著者
カラーヌワット タリン 北本 朝展
雑誌
じんもんこん2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3-10, 2020-12-05

人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)と国文学研究資料館が2016年に日本古典籍くずし字データセットを公開した後,くずし字認識研究は大きく進展した.そして2019年のKaggleくずし字認識コンペティションを経て,CODHはKuroNetくずし字認識サービスを公開した.本論文はこうした流れを振り返り,くずし字認識と物体検出アルゴリズムの関係,KuroNetの進化,くずし字認識のサービス化,Kaggleコンペの教訓,くずし字認識スマホアプリの開発,くずし字認識研究の課題とデータセットの拡大など,くずし字研究の多岐にわたる展開をまとめる.
著者
市野 美夏 増田 耕一 北本 朝展
雑誌
じんもんこん2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.31-38, 2020-12-05

「れきすけ」とは,史料を利用するさまざまな分野の研究者をはじめとする史料に関わる人々が,協働して史料の知識や経験を共有するプラットフォームである.複数の情報提供者によるデータ構築,複雑な史料のデータ構造,多分野で利用するための時空間情報など,史料の情報共有における課題と,研究データである側面における課題の双方を解決するため,情報を複数のカードに分けた,データベースとそのためのユーザインターフェースを構築した.
著者
山崎 貴子
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.41, 2003

学習塾の全国的な動向を分析し、次に京都市右京区を事例地域として、学習塾の立地場所・立地形態等の変化、および生徒の属性などを検討した。 その結果、以下のことが明らかになった。 1 大手学習塾の多くは、高度経済成長期から安定成長期に創立され、規模が拡大している。学齢期人口の増加および高学歴化などにより、営利性が高まったことが要因と考えられる。 2 学齢期人口と学習塾の件数との関係は、大都市レベルではほぼ正の相関関係にある。しかし、京都市を例とした都市内レベルでの検討によると、交通の至便性および地域の教育水準が関与しており、両者の相関関係は低くなる。 3 京都市右京区にある学習塾は、「単体開設」の学習塾が住居系用地にある「自己所有」の物件を利用して展開するタイプから、「複数開設」の学習塾が商工業系用地にある物件に「テナント」として入居し展開するタイプに変化してきている。 4 学習塾は、様々なニーズに対応するため、対象学年の広範囲化、小学生の英語教育、さらに個別指導の強化など、多様な事業を展開している。 5 学習塾の選択背景には、居住地からの距離や交通手段、および学習塾の教育方針が関わっている。 完全学校週5日制の実施および教育内容の削減などにより、教育機関としての学習塾の役割は、ますます大きくなると思われる。また、学習塾を含む民間教育機関、学校および地域の連携の動きがみられ、民間教育機関が地域の中で果たす役割も注目されている。民間教育機関の情報公開の消極性が克服されれば、地理学からの教育に関する研究のさらなる発展が望めよう。
著者
薬袋 秀樹
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.63-78, 1997-06-30 (Released:2017-08-03)

図書館法第4条, 第5条, 第13条は公立図書館の専門的職員の職務, 資格, 配置について規定している。本稿の目的は, これらの条文の趣旨と問題点を, 関係文献の検討と学芸員, 社会教育主事等との比較によって明らかにすることである。結果として次の5点が明らかになった。(1) 司書・司書補の職務内容, 等級と職務分担, 資格の要件と取得方法, 配置のいずれの点にも不十分な点が見られる。(2) 資格取得に必要な学歴水準が低いにもかかわらず, 取得方法が弾力性に欠ける。(3) 判断を要しない職務を担当する職員に関する有効な規定がない。(4) 重要な文書である「司書および司書補の職務内容」が取り上げられてこなかった。(5) 社会教育主事, 学芸員等の他の専門的職員との比較が行われてこなかった。
著者
矢澤 久史
出版者
名古屋短期大学
雑誌
名古屋短期大学研究紀要 = BULLETIN OF NAGOYA COLLEGE (ISSN:0286777X)
巻号頁・発行日
no.57, pp.15-25, 2019-03-16

全日本大学選手権に常時出場しているチームの女子スポーツ選手に対し、指導者の教え方がやる気にどのように影響するかを調査した。調査の結果、やる気が高まる教え方は、「うまいプレーに対してほめる」、「自信を持たせてくれる」、「信じてくれる」などであり、指導者からほめられたり、自分自身のことを認められた時に選手はやる気を出すことが分かった。一方、「プレーを全否定される」、「決めつける」、「意見を言っても全否定する」など、指導者が選手に対して否定的であった場合にはやる気得点が低くなることが示された。
著者
早川 公 近藤 友大
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies (ISSN:09153586)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.21-37, 2020-10-31

This paper examines the significance of interdisciplinary fieldwork, which enables the co-creation of local resources, through the presentation of its specific characteristics. Specifically, the authors take the example of an academic research project on a target society in the Globally Important Agricultural Heritage Systems (GIAHS) area of Miyazaki Prefecture, which they are involved in, and confirm the process through which local resources were embodied in the project among local residents, government officials, and researchers. In addition, the project will be examined from the perspective of co-creation, which will contribute to the improvement of future crossdisciplinary collaboration projects.
著者
尾辻 健太 二村 昌樹 漢人 直之 林 啓一 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.971-982, 2011-08-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
35
被引用文献数
2

【目的】即時型小麦アレルギーに対するω-5グリアジン特異的IgE抗体(以下,ω-5グリアジンIgE)検査の診断的価値を検討する.【方法】2008年1月〜10月に当科で小麦特異的IgE抗体(以下,小麦IgE)検査を施行した全症例でω-5グリアジンIgEを測定し,小麦経口負荷試験又は病歴に基づいた小麦アレルギーの診断との関連を検討した.解析対象者は233人(年齢中央値3.6歳),小麦アレルギー群59人,非小麦アレルギー群174人であった.【結果】小麦アレルギー群の割合は,ω-5グリアジンIgEクラス2(n=31)で68%,クラス3(n=15)で87%,クラス4以上の3人は100%であった.一方小麦アレルギー群でも陰性(<0.35U_A/ml)を示す患児が24%存在した.これらのデータを元に,ω-5グリアジンIgEのプロバビリティーカーブを作成した.【結語】ω-5グリアジンIgE抗体は,小麦アレルギーの診断に高い陽性的中率を示すが,診断感度の低さから,必ず小麦IgEと併せて評価すべきである.
著者
植木 久行
出版者
中國詩文研究會
雑誌
中國詩文論叢 (ISSN:02874342)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-12, 1992-10-31
著者
安藤司文
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.75(1991-ICS-078), pp.1-10, 1991-09-12

本研究では,人間の頭の中にある概念構造を記号化して取り出したものを意味言語となずけ,この意味言語を用いて,自然言語の中に存在する知的なメカニズムを解明しようとしている.本論文では,次のことが明らかになった.即ち,ある自然文を意味言語に変換し,その意味言語において下位?左側優先のルールに従って,格構造を論理構造(論理構造)に変換し,さらに固有名詞を変数名詞に,また時間,空間に関する単語をデフォルト値に変更することによって,この自然文からいくつかの仮説が生成できる.
著者
Hiroki Usuku Eiichiro Yamamoto Masato Nishi Takashi Komorita Masafumi Takae Taiki Nishihara Fumi Oike Masanobu Ishii Koichiro Fujisue Daisuke Sueta Satoshi Araki Seiji Takashio Seitaro Oda Yohei Misumi Mitsuharu Ueda Taishi Nakamura Hiroaki Kawano Hirofumi Soejima Kenji Sakamoto Koichi Kaikita Yukio Ando Hirotaka Matsui Kenichi Tsujita
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Reports (ISSN:24340790)
巻号頁・発行日
vol.2, no.12, pp.730-738, 2020-12-10 (Released:2020-12-10)
参考文献数
27

Background:Using transthoracic echocardiography, including 2D speckle tracking imaging (STI), this study examined cardiac function after domino liver transplantation (DLT) with liver grafts explanted from patients with hereditary amyloidogenic transthyretin amyloidosis.Methods and Results:In all, 14 patients who underwent DLT at Kumamoto University Hospital and for whom 2D STI information was available were enrolled in the study; time-dependent echocardiographic changes were evaluated in 7. Although left ventricular (LV) systolic and diastolic function did not differ between the pre- and post-DLT periods (mean [±SD] 5.4±1.0 years after DLT), there were significant (P<0.05 for all) increases in the post- vs. pre-DLT period in basal longitudinal strain (LS; −13.4±2.3 vs. −19.3±4.4), relative apical LS index (=apical LS/[basal LS+mid LS]; 0.75±0.20 vs. 0.58±0.08), and LV ejection fraction/global LS (3.91±0.58 vs. 3.06±0.44). Age at the time of DLT was significantly higher in the group with impaired (>−14%) than preserved basal LS (57.2±3.5 vs. 39.6±16.0 years; P<0.05). When control subjects (n=14) were added to the enrolled DLT recipients, multivariable logistic regression analysis revealed that a history of DLT was significantly associated with impaired basal LS (>−14%; odds ratio 28.39, 95% confidence interval 1.89–427.45, P<0.05).Conclusions:LV systolic and diastolic function was preserved in the long term after DLT. However, 2D STI revealed subtle cardiac dysfunction in DLT recipients, which may be an early manifestation of cardiac amyloidosis.
著者
吉野 浩一
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, 2003-08-30
参考文献数
1