院中の生活で感じたさまざまな不合理や, 職業的背景や価値観を尊重した対応がされなかった際に感じた疎外感については, 今後のケアで留意すべき示唆となった.\nThe prognosis of invasive ductal pancreatic cancer is not satisfactory even at present. The median survival is reportedly 12.3 months, and 5 year survival rate is as low as 13.0% in patients who underwent pancreatoduodenectomy.We interviewed a pancreatic cancer patient who survived for more than 19 years following pancreatoduodenectomy, with regard to the way he coped with the disease. We have analyzed the interviewfrom a salutogenic standpoint such as 1) understanding of the disease, 2) his own preparedness, 3) manageability and preventive approach to the disease.As the result, we realized that he maintained a proactive and positive attitude : he had a strong sense of coherence to maintain his health, he believed that he would not die from the disease, he examined the literature to comprehend the disease (since informed consent had not been achieved sufficiently in those days), and he managed constipation and abdominal distension well by resistance training, special supplements and devised abdominal massage. Furthermore, he sometimes felt irrational and alienated during his hospitalization, because his value judgment fostered through his long career of journalist was not respected during his treatment. This should be given consideration in future.
著者
春風亭一柳著
出版者
晩声社
巻号頁・発行日
1980
著者
青木 幸子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, 2018

<目的><br> 2011年3月11日の東日本大震災から7年が経過した。復興した町や人々の生活の様子が伝えられる中、避難生活を余儀なくさせられて人々もいる。災害遺構の保存が進む一方で、被災地の人々からは災害の風化を懸念する声も聞こえる。被害の爪あとは世代を超えて建物や人の心に受け継がれていく。<br> 家庭科は日々の生活を健康・安全・快適に営むために、実践的・体験的な学習活動により知識・技能の習得とともに、人や環境への影響を考えて自律的に生活を創造していく自立と共生の能力を育成することを目指している。現在、高等学校の約8割が「家庭基礎」を選択しており、4単位から2単位への履修単位減は、衣生活や住生活分野をはじめとした学習内容の削減、実習や交流体験、調べ学習・発表・話し合いなど生徒が主体的に取り組む学習活動の削減となって教育現場に大きな影響を及ぼしている。<br> このような授業時数の制約の中で、筆者は生徒が意欲を持って主体的に学習活動に取り組み、生活を体系的に理解し、学習成果を生活の改善向上に適用していく能力を習得するための一方策としてトピック学習による可能性を示唆してきた。トピック学習は、学習者の興味・関心や生活知を尊重して学習分野を固定せずに内容を構成し、学習者による個別・具体的な学習活動を特徴としている。<br> 本稿は、主に住生活分野で担われている防災対策を複数の分野にわたる取り組みを通して、生活の体系的な理解と多角的なリスク認識の可能性について、高校生を対象とした授業分析を通してトピック学習の効果を検証することを目的とする。<br><方法><br>1.埼玉県立高校Bにおいて、学校長・家庭科教員の承諾を得て、2年生を対象に「家庭基礎」で授業研究を実施した。<br>授業前に「『生活のリスク管理』に関する意識調査」「ひらめき連想調査」を、授業後に「『生活上のリスクを考える』学習終了後の調査」を実施した。3つの調査および調べ学習、発表、相互評価を取り入れた授業中のワークシートなどすべて提出した6クラス205票を有効票とし、分析の対象とした。<br>2. 生涯に起こる可能性のあるリスクのうち高校生に比較的身近なリスクを対象に事前調査を行い、リスクに関する意識について中学生を対象とした先行研究の結果と比較し、特徴や傾向について把握する。<br>3.事前調査およびワークシート、授業後の調査結果を分析し、災害のリスク要因について認識の変化と授業の効果を分析し、トピック学習の可能性について検討する。<br><結果と考察><br>1. 予想される生活上のリスクのうち、高校生は「生活への被害の程度」について10項目すべてが4段階評価で平均値3.0以上であった。自然災害のリスクは3.38と中学生の3.61よりは低かった。しかし、環境問題、インターネット上の問題、健康問題のリスク意識は、中学生を上回っていた。<br>2. 自然災害のリスクに対する備えとして、非常用の水・食料や非常持ち出し袋の準備、避難場所とルートの確認の認識は高かったが、家族での話し合いや防災訓練への参加は若干低かった。<br>3. 授業前の「ひらめき連想調査」において、授業内容に関するキーワードは一人当たり平均6.44個であったが、授業後のキーワードは8.29個であった。キーワードの増加は、災害に関連するリスクへの認識が拡大したことを意味する。また、授業内容を踏まえ、自身が関心のあるリスクを記した者が12名おり、キーワードは一人当たり6.58個であった。<br>4. 授業後の学習内容と学習方法に関する6項目の評価について、「とても効果があった」「やや効果があった」と肯定的にとらえていた生徒は92.7~99.5%であった。<br>5. 生活に根ざした内容と実感的理解を促進する主体的・体験的な学習活動を特徴とするトピック学習の効果が認められた。
著者
あべ松 昌彦 Hsieh Jenny Gage Fred H. 河野 憲二 中島 欽一
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第35回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.41, 2008 (Released:2008-06-25)

遺伝子発現はクロマチンを構成するヒストンのアセチル化や脱アセチル化によってそれぞれ正、負に精妙に制御されている。我々はヒストン脱アセチル化酵素阻害剤により神経幹細胞内のヒストンアセチル化状態を亢進させ、それが分化に及ぼす影響を検討した。実験には長らく抗癲癇薬として利用され最近ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤としての活性が明らかにされたバルプロ酸を使用した。その結果、バルプロ酸による神経幹細胞の劇的なニューロン分化促進が観察された。さらに神経幹細胞の分化をグリア細胞(アストロサイト及びオリゴデンドロサイト)へと向かわせる培養条件下においてもバルプロ酸はグリア細胞分化を阻害しつつニューロン分化を促進できることが分かった。ところで、損傷脊髄などでは神経幹細胞からアストロサイトへの分化を誘導するIL-6を含めた炎症性サイトカインの高発現が誘導される。そのため内在性及び移植神経幹細胞のほとんどがアストロサイトへと分化してしまい、結果としてグリア性瘢痕を形成することで、ニューロン新生や軸索伸長が妨げられてしまうという問題点が明らかとなっている。そこで我々は「アストロサイト分化を抑制し、ニューロン分化を促進できる」というバルプロ酸の作用に着目した。そこで、脊髄損傷モデルマウスにバルプロ酸処理した神経幹細胞を移植したところ、通常はほとんど見られないニューロンへの分化が観察され、また非移植対照に比して顕著な下枝機能回復が見られた。以上の結果は、抗てんかん薬バルプロ酸の新たな用途として、損傷神経機能回復へと応用できる可能性を示唆している。